添付一覧
(*1)
介護予防訪問介護、介護予防訪問入浴介護、介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、介護予防通所介護、介護予防通所リハビリテーション、介護予防福祉用具貸与、介護予防認知症対応型通所介護、介護予防認知症対応型共同生活介護、介護予防小規模多機能型居宅介護、介護予防短期入所生活介護、介護予防短期入所療養介護(介護保険施設)、介護予防短期入所療養介護(介護容量施設等)、介護予防認知症対応型共同生活介護(短期利用型)、介護予防小規模多機能型居宅介護(短期利用型)
(*2)
訪問型サービス(みなし)、訪問型サービス(独自)、訪問型サービス(独自/定率)(*3)、訪問型サービス(独自/定額)(*3)
通所型サービス(みなし)、通所型サービス(独自)、通所型サービス(独自/定率)(*3)、通所型サービス(独自/定額)(*3)
(*3)
限度額管理対象/対象外サービスは市町村が決定して国保連に連絡する。
(*4)
住所地特例適用被保険者の介護予防ケアマネジメント費は施設所在市町村へ請求
(*5)
介護予防ケアマネジメントは実施しておらず、居宅療養管理指導のみ利用されている場合を除く。
(3) 介護予防ケアマネジメント費の請求及び支払について
介護予防ケアマネジメントは、直接実施又は委託により実施するものとされていることから、予防給付の報酬を踏まえた指定事業者としての単価の設定はないが、地域包括支援センターが委託されている場合や事業の一部が地域包括支援センターから居宅介護支援事業所に委託されている場合には単価設定が必要である。
ア 地域包括支援センターを直営で運営している市町村
現行の指定介護予防支援事業所に係る経費を計上するのと同じように所要額を計上するものであるから、介護予防ケアマネジメントに係る単価を設定し、それに基づく積算を行う必要はないと考えられる。
一方で、事業の一部を居宅介護支援事業所に委託する場合にあっては、介護予防ケアマネジメントが要支援者等の個人に対する個別のサービスであることから、1件あたりの単価を設定する必要があるが、その単価は予防給付の報酬単価以下のの単価(事業の一部を委託することから、委託する事務量に応じた単価で設定する必要がある)を市町村が定めることとしている。
表8―1 介護予防支援給付と介護予防ケアマネジメントの違い(直営型包括)
イ 地域包括支援センターを委託している市町村
委託に際する所要額の算定にあっては、介護予防ケアマネジメントが要支援者等の個人に対する個別のサービスであることから、1件あたりの単価を設定する必要があるが、その単価は予防給付の報酬単価以下の単価を市町村が定めることとしている。
なお、介護予防支援は指定事業者制度に基づき、国保連を通じて報酬が支払われるが、介護予防ケアマネジメントは、市町村から直接委託料が支払われるものである。
表8―2 介護予防支援給付と介護予防ケアマネジメントの違い(委託型包括)
なお、要支援者に対する介護予防ケアマネジメント費について、例外的に審査支払を国保連合会に委託することは可能であるが、介護予防ケアマネジメント費と給付管理票の突合審査は行われない(仮に、給付管理票が存在しない場合でも介護予防ケアマネジメント費は支払われる)ことに留意されたい。
介護予防ケアマネジメント実施における関連様式例一覧
様式1 基本チェックリスト様式例及び事業対象者に該当する基準
様式2 基本チェックリストについての考え方
様式3 介護予防サービス計画作成・介護予防ケアマネジメント依頼(変更)届出書
様式4 興味・関心チェックシート
様式5 利用者基本情報
様式6 介護予防サービス・支援計画書(ケアマネジメント結果等記録表)
様式7 介護予防支援・介護予防ケアマネジメント経過記録
(サービス担当者会議の要点を含む)
様式8 介護予防支援・介護予防ケアマネジメント サービス評価表
(※ 様式5から様式8までを「標準様式例」という)
様式1
様式2
様式3
様式4
様式5
様式6
様式7
様式8
(介護予防支援及び介護予防ケアマネジメント業務に係る関連様式例記載要領)
本様式例は、当初の介護予防サービス計画原案又は、介護予防ケアマネジメント(第一号介護予防支援事業)におけるケアプラン原案(以下、「介護予防サービス計画原案等」という。)を作成する際に記載し、その後、介護予防サービス計画又は、介護予防ケアマネジメント(第一号介護予防支援事業)におけるケアプラン(以下、「介護予防サービス計画等」という。)の一部を変更する都度、別葉を使用して記載するものとする。
但し、サービス内容への具体的な影響がほとんど認められないような軽微な変更については、当該変更記録の箇所の冒頭に変更時点を明記しつつ、同一用紙に継続して記載することができるものとする。
1 「利用者基本情報」
① 「作成担当者名」
利用者基本情報の作成担当者の氏名を記載する。
② 「相談日」
