添付一覧
○「社会福祉法人会計基準の制定について」の一部改正について
(平成27年9月25日)
(/雇児発0925第1号/社援発0925第1号/老発0925第1号/)
(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、厚生労働省社会・援護局長、厚生労働省老健局長通知)
(公印省略)
社会福祉法人の会計処理の基準については、「社会福祉法人会計基準の制定について」(平成23年7月27日雇児発0727第1号、社援発0727第1号、老発0727第1号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、社会・援護局長、老健局長連名通知)により示されているところであるが、「子ども・子育て支援法」(平成24年法律第65号)、「就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律」(平成24年法律第66号)、「子ども・子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(平成24年法律第67号)及び「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律」(平成26年法律第83号)の施行により、標記通知の一部を別添新旧対照表のとおり改正し、平成27年4月1日より適用することとする。ただし、平成28年3月31日(平成27年度決算)までの間は、従前の会計処理によることができるものとする。各都道府県、指定都市及び中核市におかれては、貴管内関係機関及び各社会福祉法人に対し周知徹底を図っていただくとともに、都道府県におかれては、貴管内の市(指定都市及び中核市を除き、特別区を含む。)に対し周知を図るようご配慮願いたい。
[別添]
[改正後全文]
○社会福祉法人会計基準の制定について
(平成23年7月27日)
(/雇児発0727第1号/社援発0727第1号/老発0727第1号/)
(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、厚生労働省社会・援護局長、厚生労働省老健局長通知)
改正 平成25年 3月29日/雇児発0329第24号/社援発0329第56号/老発0329第28号/
同 27年 9月25日/雇児発0925第 1号/社援発0925第 1号/老発0925第 1号/
社会福祉法人の会計処理の基準については、「社会福祉法人会計基準の制定について」(平成12年2月17日社援第310号厚生省大臣官房障害保健福祉部長、社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長連名通知)により示されているところである。
これまで、社会福祉法人における会計処理については、「社会福祉法人会計基準」のほか「指定介護老人福祉施設等会計処理等取扱指導指針」、「介護老人保健施設会計・経理準則」、「就労支援の事業の会計処理の基準」、「経理規程準則」等による財務諸表の作成が認められてきたところであるが、同一法人の中で様々な会計ルールが併存していることにより、事務処理が煩雑である等の問題が指摘されている。
ついては、社会福祉法に規定する財産目録、貸借対照表及び収支計算書の作成に当たっての基準として、別紙のとおり「社会福祉法人会計基準」を新たに定め、平成24年4月1日から適用することとしたので、この円滑な実施につきご配意願いたい。
1 新たな社会福祉法人会計基準(以下「会計基準」という。)の基本的考え方
(1) 社会福祉法人(以下「法人」という。)が行う全ての事業(社会福祉事業、公益事業、収益事業)を適用対象とする。
(2) 法人全体の財務状況を明らかにし、経営分析を可能とするとともに、外部への情報公開に資するものとする。
2 現行基準からの主な変更点
(1) 法人全体での資産、負債等の状況を把握できるようにするため、公益事業及び収益事業を含め、法人で一本の会計単位とすることとした。
(2) 施設・事業所毎の財務状況を明らかにするため、拠点区分を設けることとした。また、施設・事業所内で実施する福祉サービス毎の収支を明らかにするため、サービス区分を設けることとした。
(3) 財務諸表の体系は、資金収支計算書、事業活動計算書、貸借対照表及び財産目録とした。
① 資金収支計算書は、支払資金の収入、支出の内容を明らかにするために作成し、事業活動による収支、施設整備等による収支及びその他の活動による収支に区分するものとした。
② 事業活動計算書は、法人の事業活動の成果を把握するために作成し、サービス活動増減の部、サービス活動外増減の部、特別増減の部及び繰越活動増減差額の部に区分するものとした。
(4) 資金収支計算書、事業活動計算書及び貸借対照表については、事業区分、拠点区分の単位でも作成することとした。
(5) 従来の明細書、別表を整理した上で、重要な資産及び負債等の状況を明確にするために、借入金、寄附金、積立金等についてその内容を明らかにする附属明細書を作成することとした。
(6) 基本金の範囲を法人の設立及び施設整備等、法人が事業活動を維持するための基盤として収受した寄附金に限定し、4号基本金を廃止した。
(7) 引当金の範囲を徴収不能引当金、賞与引当金、退職給付引当金に限定し、その他引当金を廃止した。
(8) 財務情報の透明性を向上させるため、1年基準、時価会計、リース会計などの会計手法を導入した。
3 適用の範囲及び実施時期
(1) 適用の範囲
社会福祉法第44条第2項に定める、法人が毎会計年度終了後二月以内に作成しなければならない財産目録、貸借対照表及び収支計算書は、会計基準により作成するものとし、全ての法人について適用するものとする。
