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○勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律等の施行について(青少年の雇用の促進等に関する法律等関係)

(平成27年9月30日)

(/職発0930第5号/能発0930第19号/)

(各都道府県労働局長あて厚生労働省職業安定局長・厚生労働省職業能力開発局長通知)

(公印省略)

「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律」(平成27年法律第72号。以下「改正法」という。)については、平成27年9月18日に公布され、同日付け職発0918第1号、能発0918第11号「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律について」により貴職あて通達したところである。

また、「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令」(平成27年政令第352号)、「青少年の雇用の促進等に関する法律施行規則」(平成27年厚生労働省令第155号)、「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令」(平成27年厚生労働省令第156号)及び「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針」(平成27年厚生労働省告示第406号)並びに「職務経歴等記録書の様式を定める件」(平成27年厚生労働省告示第408号)が平成27年9月30日に公布され、同年10月1日から施行・適用されることとされた。

今後、公共職業安定所における求人不受理及び青少年雇用情報の提供に関する規定(改正法第2条関係)については平成28年3月1日から、また、国による無業青少年の職業的自立を支援するための施設の整備等に関する規定(改正法第3条関係)については同年4月1日から施行することとしているところである。

これに伴い、「青少年の雇用の促進等に関する法律第十一条の労働に関する法律の規定等を定める政令」(平成28年政令第4号。以下「求人不受理政令」という。)、「厚生労働省組織令の一部を改正する政令」(平成28年政令第3号)、「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令」(平成28年厚生労働省令第4号。以下「整備省令」という。)、「青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針の一部を改正する告示」(平成28年厚生労働省告示第3号。以下「改正告示」という。)及び「青少年雇用対策基本方針」(平成28年厚生労働省告示第4号。以下「基本方針」という。)が平成28年1月14日に公布され、青少年雇用対策基本方針については平成28年4月1日から、それ以外については同年3月1日から施行・適用されることとされた。

また、キャリアコンサルタント登録制度の創設、及び対人サービス分野等を対象にした技能検定制度の整備(改正法第5条関係。職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)の一部改正)については平成28年4月1日に施行することとなっており、その詳細を定める「職業能力開発促進法施行令の一部を改正する政令」(平成27年政令第424号)が平成27年12月16日に、「職業能力開発促進法施行規則の一部を改正する省令」(平成27年厚生労働省令第175号)が同年12月28日にそれぞれ公布された。

これらの内容については下記のとおりであるので、これに十分留意の上、その円滑な施行について遺漏のないよう特段のご配慮をお願いする。

第1 改正法の背景、趣旨等

働く青少年に対する支援の法的枠組みとして、勤労青少年福祉法(昭和45年法律第98号)の制定以来、福祉施設の設置や余暇活動の振興等が推進されてきたところであるが、同法が制定された高度成長期から今日までの間に、青少年を取り巻く社会経済状況は大きく変化している。

現状において、少子高齢化がさらに進展し、労働力人口の減少が見込まれる中で、次代を担うべき存在として青少年が安定した雇用の中で経験を積みながら職業能力を向上させ、働きがいを持って仕事に取り組んでいくことができる社会を築くことが、我が国の経済社会の発展を図る観点からも重要な課題となっている。

このような状況を踏まえ、青少年の雇用の促進等を図り、その能力を有効に発揮できる環境を整備するため、改正法による改正後の青少年の雇用の促進等に関する法律(以下「新法」という。)を、青少年雇用対策に総合的かつ体系的に取り組むための法律として新たに位置付け、青少年の適職の選択並びに職業能力の開発及び向上に関する措置等を総合的に講ずることとした。これに伴い、本法律は、雇用対策法(昭和41年法律第132号)第4条第6号に規定する青少年の雇用に関する国の施策について、具体的措置を定めた個別法として位置付けられることとなった。

併せて、職業安定法(昭和22年法律第141号)及び職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)についても、青少年に対する就職支援、職業能力の開発及び向上の支援の充実の観点から、必要な見直しを行うこととした。

これらを内容とした改正法が、第189回通常国会に提出され、同国会において成立したものである。

第2 勤労青少年福祉法の一部改正(改正法第1条)

(※ 以下、整備省令による改正後の青少年の雇用の促進等に関する法律施行規則を「施行規則」と、改正告示による改正後の青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針を「指針」という。また、新法及び施行規則の条番号は、平成28年4月1日時点のものとする。)

1 題名及び目的(新法第1条)

(1) 法律の目的等の改正に伴い、題名を「青少年の雇用の促進等に関する法律」に改めること。

(2) この法律の目的として、青少年について、適職の選択並びに職業能力の開発及び向上に関する措置等を総合的に講ずることによって、その雇用の促進、キャリア形成等を図ることを通じて、青少年がその有する能力を有効に発揮することができるようにすること、さらに、青少年の福祉の増進を図るとともに、経済社会の発展に寄与することを定めるものであること。

なお、青少年の具体的な定義は設けられていないが、現在の青少年を巡る雇用情勢や青少年雇用対策の現状を踏まえ、青少年はおおむね35歳未満の者とすること。ただし、個々の施策・事業の運用状況等に応じて、おおむね45歳未満の者についても、その対象とすることは妨げないものとすること。

2 基本的理念(新法第2条及び第3条)

青少年の雇用に関する国及び地方公共団体の施策、事業主の措置等に係る基本的理念として、青少年は、その意欲及び能力に応じて、充実した職業生活を営むとともに、有為な職業人として健やかに成育するように配慮されるべきであることを定めるものであること。

また、関係者による配慮のみならず、青少年である労働者の自覚と自らの努力が重要であることを明確にしたものであること。なお、「青少年である労働者」には、現に働いている者に限らず、求職者や、いわゆるニート等の青少年も含まれるものであること。

3 事業主等の責務、関係者相互の連携及び協力(新法第4条から第7条まで)

(1) 事業主等の責務(新法第4条)

青少年雇用対策の推進に当たっては、事業主の果たす役割が重要であり、新法第3章以下において事業主が講ずべき具体的措置を定めたほか、新法第4条第1項において、事業主の責務を包括的に定めるものであること。

なお、青少年の雇用に係る事業主の責務は、改正法附則第8条による改正前の雇用対策法(以下「旧雇用対策法」という。)第7条において規定されていたところ、同条の規定を削除し、その内容を本規定に位置付けることとしたものであること。

また、新法第4条第2項は、青少年の就職支援、自立促進、能力開発支援等に携わる者として、学校を含めた職業紹介事業者、募集受託者、就職支援サイトなどインターネット等を活用して労働者の募集に関する情報提供を行う事業者、職業訓練機関、地域若者サポートステーションその他の職業能力開発に係る支援機関等の責務を新たに定めるものであること。

(2) 国及び地方公共団体の責務(新法第5条)

雇用対策法第4条及び第5条に規定されている国と地方公共団体の役割分担を踏まえ、青少年の雇用に係る施策の一義的な実施主体として国の責務を明確にするとともに、地方公共団体においても、国の施策と相まって、地域の実情に応じて必要な施策を推進するように努めなければならないことを定めるものであること。

(3) 関係者相互の連携及び協力(新法第6条)

青少年雇用対策の効果的な実施のためには、関係者が相互に連携を図りながら協力するよう努める責務があることを定めるものであること。なお、当該関係者として、(1)及び(2)に掲げる者のほか、在学段階から職業生活への円滑な移行の促進、キャリア教育の推進を通じた職業意識の形成支援等の観点から、学校における支援が重要であることに鑑み、教育機関が含まれることを明確にしたこと。

