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○家庭的保育事業等の認可等について

(平成26年12月12日)

(雇児発1212第6号)

(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)

平成24年8月に成立した子ども・子育て関連3法(注)において、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業及び事業所内保育事業(以下、「家庭的保育事業等」という。)が市町村(特別区を含む。以下同じ。)の認可事業とされ、児童福祉法(昭和22年法律第164号。以下「法」という。)第34条の15第3項各号に家庭的保育事業等の認可に関する審査基準等が定められるとともに、当該地域で保育需要が充足されていない場合には、設置主体を問わず、審査基準に適合している者から家庭的保育事業等の認可に係る申請があった場合には、認可するものとするとされたことから、今般、家庭的保育事業等の認可の指針を下記のとおり定めたので、貴職において家庭的保育事業等の認可を行う際に適切に配意願いたい。

(注) 子ども・子育て関連3法・・・子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号)、就学前の子どもに関する教育・保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律(平成24年法律第66号)及び子ども・子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育・保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成24年法律第67号)

第1 家庭的保育事業等の認可の指針

1 認可制度について

法第34条の15第3項各号に家庭的保育事業等の認可に関する審査基準等が定められるとともに、当該地域で保育需要が充足されていない場合には、設置主体を問わず、審査基準に適合している者から家庭的保育事業等の認可に係る申請があった場合には、認可するものとするとされており、認可に当たっては、法の規定を踏まえて審査を行うこと。

2 地域の状況の把握及び家庭的保育事業等の認可に係る基本的な需給調整の考え方

子ども・子育て支援新制度においては、教育・保育及び地域子ども・子育て支援事業の提供体制の整備並びに子ども・子育て支援給付及び地域子ども・子育て支援事業の円滑な実施を確保するための基本的な指針(平成26年7月2日内閣府告示第159号。(以下「基本指針」という。)に即し、市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、子ども・子育て支援事業計画を定めることとされており、市町村においては、当該計画を勘案し、基本指針第三の二の2の(二)の(2)「市町村の認可に係る需給調整の考え方」を踏まえて、家庭的保育事業等の認可申請への対応を検討すること。

3 家庭的保育事業等の認可申請に係る審査等

家庭的保育事業等認可申請については、2を踏まえつつ、個別の申請の内容について、以下の点を踏まえ審査等を行うこと。

(1) 定員

家庭的保育事業等の定員は、家庭的保育事業にあっては1人以上5人以下、小規模保育事業A型(家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第61号)第28条に規定する小規模保育事業A型をいう。)及び小規模保育事業B型(同省令第31条に規定する小規模保育事業B型をいう。)にあっては6人以上19人以下、小規模保育事業C型(同省令第33条に規定する小規模保育事業C型をいう。)にあっては6人以上10人以下(ただし、同省令附則第5条の規定に基づき、同省令の施行の日から起算して5年を経過する日までの間は、6人以上15人以下とすることができる。)、居宅訪問型保育事業にあっては1人、事業所内保育事業にあっては、同省令第42条の規定を踏まえ、その雇用する労働者の監護する小学校就学前子どもを保育するため当該事業所内保育事業を自ら施設を設置して行う事業主に係る当該小学校就学前子ども(当該事業所内保育事業が、事業主団体に係るものにあっては事業主団体の構成員である事業主の雇用する労働者の監護する小学校就学前子どもとし、共済組合等(児童福祉法第6条の3第12項第1号ハに規定する共済組合等をいう。)に係るものにあっては共済組合等の構成員(同号ハに規定する共済組合等の構成員をいう。)の監護する小学校就学前子どもとする。)及びその他の小学校就学前子どもごとに定める法第19条第1項第3号に掲げる小学校就学前子どもの合計人数に係る定員枠を設けること。

(2) 社会福祉法人又は学校法人による認可申請

認可の申請をした者が社会福祉法人又は学校法人である場合にあっては、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ)は、法第34条の16第1項の条例で定める基準に適合するかどうかを審査するほか、法第34条の15第3項第4号に掲げられた基準によって審査すること。

(3) 社会福祉法人及び学校法人(以下「社会福祉法人等」という。)以外の者による認可申請

社会福祉法人等以外の者から家庭的保育事業等の認可に関する申請があった場合には、法第34条の16第1項の条例で定める基準に適合するかどうかを審査するほか、法第34条の15第3項各号に掲げられた基準によって審査すること。その際の基準については以下のとおりであること。