(2) 実施の時期
平成24年4月1日より適用するものとする。
ただし、平成27年3月31日(平成26年度決算)までの間は、従来の会計処理によることができるものとする。
4 従前の通知等の取扱い
(1) 廃止する通知等
以下の通知等は、平成27年3月31日(平成26年度決算)をもって廃止する。
・「社会福祉法人会計基準の制定について」(平成12年2月17日社援第310号厚生省大臣官房障害保健福祉部長、社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長連名通知)
・「社会福祉施設を経営する社会福祉法人の経理規程準則の制定について」(昭和51年1月31日社施第25号厚生省社会局長・児童家庭局長通知)
・「授産会計基準の制定について」(平成13年3月29日社援発第555号厚生労働省社会・援護局長通知)
・「社会福祉法人会計基準の制定について」(平成12年2月17日社援施第6号厚生省大臣官房障害保健福祉部企画課長、社会・援護局企画課長、社会・援護局施設人材課長、老人保健福祉局老人福祉計画課長、児童家庭局企画課長通知)
・「社会福祉法人会計基準への移行に関する留意点について」(平成12年2月17日社援施第8号厚生省大臣官房障害保健福祉部企画課長、社会・援護局企画課長、社会・援護局施設人材課長、老人保健福祉局老人福祉計画課長、児童家庭局企画課長通知)
・「「社会福祉法人会計基準」及び「指定介護老人福祉施設等会計処理等取扱指導指針」等の当面の運用について」(平成12年12月19日社援施第49号、老計第55号厚生省社会・援護局施設人材課長・老人保健福祉局計画課長通知)
・「授産施設会計基準に係る取扱いについて」(平成13年3月29日社援保発第23号、障障発第12号、障精発第18号厚生労働省社会・援護局保護課長、障害保健福祉部障害福祉課長、障害保健福祉部精神保健福祉課長通知)
・「「社会福祉法人会計基準」及び「指定介護老人福祉施設等会計処理等取扱指導指針」の運用に関する疑義回答について」(平成13年2月28日厚生労働省社会・援護局福祉基盤課長・老人保健福祉局計画課長事務連絡)
・「社会福祉法人経営に係る会計総括表の送付について」(平成19年3月30日厚生労働省社会・援護局福祉基盤課課長補佐事務連絡)
(2) 改正通知等
会計基準の制定に伴い、一部改正が必要な主な通知等は以下のとおりであり、追って改正通知を発出する予定である。
・「社会福祉法人の認可について」(平成12年12月1日障第890号、社援第2618号、老発第794号、児発第908号厚生省大臣官房障害保健福祉部長、社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長通知)
・「社会福祉法人指導監査要綱の制定について」(平成13年7月23日雇児発第487号、社援発第1274号、老発第273号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、厚生労働省社会・援護局長、厚生労働省老健局長通知)
・「社会福祉法人が経営する社会福祉施設における運営費の運用及び指導について」(平成16年3月12日雇児発第0312001号、社援発第0312001号、老発第0312001号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、社会・援護局長、老健局長通知)
・「就労支援等の事業に関する会計処理の取扱いについて」(平成18年10月2日社援発第1002001号厚生労働省社会・援護局長通知)
・「社会福祉法人が経営する社会福祉施設における運営費の運用及び指導について」(平成16年3月12日雇児福発第0312002号、社援基発第0312002号、障障発第0312002号、老計発第0312002号厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課長、社会・援護局福祉基盤課長、社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課長、老健局計画課長通知)
・「社会福祉法人における入札契約等の取扱いについて」(平成12年2月17日社援施第7号厚生省大臣官房障害保健福祉部企画課長、社会・援護局企画課長、社会・援護局施設人材課長、老人保健福祉局老人福祉計画課長、児童家庭局企画課長通知)
・「指定介護老人福祉施設等に係る会計処理等の取扱いについて」(平成12年3月10日老計第8号厚生省老人保健福祉局老人福祉計画課長通知)等
(別紙)
社会福祉法人会計基準
目次
第1章 総則
第2章 資金収支計算書
第3章 事業活動計算書
第4章 貸借対照表
第5章 財務諸表の注記
第6章 附属明細書
第7章 財産目録
社会福祉法人会計基準
第1章 総則
1 目的及び適用範囲
(1) この会計基準は、社会福祉法(昭和26年法律第45号。以下「法」という。)第22条に規定する社会福祉法人(以下「社会福祉法人」という。)の財務諸表及び附属明細書並びに財産目録の作成の基準を定め、社会福祉法人の健全なる運営に資することを目的とする。
なお、会計基準に定めのない事項については、一般に公正妥当と認められる社会福祉法人会計の慣行をしん酌しなければならない。
(2) この会計基準は、社会福祉法人が実施する全ての事業を対象とする。
2 一般原則
社会福祉法人は、次に掲げる原則に従って、財務諸表(資金収支計算書、事業活動計算書及び貸借対照表をいう。以下同じ。)及び附属明細書並びに財産目録を作成しなければならない。(注1)
(1) 財務諸表は、資金収支及び純資産増減の状況並びに資産、負債及び純資産の状態に関する真実な内容を明りょうに表示するものでなければならない。