(4) 指針の策定(新法第7条及び指針)

厚生労働大臣は、(1)の事業主等の責務、並びに(3)の関係者相互の連携及び協力に関して、これらの者が講ずべき具体的な措置に関する指針を策定するものとしたこと。

また、指針の策定に伴い、青少年の雇用機会の確保等に関して事業主が講ずべき具体的な措置について定めた旧雇用対策法第9条に基づく「青少年の雇用機会の確保等に関して事業主が適切に対処するための指針」(平成19年厚生労働省告示第275号)を廃止するものとしたこと。

なお、指針中第2の1(1)ヘの固定残業代については、労働契約において、「固定残業代」と書いていない場合であっても、実態として、割増賃金を定額で支払うこととしている場合には、「定額で支払うこととする労働契約を締結する仕組みを採用する場合」に含まれるものであること。

4 青少年雇用対策基本方針の策定(新法第8条、基本方針)

改正法による改正前の勤労青少年福祉法第6条に規定する勤労青少年福祉対策基本方針に替えて、厚生労働大臣は、新たに、青少年の雇用対策に係る施策の基本となるべき方針(青少年雇用対策基本方針)を策定するものとし、新法第8条に基づき、基本方針を策定するものとしたこと。

5 公共職業安定所による職業指導等の充実(新法第9条及び第10条)

青少年は、一般的に職業経験や職業知識が少なく、適職に就くための情報の収集や活用面で未熟であるケースが多い。さらに、青少年の雇用を巡る現状の課題として、新規学卒段階で未就職のまま学校を卒業する者が多数存在することや、学校中退者の多くが不安定な就業状況にあること、フリーターの割合が緩やかに増加傾向にあることなど、各々の青少年の状況が多様化していることから、青少年の個別の状況に対応したきめ細かな就職支援が必要となっている。

このような現状を踏まえ、公共職業安定所(特に、新卒応援ハローワーク、わかものハローワークその他青少年に対する支援を中心に行う部門)は、新規学校卒業者等であって職業経験がないこと、学校中退者であること、フリーターで不安定な就業を繰り返していること等、青少年の個別の状況に応じた職業指導、職業紹介等の措置を講ずるとともに、その就職後においても、職場定着に向けて必要な支援を行うこととしたものであること。

6 求人不受理の仕組みの創設(新法第11条)

(1) 趣旨、基本的考え方

若者の「使い捨て」が疑われる企業等が社会問題となっているところ、新卒一括採用の慣行の中で、新規学卒時のトラブルは、職業生活に長期的な影響を及ぼすおそれがある。そのため、公的機関である公共職業安定所が、就業を継続する上で問題を抱えることが懸念される労働関係法令違反の求人者からの求人について、学校卒業見込者等(新法第11条に規定する学校卒業見込者等をいう。以下同じ。)に紹介することがないよう、職業安定法第5条の5の規定にかかわらず、そのような求人者からの学校卒業見込者等であることを条件とした求人(以下「学校卒業見込者等求人」という。)を受理しないことができることとしたものであること。

(2) 求人不受理とすることができる場合

公共職業安定所は、求人者が学校卒業見込者等求人の申込みをする場合において、その求人者がした労働に関する法律の規定であって政令で定めるものの違反に関し、法律に基づく処分、公表その他の措置が講じられたとき(厚生労働省令で定める場合に限る。)は、その申込みを受理しないことができると規定している。(新法第11条)

① 学校卒業見込者等の定義(新法第11条、施行規則第1条及び第2条)

学校卒業見込者等とは、具体的には、以下の者が該当すること。

イ 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校(小学校及び幼稚園を除く。以下「学校」という。)及び同法第124条に規定する専修学校(以下「専修学校」という。)の学生又は生徒であって卒業することが見込まれる者

ロ 職業能力開発促進法第15条の7第1項各号に掲げる公共職業能力開発施設(第4号の職業能力開発促進センターを除く。以下「公共職業能力開発施設」という。)又は職業能力開発促進法第27条第1項に規定する職業能力開発総合大学校(以下「職業能力開発大学校」という。)の行う職業訓練を受ける者であって修了することが見込まれるもの

ハ 次に掲げる者であって、学校若しくは専修学校の学生又は生徒であって卒業することが見込まれる者及び公共職業能力開発施設又は職業能力開発総合大学校の行う職業訓練を受ける者であって修了することが見込まれるものに準ずるもの

(i) 学校又は専修学校を卒業した者

(ii) 公共職業能力開発施設又は職業能力開発総合大学校の行う職業訓練を修了した者

(iii) 学校教育法第134条第1項に規定する各種学校(以下「各種学校」という。)に在学する者であって卒業することが見込まれるもの又は各種学校を卒業した者

(iv) 学校若しくは専修学校に相当する外国の教育施設(以下「外国の教育施設」という。)に在学する者であって卒業することが見込まれるもの又は外国の教育施設を卒業した者

② 労働に関する法律の規定であって政令で定めるもの(求人不受理政令第1項)

新法第11条に規定する労働に関する法律の規定であって政令で定めるものは、以下のものであること。

イ 労働基準法(昭和22年法律第49号)

第4条、第5条、第15条第1項及び第3項、第24条、第32条、第34条、第35条第1項、第37条第1項及び第4項、第39条第1項、第2項、第5項及び第7項、第56条第1項、第61条第1項、第62条第1項及び第2項、第63条、第64条の2(第1号に係る部分に限る。)、第64条の3第1項、第65条、第66条並びに第67条第2項の規定(これらの規定を労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)第44条(第4項を除く。)の規定により適用する場合を含む。)

ロ 最低賃金法(昭和34年法律第137号)

第4条第1項の規定

ハ 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号。以下「男女雇用機会均等法」という。)

第5条から第7条まで、第9条第1項から第3項まで、第11条第1項、第12条及び第13条第1項の規定(これらの規定を労働者派遣法第47条の2の規定により適用する場合を含む。)

ニ 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」という。)

第6条第1項、第10条(同法第16条、第16条の4及び第16条の7において準用する場合を含む。)、第12条第1項、第16条の3第1項、第16条の6第1項、第16条の8第1項、第16条の9、第17条第1項(同法第18条第1項において準用する場合を含む。)、第18条の2、第19条第1項(同法第20条第1項において準用する場合を含む。)、第20条の2、第23条、第23条の2、第26条及び第52条の4第2項(同法第52条の5第2項において準用する場合を含む。)の規定

③ 求人の申込みを受理しないことができる場合(施行規則第3条)(参考1参照)

求人の申込みを受理しないことができる場合は、以下のとおりとすること。

なお、経過措置として、違反行為が施行日(平成28年3月1日)より前である場合(下記イのうち、当該違反行為をした日を起算日とする過去1年以内において当該違反行為と同一の行為(同一条項に係る違反行為をいう。以下同じ。)をしたことがある場合については、当該同一の行為が施行日より前である場合)は、不受理の対象とはならないこと。(施行規則附則第2条)

イ 上記②イ又はロに掲げる法律の規定に違反する行為(労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号)第25条の2第1項並びに第34条の3第1項及び第2項の規定に違反する行為を含む。イ及びロにおいて「違反行為」という。)をした場合であって、法第28条による報告の求め(以下「報告の求め」という。)により、学校卒業見込者等求人の申込時において、当該違反行為の是正が行われていないこと又は是正が行われた日から起算して6か月を経過していないことが確認された場合(当該違反行為をした日を起算日とする過去1年以内において当該違反行為と同一の行為をしたことがある場合その他当該違反行為が学校卒業見込者等の職場への定着に重大な影響を及ぼすおそれがある場合に限る。)(施行規則第3条第1号イ)

