添付一覧
○毒物及び劇物を含有する産業廃液の製剤該当性について(回答)
(平成24年12月11日)
(薬食化発1211第1号)
(愛媛県保健福祉部長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室長通知)
平成24年12月6日24薬第1139号をもって照会のあった標記について、下記のとおり回答する。
記
照会にかかる1、2及び3は、貴見のとおり解して差支えない。
○毒物及び劇物を含有する産業廃液の製剤該当性について(照会)
(平成24年12月6日)
(24薬第1139号)
(厚生労働省医薬食品局審査管理課化学物質安全対策室長あて愛媛県保健福祉部長通知)
毒物又は劇物の使用に伴い生じた毒物又は劇物を含有する廃液(以下、「廃液」という)については、従来、産業廃棄物として処理されており、その譲渡等に際し毒物及び劇物取締法第4条に基づく登録は不要と解してきたところである。
しかし、近年、コスト削減等の流れにより、廃液を利用しようとする者に対して、有価物として譲渡するといった事例が多数見受けられるようになり、下記のとおり毒物及び劇物取締法の施行に関し疑義を生じたので、意見を伺いたく照会する。
なお、本県では「製剤」の概念について、薬剤又はこれに類するもので物質的機能を利用するもの、希釈、混合、粉砕、ろ過等を含む調製行為が加えられたもの、当該成分を利用する意図をもって調製されたもの及び天然物、夾雑物、廃棄物に該当しないものとして解釈している。
記
1 営業者等が、廃液中に含有する毒物及び劇物の物質的機能等を利用する意図を持った者(以下、「廃液利用者」という)の求めに応じて、意図的に当該毒物及び劇物の濃度調製等を行い(以下、「調製行為」という)、得られた廃液を譲渡する場合、その廃液は「製剤」であり、その調製行為は製造業務であることから、「毒物劇物製造業」の登録が必要、営業者以外の者へ譲渡する場合は毒物劇物販売業の登録も併せて必要であると解せられるが如何。
(判断理由)
廃液はもはや社会的有用性を失った単なる廃棄物ではなく、毒物及び劇物の本来有する物質的機能を利用するために、調製行為が加えられた物と解せる。
(例)
電子部品等に付着した油分、シリコン等の不純物を洗浄する目的で、水酸化ナトリウム溶液を使用することに伴い生じた洗浄廃液(水酸化ナトリウム濃度5%超)を、他社の酸性廃液を中和する意図を以って、濃度調整(水酸化ナトリウム濃度10%)を行い譲渡する。
2 営業者等が、廃液利用者の求めに応じて、調製行為を行わない廃液を譲渡する場合、その廃液は「製剤」であるが、製造業務とは言えないため、毒物劇物製造業の登録は不要、毒物劇物販売業の登録は必要であると解せられるが如何。
(判断理由)
廃液はもはや社会的有用性を失った単なる廃棄物ではなく、毒物又は劇物の本来有する物質的機能を利用するために、調製行為が加えられた物であるが、業務の結果生じた物であり製造とまでは言えないと解せる。
(例1)
電子部品等に付着した油分、シリコン等の不純物を洗浄する目的で、水酸化ナトリウム溶液を使用することに伴い生じた洗浄廃液(水酸化ナトリウム濃度5%超)を、他社の酸性廃液を中和する意図を以って、そのままの状態で譲渡する。
(例2)
シアン化銀カリウム溶液を使用している鍍金業者が、鍍金槽に残存する廃液(シアン化銀カリウム溶液として13~37g/lを含有)を有価物としてリサイクル業者に譲渡するが、譲渡先は銀を精製するために、廃液中のシアン化銀カリウムを求めている。
3 営業者等は、廃液を有価物として他者へ譲渡するが、譲渡先は廃液中の毒物及び劇物の物質的機能を利用するものではなく、かつ、この旨を営業者等が確認している場合、その廃液は「製剤」ではないと解せられるが如何。
(判断理由)
廃液中の毒物及び劇物は、元の製剤が使用された状態として存在しており、元の製剤と同一の目的を失っていることから、単なる來雑物であり「製剤」ではないと解せる。
(例1)
電子部品上の保護膜を除去するため、薬液(ヒドロキシルアミン17.5%含有)で洗浄した後、当該部品に微量残存するヒドロキシルアミン等をイソプロピルアルコールで再洗浄する。
この際に生じるヒドロキシルアミンが微量残留(濃度約0.4%)するイソプロビルアルコール廃液を、イソプロピルアルコールを再利用する目的で他社にそのまま譲渡する。
(例2)
廃棄物処理業者は、自動車整備工場等から廃棄物として回収した毒物に該当するブレーキオイル(トリブチルアミン含有)を、電力会社へ燃料として譲渡する。