(2) 財務諸表は、正規の簿記の原則に従って正しく記帳された会計帳簿に基づいて作成しなければならない。
(3) 会計処理の原則及び手続並びに財務諸表の表示方法は、毎会計年度これを継続して適用し、みだりに変更してはならない。
(4) 重要性の乏しいものについては、会計処理の原則及び手続並びに財務諸表の表示方法の適用に際して、本来の厳密な方法によらず、他の簡便な方法によることができる。(注2)
3 総額表示
財務諸表に記載する金額は、原則として総額をもって表示しなければならない。
4 会計年度
社会福祉法人の会計年度は4月1日に始まり、翌年3月31日に終わるものとする。
5 事業区分
社会福祉法人は財務諸表作成に関して、社会福祉事業、公益事業、収益事業の区分(以下「事業区分」という。)を設けなければならない。
6 拠点区分・サービス区分
(1) 社会福祉法人は財務諸表作成に関して、実施する事業の会計管理の実態を勘案して会計の区分(以下「拠点区分」という。)を設けなければならない。(注3)
(2) 社会福祉法人は、その拠点で実施する事業内容に応じて区分(以下「サービス区分」という。)を設けなければならない。(注4)
7 内部取引
社会福祉法人は財務諸表作成に関して、内部取引を相殺消去するものとする。(注5)
第2章 資金収支計算書
1 資金収支計算書の内容
資金収支計算書は、当該会計年度におけるすべての支払資金の増加及び減少の状況を明りょうに表示するものでなければならない。
2 資金収支計算書の資金の範囲
前項の支払資金は、流動資産及び流動負債とし、その残高は流動資産と流動負債の差額とする。
ただし、1年基準により固定資産又は固定負債から振替えられた流動資産・流動負債、引当金並びに棚卸資産(貯蔵品を除く。)を除くものとする。(注6)(注7)
3 資金収支計算の方法
資金収支計算は、当該会計年度における支払資金の増加及び減少に基づいて行うものとする。
4 資金収支計算書の区分
資金収支計算書は、当該会計年度における支払資金の増加及び減少の状況について、事業活動による収支、施設整備等による収支及びその他の活動による収支に区分して記載するものとする。
5 資金収支計算書の構成
(1) 事業活動による収支には、経常的な事業活動による収入及び支出(受取利息配当金収入及び支払利息支出を含む。)を記載し、事業活動資金収支差額を記載するものとする。
(2) 施設整備等による収支には、固定資産の取得に係る支出及び売却に係る収入、施設整備等補助金収入、施設整備等寄附金収入及び設備資金借入金収入並びに設備資金借入金元金償還支出等を記載し、施設整備等資金収支差額を記載するものとする。
(3) その他の活動による収支には、長期運営資金の借入れ及び返済、積立資産の積立て及び取崩し、投資有価証券の購入及び売却等資金の運用に係る収入及び支出(受取利息配当金収入及び支払利息支出を除く。)並びに事業活動による収支及び施設整備等による収支に属さない収入及び支出を記載し、その他の活動資金収支差額を記載するものとする。
(4) 事業活動資金収支差額、施設整備等資金収支差額及びその他の活動資金収支差額を合計して当期資金収支差額合計を記載し、これに前期末支払資金残高を加算して当期末支払資金残高として記載するものとする。
(5) 資金収支計算書は、当該会計年度の決算の額を予算の額と対比して記載するものとする。
(6) 決算の額と予算の額の差異が著しい勘定科目については、その理由を備考欄に記載するものとする。
6 資金収支計算書の種類及び様式
(1) 資金収支計算書は、法人全体を表示するものとする。事業区分の情報は、資金収支内訳表及び事業区分資金収支内訳表において表示するものとする。
また、拠点区分別の情報については、拠点区分資金収支計算書において表示するものとする。
(2) 前項のそれぞれの様式は第1号の1様式から第1号の4様式までのとおりとする。
7 資金収支計算書の勘定科目
資金収支計算の内容を明りょうに記録するため、資金収支計算書に記載する勘定科目は別に定めるとおりとする。
8 共通収入支出の配分
資金収支計算を行うに当たっては、事業区分、拠点区分又はサービス区分に共通する収入及び支出を、合理的な基準に基づいて配分するものとする。(注8)
第3章 事業活動計算書
1 事業活動計算書の内容
事業活動計算書は、当該会計年度における純資産のすべての増減内容を明りょうに表示するものでなければならない。
2 事業活動計算の方法
事業活動計算は、当該会計年度における純資産の増減に基づいて行うものとする。
3 事業活動計算書の区分
事業活動計算書は、サービス活動増減の部、サービス活動外増減の部、特別増減の部及び繰越活動増減差額の部に区分するものとする。
4 事業活動計算書の構成
(1) サービス活動増減の部には、サービス活動による収益及び費用を記載してサービス活動増減差額を記載するものとする。
なお、サービス活動費用に減価償却費等の控除項目として、国庫補助金等特別積立金取崩額を含めるものとする。(注9)(注10)
(2) サービス活動外増減の部には、受取利息配当金、支払利息、有価証券売却損益並びにその他サービス活動以外の原因による収益及び費用であって経常的に発生するものを記載し、サービス活動外増減差額を記載するものとする。(注14)
(3) サービス活動増減差額にサービス活動外増減差額を加算したものを、経常増減差額として記載するものとする。
(4) 特別増減の部には、第4章第4第2項に規定する寄附金、第4章第4第3項に規定する国庫補助金等の収益、固定資産売却等に係る損益、事業区分間又は拠点区分間の繰入れ及びその他の臨時的な損益(金額が僅少なものを除く。)を記載し、第4章第4第2項に規定する基本金の組入額及び第4章第4第3項に規定する国庫補助金等特別積立金の積立額を減算して、特別増減差額を記載するものとする。
