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○介護保険法第二十二条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準の公布について

(平成27年5月22日)

(老発0522第1号)

(都道府県知事あて厚生労働省老健局長通知)

(公印省略)

介護保険法第二十二条第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準(平成27年厚生労働省告示第277号。以下「基準告示」という。)が本日公布され、平成27年8月1日から適用することとされた。

基準告示の趣旨及び内容は、下記のとおりであるので、十分御了知の上、管内市町村(特別区を含む。)を始め、関係者、関係団体等に対し、その周知徹底を図るとともに、その運用に遺漏なきを期されたい。

第1 改正の趣旨

地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(平成26年法律第83号)による介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)の改正により、特定入所者介護(予防)サービス費、特例特定入所者介護(予防)サービス費(以下「特定入所者介護(予防)サービス費等」という。)の支給に当たり資産を勘案することとした(法第51条の3第1項及び第61条の3第1項)。

資産の勘案については、被保険者本人の自己申告及び必要に応じて行う金融機関への確認により預貯金等の額を把握することにより行うこととしている。その際、適正な資産の申告を担保し、不正受給を抑止する必要があることから、偽りその他不正の行為によって特定入所者介護(予防)サービス費等を受給した場合、市町村は、厚生労働大臣が定める基準により、不正に受給した額の2倍に相当する額以下の金額(以下「加算金」という。)を徴収することができることとされた(法第22条第1項)。

上記を踏まえ、今般、加算金の基準となる「厚生労働大臣が定める基準」を告示することとする。

第2 基準告示の内容

1 厚生労働大臣が定める基準

厚生労働大臣が定める基準とは、以下のものであること。

(1) 不正の行為を行った場合は、不正に受給した額の1倍以下の加算金を課すことを基本とすること。なお、必ず1倍ということではなく、行為の態様によって、保険者の判断で1倍以下の倍率を事案に応じて定めることが可能であること。

(2) 当該不正の行為が特に悪質であると認める場合は、不正に受給した額の2倍以下の加算金を課すこととすること。なお、行為の態様によって、保険者の判断で2倍以下の倍率を事案に応じて定めることが可能であること。

2 留意事項

(1) 「不正の行為」とは、例えば自治体の調査・質問に故意に事実を黙秘又は秘匿する行為などを指すこと。

(2) 「特に悪質であると認める場合」とは、例えば不正の行為を繰り返し行った場合や不正の行為を世帯員又はサービス事業者等と共謀して行った場合などが考えられること。

(3) 個別具体的な事例への当てはめについては、告示の基準に沿って、保険者が個別具体的な事例に即して加算金の適用の有無や加算金の倍率を判断すること。なお、同一保険者内で運用の統一を図るために独自に詳細な基準を策定することについては、告示の基準に従ったものであれば差し支えないこと。

(4) 加算金を課す対象となるのは、不正の行為によって本来ならば受けることができない特定入所者介護(予防)サービス費等の支給を受けた場合であり、例えば配偶者のいない要介護被保険者が故意に所有する預貯金額を900万円と申請したものの、正しくは980万円であり結果として1,000万円に満たない場合など、偽りの内容が特定入所者介護(予防)サービス費等の支給の判定結果に何ら影響を及ぼし得ないものである場合は含まれないこと。

(5) 本告示による加算金は、預貯金等の勘案に限らず、特定入所者介護(予防)サービス費等の不正受給全般に適用することが可能なものであること。

3 施行期日

この告示は、平成27年8月1日から適用すること。