初回の相談日で、当該利用者基本情報を作成した年月日を記載する。また、相談の方法として、来所や電話等の種別を記入する。また、初回の訪問か、再来の場合は、前回の相談日がわかれば記載する。
③ 「本人の現況」
利用者本人の現在の居所について記載する。入院または入所中の場合は、その施設名を記載する。
④ 「本人氏名」
利用者氏名及び性別を記載する。介護保険被保険者証と一致していることを確認し、利用者の生年月日と年齢を記載する。
⑤ 「住所」
当該利用者の現在居住している居住地を記載すること。住民票の住所地と異なる場合は、介護保険被保険者証に記載されている住所を記載する。
⑥ 「電話番号」
当該利用者と連絡のとれる電話番号を記載する。
⑦ 「日常生活自立度」
利用者の「障害高齢者の日常生活自立度判定基準」、「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」に基づくそれぞれのランクについて、要支援認定で用いられた主治医意見書の3(1)の「日常生活の自立度等について」を参考に、現在の状態に該当するものに○印を付す。
⑧ 「認定・総合事業情報」
利用者の要介護認定等の区分について、「非該当」、「要支援1」から「要介護5」のいずれかを○で囲む。また、認定有効期間と前回の介護度を記載する。
基本チェックリストの記入について、「事業対象者の該当有り」又は「事業対象者の該当なし」のいずれかを○で囲み、記入日を記載する。
⑨ 「障害者等認定」
障害等の種別について○印で囲む。障害等級等、特記することがあれば空欄に記載する。
⑩ 「本人の住居環境」
該当するものについて○印で囲む。自室の有無、自室のある場合は自室のある階を記載する。また、住宅改修の有無についても記載する。
⑪ 「経済状況」
利用者の該当する年金等について○印で囲むとともに、経済等の状況を記入する。
⑫ 「来所者(相談者)」
来所者または相談者について、氏名を記載する。
⑬ 「住所連絡先」
来所者または相談者の住所、連絡先及び本人との続柄を記載する。
⑭ 「緊急連絡先」
緊急時に確実に連絡がとれる電話番号を記載する。連絡先は複数確認することが望ましい。当該利用者の急変等、緊急に連絡をとる必要がある場合に利用者自宅以外の連絡先を記載する。また、家族が働いている場合は、携帯電話や自宅の他に家族の職場等確実に連絡がとれる電話番号を記載する。
⑮ 「家族構成」
当該利用者の家族について記載する。介護力を考慮するために、家族の年齢や居住地域も可能な範囲で記載する。現在利用者と同居している家族は○で囲む。当該利用者に関係する家族関係等の状況を欄内の凡例を用い、利用者を中心として家族関係がわかるように図解して記載する。なお、家族関係で特記すべき事項があれば記載する。
⑯ 「今までの生活」
当該利用者の現在までの生活について、主要な出来事を時間の経過順に記載する。
職業や転居、家族史、家族との関係、居住環境などについて記載する。
⑰ 「現在の生活状況(どのような暮らしを送っているか)」
「一日の生活すごし方」は、起床から就寝までの一日の流れや食事・入浴・買い物仕事や日課にしていることなど、一日の過ごし方を記載する。上段には、生活全般に関する様子を記入し、食事や入浴、家事など毎日の決まった生活行為については、下段にタイムスケジュールを記入する。
のちにアセスメント領域の「日常生活(家庭生活)について」で、この領域をアセスメントすることを念頭に必要な情報を記載する。
「趣味や楽しみ、特技」は、以前取り組んでいた趣味や楽しみ、特技も聞き取り記載する。
「友人や地域との関係」は、友人や地域との交流頻度や方法、内容を記載する。
⑱ 「現病歴・既往歴と経過」
主治医意見書からの情報や利用者・家族からの聴取をもとに、利用者の主な既往症と治療服薬の状況について時間の経過順に記載する。記入した病気のために服薬等の治療を受けている場合は、「治療中」に○印を付し、治療は受けていないが受診だけはしているという場合は、経過観察中に○印を付す。その他の状況の場合には「その他」に○印を付す。また、要支援者の場合、主治医意見書を記載した医療機関または医師については★印を付す。
⑲ 「現在利用しているサービス」
当該利用者が現在利用している支援について、サービスの種別と利用頻度について記載する。ここでいうサービス・事業は、行政の行う一般施策のような公的なサービスと、ボランティアや友人などによって行われている非公的なサービスを分けて記載する。
⑳ 「個人情報の第三者提供に関する同意」
地域包括支援センターが行う事業の実施に当たり、利用者の状況を把握する必要があるときは、基本チェックリスト記入内容、要介護認定、要支援認定に係る調査内容、介護認定審査会による判定結果・意見、及び主治医意見書と同様に、利用者基本情報、支援・対応経過シート、アセスメントシート等の個人に関する記録を、居宅介護支援事業者、居宅サービス事業者、総合事業におけるサービス事業等実施者、介護保険施設、主治医その他本事業の実施に必要な範囲で関係する者に提示することに同意を得る。