なお、国庫補助金等特別積立金を含む固定資産の売却損・処分損を記載する場合は、特別費用の控除項目として、国庫補助金等特別積立金取崩額を含めるものとする。(注10)(注11)(注12)(注13)
(5) 経常増減差額に前項の特別増減差額を加算したものを、当期活動増減差額として記載するものとする。
(6) 繰越活動増減差額の部は、前期繰越活動増減差額、基本金取崩額、第4章第4第4項に規定するその他の積立金積立額、その他の積立金取崩額を記載し、当期活動増減差額に当該項目を加減したものを、次期繰越活動増減差額として記載するものとする。(注13)
5 事業活動計算書の種類及び様式
(1) 事業活動計算書は、法人全体を表示するものとする。事業区分の情報は、事業活動内訳表及び事業区分事業活動内訳表において表示するものとする。
また、拠点区分別の情報については、拠点区分事業活動計算書において表示するものとする。
(2) 前項のそれぞれの様式は第2号の1様式から第2号の4様式までのとおりとする。
6 事業活動計算書の勘定科目
事業活動計算の内容を明りょうに記録するため、事業活動計算書に記載する科目は、別に定めるとおりとする。
7 共通収益費用の配分
事業活動計算を行うに当たっては、事業区分、拠点区分又はサービス区分に共通する収益及び費用を、合理的な基準に基づいて配分するものとする。(注8)
第4章 貸借対照表
1 貸借対照表の内容
貸借対照表は、当該会計年度末現在におけるすべての資産、負債及び純資産の状態を明りょうに表示するものでなければならない。
2 貸借対照表の区分
貸借対照表は、資産の部、負債の部及び純資産の部に分かち、更に資産の部を流動資産及び固定資産に、負債の部を流動負債及び固定負債に区分しなければならない。(注7)
3 貸借対照表価額
(1) 資産の貸借対照表価額は、原則として、当該資産の取得価額を基礎として計上しなければならない。受贈、交換によって取得した資産の取得価額は、その取得時における公正な評価額とする。(注9)(注14)(注15)
(2) 受取手形、未収金、貸付金等の債権については、取得価額から徴収不能引当金を控除した額をもって貸借対照表価額とする。
(3) 満期まで所有する意思をもって保有する社債その他の債券(以下「満期保有目的の債券」という。)等については、取得価額をもって貸借対照表価額とする。満期保有目的の債券等以外の有価証券のうち市場価格のあるものについては、時価をもって貸借対照表価額とする。(注16)
(4) 棚卸資産については、取得価額をもって貸借対照表価額とする。ただし、時価が取得価額よりも下落した場合には、時価をもって貸借対照表価額とする。
(5) 有形固定資産及び無形固定資産については、その取得価額から減価償却累計額を控除した価額をもって貸借対照表価額とする。(注17)
(6) 資産の時価が著しく下落したときは、回復の見込みがあると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額としなければならない。ただし、有形固定資産及び無形固定資産について使用価値を算定でき、かつ使用価値が時価を超える場合には、取得価額から減価償却累計額を控除した価額を超えない限りにおいて使用価値をもって貸借対照表価額とすることができるものとする。(注18)
(7) 引当金として計上すべきものがある場合には、当該内容を示す科目を付して、その残高を負債の部に計上又は資産の部の控除項目として記載するものとする。(注19)
4 純資産
(1) 純資産の区分
貸借対照表の純資産は、基本金、国庫補助金等特別積立金、その他の積立金及び次期繰越活動増減差額に区分するものとする。
(2) 基本金
基本金には、社会福祉法人が事業開始等に当たって財源として受け取った寄附金の額を計上するものとする。(注12)(注13)
(3) 国庫補助金等特別積立金
国庫補助金等特別積立金には、施設及び設備の整備のために国又は地方公共団体等から受領した補助金、助成金及び交付金等(以下「国庫補助金等」という。)の額を計上するものとする。(注10)(注11)
(4) その他の積立金
その他の積立金には、将来の特定の目的の費用又は損失に備えるため、理事会の議決に基づき事業活動計算書の当期末繰越活動増減差額から積立金として積み立てた額を計上するものとする。(注20)
5 貸借対照表の種類及び様式
(1) 貸借対照表は、法人全体を表示するものとする。事業区分の情報は、貸借対照表内訳表及び事業区分貸借対照表内訳表において表示する。
また、拠点区分別の情報については、拠点区分貸借対照表を作成するものとする。
(2) 前項のそれぞれの様式は第3号の1様式から第3号の4様式までのとおりとする。
6 貸借対照表の勘定科目
資産、負債及び純資産の内容を明りょうに記録するため、貸借対照表に記載する勘定科目は、別に定めるとおりとする。
第5章 財務諸表の注記
財務諸表には、次の事項を注記しなければならない。
(1) 継続事業の前提に関する注記
(2) 資産の評価基準及び評価方法、固定資産の減価償却方法、引当金の計上基準等財務諸表の作成に関する重要な会計方針(注21)
(3) 重要な会計方針を変更したときは、その旨、変更の理由及び当該変更による影響額
(4) 法人で採用する退職給付制度
(5) 法人が作成する財務諸表等と拠点区分、サービス区分
(6) 基本財産の増減の内容及び金額
(7) 第3章第4(4)及び(6)の規定により、基本金又は国庫補助金等特別積立金の取崩しを行った場合には、その旨、その理由及び金額
(8) 担保に供している資産
(9) 固定資産について減価償却累計額を直接控除した残額のみを記載した場合には、当該資産の取得価額、減価償却累計額及び当期末残高
