添付一覧
○「使用上の注意」の改訂について
(平成27年9月15日)
(薬食安発0915第1号)
(日本製薬団体連合会安全性委員会委員長あて厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)
医薬品の品質、有効性及び安全性に関する情報の収集、調査、検討等を踏まえ、医薬品の「使用上の注意」の改訂が必要と考えますので、下記のとおり必要な措置を講ずるよう関係業者に対し周知徹底方お願い申し上げます。
記
別紙1から別紙7までのとおり、速やかに添付文書を改訂し、医薬関係者等への情報提供等の必要な措置を講ずること。
また、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第52条の2第1項に規定する届出が必要な医薬品の添付文書を改訂する場合については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構あて同項の規定に基づく届出を行うこと。
別紙1
116 抗パーキンソン剤
【医薬品名】アマンタジン塩酸塩
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「横紋筋融解症:
横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。」
を追記する。
別紙2
396 糖尿病用剤
【医薬品名】イプラグリフロジンL―プロリン
トホグリフロジン水和物
ルセオグリフロジン水和物
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[重要な基本的注意]の項の尿路感染及び性器感染に関する記載を
「尿路感染を起こし、腎盂腎炎、敗血症等の重篤な感染症に至ることがある。また、腟カンジダ症等の性器感染を起こすことがある。十分な観察を行うなど尿路感染及び性器感染の発症に注意し、発症した場合には適切な処置を行うとともに、状態に応じて休薬等を考慮すること。尿路感染及び性器感染の症状及びその対処方法について患者に説明すること。」
と改め、ケトン体増加、糖尿病性ケトアシドーシスに関する記載を
「本剤の作用機序である尿中グルコース排泄促進作用により、血糖コントロールが良好であっても脂肪酸代謝が亢進し、ケトーシスがあらわれ、ケトアシドーシスに至ることがある。著しい血糖の上昇を伴わない場合があるため、以下の点に留意すること。
1)悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等の症状が認められた場合には、血中又は尿中ケトン体測定を含む検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2)特に、インスリン分泌能の低下、インスリン製剤の減量や中止、過度な糖質摂取制限、食事摂取不良、感染症、脱水を伴う場合にはケトアシドーシスを発現しやすいので、観察を十分に行うこと。
3)患者に対し、ケトアシドーシスの症状(悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等)について説明するとともに、これらの症状が認められた場合には直ちに医療機関を受診するよう指導すること。」
と改め、[副作用]の「重大な副作用」の項の腎盂腎炎に関する記載を
「腎盂腎炎、敗血症:
腎盂腎炎があらわれ、敗血症(敗血症性ショックを含む)に至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
と改め、
「ケトアシドーシス:
ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙3
396 糖尿病用剤
【医薬品名】エンパグリフロジン
カナグリフロジン水和物
ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[慎重投与]の項に
「尿路感染、性器感染のある患者」
を追記し、[重要な基本的注意]の項の尿路感染及び性器感染に関する記載を
「尿路感染を起こし、腎盂腎炎、敗血症等の重篤な感染症に至ることがある。また、腟カンジダ症等の性器感染を起こすことがある。十分な観察を行うなど尿路感染及び性器感染の発症に注意し、発症した場合には適切な処置を行うとともに、状態に応じて休薬等を考慮すること。尿路感染及び性器感染の症状及びその対処方法について患者に説明すること。」
と改め、ケトン体増加、糖尿病性ケトアシドーシスに関する記載を
「本剤の作用機序である尿中グルコース排泄促進作用により、血糖コントロールが良好であっても脂肪酸代謝が亢進し、ケトーシスがあらわれ、ケトアシドーシスに至ることがある。著しい血糖の上昇を伴わない場合があるため、以下の点に留意すること。
1)悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等の症状が認められた場合には、血中又は尿中ケトン体測定を含む検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2)特に、インスリン分泌能の低下、インスリン製剤の減量や中止、過度な糖質摂取制限、食事摂取不良、感染症、脱水を伴う場合にはケトアシドーシスを発現しやすいので、観察を十分に行うこと。
3)患者に対し、ケトアシドーシスの症状(悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等)について説明するとともに、これらの症状が認められた場合には直ちに医療機関を受診するよう指導すること。」
と改め、[副作用]の「重大な副作用」の項の腎盂腎炎に関する記載を
「腎盂腎炎、敗血症:
腎盂腎炎があらわれ、敗血症(敗血症性ショックを含む)に至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
と改め、
「ケトアシドーシス:
ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙4
399 他に分類されない代謝性医薬品
【医薬品名】フィンゴリモド塩酸塩
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「進行性多巣性白質脳症(PML):
進行性多巣性白質脳症(PML)があらわれることがあるので、本剤の投与中及び投与中止後は患者の状態を十分に観察すること。意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙5
429 その他の腫瘍用薬
【医薬品名】ニボルマブ(遺伝子組換え)
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[重要な基本的注意]の項に
「本剤のT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、過度の免疫反応による副作用の発現を考慮し、適切な鑑別診断を行うこと。過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮すること。」
を追記し、[副作用]の「重大な副作用」の項に
「重症筋無力症、筋炎:
重症筋無力症、筋炎があらわれることがあり、これらを合併したと考えられる症例も報告されている。筋力低下、眼瞼下垂、呼吸困難、嚥下障害、CK(CPK)上昇等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、重症筋無力症によるクリーゼのため急速に呼吸不全が進行することがあるので、呼吸状態の悪化に十分注意すること。」
「大腸炎、重度の下痢:
大腸炎、重度の下痢があらわれることがあるので、観察を十分に行い、持続する下痢、腹痛、血便等の症状があらわれた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙6
614 主としてグラム陽性菌、マイコプラズマに作用するもの
【医薬品名】アジスロマイシン水和物
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「薬剤性過敏症症候群:
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV―6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。」
を追記する。
〈参考〉厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性過敏症症候群
別紙7
625 抗ウイルス剤
【医薬品名】アスナプレビル
ダクラタスビル塩酸塩
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「血小板減少:
血小板減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」
を追記する。