2 「介護予防サービス・支援計画書(ケアマネジメント結果等記録表)」
① 「NO.」
利用者の整理番号を記載する。
② 「利用者名」
当該介護予防サービス計画等の利用者名を記載する。
③ 「認定年月日」
当該利用者の要支援認定の結果を受けた日を記載する。
④ 「認定の有効期間」
当該利用者の認定の有効期間を日付で記載する。
⑤ 「初回・紹介・継続」
当該利用者が、当該地域包括支援センター、指定介護予防支援事業者又は当該委託を受けた居宅介護支援事業者において初めて介護予防ケアマネジメント及び予防給付を受ける場合は「初回」に、介護予防ケアマネジメントを受けていたが、予防給付を受けるように紹介された場合、又は、予防給付を受けていたが、介護予防ケアマネジメントを受けるよう紹介された場合は「紹介」に、介護予防ケアマネジメントを受けており、今後も介護予防ケアマネジメントを受ける予定、あるいは予防給付を現在受けており、今後も予防給付を受ける予定の場合は「継続」に○を付す。
⑥ 「認定済・申請中」
要支援認定について「新規申請中」(前回「非該当」となり、再度申請している場合を含む。)、「区分変更申請中」、「更新申請中であって前回の認定有効期間を超えている場合」は、「申請中」に○を付す。それ以外の場合は「認定済」に○を付す。
認定を受けていない場合は、○を付さない。
⑦ 「要支援1・要支援2 地域支援事業」
被保険者証に記載された「要介護状態区分」あるいは基本チェックリストの結果から総合事業における介護予防ケアマネジメント(第1号介護予防支援事業)を『利用する場合は「地域支援事業」に○を付す。
⑧ 「計画作成者」
当該介護予防サービス計画等作成者(地域包括支援センター担当者名)の氏名を記載する。なお、介護予防支援業務及び介護予防ケアマネジメントを委託する場合には、担当介護支援専門員名もあわせて記載する。
⑨ 「委託の場合:計画作成事業者・事業所名及び所在地(連絡先)」
介護予防支援業務及び介護予防ケアマネジメントを委託する場合は、当該介護予防サービス計画等作成者の所属する介護予防支援事業者・事業所名及び所在地(住所と電話番号)を記載する。
⑩ 「担当地域包括支援センター」
介護予防支援業務及び介護予防ケアマネジメントを委託する場合に、当該利用者が利用する地域包括支援センター名を記載する。
⑪ 「計画作成(変更)日(初回作成日)」
当該地域包括支援センター若しくは介護予防支援事業者又は当該委託を受けた居宅介護支援事業者において当該利用者に関する介護予防サービス計画等を作成した日を記載する。また、「初回作成日」には、二回目以降の計画作成の場合、初回作成日を記載する。
⑫ 「目標とする生活」
利用者が今後どのような生活を送りたいか、利用者自身の意思意欲を尊重し、望む日常生活のイメージを具体的にすることで、利用者が介護予防へ主体的に取り組む動機付けとなる。
この欄には、必要に応じて計画作成者が前記のような支援を行いつつ、利用者にとっては介護予防への最初の取り組みである「目標とする生活」のイメージについて記載する。
具体的にどのような生活を送りたいかは、一日単位でも、一年単位でも、よりイメージしやすい「目標とする生活」を記述する。漠然としていて、イメージできない場合は、毎日の生活の中でどのようなことが変化すればよいのか、イメージしやすい日常生活のレベルでともに考える。計画を立て終わった時点では、全体像を把握した上で、再度利用者と修正するのは差し支えない。一日及び一年単位の両方記載しなければならないものでなく、また、両者の目標に関係がなければならないものではない。
「一日」は、大きな目標にたどり着くための段階的な目標である場合や、健康管理能力や機能の向上・生活行為の拡大・環境改善など、様々な目標が設定される場合もあり得る。また、利用者が達成感自己効力感が得られるような内容が望ましい。
「一年」は、利用者とともに、生きがいや楽しみを話し合い、今後の生活で達成したい目標を設定する。あくまでも、介護予防支援及び介護予防ケアマネジメントや利用者の取り組みによって達成可能な具体的な目標とする。計画作成者は利用者の現在の状況と今後の改善の可能性の分析を行い、利用者の活動等が拡大した状態を想像してもらいながら、その人らしい自己実現を引き出すようにする。
⑬ 「健康状態について」
「主治医意見書」(要支援者のみ)、「生活機能評価」「基本情報」等より健康状態について、介護予防サービス計画等を立てる上で留意すべき情報について記載する。
⑭ 「アセスメント領域と現在の状況」
各アセスメント領域ごとに、日常生活の状況を記載する。
各アセスメント領域において「現在、自分で(自力で)実施しているか否か」「家族などの介助を必要とする場合はどのように介助され実施しているのか」等について、その領域全般について聴取。アセスメントは、基本チェックリストの回答状況、主治医意見書、生活機能評価の結果も加味して行う。
