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○生活保護事務におけるマイナンバー導入に関する留意事項について

(平成27年9月16日)

(社援保発0916第1号)

(各都道府県・各指定都市・各中核市民生主管部(局)長あて厚生労働省社会・援護局保護課長通知)

(公印省略)

生活保護行政の推進については、平素より格段のご配慮を賜り厚く御礼申し上げます。

さて、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成25年法律第27号。以下「番号法」という。)の施行に伴い、生活保護事務においてマイナンバーを活用することとなったため、「生活保護法施行細則準則について」(平成12年3月31日社援第871号厚生省社会・援護局長通知)の一部改正により、保護申請書等の様式に個人番号記載欄を追加したところです。

今般、生活保護申請事務におけるマイナンバーの取扱いについて、下記のとおり留意事項をお示しするので、その取扱いに遺漏なきよう管内福祉事務所への周知等よろしくお取り計らい願います。

1 生活保護申請時におけるマイナンバーの取扱いについて

(1) マイナンバーは、生活保護法(昭和25年法律第144号。以下「生活保護法」という。)第24条第1項第5号及び生活保護法施行規則(昭和25年厚生省令第21号)第1条第3項第2号に規定される事項として位置づけられるものであるため、申請書を受理する際には、所定の欄にマイナンバーを記載するよう申請者に求めること。

(2) マイナンバーにより必要な調査を全て行うことができるわけではないこと等から、マイナンバーの提供は保護の要件とはしていないが、番号法第14条第2項に基づき、住基端末を利用して地方公共団体情報システム機構からマイナンバーを含む機構保存本人確認情報(氏名、生年月日、性別、住所、マイナンバー等)の提供を受けることが可能であること。

(3) 住民登録のない者についてはマイナンバーが付番されないため、福祉事務所は住民票作成手続に必要な支援を行うこと。

(4) 生活保護法第24条第10項の規定による、町村長を経由した保護の開始又は変更の申請において、町村長は単なる経由機関に過ぎず、情報提供ネットワークシステムを使用した情報連携を行うことはできないこと。

(5) マイナンバーを取扱うにあたっては、必要な安全管理措置を講ずるといったセキュリティ対策を適切に行うこと。

2 外国人のマイナンバーの取扱いについて

一部の外国人住民(中長期在留者、特別永住者、一時庇護者及び仮滞在許可者、経過滞在者)もマイナンバーの付番の対象となっている。

一方で、生活保護事務については、番号法別表第一において、都道府県知事等が行う、生活保護法による保護の決定及び実施、就労自立給付金の支給、保護に要する費用の返還又は徴収金の徴収に関する事務であって主務省令で定めるものが、マイナンバーを利用することができる範囲とされており、外国人保護に関する事務は、厚生労働省社会局長通知に基づき、行政措置として日本国民に対する生活保護に準じた取扱いによって実施されているため、独自利用条例による規定が存在する場合を除き、マイナンバーの利用範囲の対象外となる。

よって、外国人の生活保護事務におけるマイナンバーの取扱いについて、下記のような対応が必要となること。

(1) 外国人の生活保護事務においてマイナンバーを利用しない場合

① 申請者が日本国籍の場合

ア 住民基本台帳等で申請者が日本国籍であることを確認した後、マイナンバーの提供を求める。

イ マイナンバーを用いた情報提供ネットワークシステムによって、申請者の収入等の調査を実施する。

② 申請者が外国籍の場合

ア 外国人については原則として、申請時に在留カード又は特別永住者証明書を提示することになっているため、当該書類により申請者が外国籍であることが確認された場合はマイナンバーの提供を求めない。また、申請時に国籍を証する書類を所持していない場合は、住民基本台帳等で国籍を確認する、申請時に国籍を確認できない場合には、その場でマイナンバーの提供を求めないようにするといった対応が必要となる。さらに、日本国籍の者と外国籍の者が混在した世帯の場合は、同一のシステムにおいて「個人情報」と「特定個人情報」が混在することにより、外国籍の者の情報の取扱いについても、各地方公共団体が定める個人情報保護条例ではなく番号法が適用されることとなり、安全管理措置や罰則についても番号法の規定が適用されることに留意すること。

イ マイナンバーを使用せず、従前の方法により申請者の収入等の調査を実施する。

なお、①、②いずれの場合においても、外国人保護に関する情報にマイナンバーが紐付かないように、適切なアクセス制御を行うといったシステム改修が必要となること。

(2) 外国人の生活保護事務においてマイナンバーを利用する場合

番号法第9条第2項に基づき、各地方公共団体においてマイナンバーの独自利用のための条例を定めることでマイナンバーを利用することが可能となるが、他地方公共団体の機関とのマイナンバーを利用した情報連携については、別途、番号法第19条第14号に基づき、特定個人情報保護委員会規則により当該情報連携が規定されることが必要であること。

また、特定個人情報保護委員会規則により当該情報連携が可能となった場合においても、外国人保護に関する情報については番号法別表に規定されているものではないため、当該情報を提供することはできないので注意すること。

さらに、町村長を経由した保護の開始又は変更の申請を行う場合には、条例においてその旨規定する必要があることに留意すること。