なお、「当該違反行為が学校卒業見込者等の職場への定着に重大な影響を及ぼすおそれがある場合」とは、具体的には、次に掲げる場合とすること。

(i) 求人不受理の対象となり、是正が行われた日から起算して6か月以内に、再度同一条項に係る違反行為をした場合

(ii) 「違法な長時間労働を繰り返し行う企業の経営トップに対する都道府県労働局長による是正指導の実施及び企業名の公表について」(平成27年5月18日付け基発0518第1号。以下「公表通達」という。)に基づき公表された場合

ロ 違反行為をし、当該違反行為に係る事件が検察官に送致又は送付(以下「送検」という。)され、その旨の公表が行われた場合であって、次のいずれかに該当することが、報告の求めにより確認された場合(施行規則第3条第1号ロ(1)から(3)まで)

(i) 当該送検の日前に当該違反行為の是正が行われた場合(当該違反行為をした日を起算日とする過去1年以内において当該違反行為と同一の行為((i)及び(ii)において「同一違反行為」という。)をしたことがある場合であって、当該違反行為の是正が行われた日から当該送検の日までの期間((i)及び(ii)において「経過期間」という。)が6か月を超えるときに限る。)であって、学校卒業見込者等求人の申込みの時において、当該送検の日から起算して6か月を経過していないこと

(ii) 当該送検の日前に当該違反行為の是正が行われた場合(当該違反行為をした日を起算日とする過去1年以内において同一違反行為をしたことがある場合であって、経過期間が6か月を超えないときに限る。)であって、学校卒業見込者等求人の申込みの時において、当該送検の日から起算して1年から経過期間を減じた期間が経過していないこと

(iii) 当該送検の日前に当該違反行為の是正が行われた場合(当該違反行為をした日を起算日とする過去1年以内において同一違反行為をしたことがある場合を除く。)又は当該送検の日前に当該違反行為の是正が行われていない場合であって、学校卒業見込者等求人の申込みの時において、当該送検の日から起算して1年を経過していないこと、当該違反行為の是正が行われていないこと又は是正が行われた日から起算して6か月が経過していないこと

なお、不起訴とされた場合又は起訴後無罪となった場合は、不受理対象から除外するものとすること。

ハ 上記②ハ又はニに掲げる法律の規定に違反する行為(このハにおいて「違反行為」という。)をし、男女雇用機会均等法第30条の規定による公表又は育児・介護休業法第56条の2の規定による公表がされた場合であって、報告の求めにより、次のいずれかに該当することが確認された場合

(i) 学校卒業見込者等求人の申込時において、当該違反行為の是正が行われていないこと又は是正が行われた日から起算して6か月を経過していないこと

(ii) 当該違反行為の是正が行われた日から起算して6か月を経過する前に当該違反行為と同一の行為(この(ii)において「同一違反行為」という。)を行った場合であって、学校卒業見込者等求人の申込時において、当該同一違反行為の是正が行われていないこと又は是正が行われた日から起算して6か月を経過していないことその他当該同一違反行為が学校卒業見込者等の職場への定着に重大な影響を及ぼすおそれがあること

なお、「その他当該同一違反行為が学校卒業見込者等の職場への定着に重大な影響を及ぼすおそれがある場合」とは、求人不受理の対象となり、是正日から起算して6か月以内に、再度同一違反行為をした場合とすること。

④ 不受理の単位

不受理の単位は、求人の申込みが事業所単位で行われていること等を踏まえ、原則として、事業所単位で不受理とすること。

(3) 求人の不受理の手続(施行規則第4条)

公共職業安定所が、新法第11条の規定により求人の申込みを受理しないときは、求人者に対し、その理由を説明しなければならないものであること。

(4) その他(職業紹介事業者の取組について)

学校卒業見込者等の適職選択の観点から、職業紹介事業者においても、新法第11条に規定する公共職業安定所における求人の不受理に準じた取組を進めることが重要である。このため、職業安定法第5条の5の規定の趣旨及び求職者の就業機会の確保に留意しつつ、新法第11条に基づき公共職業安定所が不受理とすることができる求人者からの学校卒業見込者等求人は取り扱わないよう、職業安定法第32条の12第1項(同法第33条第4項において準用する場合を含む。)又は同法第33条の2第5項に規定する職業紹介事業の取扱職種の範囲等の届出を行うことが望ましいこと。(指針第4の5)

7 青少年の希望する地域における就職の実現(新法第12条)

青少年が出身地等の希望する地域において適職を選択して就職することができるよう、国及び地方公共団体が、求人情報の収集・提供など相互に連携を図ることにより、いわゆるUIJターン就職を積極的に支援することとしたものであること。(基本方針第2の8)

8 青少年雇用情報の提供(新法第13条及び第14条)

(1) 趣旨、基本的考え方

新規学卒者の卒業後3年以内の離職率が高いこと、また不本意に非正規の職に就いている青少年の割合が他の年齢に比べて高いことなど、新規学卒時の適職選択が十分に行われず、ミスマッチが生じていることが課題となっている。

これを踏まえ、新規学卒者の適職選択の支援とともに、企業が求める人材の円滑な採用に資するよう、学校卒業見込者等募集(新法第13条第1項に規定する学校卒業見込者等募集をいう。以下同じ。)又は学校卒業見込者等求人に当たって、職業安定法第5条の3に規定する労働条件等の明示に加え、職場の就労実態に係る情報が積極的に学校卒業見込者等に提供される環境を整備し、学校卒業見込者等と企業の双方のマッチングの向上を図ることとしたものであること。

具体的には、新法第13条第1項及び第14条第1項において、学校卒業見込者等募集又は学校卒業見込者等求人の申込みを行う者に対して、青少年雇用情報(新法第13条第1項に規定する青少年雇用情報をいう。以下同じ。)の幅広い提供を努力義務として課すとともに、特に情報を入手する必要性の高い就職活動中の学生等については、新法第13条第2項及び第14条第2項に基づき個別に情報提供の求めを行った場合は、施行規則第5条に掲げる3類型ごとにそれぞれ1つ以上の事項の情報提供を義務付けることとしたものであること。また、事業主が公共職業安定所又は学校を含む職業紹介事業者(職業安定法第4条第7項に規定する職業紹介事業者をいう。以下同じ。)に学校卒業見込者等求人の申込みをする場合においては、当該申込みを受けた公共職業安定所又は職業紹介事業者についても、情報提供の求めを行うことができることとしたこと。

(2) 青少年雇用情報の提供の主体

青少年雇用情報の提供の主体は、学校卒業見込者等募集又は学校卒業見込者等求人の申込みを行う者(委託募集を行う場合は、募集受託者。以下「学校卒業見込者等募集者等」という。)であるが、実際に求人の申込みや募集の受付を行っている場合に加え、学校卒業見込者等の採用を目的として、説明会の開催や企業情報の発信等の広報活動を行っている場合もこれに含まれること。