聴取するにあたって利用者と家族の双方に聞き、実際の状況と発言していることの違い、利用者と家族の認識の違いなどにも留意する。
利用者・家族からの情報だけでなく、計画作成者が観察した状況についても記載する。
「運動・移動について」欄は、自ら行きたい場所へ様々な手段を活用して、移動できるかどうか、乗り物を操作する、歩く、走る、昇降する、様々な交通を用いることによる移動を行えているかどうかについて確認する必要がある。
「日常生活(家庭生活)について」欄は、家事(買い物調理掃除洗濯ゴミ捨て等)や住居経済の管理、花木やペットの世話などを行っているかについて確認する必要がある。
「社会参加、対人関係コミュニケーションについて」欄は、状況に見合った適切な方法で、人々と交流しているか。また、家族、近隣の人との人間関係が保たれているかどうか。仕事やボランティア活動、老人クラブや町内会行事への参加状況や、家族内や近隣における役割の有無などの内容や程度はどうかについて確認する必要がある。
「健康管理について」欄は、清潔・整容・口腔ケアや、服薬、定期受診が行えているかどうか。また、飲酒や喫煙のコントロール、食事や運動、休養など健康管理の観点から必要と思われた場合、この領域でアセスメントする。特に、高齢者の体調に影響する、食事・水分・排泄の状況については、回数や量などを具体的に確認する必要がある。
⑮ 「本人・家族の意欲・意向」
各アセスメント領域において確認をした内容について、利用者・家族の認識とそれについての意向について記載する。例えば、機能低下を自覚しているかどうか、困っているかどうか、それについてどのように考えているのか等。
具体的には、「○○できるようになりたい」「手伝ってもらえば○○したい。」と記載し、その理由についても確認する。ただし、利用者と家族の意向が異なった場合は、それぞれ記載する。否定的ないし消極的な意向であった場合は、その意向に対し、ただちに介護予防サービス計画等を立てるのではなく、その意向がなぜ消極的なのか、否定的なのかという理由を明らかにすることが介護予防支援及び介護予防ケアマネジメントでは大切である。これは、具体策を検討する際に参考情報となる。
⑯ 「領域における課題(背景・原因)」
各アセスメント領域において生活上の問題となっていること及びその背景・原因を「アセスメント領域と現在の状況」「本人・家族の意欲・意向」に記載した内容や、実際の面談中の様子、利用者基本情報、主治医意見書、生活機能評価の結果等の情報をもとに健康状態、心理・価値観・習慣、物的環境・人的環境、経済状況等の観点から整理し、分析する。その際、基本チェックリストのチェック結果についても考慮する。ここには、現在課題となっていることあるいはその状態でいると将来どのようなことがおこるかなど課題を予測して記載する。結果として、その領域に課題があると考えた場合に「□ 有」に■印を付す。
⑰ 「総合的課題」
前項目で分析した各「領域における課題」から、利用者の生活全体の課題を探すため、直接的な背景・原因だけでなく、間接的な背景・原因を探り、各領域における課題共通の背景等を見つけ出す。そして、利用者にとって優先度の高い順で課題を列挙する。また、課題とした根拠を記載する。例えば、複数の領域それぞれに課題があったとしても、その課題の原因や背景などが同一の場合、統合して記述したほうが、より利用者の全体像をとらえた課題となる。ここには、支援を必要とすることを明確にするために課題だけを記載し、意向や目標、具体策などは記載しない。
ここであげる総合的課題に対して、これ以降の介護予防支援及び介護予防ケアマネジメントのプロセスを展開するため、優先度の高い順に1から番号を付す。
⑱ 「課題に対する目標と具体策の提案」
「総合的課題」に対して、目標と具体策を記載する。この目標は、利用者や家族に対して専門的観点から示す提案である。したがって、本人や家族の意向は入っておらず、アセスメントの結果が現れる部分である。適切にアセスメントがされたかどうかは、この項目と意向を踏まえた目標と具体策を比較すると判断できるため、地域包括支援センターでの確認は、この項目をひとつの評価指標とすることができる。このため、目標は漠然としたものではなく、評価可能で具体的なものとする。
具体策についても、生活機能の低下の原因となっていることの解決につながる対策だけでなく、生活機能の低下を補うための他の機能の強化や向上につながる対策等、様々な角度から具体策を考える。
具体的な支援やサービスは、サービス事業や一般介護予防事業、介護保険サービスだけではなく、生活機能の低下を予防するための利用者自身のセルフケアや家族の支援、民間企業により提供される生活支援サービス、地域のインフォーマルサービスなどの活用についても記載する。