(10) 債権について徴収不能引当金を直接控除した残額のみを記載した場合には、当該債権の金額、徴収不能引当金の当期末残高及び当該債権の当期末残高
(11) 満期保有目的の債券の内訳並びに帳簿価額、時価及び評価損益
(12) 関連当事者との取引の内容(注22)
(13) 重要な偶発債務
(14) 重要な後発事象(注23)
(15) その他社会福祉法人の資金収支及び純資産増減の状況並びに資産、負債及び純資産の状態を明らかにするために必要な事項(注24)
第6章 附属明細書
1 附属明細書の内容
附属明細書は、当該会計年度における資金収支計算書、事業活動計算書及び貸借対照表に係る事項を表示するものとする。
2 附属明細書の構成
(1) 附属明細書は、資金収支計算書、事業活動計算書及び貸借対照表の内容を補足する重要な事項を表示しなければならない。
(2) 作成すべき附属明細書は以下のとおりとする。
・基本財産及びその他の固定資産(有形・無形固定資産)の明細書(注25)(別紙1)
・引当金明細書(別紙2)
・拠点区分資金収支明細書(別紙3)
・拠点区分事業活動明細書(別紙4)
・その他重要な事項に係る明細書
第7章 財産目録
1 財産目録の内容
財産目録は、当該会計年度末現在におけるすべての資産及び負債につき、その名称、数量、金額等を詳細に表示するものとする。
2 財産目録の区分
財産目録は、貸借対照表の区分に準じ、資産の部と負債の部に区分し、純資産の額を示すものとする。
3 財産目録の金額
財産目録の金額は、貸借対照表記載の金額と同一とする。
4 財産目録の種類及び様式
財産目録は、法人全体を表示するものとする。その様式は、別紙5のとおりとする。
社会福祉法人会計基準注解
*社会福祉法人会計基準を以下、会計基準と呼称する。
(注1) 財務諸表について
第1章第2に規定する資金収支計算書には資金収支内訳表、事業区分資金収支内訳表及び拠点区分資金収支計算書を含み、事業活動計算書には事業活動内訳表、事業区分事業活動内訳表及び拠点区分事業活動計算書を含み、貸借対照表には貸借対照表内訳表、事業区分貸借対照表内訳表及び拠点区分貸借対照表を含むものとする。以下同じ。
(注2) 重要性の原則の適用について
重要性の原則の適用例としては、次のようなものがある。
(1) 消耗品、貯蔵品等のうち、重要性が乏しいものについては、その買入時又は払出時に費用として処理する方法を採用することができる。
(2) 保険料、賃借料、受取利息配当金、借入金利息、法人税等にかかる前払金、未払金、未収金、前受金等のうち重要性の乏しいもの、または毎会計年度経常的に発生しその発生額が少額なものについては、前払金、未払金、未収金、前受金等を計上しないことができる。
(3) 引当金のうち、重要性の乏しいものについては、これを計上しないことができる。
(4) 取得価額と債券金額との差額について重要性が乏しい満期保有目的の債券については、償却原価法を適用しないことができる。
(5) ファイナンス・リース取引について、取得したリース物件の価額に重要性が乏しい場合、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うことができる。
(6) 法人税法上の収益事業に係る課税所得の額に重要性が乏しい場合、税効果会計を適用しないで、繰延税金資産又は繰延税金負債を計上しないことができる。
なお、財産目録の表示に関しても重要性の原則が適用される。
(注3) 拠点区分の方法について
拠点区分は、原則として、予算管理の単位とし、一体として運営される施設、事業所又は事務所をもって1つの拠点区分とする。具体的な区分については、法令上の事業種別、事業内容及び実施する事業の会計管理の実態を勘案して区分を設定するものとする。
(注4) サービス区分の方法について
サービス区分は、その拠点で実施する複数の事業について法令等の要請により会計を区分して把握すべきものとされているものについて区分を設定するものとする。例えば、以下のようなものがある。
(1) 指定居宅サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準その他介護保険事業の運営に関する基準における会計の区分
(2) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準における会計の区分
(3) 子ども・子育て支援法に基づく特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準における会計の区分
また、その他の事業については、法人の定款に定める事業ごとに区分するものとする。サービス区分を設定する場合には、拠点区分資金収支明細書及び拠点区分事業活動明細書を作成するものとし、またサービス区分を予算管理の単位とすることができるものとする。
(注5) 内部取引の相殺消去について
当該社会福祉法人が有する事業区分間、拠点区分間において生ずる内部取引について、異なる事業区分間の取引を事業区分間取引とし、同一事業区分内の拠点区分間の取引を拠点区分間取引という。同一拠点区分内のサービス区分間の取引をサービス区分間取引という。
事業区分間取引により生じる内部取引高は、資金収支内訳表及び事業活動内訳表において相殺消去するものとする。当該社会福祉法人の事業区分間における内部貸借取引の残高は、貸借対照表内訳表において相殺消去するものとする。
また、拠点区分間取引により生じる内部取引高は、事業区分資金収支内訳表及び事業区分事業活動内訳表において相殺消去するものとする。当該社会福祉法人の拠点区分間における内部貸借取引の残高は、事業区分貸借対照表内訳表において相殺消去するものとする。