(3) 青少年雇用情報の提供を求めることができる者の範囲

新法第13条第2項又は第14条第2項に基づき、青少年雇用情報の提供を求めることができる者は、学校卒業見込者等(具体的には6(2)①に掲げる者)であって、(i)学校卒業見込者等募集又は学校卒業見込者等求人に既に応募した者、又は(ii)応募の検討を行っている者とすること。

なお、当該学校卒業見込者等募集又は学校卒業見込者等求人の対象外となっている者は、これらの規定に基づく青少年雇用情報の提供義務の対象外であること。

(4) 青少年雇用情報の単位

新規学卒採用の実態等を踏まえ、企業単位の情報を提供すること。

また、青少年雇用情報(施行規則第5条第1項第3号ニの「役員に占める女性の割合及び管理的地位にある者に占める女性の割合」は除く。)については、学校卒業見込者等であることを条件とした通常の労働者に係る募集又は求人を行う場合は、通常の労働者に係る情報を提供することとし、学校卒業見込者等であることを条件とした通常の労働者以外に係る労働者の募集又は求人を行う場合は、通常の労働者以外に係る情報を提供することとすること。

(5) 青少年雇用情報の3類型の具体的事項(施行規則第5条)

① 青少年の募集及び採用の状況に関する事項

イ 直近の3事業年度において採用した新規学卒者等(新たに学校若しくは専修学校を卒業した者若しくは新たに公共職業能力開発施設若しくは職業能力開発総合大学校の行う職業訓練を修了した者(以下「新規学卒者」という。)又はこれに準ずる者をいう。以下同じ。)の数及び当該採用した者のうち直近の3事業年度において離職した者の数

なお、「これに準ずる者」とは、既卒者であって、新規学卒者と同じ採用枠で採用したもの等、新規学卒者と同等の処遇を行うものをいうこと。

ロ 直近の3事業年度において採用した新規学卒者等の男女別人数

ハ 平均継続勤務年数

② 職業能力の開発及び向上に関する取組の実施状況に関する事項

イ 研修の有無及びその内容

研修の内容については、具体的な対象者又は内容を示すことが必要であること。例えば、「新入社員導入研修」、「3年目社員研修」、「語学研修」、「海外留学制度」等は認められるが、「階層別研修」、「各種スキル研修」等、具体的な研修内容が想起されにくい表記は認められないこと。

制度有とするには、就業規則や労働協約に規定されていることまで求めるものではなく、継続的に実施しており、かつ、実施していることが従業員に周知されていれば足りること(以下この②において同じ。)。

ロ 自発的な職業能力の開発及び向上を図ることを容易にするために必要な援助の有無並びにその内容(ニに掲げる事項を除く。)

援助の内容については、配置その他の雇用管理についての配慮、教育訓練休暇の付与、始業及び終業時刻の変更、教育訓練短時間勤務制度、資格取得の費用補助等の具体的な内容を示すことが必要であること。

ハ 新たに雇い入れた新規学卒者等に対して、職業生活に関する相談に応じ、助言等を行う者を当該新規学卒者等に割り当てる制度(いわゆるメンター制度)の有無

ニ キャリアコンサルティングの機会を付与する制度の有無及びその内容

キャリアコンサルティングを実施する者が企業に雇用されているかどうかは問わないが、企業内の仕組みとして実施されていることが必要であり、労働者が自発的に企業外で受けるキャリアコンサルティングに対して補助等を行うような場合はキャリアコンサルティングの機会を付与する制度があるとは認められず、ロに含まれるものであること。

また、制度の内容について、労働者のキャリア形成における「気づき」を支援するため、年齢、就業年数、役職等の節目において定期的にキャリアコンサルティングを受ける機会を設定する仕組み(以下「セルフ・キャリアドック」という。)がある場合には、当該仕組みの概要を示すものとすること。

ホ その雇用する労働者に対し、当該企業が実施する職業に必要な知識及び技能に関する検定に係る制度(いわゆる社内検定制度及び業界で共通の検定制度を活用した社内制度)の有無及びその内容

③ 職場への定着の促進に関する取組の実施状況に関する事項

イ 直近の事業年度における労働者1人当たりの月平均所定外労働時間

ロ 直近の事業年度における労働者1人当たりの有給休暇の平均取得日数

ハ 直近の事業年度の育児休業の取得状況として、次の全ての事項

(i) 男性労働者のうち直近の事業年度において配偶者が出産したものの数及び直近の事業年度において育児休業をしたものの数

(ii) 女性労働者のうち直近の事業年度において出産したものの数及び直近の事業年度において育児休業をしたものの数

ニ 役員に占める女性の割合及び管理的地位にある者に占める女性の割合

「管理的地位にある者」とは、管理職に相当する者をいい、具体的には、各企業の呼称や雇用管理形態によって判断されるものであるが、原則としていわゆる課長級以上が該当するものとする。

(6) 努力義務に基づく積極的な青少年雇用情報の提供

青少年雇用情報の提供に当たっては、新法第13条第1項及び第14条第1項の規定に基づき積極的な情報提供を行うよう、学校卒業見込者等募集者等は次のような取組を行うことが望ましいものであること。

なお、公共職業安定所は、学校卒業見込者等求人の申込みを受理するに当たっては、求人者に対して、全ての青少年雇用情報の提供を求めていくこと。(基本方針第2の2の(2)の③)

・ 学校卒業見込者等募集者等は、ホームページ等での公表、会社説明会での提供又は求人票への記載等により、青少年雇用情報の全ての項目について情報提供すること。(指針第2の2の(1))

・ 職業安定法第33条の2第1項の規定により無料職業紹介事業の届出を行った学校等を含む職業紹介事業者は、学校卒業見込者等求人の申込を受理する際に、新法第14条の趣旨に沿って、求人者に青少年雇用情報の提供を求めるとともに、全ての青少年雇用情報を提供するよう働きかけ、学校卒業見込者等に対する職業紹介に活用すること。また、職業紹介事業者は、就職支援サイトを運営する場合は、事業主の青少年雇用情報について、可能な限り全ての項目が掲載されるように取り組むこと。(指針第4の4の(1))

・ 募集情報提供事業者は、自らの運営する就職支援サイトに、学校卒業見込者等募集を行う事業主の青少年雇用情報について可能な限り全ての項目が掲載されるように取り組むこと。(指針第4の4の(2))

(7) 青少年雇用情報の提供を求める方法及び提供の方法(施行規則第6条関係)

新法第13条第2項及び第14条第2項の規定に基づき、学校卒業見込者等が情報提供の求めを行う方法、及びそれぞれの場合において学校卒業見込者等募集者等が情報提供を行う方法は、次の①~④が考えられること。

なお、情報提供にあたっては、学校卒業見込者等募集者等は、次のような取組を行うことが望ましいものであること。

・ 学校卒業見込者等が具体的な項目の情報提供を求めた場合には、特段の事情がない限り、当該項目を情報提供すること。(指針第2の2の(2))

・ 求めを行った学校卒業見込者等に対して、当該求めを行ったことを理由とする不利益な取扱いをしないこと。(指針第2の2の(3))

・ 情報提供の求めに備え、あらかじめ提供する情報を整備しておくこと。また、その求めがあった場合には、速やかな情報提供に努めること。(指針第2の2の(4))

① 学校卒業見込者等募集者等に直接求める場合(新法第13条第2項及び第14条第2項)

学校卒業見込者等は、原則として、電子メールの送信又は書面の交付その他の適切な方法により、施行規則第6条第2項各号に掲げる事項として、氏名及び住所又は電子メールアドレス、学校等の名称(訓練施設及び職業訓練の名称)及び在学年(修了見込年月)又は卒業(修了)の年月、青少年雇用情報の提供を希望する旨(以下「氏名等」という。)を明示することにより情報提供の求めを行うこと。