今後、次の項目である「具体策についての意向 本人・家族」欄で同意が得られた場合は、ここで提案した目標と具体策が介護予防サービス計画等の目標と支援内容につながっていく。
計画作成者はアセスメントに基づき、専門的観点から利用者にとって最も適切と考えられる目標とその達成のための具体的な方策について提案することが重要である。
⑲ 「具体策についての意向 本人・家族」
計画作成者が提案した「課題に対する目標と具体策」について、利用者や家族の意向を確認して記載する。ここで、専門家の提案と利用者の意向の相違点が確認できる。ここでの情報は、最終的な目標設定を合意する上での足がかりとなる。
合意が得られた場合は、「○○が必要だと思う」「○○を行いたい」等と記載する。合意が得られなかった場合には、その理由や根拠等について、利用者や家族の考えを記載する。
⑳ 「目標」
前項目の利用者や家族の意向を踏まえ、計画作成者と利用者・家族の三者が合意した目標を記載する。当初から「課題に対する目標と具体策」について合意を得られていた場合には、「同左」あるいは「提案どおり」などを記載してもよい。
((21)) 「目標についての支援のポイント」
前項目の目標に対して、計画作成者が具体的な支援を考える上での留意点を記入する。
ここには、目標達成するための支援のポイントとして、支援実施における安全管理上のポイントやインフォーマルサービスの役割分担など、様々な次元の項目が書かれることがある。
((22)) 「本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス(民間サービス)」「介護保険サービスまたは地域支援事業(総合事業のサービス含む)」
「本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス(民間サービス)」欄には、本人が自ら取り組むことや、家族が支援すること、地域のボランティアや近隣住民の協力、民間企業により提供される生活支援サービスなどもインフォーマルサービスとして記載する。誰が、何をするのか具体的に記載する。
「介護保険サービスまたは地域支援事業(総合事業のサービス含む)」欄には、予防給付、総合事業のサービス事業や一般介護予防事業等含めた地域支援事業のサービスの内容を記載し、どのサービス・事業を利用するかわかるように○印で囲むものとする。
具体的なサービス内容について、利用者・家族と合意し、目標を達成するために最適と思われる内容については本来の支援として、そのまま記載する。
しかし、サービス内容について利用者・家族と合意できない場合や地域に適当なサービスがない場合は、利用者・家族が合意した内容や適切なサービスの代わりに行う地域の代替サービスを当面の支援として括弧書きで、サービス内容を記載する。本来の支援の下に、当面の支援を記載する。
((23)) 「【本来行うべき支援ができない場合】妥当な支援の実施に向けた方針」
本来の支援が実施できない場合で、利用者や家族の合意がとれない場合は、本来の支援をできるように働きかける具体的な手順や方針を書く等、その内容の実現に向けた方向性を記載する。また、本来必要な社会資源が地域にない場合にも、地域における新たな活動の創設などの必要性を記載する。
((24)) 「サービス種別」
「本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス(民間サービス)」「介護保険サービスまたは地域支援事業(総合事業のサービス含む)」の支援内容に適したサービス種別を具体的に記載する。
((25)) 「事業所(利用先)」
具体的な「サービス種別」及び当該サービス提供を行う「事業所名(利用先)」を記載する。また、地域、介護保険以外の公的サービスが担う部分についても明記する。
((26)) 「期間」
「期間」は、「支援内容」に掲げた支援をどの程度の「期間」にわたり実施するかを記載する(「○か月」「○月○日~○月○日」など記載する)。
なお、「期間」の設定においては要支援者の場合は「認定の有効期間」も考慮するものとする。
また、「支援内容」に掲げたサービスをどの程度の「頻度(一定期間内での回数、実施曜日等)」で実施するか提案があれば記載する。
((27)) 「総合的な方針(生活不活発病の改善・予防のポイント)」
記載された「目標とする生活」や「目標」について、利用者や家族、計画作成者、各サービス担当者が生活不活発病の改善・予防に向けて取り組む共通の方向性や特別に留意すべき点、チーム全体で留意する点などを記載する。
((28)) 「必要な事業プログラム」
基本チェックリストの該当項目数から、プログラム毎のチェックリストの項目数を分母、該当した項目数を分子として枠内に記入する。また、専門職による短期集中予防サービスを利用する場合は、その判断基準から参加することが望まれると考えられるプログラムの枠内の数字に○印を付す。
((29)) 「地域包括支援センターの意見・確認印」