ア 当該家庭的保育事業等を経営するために、「不動産の貸与を受けて保育所を設置する場合の要件緩和について」(平成16年5月24日付け雇児発第0524002号・社援発第0524008号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長、社会・援護局長連名通知)も参考に、事業規模に応じた、必要な経済的基礎があると市町村が認めること。また、当該認可を受ける主体が他事業を行っている場合については、直近の会計年度において、家庭的保育事業等を経営する事業以外の事業を含む当該主体の全体の財務内容について、3年以上連続して損失を計上していないこと。

イ 当該家庭的保育事業等の経営者(その者が法人である場合にあっては、経営担当役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。)とする。以下同じ。)が社会的信望を有すること。

ウ 実務を担当する幹部職員が社会福祉事業に関する知識又は経験を有すること。

「実務を担当する幹部職員が社会福祉事業に関する知識又は経験を有すること」とは、(ア)及び(イ)のいずれにも該当するか、又は(ウ)に該当すること。ただし、(イ)については、事業者の事業規模等に応じ、市町村が認める場合に必要に応じて要件を課すこととする。なお、この場合の「保育所等」とは、保育所並びに保育所以外の児童福祉施設、認定こども園、幼稚園及び家庭的保育事業等をいうこと。

(ア) 実務を担当する幹部職員が、保育所等において2年以上勤務した経験を有する者であるか、若しくはこれと同等以上の能力を有すると認められる者であるか、又は、経営者に社会福祉事業について知識経験を有する者を含むこと。

(イ) 社会福祉事業について知識経験を有する者、保育サービスの利用者(これに準ずる者を含む。)及び実務を担当する幹部職員を含む運営委員会(家庭的保育事業等の運営に関し、当該家庭的保育事業等の設置者の相談に応じ、又は意見を述べる委員会をいう。)を設置すること。

(ウ) 経営者に、保育サービスの利用者(これに準ずる者を含む。)及び実務を担当する幹部職員を含むこと。

エ 法第34条の15第3項第4号に掲げられた基準に該当しないこと。

(4) 社会福祉法人等以外の者に対する認可の際の条件

社会福祉法人等以外の者に対して家庭的保育事業等の認可を行う場合については、以下の条件を付すことが望ましいこと。

ア 法第34条の16第1項の基準を維持するために、設置者に対して必要な報告を求めた場合には、これに応じること。

イ 特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準(平成26年内閣府令第39号)第50条により準用された同令第33条を踏まえ、収支計算書又は損益計算書において、家庭的保育事業等を経営する事業に係る区分を設けること。

ウ 企業会計の基準による会計処理を行っている者は、イに定める区分ごとに、企業会計の基準による貸借対照表(流動資産及び流動負債のみを記載)、及び別紙1の借入金明細書、及び別紙2の基本財産及びその他の固定資産(有形固定資産)の明細書を作成すること。

エ 毎会計年度終了後3か月以内に、次に掲げる書類に、家庭的保育事業等を経営する事業に係る現況報告書を添付して、市町村長に対して提出すること。

(ア) 前会計年度末における貸借対照表、前会計年度の収支計算書又は損益計算書など会計に関し市町村が必要と認める書類

(イ) 企業会計の基準による会計処理を行っている者は、家庭的保育事業等を経営する事業に係る前会計年度末における企業会計の基準による貸借対照表(流動資産及び流動負債のみを記載)、別紙1の借入金明細書、別紙2の基本財産及びその他の固定資産(有形固定資産)の明細書

(5) 認可の取消しについて

市町村長は、法第58条第2項に規定を踏まえ、家庭的保育事業等が法若しくは法に基づいて発する命令又はこれらに基づいてなす処分に違反したときは、当該家庭的保育事業等に対し、期限を定めて必要な措置をとるべき旨を命じ、さらに当該家庭的保育事業等がその命令に従わないときは、期間を定めて事業の停止を命じることがあり、その際、当該家庭的保育事業等がその命令に従わず他の方法により運営の適正を期しがたいときは、認可の取消しを検討すること。

ただし、当該違反が、乳幼児の生命身体に著しい影響を与えるなど、社会通念上著しく悪質であり、改善の見込みがないと考えられる場合については、速やかな事業の停止や認可の取消しを検討すること。

第2 実施期日等

この通知は、子ども・子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成24年法律第67号)の施行の日から施行する。

なお、この通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4に規定する技術的な勧告に当たるものである。

別紙1

別紙2