なお、サービス区分間取引により生じる内部取引高は、拠点区分資金収支明細書及び拠点区分事業活動明細書において相殺消去するものとする。
(注6) 支払資金について
資金収支計算書の支払資金とは、経常的な支払準備のために保有する現金及び預貯金、短期間のうちに回収されて現金又は預貯金になる未収金、立替金、有価証券等及び短期間のうちに事業活動支出として処理される前払金、仮払金等の流動資産並びに短期間のうちに現金又は預貯金によって決済される未払金、預り金、短期運営資金借入金等及び短期間のうちに事業活動収入として処理される前受金等の流動負債をいう。ただし、支払資金としての流動資産及び流動負債には、1年基準により固定資産又は固定負債から振替えられたもの、引当金並びに棚卸資産(貯蔵品を除く。)を除くものとする。支払資金の残高は、これらの流動資産と流動負債の差額をいう。
(注7) 資産及び負債の流動と固定の区分について
未収金、前払金、未払金、前受金等の経常的な取引によって発生した債権債務は、流動資産または流動負債に属するものとする。
ただし、これらの債権のうち、破産債権、更生債権等で1年以内に回収されないことが明らかなものは固定資産に属するものとする。
貸付金、借入金等の経常的な取引以外の取引によって発生した債権債務については、貸借対照表日の翌日から起算して1年以内に入金又は支払の期限が到来するものは流動資産又は流動負債に属するものとし、入金又は支払の期限が1年を超えて到来するものは固定資産又は固定負債に属するものとする。
現金及び預貯金は、原則として流動資産に属するものとするが、特定の目的で保有する預貯金は、固定資産に属するものとする。ただし、当該目的を示す適当な科目で表示するものとする。
(注8) 共通支出及び共通費用の配分について
資金収支計算及び事業活動計算を行うに当たって、人件費、水道光熱費、減価償却費等、事業区分又は拠点区分又はサービス区分に共通する支出及び費用については、合理的な基準に基づいて配分することになるが、その配分基準は、支出及び費用の項目ごとに、その発生に最も密接に関連する量的基準(例えば、人数、時間、面積等による基準、又はこれらの2つ以上の要素を合わせた複合基準)を選択して適用する。
一度選択した配分基準は、状況の変化等により当該基準を適用することが不合理であると認められるようになった場合を除き、継続的に適用するものとする。
なお、共通する収入及び収益がある場合には、同様の取扱いをするものとする。
(注9) リース取引に関する会計
1 リース取引に係る会計処理は、原則として以下のとおりとする。
(1) 「ファイナンス・リース取引」とは、リース契約に基づくリース期間の中途において当該契約を解除することができないリース取引又はこれに準ずるリース取引で、借手が、当該契約に基づき使用する物件(以下「リース物件」という。)からもたらされる経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じるコストを実質的に負担することとなるリース取引をいう。
また、「オペレーティング・リース取引」とは、ファイナンス・リース取引以外のリース取引をいう。
(2) ファイナンス・リース取引については、原則として、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行うものとする。
(3) ファイナンス・リース取引のリース資産については、原則として、有形固定資産、無形固定資産ごとに、一括してリース資産として表示する。ただし、有形固定資産又は無形固定資産に属する各科目に含めることもできるものとする。
(4) オペレーティング・リース取引については通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うものとする。
(5) ファイナンス・リース取引におけるリース資産の取得価額及びリース債務の計上額については、原則として、リース料総額から利息相当額を控除するものとする。
2 利息相当額をリース期間中の各期に配分する方法は、原則として、利息法(各期の支払利息相当額をリース債務の未返済元本残高に一定の利率を乗じて算定する方法)によるものとする。
3 リース取引については、以下の項目を財務諸表に注記するものとする。
(1) ファイナンス・リース取引の場合、リース資産について、その内容(主な資産の種類等)及び減価償却の方法を注記する。
(2) オペレーティング・リース取引のうち解約不能のものに係る未経過リース料は、貸借対照表日後1年以内のリース期間に係るものと、貸借対照表日後1年を超えるリース期間に係るものとに区分して注記する。
(注10) 国庫補助金等特別積立金の取崩しについて
国庫補助金等特別積立金は、施設及び設備の整備のために国又は地方公共団体等から受領した国庫補助金等に基づいて積み立てられたものであり、当該国庫補助金等の目的は、社会福祉法人の資産取得のための負担を軽減し、社会福祉法人が経営する施設等のサービス提供者のコスト負担を軽減することを通して、利用者の負担を軽減することである。
したがって、国庫補助金等特別積立金は、毎会計年度、国庫補助金等により取得した資産の減価償却費等により事業費用として費用配分される額の国庫補助金等の当該資産の取得原価に対する割合に相当する額を取り崩し、事業活動計算書のサービス活動費用に控除項目として計上しなければならない。
また、国庫補助金等特別積立金の積立ての対象となった基本財産等が廃棄され又は売却された場合には、当該資産に相当する国庫補助金等特別積立金の額を取崩し、事業活動計算書の特別費用に控除項目として計上しなければならない。
(注11) 国庫補助金等特別積立金への積立てについて
会計基準第4章第4第3項に規定する国庫補助金等特別積立金として以下のものを計上する。