居宅介護支援事業者が地域包括支援センターからの委託を受けて行う場合に本欄を使用する。この場合、その介護予防支援及び介護予防ケアマネジメントの最終的な責任主体である当該地域包括支援センターは、介護予防サービス計画等が適切に作成されているかを確認する必要がある。
このようなことから、委託された居宅介護支援事業者は、介護予防サービス計画原案等を作成し、介護予防サービス計画書について当該地域包括支援センターの確認を受ける必要があり、その際に、本欄に確認をした当該地域包括支援センターの担当者がその氏名を記載する(当該地域包括支援センターの担当者がサービス担当者会議に参加する場合には、サービス担当者会議の終了時に介護予防サービス計画原案等の確認を行っても差し支えない)。
この確認を受けた後に、利用者に最終的な介護予防サービス計画原案の説明を行い、同意を得ることとなる。
(ただし、総合事業における介護予防ケアマネジメントの場合は、そのプロセスによっては、ケアプラン原案としての作成や、サービス担当者会議を省略することもある。)
((30)) 「計画に関する同意」
介護予防サービス計画原案等の内容を当該利用者・家族に説明を行った上で、利用者本人の同意が得られた場合、利用者に氏名を記入してもらう。この場合、利用者名を記入した原本は、事業所において保管する。
3 「介護予防支援・介護予防ケアマネジメント経過記録」
① 「利用者氏名」
当該利用者名を記載する。
② 「計画作成者名」
当該介護予防サービス計画等作成者(地域包括支援センター担当者名)の氏名を記載する。なお、介護予防支援業務又は介護予防ケアマネジメントを委託する場合には、委託を受けた指定居宅介護支援事業所の担当介護支援専門員名もあわせて記載する。
③ 「年月日」「内容」
訪問、電話、サービス担当者会議等での連絡や相談、決定事項等があった場合その日付と相談や会議内容、決定事項等の内容を記載する。事業所から報告書等が提出された場合は、ここに添付する。ここでは、事実の記載は最重要事項であるが、その事実に基づき介護予防サービス計画等の修正が必要と考えられた場合などは、記録を残すことも重要である。
4 「介護予防支援・介護予防ケアマネジメント サービス評価表」
① 「利用者氏名」
当該利用者名を記載する。
② 「計画作成者名」
当該介護予防サービス計画等作成者(地域包括支援センター担当者名)の氏名を記載する。なお、介護予防支援又は介護予防ケアマネジメント業務を委託する場合には、担当介護支援専門員名を記載する。
③ 「評価日」
当該介護予防サービス・支援評価を行った日を記載する。
④ 「目標」
当該「介護予防サービス・支援計画書」の目標を記載する。
⑤ 「評価期間」
「介護予防サービス・支援計画書」の「期間」欄から期間を転記する。
⑥ 「目標達成状況」
評価期間内に目標がどの程度達成できているのか、具体的に記載する。
評価時に、評価期間が終わっていないサービスについてもいったん評価を行い、介護予防サービス計画等を見直す。
⑦ 「目標 達成/未達成」
目標を達成した場合には○印、未達成の場合には×印を付す。
⑧ 「目標達成しない原因(本人・家族の意見)」
何故、目標が達成されなかったのか、目標の設定の妥当性も含め当該利用者・家族の認識を確認し、原因を記載する。
⑨ 「目標達成しない原因(計画作成者の評価)」
何故、目標が達成されなかったのか、利用者・家族の意見を含め、計画作成者としての評価を記載する。
⑩ 「今後の方針」
目標達成状況や目標達成しない原因から、今後の方針について、専門的な観点を踏まえて記載する。
⑪ 「総合的な方針」
今後の支援の総合的な方針について、専門的な観点から方針を記載する。
⑫ 「地域包括支援センター意見」
介護予防サービス計画等に対する対象者の状況や事業所等からの報告を受けて、効果が認められた、維持悪化等の判定をし、その根拠も記載する。特に、介護予防支援又は介護予防ケアマネジメント業務を委託する場合、計画作成者の今後の方針などが適切でない場合は、詳細について意見交換を行い、地域包括支援センターと委託を受けた指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員の方針の統一を図る必要がある。
地域包括支援センター意見を参考に今後の方針で該当するものにレ印を付す。
[別紙2]
介護予防手帳の活用について
ここで提示する介護予防手帳は、これまで高齢者の保健福祉施策において、心身の状況や介護予防ケアプラン等に関する情報を集約し、本人・家族・地域包括支援センター・事業者等で共有する媒体として、老人保健事業における「健康手帳」や地域支援事業における「介護予防手帳」が活用されてきたところから、介護予防・日常生活支援総合事業においてセルフマネジメントを推進し、規範的統合を図る観点から、従来の介護予防手帳の内容の充実を図る場合の様式を提案するものである。