また、当該求めに対して、学校卒業見込者等募集者等は、電子メールの送信又は書面の交付その他の適切な方法により、青少年雇用情報の各項目を提供すること、又は自社のホームページ等で青少年雇用情報を掲載している画面のアドレスの教示を行うことにより情報提供を行うこと。

一方で、(i)説明会や面接等の場面、又は(ii)電話において、学校卒業見込者等が口頭で質問することも考えられ、このような場合も情報提供の求めを行ったとみなされること。この場合において、(ii)においては、氏名等を事業主に明示することが必要であるが、(i)においては、情報提供の相手先が特定されること、また学校卒業見込者等からの求めであることが明らかであることから、氏名等の明示は不要とすること。また、口頭での求めに対しては、学校卒業見込者等募集者等は口頭で情報提供を行うことも可能とすること。

② 就職支援サイト等でのプレエントリーにより求める場合(新法第13条第2項)

学校卒業見込者等が、就職支援サイト、各企業のホームページ等において、いわゆるプレエントリー(正式な応募の前段階において、採用情報・資料を請求するために、特定の企業に対して氏名、学校名、連絡先等を登録することをいう。)を行った時点で、情報提供の求めが行われたものとすること。当該求めに対して、事業主は、電子メール等により、青少年雇用情報の各項目を提供すること、又は自社のホームページ、当該就職支援サイト等で青少年雇用情報を掲載している画面のアドレスの教示を行うこと。

③ 公共職業安定所を利用する場合(新法第14条第2項)

公共職業安定所は、学校卒業見込者等求人の申込みを受理する際に、青少年雇用情報の全ての項目についての提供を求めることとし(基本方針第2の2の(2)の③)、事業主から提供された情報を求人情報提供端末に掲載する等、学校卒業見込者等に対する職業紹介に積極的に活用すること。

④ 学校その他の職業紹介事業者を利用する場合(新法第14条第2項)

事業主が、学校その他の職業紹介事業者に学校卒業見込者等求人の申込みを行う場合は、職業紹介事業者は、当該求人の申込みを受理する際に、新法第14条の趣旨に沿って、求人者に青少年雇用情報の提供を求めるとともに、全ての青少年雇用情報を提供するよう働きかけ、学校卒業見込者等に対する職業紹介に活用することが望ましいこと。また、求人の申込みを受理する段階で情報提供がなされない青少年雇用情報について、学校卒業見込者等から職業紹介事業者に対して個別に照会があった場合は、新法第14条の趣旨に沿って、職業紹介事業者から求人者に対して当該照会に係る青少年雇用情報の提供を求めることが望ましいこと。(指針第4の1の(1))

職業紹介事業者を利用する場合であっても、①により、学校卒業見込者等本人から直接、事業主に対して情報提供の求めを行うことも可能であること。

(8) 公共職業安定所における相談対応

青少年雇用情報の提供に関するトラブルが発生した場合には、公共職業安定所が扱う求人以外に係るものを含め、新法第29条の規定を踏まえ、公共職業安定所は積極的に相談対応を行うこと。

(9) その他

国家公務員及び地方公務員の任命等は、国家公務員法(昭和22年法律第120号)や地方公務員法(昭和25年法律第261号)等によって別途規律されており、新法第13条及び第14条に規定している職業安定法に基づく概念である「求人者」や「労働者の募集を行う者」には含まれ得ないものであるため、国家公務員及び地方公務員については、新法第13条及び第14条の適用対象とはならないものであること。

9 認定制度の創設(新法第15条から第19条まで)

(1) 趣旨、基本的考え方

青少年の採用及び育成に積極的な中小企業と、大企業志向の強い青少年の間でミスマッチが存在していることを踏まえ、青少年の雇用管理の状況が優良な中小企業の情報発信を後押しすることにより当該企業が求める人材の円滑な採用を支援するため、一定の基準を満たす事業主を厚生労働大臣が認定する制度を新たに創設し、マッチングの向上を図ることとしたものであること。

現行において、同様の取組として「若者応援宣言事業」を実施しているところであるが、新たな認定制度は、一定の数値基準を定め、当該基準を満たしていることを厚生労働大臣が認定するものであること。

なお、認定及び認定の取消しに関する厚生労働大臣の権限は、都道府県労働局長に委任されるものであること。(施行規則第22条第1項)

(2) 認定の対象

認定の単位は、企業(法人)単位とすること。

また、本制度の趣旨を踏まえ、認定の対象は、中小事業主(常時雇用する労働者が300人以下のものをいう。)に限ること(新法第15条)。

「常時雇用する労働者」とは、雇用契約の形態を問わず、事実上期間の定めなく雇用されている労働者を指すものであり、期間の定めなく雇用されている者のほか、例えば、過去1年以上の期間について引き続き雇用されている者又は雇入れの時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者といった、一定の期間を定めて雇用されている者又は日々雇用される者であってその雇用期間が反復更新されている者は常時雇用する労働者も含まれること。

(3) 認定基準(施行規則第9条)

① 認定申請の時点において、次のいずれかに該当すること。

イ 学校卒業見込者等求人の申込み又は学校卒業見込者等募集(通常の労働者として雇い入れることを目的とする求人申込み又は募集であって、既卒者については、当該卒業又は修了の日の属する年度の翌年度から少なくとも3年間は応募できるものに限る。)を行っていること。

ロ 35歳未満の青少年であることを条件とした求人の申込み又は募集(通常の労働者として雇い入れることを目的とするものであって、年齢制限に係る募集が可能な場合として、雇用対策法施行規則(昭和41年労働省令第23号)第1条の3第1項第3号イからニまでのいずれかに該当する場合に限る。)

② 青少年の採用及び人材育成に積極的に取り組む企業であること。

③ 次に掲げる数値要件等のいずれも満たすこと。

イ 直近の3事業年度において採用した新規学卒者等(通常の労働者として採用した者に限る。以下このイ並びに④イ及びロにおいて同じ。)のうち、直近の3事業年度において離職した者の数の割合が20%以下であること。

ただし、直近の3事業年度において採用した新規学卒者等がいない場合にあっては、当該要件は不問とすること。

ロ その雇用する労働者の育成に関する方針並びにその雇用する労働者の職業能力の開発及び向上を促進するための計画を策定していること。

また、これらの方針及び計画は、職業能力開発促進法第11条に基づく「事業内職業能力開発計画」の記載事項である人材育成の基本的方針及び教育訓練計画に準じたものであること。なお、既に「事業内職業能力開発計画」が策定され、上記に相当する事項が盛り込まれている場合は、本要件を満たすものとすること。

ハ 直近の事業年度において、

(i) 通常の労働者1人当たりの月平均所定外労働時間が20時間以下

(ii) 通常の労働者のうち週平均労働時間(各月の月末日から遡って一週間における労働時間の平均値をいう。以下同じ。)が60時間以上である者の数の割合が5%以下

のいずれかであること。

ニ 直近の事業年度において、

(i) 通常の労働者の有給休暇取得率(労働基準法(昭和22年法律第49号)第39条の規定による有給休暇の付与日数に対する、労働者が実際に取得した有給休暇の日数の割合をいう。以下同じ。)が70%以上

