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○ミコフェノール酸 モフェチル製剤の使用に当たっての留意事項について

(平成27年7月31日)

(/薬食審査発0731第7号/薬食安発0731第4号/)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長・厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)

(公印省略)

ミコフェノール酸 モフェチル製剤(販売名:セルセプトカプセル250)(以下「本剤」という。)については、本日、薬事衛生食品審議会において公知申請に関する事前評価を受け、既に承認を受けている効能・効果に追加し、新たに「ループス腎炎」の使用に対する保険適用が認められたところです(「新たに薬事・食品衛生審議会において公知申請に関する事前評価を受けた医薬品の適応外使用について」(平成27年7月31日付け薬食審査発0731第1号、薬食安発0731第1号厚生労働省医薬食品局審査管理課長、厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)及び、「公知申請に係る事前評価が終了した医薬品の保険上の取扱いについて」(平成27年7月31日付け保医発0731第1号厚生労働省保険局医療課長通知))。

本剤は催奇形作用を有しており、国内外において、本剤の投与を受けた患者からの先天性奇形を有する児の出産が報告されていること等から、その使用にあたっては、特に現行の使用上の注意に記載のある下記の点について留意されるよう、貴管下の医療機関に対する周知をお願いします。

1.本剤の、新たに公知申請の事前評価を受けた効能又は効果、並びに用法及び用量と、既承認効能の催奇形作用に対する、禁忌、原則禁忌、重要な基本的注意、及び、妊婦、産婦、授乳婦等への投与に対する注意事項は以下のとおりである。ループス腎炎に対して本剤を投与する場合においても、既承認効能に対する対応と同じく、本剤の催奇形作用について特段の留意をお願いすること。

なお、その他の使用上の注意等については、別添の添付文書及び資料を参照されたいこと。

公知申請の事前評価を受けた効能又は効果、並びに用法及び用量

【効能又は効果】

○ループス腎炎

<効能・効果に関連する使用上の注意>

ループス腎炎に対しては、診療ガイドライン等の最新の情報を参考に、本剤の投与が適切と判断される患者に投与すること

【用法及び用量】

成人:通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回250~1,000mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日3,000mgを上限とする。

小児:通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回150~600mg/m2を1日2回12時間毎に食後経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,000mgを上限とする。

<用法・用量に関連する使用上の注意>

ループス腎炎に対して本剤を投与する場合、投与開始時は、原則として副腎皮質ステロイドと併用すること

【禁忌(次の患者には投与しないこと)】

1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

2.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

【原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること】

妊娠する可能性のある婦人(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

【重要な基本的注意】

(1)~(3)略

(4)本剤の使用に際しては、患者又はそれに代わりうる適切な者に、次の注意事項についてよく説明し理解させた後、使用すること。

1)本剤は、催奇形作用が報告されているので、妊娠する可能性のある婦人に投与する場合には、妊娠検査が陰性であるとの結果を確認し、本剤投与前、投与中及び投与中止後6週間は避妊すること。

2)~3)略

(5)~(7)略

【妊婦、産婦、授乳婦等への投与】

(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中に他の免疫抑制剤と併用して本剤を服用した患者において、耳奇形を含む先天性奇形を有する児を出産した例が報告されている。また、ラットで、脳露出、腹壁破裂(6mg/kg/日)等が、ウサギで、動脈管開存、胸部及び腹壁破裂(90mg/kg/日)等が報告されている。]

(2)妊娠する可能性のある婦人には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(「重要な基本的注意」の項参照)

(3)授乳婦に投与する場合には、授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行(6mg/kg単回投与)が報告されている。]

2.本剤の既承認効能又は効果、並びに用法及び用量、及び、警告はそれぞれ以下のとおりであるので、特段の留意をお願いすること。

なお、その他の使用上の注意については、別添の添付文書及び資料を参照されたいこと。

既承認効能又は効果、並びに用法及び用量

【効能又は効果】

○腎移植後の難治性拒絶反応の治療

(既存の治療薬が無効又は副作用等のため投与できず、難治性拒絶反応と診断された場合)

○下記の臓器移植における拒絶反応の抑制

腎移植、心移植、肝移植、肺移植、膵移植

【用法及び用量】

1.腎移植の場合

○腎移植後の難治性拒絶反応の治療

通常、成人にはミコフェノール酸 モフェチルとして1回1,500mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

○腎移植における拒絶反応の抑制

成人:通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回1,000mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日3,000mgを上限とする。

小児:通常、ミコフェノール酸 モフェチルとして1回300~600mg/m2を1日2回12時間毎に食後経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日2,000mgを上限とする。

2.心移植、肝移植、肺移植、膵移植における拒絶反応の抑制の場合

通常、成人にはミコフェノール酸 モフェチルとして1回500~1,500mgを1日2回12時間毎に食後経口投与する。しかし、本剤の耐薬量及び有効量は患者によって異なるので、最適の治療効果を得るために用量の注意深い増減が必要である。

<用法及び用量に関連する使用上の注意>

重度の慢性腎不全患者(糸球体濾過率<25mL/分/1.73m2)では血中濃度が高くなるおそれがあるので、1回投与量は1,000mgまで(1日2回)とし、患者を十分に観察すること。

【警告】

臓器移植における本剤の投与は、免疫抑制療法及び移植患者の管理に精通している医師又はその指導のもとで行うこと。

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