介護予防手帳を活用するか否か、また、活用する場合どのような者を対象にするかは市町村の判断であるが、「ケアマネジメントC(初回のみの介護予防ケアマネジメント)」の対象者のためのセルフマネジメントツールを作成する際等に参考にしていただきたい。
1 目的
介護予防は、単に高齢者の運動機能や栄養状態といった心身機能の改善だけを目指すものではなく、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を促し、それによって一人一人の生きがいや自己実現のための取組を支援して、生活の質の向上を目指すものである。このため、高齢者が住み慣れた地域で生きがいや役割をもって、いきいきと楽しく暮らし続けることができるように支援するためのツールとして、介護予防手帳を作成したものである。
介護予防手帳の対象者には、単にサービスメニューや利用方法、提供体制等について周知するだけでなく、各自がその能力を最大限活用しつつ、地域社会とのつながりを断絶することなく適切な支援を受けることが重要であることを理解してもらう必要がある。
また、要支援者等の状況に応じて、地域包括支援センターが介護予防ケアマネジメントにより継続的に関与しないケース(ケアマネジメントC)も想定していることから、要支援者等が自らの健康保持や介護予防の意識を高く保ち、関係者と共有して、各種サービスの利用・支援への参加等をしていくことが重要である。
従来の介護予防手帳は、高齢者の心身の状況の情報を共有してきたが、これに加えて、高齢者が自律的に生活を管理(セルフマネジメント)する力を高めるため、自身の興味・関心に基づいた生活の目標をたて、活動計画を作成し、活動経過を記録しながら関係者と共有できるように様式を工夫している。
2 主な交付対象者
「介護予防・日常生活支援総合事業対象者のうちケアマネジメントC(初回のみの介護予防ケアマネジメント)の対象者、その他交付を希望する者」
・ 地域の通いの場等へ自ら参加し、自ら介護予防に取り組むことができる高齢者を想定しており、身体介護や機能訓練を必要とする高齢者についてはケアマネジメントA(原則的な介護予防ケアマネジメント)が必要であると考えられるため、原則として対象外と想定している。
・ また、基本チェックリストにおいて事業対象者に該当しない、いわゆる元気高齢者については、介護予防ケアマネジメントにおける地域包括支援センターの支援を受けないことから、原則として対象外と想定している。
・ ケアマネジメントB(簡略化した介護予防ケアマネジメント)の対象者については、サービス担当者会議やモニタリングの簡略化が可能となるため、介護予防手帳を活用してセルフマネジメントを推進することも考えられる。
・ いずれにしても、本人が希望する場合は交付することができると考えており、そもそも、これまでの介護予防手帳は「特定高齢者及びその他希望する者」を対象者としていたものであるところ、第1号被保険者であれば、市町村が対象者の範囲を広げる(狭める)ことを妨げるものではない。
3 介護予防手帳の作成方針
(1) 【携行用】と【保管用】の分類
新たな介護予防手帳では、生活の目標、目標達成に向けた取組内容等を記載し、持ち歩くことで取組の経過を記録することにしたが、一方、従来の介護予防手帳に含まれていた心身の状況に関する情報は携行するのになじまないため、【携行用】と【保管用】に分類することとした。
【携行用】は、高齢者の持ち歩きや個人情報保護を考慮した簡易なセルフマネジメントツールとしており、本人の興味・関心を確認し、それに基づいた生活の目標を設定、それに向けて自身で取り組む活動を決め、自分一人では難しいことについては、家族・知人の助けや支援・サービスを設定できるようになっている。
【保管用】では、本事業における介護予防の基本的な考え、【携行用】の記載方法、地域内の活動場所や支援・サービス等について定めているが、その他必要な書類とともにファイリングして保管しておくことが望ましい。
その他、ケアマネジメントにおいて参考にすべき、あるいは本人と地域の多様な支援者にて共有するべき情報として、次のものが考えられる。
○利用者基本情報
○生活の目標・目標を達成するための活動・活用する支援・サービス *1【携行用】
○地域内の活動場所、支援・サービスに関する情報 *2【保管用】
○心身の状況に関する情報
・基本チェックリスト
・健康診査等の結果票
・医療機関から提供された診療情報 /等
○利用している支援・サービスの情報
・介護予防サービス・支援計画書(ケアマネジメント結果等)
・介護予防サービス・支援評価表
・事業者による事前・事後アセスメント結果票 /等
○本人が介護予防の知識を習得するための情報
・健康づくり、介護予防に関する啓発資料
・運動・口腔・栄養機能に関する基本知識 /等
○その他、介護予防に関する書類
うち、*1は【携行用】、*2は【保管用】の介護予防手帳の中で、情報の掲載案を示している。その他の情報については、必要に応じて【保管用】とともに保管することを想定している。