(ii) 通常の労働者1人当たりの有給休暇の平均取得日数が10日以上

のいずれかであること。

ホ 直近の3事業年度において、

(i) 男性労働者のうち育児休業等(施行規則第2条第3号ホに規定する育児休業等をいう。以下同じ。)をしたものが1人以上

(ii) 女性労働者の育児休業等の取得率が75%以上

のいずれかであること。

ただし、直近の3事業年度において、配偶者が出産した男性労働者及び出産した女性労働者のいずれもいない場合にあっては、就業規則又は労働協約において育児休業等に関する制度が設けられていれば足りること。

なお、次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号)第13条又は第15条の2に規定する認定を受けた事業主にあっては、直近において当該認定を受けた事業年度を含む3事業年度の間においては、当該要件は不問とすること。

④ 自社のホームページ等において、次に掲げる事項(ヲ及びワを除き、通常の労働者に係るものに限る。)を全て公表していること。

イ 直近の3事業年度において採用した新規学卒者等の数及びそのうち直近の3事業年度において離職した者の数

ロ 直近の3事業年度において採用した新規学卒者等の男女別人数

ハ 直近の3事業年度において採用した35歳未満の青少年の数及びそのうち直近の3事業年度において離職した者の数

なお、青少年の年齢は、入社時点のものとすること。

ニ 平均継続勤務年数

ホ 研修の内容

研修の内容については、具体的な対象者又は内容を示すことが必要であること。例えば、「新入社員導入研修」、「3年目社員研修」、「語学研修」、「海外留学制度」等は認められるが、「階層別研修」、「各種スキル研修」等、具体的な研修内容が想起されにくい表記は認められないこと。

制度有とするには、就業規則や労働協約に規定されていることまで求めるものではなく、継続的に実施しており、かつ、実施していることが従業員に周知されていれば足りること。(以下チ及びリにおいて同じ。)。

ヘ 自発的な職業能力の開発及び向上を図ることを容易にするために必要な援助の有無及びその内容(チに掲げる事項を除く。)

援助の内容については、配置その他の雇用管理についての配慮、教育訓練休暇の付与、始業及び終業時刻の変更、教育訓練短時間勤務制度、資格取得の費用補助等の具体的な内容を示すことが必要であること。

ト 新たに採用した新規学卒者等に対して、職業生活に関する相談に応じ、助言等を行う者を割り当てる制度(いわゆるメンター制度)の有無

チ キャリアコンサルティングの機会を付与する制度の有無及びその内容

キャリアコンサルティングを実施する者が企業に雇用されているかどうかは問わないが、企業内の仕組みとして実施されていることが必要であり、労働者が自発的に企業外で受けるキャリアコンサルティングに対して補助等を行うような場合はキャリアコンサルティングの機会を付与する制度があるとは認められず、ヘに含まれるものであること。

また、制度の内容について、セルフ・キャリアドックがある場合には、その概要を示すものとすること。

リ その雇用する労働者に対し、当該企業が実施する職業に必要な知識及び技能に関する検定に係る制度(いわゆる社内検定制度及び業界で共通の検定制度を活用した社内制度)の有無及びその内容

ヌ 直近の事業年度における労働者1人当たりの月平均所定外労働時間

ル 直近の事業年度における労働者1人当たりの有給休暇の平均取得日数

ヲ 直近の事業年度の育児休業の取得状況として、次の全ての事項

(i) 男性労働者のうち直近の事業年度に配偶者が出産したものの数及び直近の事業年度において育児休業を取得した者の数

(ii) 女性労働者のうち直近の事業年度において出産したものの数及び直近の事業年度において育児休業を取得した者の数

ワ 役員に占める女性の割合及び管理的地位にある者に占める女性の割合

「管理的地位にある者」とは、管理職に相当する者をいい、具体的には、各企業の呼称や雇用管理形態によって判断されるものであるが、原則としていわゆる課長級以上の者が該当するものとすること。

⑤ 次のいずれにも該当しない者であること。

イ 新法第17条の規定により認定を取り消され、当該取消しの日から起算して3年を経過しない者

なお、当該取消しの日前に、(4)の②の申出をした者(ロからトまでに掲げる者に該当する者を除く。)については、本要件は適用しない。

ロ 過去3年間に、職業安定法施行規則(昭和22年労働省令第12号)第35条第2項第2号に規定する、いわゆる内定の取消し又は撤回(当該取消し又は撤回の対象となった者の責めに帰すべき理由によるものを除く。)を行った者

ハ 過去1年間に、労働者に対する退職の勧奨又は労働者の解雇(労働者の責めに帰すべき理由によるものを除く。)を行った者

ニ 暴力団関係者である者

ホ 風俗営業等に係る事業を行う者

ヘ 助成金等を受給できないこととされている者

具体的には、偽りその他不正の行為により支給を受け、又は受けようとしたこと等により国の雇用関係助成金の不支給要件に該当する者であること。

ト 関係法令に違反する重大な事実があると認められる者

具体的には、次のいずれかに該当する者とすること。

(i) 過去1年間に、6(2)②イ又はロに掲げる法律の規定に違反し、当該違反を是正する意思がない場合、又は当該規定に関し、同一の条項に係る違反を複数回繰り返した場合

(ii) 過去1年間に、当該企業に属する事業所のいずれかが、労働基準法、最低賃金法等の労働基準関係法令の違反行為に係る事件について送検された場合(送検された旨が公表された場合に限る。)

(iii) 過去1年間に、「違法な長時間労働を繰り返し行う企業の経営トップに対する都道府県労働局長による是正指導の実施及び企業名の公表について」(平成27年5月18日付け基発0518第1号)に基づき公表された場合

(iv) 過去1年間に、男女雇用機会均等法若しくは育児・介護休業法の規定に違反し、これらの法律の規定により勧告を受け、又は公表された場合

(v) 当該企業に属する事業所のいずれかが新法第11条に基づく求人不受理の対象である場合

(vi) その他社会的影響の大きさ等を考慮し、(i)から(v)までに相当する重大な関係法令違反が行われた場合

(4) 認定後の基準適合の確認等(施行規則第11条及び第12条)

認定に有効期限は設けておらず、したがって更新の手続は不要であるが、厳正に制度を運用する観点から、定期的に認定基準への適合を確認する必要があるため、①のとおり、認定事業主は、認定基準に係る現状についての年次報告を行うものとすること。

また、認定基準を満たさなくなった場合には、②のとおり、その旨を申し出ることができるものとすること。

① 認定事業主は、認定基準への適合を確認するため、毎事業年度終了後1月以内に、認定基準に係る数値等の現状を記載した認定状況報告書を、所轄都道府県労働局長に提出しなければならないものとすること。ただし、やむを得ない理由により当該1月以内に、認定状況報告書を提出できないと所轄都道府県労働局長が認めた場合には、この限りではないこと。

なお、認定後においては、(3)の①の基準を満たす必要はないが、特に新規学卒者等を対象とする場合は通常の労働者として募集することが望ましいこと。

② 認定事業主は、認定基準を満たさなくなった場合は、その旨を所轄都道府県労働局長に届け出ることができるものとすること。なお、認定基準を満たさなくなった場合以外であっても、自発的な理由等によって、認定を辞退することは可能であること。

この場合において、(3)の⑤のイのとおり、同⑤のロからトまでに掲げる者に該当することを理由として同⑤の基準を満たさなくなった旨の申出をした場合は、認定を取り消された日から起算して3年を経過しない間は再度認定を受けることはできないものとすること。

