添付一覧
○テムセルHS注の使用に当たっての留意事項について
(平成27年9月18日)
(/薬食機参発0918第4号/薬食安発0918第1号/)
((別記)あて厚生労働省大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)、厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)
テムセルHS注については、本日、「造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病」を効能、効果又は性能として承認したところですが、本品については、治験症例が限られていること、重篤な不具合が発現するリスクがあることから、その使用に当たっての留意事項について、御了知いただくとともに、貴会会員への周知方よろしくお願いします。
なお、承認取得者に対しては、別途この通知の写しを送付することとしております。
記
1 本品の適正使用について
(1) 本品については、承認に際し、製造販売業者による全症例を対象とした使用成績調査、適正な流通管理の実施をその条件として付したので、特段の留意をお願いすること。
【承認条件】
① 緊急時に十分対応できる医療施設において、造血幹細胞移植に関する十分な知識・経験を持つ医師のもとで、臨床検査による管理等の適切な対応がなされる体制下で本品を使用すること。
② 再審査期間中は、本品を使用する症例全例を対象として使用成績調査を実施し、必要に応じ適切な措置を講ずること。
(2) 本品の警告、効能、効果、性能、用法、用量及び使用方法は以下のとおりであるので、特段の留意をお願いすること。なお、その他の使用上の注意については、添付文書を参照されたいこと。
【警告】
① 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること、及び本品投与症例数が極めて限定的であることから、臨床成績を参考に、本品以外の治療の実施についても慎重に検討した上で、本品の投与を開始する適応患者の選択を行うこと。(【使用上の注意】4.不具合・副作用及び【臨床試験】の項参照)
② 緊急時に十分対応できる医療施設において、造血幹細胞移植に関する十分な知識・経験を持つ医師のもとで、臨床検査による管理等の適切な対応がなされる体制下で本品を使用すること。
③ 治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び安全性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【効能、効果又は性能】
造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病
<効能、効果又は性能に関連する使用上の注意>
① ステロイド療法によっても十分な治療効果が得られない場合に使用すること。
② 本品の投与に際しては、急性GVHDの重症度等、【臨床成績】の項の内容を熟知し、本品の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
【用法及び用量又は使用方法】
通常、体重1kg当たりヒト間葉系幹細胞として1回2×106個を、1バッグ当たり生理食塩液18mLで希釈して、4mL/分を目安に緩徐に点滴静注する。1週間に2回、投与間隔は3日以上とし、4週間投与する。なお、症状の程度に応じて、さらに1週間に1回、4週間投与することができる。
<用法及び用量又は使用方法に関連する使用上の注意>
① 投与速度は、患者の状態により適宜増減できるが、同種細胞を静脈内投与することに起因するリスクとして、細胞塞栓、血栓形成及び血管内溶血が発現する可能性があるため、最大6mL/分を超えないこと。(【臨床成績】の項参照)
② 体重が50kg以下の患者に対しては、全量を10分以上かけて緩徐に点滴静注すること。
③ 本品の継続投与に関しては、実施の可否を慎重に検討すること。(【臨床成績】の項参照)
2 医療機関における適正使用に関する周知事項について
(1) 本品については、再審査期間中は、本品を使用する症例全例を対象として使用成績調査を行い、解析結果を報告するとともに、必要に応じ適切な措置を講ずるよう義務付けたので、その調査の実施にご協力願いたいこと。
(2) 本品の全例調査については、今後、一般社団法人日本造血細胞移植学会及び一般社団法人日本造血細胞移植データセンターが実施する第二世代造血細胞移植登録一元管理プログラム(TRUMP2)と連携してシステム入力により行うことを予定しているため、同プログラムへの症例登録に御協力願いたいこと。なお、具体的な連携の開始時期や方法については、今後、製造販売業者から各医療機関に対し情報提供されること。
(別記)
一般社団法人日本造血細胞移植学会 理事長
一般社団法人日本造血細胞移植データセンター 理事長
一般社団法人日本血液学会 理事長
一般社団法人日本輸血・細胞治療学会 理事長
特定非営利活動法人日本小児血液・がん学会 理事長
一般社団法人日本癌治療学会 理事長
公益社団法人日本臨床腫瘍学会 理事長
一般社団法人日本再生医療学会 理事長
公益社団法人日本医師会長
公益社団法人日本薬剤師会 会長
一般社団法人日本病院薬剤師会 会長