(2) 日常生活の活動性を高めるための項目設定
介護予防・日常生活支援総合事業が目指す「日常生活の活動性を高めることによる介護予防」を促すためには、本人の興味・関心に基づいて生活目標を設定し、目標達成に向けて、地域活動や趣味、スポーツ等に取り組めるよう支援する必要がある。また、生活上の困りごとについては、必要な支援・サービスを自ら選択して利用することが重要である。
そこで、介護予防手帳には、ケアプランの基本項目である、生活の目標、目標達成に向けた取組内容、日常生活で支援が必要なこと(家族・知人などのサポート、生活支援サービス等)を設けた。本人の意欲を引き出す目標を設定し、本人ができること頑張っていることを伸ばしていくことは、介護予防ケアマネジメントの基本的な考えであり、本人の困りごとに単純に支援・サービスをあてるだけでは不十分であることが認識される必要がある。
(3) セルフマネジメントツールとしての活用
介護予防・日常生活支援総合事業では、住民同士の支え合いの充実により、虚弱高齢者や要支援者も参加できる幅広い社会参加の機会を確保することを目指している。
住民主体が運営する活動場所や支援を中心に活用する場合は、専門職が直接関与する機会が少ないため、本人の管理のもとで、ケアマネジメント結果等(生活目標や活動計画等)を保管し取組の経過を記録する「セルフマネジメント」の仕組みが求められる。
そこで、介護予防手帳をケアマネジメント結果を基に自己管理する「セルフマネジメント」のツールとして位置付け、各項目を本人自らが記載し、活動する際に持ち歩き、自身で管理するものとした。介護予防手帳は、介護予防ケアマネジメントC(住民主体の支援を中心に活用する場合に適用)が主な交付対象となっているが、この場合は初回のみのケアマネジメントとなるため、介護予防手帳により活動場所で取組状況を記録することがモニタリングの意味を持つ。
なお、他類型の介護予防ケアマネジメントでも、モニタリングの期間があく等の理由でセルフマネジメントが必要な場合は、介護予防手帳を活用することも考えられる。
(4) 介護支援ボランティアポイントの活用について
介護予防手帳では、一部の市町村において実施されている、高齢者が介護保険施設等でボランティア活動を行った場合にポイントを付与する「介護支援ボランティアポイント」の記録も可能な様式としている。
これまで、多くの市町村では、「介護支援ボランティアポイント」の対象者を要支援・要介護認定を受けていない高齢者等としてきたが、介護予防・日常生活支援総合事業では、支援する側とされる側の垣根を取り払い、サービスを利用しながら地域とのつながりを維持することを目指しており、虚弱高齢者や要支援者も対象に含めて運用することも考えられる。例えば、サロンの利用者が必要な支援を受けつつも調理を担うなど、要支援者等であっても、得意なことを活かすことでボランティアの担い手になることは可能である。
なお、要支援者等が参加する場合でも、第1号被保険者の介護予防に資するボランティア活動であると市町村が判断すれば、「介護支援ボランティアポイント」について一般介護予防事業の枠組みが活用可能である。
また、介護予防手帳と介護支援ボランティアポイントの手帳を兼ねることは、要支援者等の地域での役割を見つけるきっかけにもなると考えられる。
4 留意事項
介護予防手帳を、セルフマネジメントを推進するためのツールとして導入するためには、地域包括支援センターに加え、本人・家族、地域で活動する住民主体も含めて、介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防の考え方を共有する必要がある。
特に、ケアマネジメントCではモニタリングが行われないため、疾病や障害をふまえた生活上の留意点を本人や家族、サロン等の運営主体に伝えておくことや、本人の状況が変化した場合にすぐに相談を受けられるような信頼関係も必要である。
なお、ケアマネジメントCの対象となる高齢者像は、地域内の住民主体の支援の拡充に伴い変わっていくものと考えられるところ、地域資源の整備の進捗に応じて、ケアマネジメントの基本方針や介護予防手帳の活用のあり方等について、各圏域で地域包括支援センター・居宅介護支援事業所の考え方をすり合わせる機会をもつことも求められる。
※ この介護予防手帳は、平成26年度老人保健事業推進費等補助金 老人保健康増進等事業「地域支援事業の新しい総合事業の市町村による円滑な実施に向けた調査研究事業報告書」三菱UFJリサーチ&コンサルティング において作成されたものである。報告書には、介護予防手帳の活用マニュアル等もまとめられている。
介護予防手帳に関しては、市町村での独自の項目の追加や編集等できるようにしているので、活用していただきたい。URLは以下のとおり。
http://www.murc.jp/sp/1410/sougou/index.html