(1) 施設及び設備の整備のために国及び地方公共団体等から受領した補助金、助成金及び交付金等を計上するものとする。
(2) 設備資金借入金の返済時期に合わせて執行される補助金等のうち、施設整備時又は設備整備時においてその受領金額が確実に見込まれており、実質的に施設整備事業又は設備整備事業に対する補助金等に相当するものは国庫補助金等特別積立金に計上するものとする。
また、第4章第4第3項に規定する国庫補助金等特別積立金の積立ては、同項に規定する国庫補助金等の収益額を事業活動計算書の特別収益に計上した後、その収益に相当する額を国庫補助金等特別積立金積立額として特別費用に計上して行う。
(注12) 基本金への組入れについて
会計基準第4章第4第2項に規定する基本金は以下のものとする。
(1) 社会福祉法人の設立並びに施設の創設及び増築等のために基本財産等を取得すべきものとして指定された寄附金の額
(2) 前号の資産の取得等に係る借入金の元金償還に充てるものとして指定された寄附金の額
(3) 施設の創設及び増築時等に運転資金に充てるために収受した寄附金の額
また、基本金への組入れは、同項に規定する寄附金を事業活動計算書の特別収益に計上した後、その収益に相当する額を基本金組入額として特別費用に計上して行う。
(注13) 基本金の取崩しについて
社会福祉法人が事業の一部又は全部を廃止し、かつ基本金組み入れの対象となった基本財産又はその他の固定資産が廃棄され、又は売却された場合には、当該事業に関して組み入れられた基本金の一部又は全部の額を取り崩し、その金額を事業活動計算書の繰越活動増減差額の部に計上する。
(注14) 外貨建の資産及び負債の決算時における換算について
外国通貨、外貨建金銭債権債務(外貨預金を含む。)及び外貨建有価証券等については、原則として、決算時の為替相場による円換算額を付すものとする。
決算時における換算によって生じた換算差額は、原則として、当期の為替差損益として処理する。
(注15) 受贈、交換によって取得した資産について
(1) 通常要する価額と比較して著しく低い価額で取得した資産又は贈与された資産の評価は、取得又は贈与の時における当該資産の取得のために通常要する価額をもって行うものとする。
(2) 交換により取得した資産の評価は、交換に対して提供した資産の帳簿価額をもって行うものとする。
(注16) 満期保有目的の債券の評価について
満期保有目的の債券を債券金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、取得価額と債券金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは、償却原価法に基づいて算定された価額をもって貸借対照表価額としなければならない。
(注17) 減価償却について
(1) 減価償却の対象
耐用年数が1年以上、かつ、使用又は時の経過により価値が減ずる有形固定資産及び無形固定資産(ただし、取得価額が少額のものは除く。以下「償却資産」という。)に対して毎期一定の方法により償却計算を行わなければならない。
なお、土地など減価が生じない資産(非償却資産)については、減価償却を行うことができないものとする。
(2) 減価償却の方法
減価償却の方法としては、有形固定資産については定額法又は定率法のいずれかの方法で償却計算を行う。
また、ソフトウエア等の無形固定資産については定額法により償却計算を行うものとする。
なお、償却方法は、拠点区分ごと、資産の種類ごとに選択し、適用することができる。
(注18) 固定資産の使用価値の見積もりについて
(1) 使用価値により評価できるのは、対価を伴う事業に供している固定資産に限られるものとする。
(2) 使用価値は、資産又は資産グループを単位とし、継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値をもって算定する。
(注19) 引当金について
(1) 将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当該会計年度以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつその金額を合理的に見積もることができる場合には、当該会計年度の負担に属する金額を当該会計年度の費用として引当金に繰り入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部に計上又は資産の部に控除項目として記載する。
(2) 原則として、引当金のうち賞与引当金のように通常1年以内に使用される見込みのものは流動負債に計上し、退職給付引当金のように通常1年を超えて使用される見込みのものは固定負債に計上するものとする。
また、徴収不能引当金は、当該金銭債権から控除するものとする。
(3) 職員に対し賞与を支給することとされている場合、当該会計年度の負担に属する金額を当該会計年度の費用に計上し、負債として認識すべき残高を賞与引当金として計上するものとする。
(4) 職員に対し退職金を支給することが定められている場合には、将来支給する退職金のうち、当該会計年度の負担に属すべき金額を当該会計年度の費用に計上し、負債として認識すべき残高を退職給付引当金として計上するものとする。
(注20) 積立金と積立資産の関係について
当期末繰越活動増減差額にその他の積立金取崩額を加算した額に余剰が生じた場合には、その範囲内で将来の特定の目的のために積立金を積み立てることができるものとする。積立金を計上する際は、積立ての目的を示す名称を付し、同額の積立資産を積み立てるものとする。
また、積立金に対応する積立資産を取崩す場合には、当該積立金を同額取崩すものとする。
