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○バッテリーに使用される硫酸の取扱いに関する疑義について

(平成12年7月24日)

(医薬麻第1391号)

(各都道府県衛生主管部(局)長・各地区麻薬取締官事務所(支所)長あて厚生省医薬安全局麻薬課長通知)

標記について、関東信越地区麻薬取締官事務所長から別添2のとおり照会があり、別添1のとおり回答したので、内容を御承知の上、関係各方面に対する周知徹底及び適切な指導方御配慮願いたい。

別添1

○バッテリーに使用される硫酸の取扱いに関する疑義について(回答)

(平成12年7月24日)

(医薬麻第1390号)

(関東信越地区麻薬取締官事務所長あて厚生省医薬安全局麻薬課長通知)

平成12年7月19日関地麻第1335号により照会があった標記については、次のとおり回答する。

貴見のとおり。

ただし、車両、船舶等から取り外す等して輸入又は輸出するバッテリー内の硫酸については、この限りでない。

なお、国連麻薬統制委員会に対し同疑義について照会したところ、

1 麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約第12条第14項に基づき、付表に掲げる物質を含む製品であって、当該製品から当該物質を容易に回収することができない場合には、当該製品は、当該物質に適用される条約上の統制から除外される。

2 バッテリーから硫酸を回収することが現実的に困難であるので、日本政府が、硫酸を含むバッテリーを規制しないことは条約上差し支えないと考える。

3 しかしながら、多量の単位で取引される硫酸は、それがバッテリーの製造のためであっても、条約上の統制が必要である。

との見解が確認された。

別添2

○バッテリーに使用される硫酸の取扱いに関する疑義について

(平成12年7月19日)

(関地麻第1335号)

(厚生省医薬安全局麻薬課長あて関東信越地区麻薬取締官事務所長通知)

標記について、疑義が生じたので、下記のとおり照会する。

硫酸については、麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号。以下「法」という。)に規定する麻薬向精神薬原料であることから、硫酸を業として輸入又は輸出する場合には、法第50条の27の規定に基づき、麻薬等原料営業所ごとに麻薬等原料営業所の所在地を管轄する地区麻薬取締官事務所を経由し、厚生大臣に麻薬等原料輸入(輸出)業者の届出が必要であり、また、平成4年6月17日薬発第548号厚生省薬務局長「麻薬向精神薬原料の輸出入監視協力方依頼について」により、業務の届出を受理した地区麻薬取締官事務所長は、届出者に対し、「麻薬等原料輸入(輸出)業者業務届受理証明書」を交付し、硫酸を輸入又は輸出する場合は、当該証明書をもって関税法(昭和29年法律第61号)第70条に規定する他法令の証明としている。

車両、船舶等に搭載されたバッテリーに使用される硫酸については、

① 麻薬等の不正製造には多量の硫酸が必要であり、バッテリーに使用する硫酸を転用するよりも、多量のより純粋な硫酸を他の方法で入手する方が容易であること

② 車両、船舶等の本体価格や輸送費用等の合計価格よりも、密売による利益ははるかに低いこと

③ 国内において当該硫酸を転用し麻薬等の不正製造に使用された事例がないこと

等から、麻薬等の不正製造にバッテリーに使用される硫酸が転用される可能性は、極めて低いと考えられる。

したがって、車両、船舶等に搭載されたバッテリーに使用される硫酸を麻薬向精神薬原料として取り扱わなくとも、麻薬向精神薬原料の不正転用の防止という法の目的は十分に達成されると解すが如何。