一方、(3)の③に掲げる数値要件等を満たさなくなったことを理由として同⑤の基準を満たさなくなった旨の申出をした場合は、改めて認定基準を満たせば再度認定を受けることができることに留意すること。

(5) 認定マークの表示(新法第16条及び施行規則第10条)

① 認定事業主は、商品等に厚生労働大臣の定める表示(青少年の雇用の促進等に関する法律第13条第1項に規定する厚生労働大臣の定める表示を定める告示(平成27年厚生労働省告示第446号)により定められている表示。以下「認定マーク」という。)を付することができるものとすること。

認定マークを付することができる商品等は、具体的には、次に掲げるものとすること。

イ 商品

ロ 役務の提供の用に供する物(例えば、サービス提供の際に着用する作業着等)

ハ 商品、役務又は事業主の広告

事業主の広告とは、会社案内等事業主そのものに関する広告を指すものであること。

ニ 商品又は役務の取引に用いる書類又は電磁的記録

商品又は役務の取引に用いる書類とは、カタログ、注文書及び契約書等商取引の関係書類一般並びに手紙、ファックス等商取引に伴う通信文を指すものであること。

また、商品又は役務の取引に用いる電磁的記録とは、電子メール、電子媒体化された関係書類等を指すものであること。

ホ 事業主の営業所、事務所その他の事業場

ヘ インターネットを利用する方法により公衆の閲覧に供する情報(例えば、ホームページ等)

ト 労働者の募集の用に供する広告又は文書(いわゆる求人広告又は求人票等)

② 認定事業主が商品等に付する場合のほか、何人も、商品等に認定マーク又はこれと紛らわしい表示を付してはならないものとすること。これに違反した場合は、30万円以下の罰金の対象となること。(新法第37条第1号)

なお、新法第17条の規定により認定を取り消された場合及び認定を辞退した場合については、当該取消し又は辞退の日以後は、認定マークの表示をすることはできないことに留意すること。したがって、認定の取消し又は辞退の後に認定マークを使用した製品の製造、販売やサービスの提供等はできないこととなるが、取消し又は辞退の前に製造され既に流通している製品の自主回収や出荷途中の製品の差し止めまでが求められるものではないこと。

(6) 認定の効果

認定を受けることに伴う法的な効果は、①及び②に掲げるものであること。併せて、認定事業主に対しては、③の助成金の上乗せ措置のほか、④のとおり、公共職業安定所が行う職業紹介等において積極的な支援を行うものとすること。

① 認定マークの独占的な表示(新法第16条)

② 委託募集の特例(新法第18条及び第19条)

認定事業主が青少年の募集及び採用を担当する者を募集する場合において、承認中小事業主団体に募集を委託する場合の手続の特例を設け、募集をしやすくするものであること。

③ 助成金の上乗せ措置(整備省令第3条による改正後の雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)第110条の3、第118条の2、第125条等)

認定事業主について、トライアル雇用奨励金、キャリアアップ助成金及びキャリア形成促進助成金について、助成額又は助成率の引き上げを行うものとすること。

④ 公共職業安定所におけるマッチング支援

認定事業主が公共職業安定所に青少年に係る求人の申込みを行う場合は、公共職業安定所において、重点的に当該企業の魅力等について情報発信を行うとともに、認定事業主を対象とした説明会や面接会の開催など、優先的にマッチングを行う対象とすること。

なお、認定事業主の情報については、厚生労働省が運営するポータルサイト(ユースエール認定企業・若者応援宣言企業検索システム)で一覧できるようにし、情報発信の強化に取り組むこととすること。

(7) その他

本改正に伴い、社会保険労務士法(昭和43年法律第89号)を改正し、社会保険労務士の業務として「青少年の雇用の促進等に関する法律に基づく申請書等の作成」を追加すること。(改正法附則第10条)

これにより、社会保険労務士は、事業主等の委託を受け、新法に規定する認定の申請(新法第15条)、委託募集の特例に係る承認中小事業主団体の申請(新法第18条第2項)及び委託募集の届出(新法第18条第4項)並びに施行規則第11条に規定する年次報告に関する事務を行うことができるものとすること。なお、報告徴収に対する報告は、社会保険労務士が行う業務の対象外とすること。(整備省令第4条による改正後の社会保険労務士法施行規則(昭和43年厚生省・労働省令第1号))

10 青少年の職業能力の開発及び向上(新法第20条から第22条まで)

(1) 職業能力の開発及び向上に関する啓発活動等(新法第20条)

国、都道府県及び独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構は、青少年がその職業能力の開発及び向上を図ることを促進するため、青少年その他の関係者に対して、職業能力の開発及び向上に関する啓発活動を行う等必要な措置を講ずるように努めなければならないものとすること。

(2) 職業訓練等の措置(新法第21条)

国は、青少年の職業能力の開発及び向上を図るため、地方公共団体その他の関係者と連携し、青少年に対して、職業訓練の推進、職業能力検定の活用の促進、職務経歴等記録書(ジョブ・カード)の普及の促進その他必要な措置を総合的かつ効果的に講ずるように努めなければならないものとすること。

(3) 職業訓練又は教育を受ける青少年に対する配慮(新法第22条)

事業主は、その雇用する青少年が職業訓練又は教育を受けるために必要な時間を確保することができるような配慮をするように努めなければならないものとすること。

11 職業生活における自立促進のための措置(新法第23条から第25条まで)

国は、就業、修学及び職業訓練の受講のいずれもしていない青少年であって職業生活を円滑に営む上での困難を有するものに対し、相談の機会の提供、自立を支援する施設(地域若者サポートステーション)の整備その他必要な措置を講ずるように努めること。

また、地方公共団体は、国の措置と相まって、地域の実情に応じて必要な措置を講ずるよう努めること。(新法23条及び24条)

さらに、無業青少年に対して、個々の状況や希望に応じて求人条件を柔軟に設定することでマッチングの可能性が高まるなどその特性を踏まえた特別な対策を講ずることが効果的であることから、公共職業安定所による求人者等に対する指導及び援助について、特別に規定を設けたものであること。(新法第25条)

12 労働に関する法令に関する知識の付与(新法第26条)

青少年に対する労働法制に関する知識の付与については、従来より、学校、地方公共団体、労働関係行政機関等の関係者の連携の下で取組が進められてきたところであるが、今般、新法において新たに労働法制に関する知識の付与に関する規定が設けられたことを踏まえ、都道府県労働局長等による大学生向けのセミナーの実施、ハンドブックの周知等に引き続き取り組むとともに、公共職業安定所の職員が学校等を訪問する際など、様々な場面を通じて労働法制の普及等の重要性に関する周知を積極的に行ったり、高校生に対する就職ガイダンスにおいて労働法制に関する基礎的知識の講義を行うなど、学校と連携した取組の強化に努めるものとすること。

13 事業主等に対する援助について(新法第27条)

国は、青少年の福祉の増進を図るため、事業主、職業紹介事業者等その他の関係者に対して、必要な助言、指導その他の援助を行うよう努めるものとすること。

ここには、事業主に対する若者の雇用管理改善に係る助言、指導や、認定を受けた企業に対する各種助成金による措置も含んでおり、募集・採用や、職場定着に向けた支援など、若者の雇用管理改善に係る事業主への助言、指導に努めるとともに、青少年雇用促進法第15条による認定制度も活用しながら、企業内での適切な雇用管理を促進すること。

