○父又は母が配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律による保護命令を受けた児童に係る児童扶養手当の支給事務について
(平成24年7月27日)
(雇児福発0727第2号)
(各都道府県民生主管部(局)長あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局家庭福祉課長通知)
今般、児童扶養手当法施行令の一部を改正する政令(平成24年政令第198号。以下「改正政令」という。)が平成24年8月1日から施行されることとなり、児童扶養手当(以下「手当」という。)の支給対象に、父又は母が配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号。以下「DV防止法」という。)第10条第1項の規定による命令(それぞれ母又は父の申立てにより発せられたものに限る。以下「保護命令」という。)を受けた児童を加えることとされたが、当該児童に係る手当の支給事務については下記のとおり取り扱うこととしたので、御了知いただくとともに、管内市町村(特別区を含む。)への周知をお願いする。
なお、この通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の9の規定に基づく法定受託事務に係る処理基準であることを申し添える。
記
1 手当の認定請求又は手当額の改定請求における取扱いについて
(1) 当該児童が父又は母が保護命令を受けた児童に該当することについては、児童扶養手当認定請求書又は児童扶養手当額改定請求書にその事実を明らかにする書類として、保護命令決定書の謄本及び確定証明書(別紙1参照)(DV防止法第19条の請求により交付される保護命令の確定証明書をいう。以下同じ。)(以下「保護命令決定書の謄本等」という。)の提出を受けて確認すること。
ただし、保護命令決定書の謄本等の代わりに、手当請求用確定証明書(別紙2参照)により、手当の認定請求又は手当額の改定請求をしようとする者には、手当請求用確定証明申請書(別紙3参照)を交付し、裁判所による証明を得ることを求めるものであること。なお、手当請求用確定証明書には保護命令の発令の事実及びその年月日並びに申立人である証明申請者の氏名及び保護命令決定書上の住所が記載されることから、保護命令決定書の謄本等は不要であること。
また、裁判所より交付された手当請求用確定証明書に、保護命令の確定の年月日又は申立人である証明申請者の保護命令決定書上の住所が記載されていない場合や、DV防止法第10条の項の指定がされていない場合でも、手当請求用確定証明書として受理して差し支えないこと。
(2) 父又は母が保護命令を受けた児童については、保護命令の有効期間(接近禁止命令は6月間、退去命令は2月間)が経過した場合やDV防止法第17条による保護命令の取消しが行われた場合でも、父又は母と生計を同じくしている等の手当の消極的要件に該当しない限り、手当の支給を継続する取扱いとすること。
ただし、DV防止法第16条による即時抗告(以下「即時抗告」という。)により保護命令が取り消された場合には、最初から保護命令を受けなかったものと解し、当該児童は最初から父又は母が保護命令を受けた児童に該当しないものとすること。
(3) 手当の認定請求又は手当額の改定請求の請求時点は、市町村において児童扶養手当法施行規則(昭和36年厚生省令第51号)上必要とされる添付書類及び請求書の記載に不備がないものとして請求書を受理した時点であるが、即時抗告又はその提起期間(裁判の告知を受けた日から1週間)により確定証明書又は手当請求用確定証明書の提出が遅れる場合には、保護命令決定書の謄本のみの提出により、請求書を受理して差し支えないこと。この場合、保護命令の確定の年月日が確定証明書又は手当請求用確定証明書に記載されるため、保護命令の確定が請求書の受理日より遅れたことについて、確定証明書又は手当請求用確定証明書が提出された際に確認すること。
(4) 父又は母が保護命令を受けた児童に該当するに至った日については、保護命令決定書の謄本又は手当請求用確定証明書における保護命令の決定の年月日であるので、改正政令附則第2項及び第3項並びに児童扶養手当法(昭和36年法律第238号)第13条の3第1項の適用に留意されたいこと。
2 現況届における取扱いについて
現況届においては、保護命令決定書の謄本等又は手当請求用確定証明書の提出を受けて、父又は母が保護命令を受けたことを改めて確認することは要しないものであること。
なお、当該児童が支給対象児童に該当することについて、父又は母と生計を同じくしている等の疑義がもたれた事例については、支給要件の確認に努めること。
3 保護命令の支給要件での認定への変更について
父又は母が引き続き1年以上遺棄している児童については、同時に父又は母が保護命令を受けた児童に該当する場合が考えられるが、遺棄の支給要件での認定である限り、現況届においては、遺棄申立書等の提出が必要となる。一方、保護命令の支給要件での認定であれば、現況届において、父又は母が保護命令を受けたことを明らかにする書類を提出することを要しない。
このため、遺棄の支給要件での認定から保護命令の支給要件での認定への変更を、1(1)に定めるところにより当該児童が保護命令の支給要件に該当することを確認した上で、現況届の際等に行うことができること。
(別紙1)
(別紙2)
(別紙3)