(注21) 重要な会計方針の開示について
重要な会計方針とは、社会福祉法人が財務諸表を作成するに当たって、その財政及び活動の状況を正しく示すために採用した会計処理の原則及び手続並びに財務諸表への表示の方法をいう。
なお、代替的な複数の会計処理方法等が認められていない場合には、会計方針の注記を省略することができる。
(注22) 関連当事者との取引の内容について
1 関連当事者とは、次に掲げる者をいう。
(1) 当該社会福祉法人の役員及びその近親者
(2) 前項の該当者が議決権の過半数を有している法人
2 関連当事者との取引については、次に掲げる事項を原則として関連当事者ごとに注記しなければならない。
(1) 当該関連当事者が法人の場合には、その名称、所在地、直近の会計年度末における資産総額及び事業の内容
なお、当該関連当事者が会社の場合には、当該関連当事者の議決権に対する当該社会福祉法人の役員又は近親者の所有割合
(2) 当該関連当事者が個人の場合には、その氏名及び職業
(3) 当該社会福祉法人と関連当事者との関係
(4) 取引の内容
(5) 取引の種類別の取引金額
(6) 取引条件及び取引条件の決定方針
(7) 取引により発生した債権債務に係る主な科目別の期末残高
(8) 取引条件の変更があった場合には、その旨、変更の内容及び当該変更が財務諸表に与えている影響の内容
3 関連当事者との間の取引のうち次に定める取引については、2に規定する注記を要しない。
(1) 一般競争入札による取引並びに預金利息及び配当金の受取りその他取引の性格からみて取引条件が一般の取引と同様であることが明白な取引
(2) 役員に対する報酬、賞与及び退職慰労金の支払い
(注23) 重要な後発事象について
後発事象とは、当該会計年度末日後に発生した事象で翌会計年度以後の社会福祉法人の財政及び活動の状況に影響を及ぼすものをいう。
重要な後発事象は社会福祉法人の状況に関する利害関係者の判断に重要な影響を与えるので、財務諸表作成日までに発生したものは財務諸表に注記する必要がある。
重要な後発事象の例としては、次のようなものがある。
(1) 火災、出水等による重大な損害の発生
(2) 施設の開設又は閉鎖、施設の譲渡又は譲受け
(3) 重要な係争事件の発生又は解決
(4) 重要な徴収不能額の発生
なお、後発事象の発生により、当該会計年度の決算における会計上の判断ないし見積りを修正する必要が生じた場合には、当該会計年度の財務諸表に反映させなければならない。
(注24) その他社会福祉法人の資金収支及び純資産増減の状況並びに資産、負債及び純資産の状態を明らかにするために必要な事項について
会計基準第5章第15号の「その他社会福祉法人の資金収支及び純資産増減の状況並びに資産、負債及び純資産の状態を明らかにするために必要な事項」とは、財務諸表に記載すべきものとして会計基準に定められたもののほかに、社会福祉法人の利害関係者が、当該法人の状況を適正に判断するために必要な事項である。
このような事項は、個々の社会福祉法人の経営内容、周囲の環境等によって様々であるが、その例としては、次のようなものがある。
(1) 状況の変化にともなう引当金の計上基準の変更、固定資産の耐用年数、残存価額の変更等会計処理上の見積方法の変更に関する事項
(2) 法令の改正、社会福祉法人の規程の制定及び改廃等、会計処理すべき新たな事実の発生にともない新たに採用した会計処理に関する事項
(3) 勘定科目の内容について特に説明を要する事項
(4) 法令、所轄庁の通知等で特に説明を求められている事項
(注25) 基本財産及びその他の固定資産(有形・無形固定資産)の明細書
基本財産及びその他の固定資産(有形・無形固定資産)の明細書では、基本財産(有形固定資産)及びその他の固定資産(有形固定資産及び無形固定資産)の種類ごとの残高等を記載するものとする。
なお、有形固定資産及び無形固定資産以外に減価償却資産がある場合には、当該資産についても記載するものとする。
※財務諸表の第1号の1~3様式、第2号の1~3様式は、勘定科目の大区分のみを記載するが、必要のないものは省略することができる。ただし追加・修正はできないものとする。財務諸表の第1号の4様式、第2号の4様式は、勘定科目の小区分までを記載し、必要のない勘定科目は省略できるものとする。また、第3号の1~4様式は、勘定科目の中区分までを記載し、必要のない中区分の勘定科目は省略できるものとする。
※会計基準の別紙3、別紙4については、勘定科目の小区分までを記載し、必要のない勘定科目は省略できるものとする。
※勘定科目の中区分についてはやむを得ない場合、小区分については適当な科目を追加できるものとする。なお、小区分を更に区分する必要がある場合には、小区分の下に適当な科目を設けて処理することができるものとする。
※「水道光熱費(支出)」、「燃料費(支出)」、「賃借料(支出)」、「保険料(支出)」については原則、事業費(支出)のみに計上できる。ただし、措置費、保育所運営費の弾力運用が認められないケースでは、事業費(支出)、事務費(支出)の双方に計上するものとする。
※財務諸表の様式又は運用指針Ⅰ別添3に規定されている勘定科目においても、該当する取引が制度上認められていない事業種別では当該勘定科目を使用することができないものとする。
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第1号の2様式
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第1号の4様式
第2号の1様式
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