14 報告徴収並びに助言、指導及び勧告(新法第28条)

厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主、職業紹介事業者等、求人者及び労働者の募集を行う者に対して、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができるものとすること。

また、報告の求めに対して、報告をせず、又は虚偽の報告をした場合は、20万円以下の過料の対象となるものとすること。(新法第39条)

これらの権限については、都道府県労働局長及び公共職業安定所長に委任されるものであり(施行規則第22条)、公共職業安定所においては、適切に対応を行うものとすること。

15 相談及び援助について(新法第29条)

公共職業安定所は、この法律に定める事項について、青少年の相談に応じ、及び必要な助言その他の援助ができるものとすること。

また、公共職業安定所の求職者は当然として、公共職業安定所の求職者でない若者であっても、この法律に定める事項について、若者からの相談に応じ、必要な助言、援助を行うものであること。例えば、公共職業安定所のみならず、学校等への出張相談において学生・生徒からの相談に応じることなども含まれ、各公共職業安定所においては、この法律に定める事項については、幅広く相談に応じ、助言・援助を行うものとすること。

16 船員に関する特例(新法第33条)

船員及び船員になろうとする者(以下「船員等」という。)の労働関係については、国土交通省が所管する別の体系とされていることから、新法中の「厚生労働大臣」とあるのは「国土交通大臣」と、「公共職業安定所」とあるのは「地方運輸局」とする等所要の読替えを行った上で適用するものとすること。

17 公務員の適用除外(新法第34条)

国家公務員及び地方公務員については、任免、勤務条件等について別の法体系において定められていることから、新法中、認定制度、職業訓練又は教育を受ける青少年に対する配慮の規定等については適用しないものとすること。

18 現行の勤労青少年福祉対策に関する規定について

本改正に伴い、改正法による改正前の勤労青少年福祉法に規定する都道府県勤労青少年福祉事業計画(同法第7条)、勤労青少年福祉推進者(同法第13条)、勤労青少年ホーム及び勤労青少年ホーム指導員(同法第15条及び第16条)等の勤労青少年福祉対策に関する規定は削除するものとすること。

併せて、勤労青少年福祉推進者に関する省令(昭和46年労働省令第14号)、勤労青少年ホーム指導員の資格を定める件(昭和46年労働省告示第32号)及び勤労青少年ホームの設置及び運営についての望ましい基準(昭和48年労働省告示第36号)は廃止するものとすること。

なお、引き続き、地域の実情に応じて、勤労青少年ホームの設置や勤労青少年ホーム指導員の選任を行うことが妨げられるものではないこと。

第3 職業安定法の一部改正(改正法第4条)

1 職業紹介等の対象への中退者の追加等(改正法による改正後の職業安定法(以下「新職業安定法」という。)第26条第1項及び第33条の2第1項)

公共職業安定所が学校と協力して行う職業指導及び職業紹介の対象者として、学校の学生・生徒及び卒業者に加えて、学校の中退者を追加するものとすること。具体的な取組としては、学校中退前後の時期を捉えて、公共職業安定所における就職支援につなげるほか、地域若者サポートステーション等の支援機関への誘導等を行うものとすること。(新職業安定法第26条第1項)

また、学校が届出により無料職業紹介事業を行うことができる範囲として、当該学校の学生・生徒及び卒業者に加えて、当該学校の中退者を追加するものとすること。これに伴い、既に無料職業紹介事業の届出を行っている学校は、当該学校の中退者について範囲を設けず職業紹介の対象とする場合は、特段の手続は不要であるが、例えば、一定の範囲(中退後○年以内等)の中退者に対する職業紹介を行う場合は、職業安定法第33条の2第5項の規定に基づき、取り扱う職業紹介の範囲の変更についての届出が必要となること。(新職業安定法第33条の2第1項)

2 公共職業安定所によるキャリアコンサルタントによる相談の機会の付与(新職業安定法第26条第3項)

公共職業安定所は、職業選択について学校の学生又は生徒等の理解を深めるための措置の例示として、職業を体験する機会の付与に加えて、職業能力開発促進法(改正法による改正後の職業能力開発促進法(以下「新能開法」という。)第30条の3に規定するキャリアコンサルタントによる相談の機会を付与するものとすること。具体的な取組としては、例えば、学生又は生徒に対して職業について意識啓発を図るため、キャリアコンサルタントの有資格者である公共職業安定所の職員等が学校を巡回し相談対応を行うなど、ニーズに応じた相談機会の付与に努めるものとすること。(新職業安定法第26条第3項)

第4 職業能力開発促進法の一部改正(改正法第5条)

(※ 新能開法の節及び条番号は、平成28年4月1日時点のものとする。)

1 基本理念の改正(新能開法第3条の3)

労働者は、職業生活設計を行い、その職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発及び向上に努めることを新たに規定するものであること。

2 職務経歴等記録書(ジョブ・カード)の普及(新能開法第15条の4)

国は、労働者の職業生活設計に即した自発的な職業能力の開発及び向上を促進するため、労働者の職務の経歴、職業能力その他の労働者の職業能力の開発及び向上に関する事項を明らかにする職務経歴等記録書の様式を定め、その普及に努めなければならないものとすることを新たに規定するものであること。

法律で規定する職務経歴等記録書は、「新ジョブ・カード制度の推進について」(平成27年9月30日付け職発0930第6号、能発0930第14号)で規定しているジョブ・カードのことであり、具体的な様式については、「職務経歴等記録書を定める件」において定めるものであること。

3 職業訓練の実施に関する計画策定における意見聴取(新能開法第15条の8第2項)

地域や産業界のニーズを適切に反映させるため、厚生労働大臣は、国が設置する公共職業能力開発施設が行う職業訓練等の実施に関する計画を定めるに当たっては、あらかじめ、関係行政機関の長その他の関係者の意見を聴くものとする旨を新たに規定するものであること。

4 キャリアコンサルタント登録制度の創設(新能開法第30条の3~第30条の29)

キャリアコンサルティング(労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと)を行う専門家として「キャリアコンサルタント」制度を法定化するものとすること。キャリアコンサルタント試験に合格し、キャリアコンサルタント名簿に登録を受けて、キャリアコンサルタントとなることができるものとすること。キャリアコンサルタントは登録制(5年ごとに更新)の名称独占資格とし、守秘義務・信用失墜行為の禁止義務を課すものとすること。

5 対人サービス分野等を対象にした技能検定制度の整備(新能開法第44条)

現行ものづくり技能職を中心として整備されている技能検定制度について、対人サービス分野等への整備が行われることを企図して、実技試験の実施方法について、検定職種ごと、類型化・明確化すること。検定職種について、社会経済の変化に即応して適切な改廃が行えるよう政令委任から省令委任に改めること。

第5 その他

1 施行期日(改正法附則第1条)

(1) 改正法の施行日は、下記(2)及び(3)を除き、平成27年10月1日とするものであること。

(2) 改正法のうち上記第2の6及び8の施行日は、平成28年3月1日とするものであること。

(3) 改正法のうち上記第2の11、第3の2並びに第4の4及び5の施行日は、平成28年4月1日とするものであること。

2 都道府県労働局の所掌の見直し(改正法附則第15条関係)

都道府県労働局が厚生労働省の所掌事務のうち分掌する事務に、職業能力開発に関する事務(厚生労働省設置法第4条第1項第63号、第64号及び第65号(求職者支援訓練に係るもの以外のもの))を追加するものとすること。

[参考1]