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○金融商品取引法等の一部を改正する法律、保険業法等の一部を改正する法律の施行及び企業会計基準の改正に伴う消費生活協同組合関連規定の改正について(通知)

(平成27年3月26日)

(社援発0326第13号)

(各都道府県知事あて厚生労働省社会・援護局長通知)

(公印省略)

今般、金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成26年法律第44号。以下「金商法改正法」という。)及び保険業法等の一部を改正する法律(平成26年法律第45号。以下「保険業法改正法」という。)が平成26年5月23日に成立し、5月30日に公布されたところ。これに伴い、消費生活協同組合法(昭和23年法律第200号。以下「法」という。)が改正され、保険業法改正法による法の改正規定については平成28年5月末(予定)に、金商法改正法による法の改正規定については、没収手続に関しては平成26年11月29日に、それ以外の法の改正規定は平成27年5月末(予定)に施行されることとなっている。

上記の改正を受け、消費生活協同組合法施行規則(昭和23年大蔵省、法務庁、厚生省、農林省令第1号。以下「規則」という。)についても、所要の規定の整備を行ったところ。また、企業会計基準等の改正に伴い、規則について所要の規定の整備を行ったところ。

これらの改正の趣旨内容等は下記のとおりであるので、御了知の上、その事務の運営にあたってはよろしく御配慮願いたい。

なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的な助言であることを申し添える。

第1 改正の趣旨及び内容

① 消費生活協同組合法関係

一 金融商品取引法(昭和23年法律第25号。以下「金商法」という。)の改正に伴う消費生活協同組合法の一部改正(別紙1、2参照)

(1) 特定共済契約に係る金商法の準用について(第12条の3第2項)

・ 金融指標に係る不正操作事案に対応するため、金商法改正法により、「第5章の7指定金融指標算出者」を新設する改正が行われたところ。

金融指標に係る不正操作事案は、金融指標の算出の基礎となるデータを呈示する者の不正により生じたものであり、「第5章の7」を新設するとともに、「金融商品取引業者等」の禁止行為を定める金商法第38条(禁止行為)に第7号を新設し、「特定金融指標の算出に関し、自己又は第三者の利益を図る目的をもって、正当な根拠を有しない情報を提供する行為」を金融商品取引業者等の禁止行為とし、罰則を課すこととしている(3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(金商法第198条第2号の3))。

・ 法第12条の3第2項は、投機性のある特定共済契約の性質から、顧客保護のために特定共済契約の締結について、金商法を準用することとしている。しかし、金商法第38条新7号の目的は、特定金融指標に関して、金融商品取引業者等によるデータの不正呈示を禁止することにより、特定金融指標の正確性・信頼性を確保し、金融商品等の公正な価格形成等を図ること(金商法第1条参照)である。すなわち、直接、顧客保護を目的として金融商品取引業者等に禁止行為を課しているものではなく、法第12条の3第2項における金商法の準用趣旨とは異なる規定である。また、そもそも共済事業を行う組合は、指定金融指標算出機関との間で契約を締結し、情報提供する立場になく、金商法第38条新7号の規制の対象者たり得ない。このため、同号を準用すべきではないものと考えられる。以上の理由から、法第12条の3第2項の準用対象となる規定から、金商法第38条新7号を除外することとした。

(2) 損失補てんとして受領した電子化された株券等の没収手続の規定の創設について(第98条の5第2項、第101条の2から第101条の4関係)

・ 金商法改正法において、「損失補てんとして受領した電子化された株券等の没収手続の規定」を設けることとしているところ。包括的・横断的な法制を構築するため、法においても、「損失補てんとして受領した電子化された株券等の没収手続の規定」を設けるための改正を行い、規定の整備を図ることとした。(第10章没収に関する手続等の特例を新設。)

※新設規定の内容

[第98条の5第2項]

法第98条の5第2項においては、金商法第209条の2において混和した財産の没収等を、第209条の3第2項において第三者の権利に係る財産等を規定することから、金商法と同じく損失補てんにより得た財産上の利益の没収を定めている生協法において、これらの規定を準用することとする。

[第101条の2(第三者の財産の没収手続等)]

法第101条の2においては、金商法第209条の4において、第三者に帰属する債権等を没収する場合の手続を規定することから、同様の規定を置くこととする。

[第101条の3(没収された債権等の処分等)]

法第101条の3の規定においては、金商法第209条の5において没収された債権等の処分等について、第209条の6において権利の移転について登記又は登録を要する財産を没収する裁判に基づく登記等の嘱託について規定することから、これらの規定を準用することとする。

[第101条の4(刑事補償の特例)]

法第101条の4の規定においては、金商法において、債権等の没収の執行に対する刑事補償について、刑事補償法の規定を準用することから、同様の規定を追加することとする。

二 保険業法改正法に伴う消費生活協同組合法の一部改正(別紙1、3参照)

(法第12条の2、第98条の6及び第100条の3関係)

・保険業法改正法により、保険業法第294条に新たに情報提供義務等に係る規定が加えられることに伴い、現行法が準用する顧客に対する説明に係る規定は同条第3項となる。当該情報提供義務等に係る規定は、法上準用しないこととするため、所要の改正を行うこととした。

・保険業法改正法により、保険業法第300条に新たに加えられたただし書を準用条文から除外するとともに、準用の際、保険業法改正法による改正前の保険業法第300条の規定の通りに準用する(団体保険に追加加入する被保険者への加入勧奨等の規定を適用しないこととすることも含む。)ことができるよう、所要の改正を行うこととした。また、保険業法改正法により、保険業法第305条に第2項及び第3項が新設されたが、これらの項は法上、準用しないこととするため、所要の改正を行うこととした。

② 消費生活協同組合法施行規則関係(別紙4,5参照)

一 金商法の改正に伴う消費生活協同組合法施行規則の一部改正

(規則第201条関係)

・ 規則第201条においては、長期共済事業(共済事業のうち共済期間が1年を超える共済事業をいう。以下同じ。)を行う組合(以下「長期共済事業組合」という。)の財産であって共済事業に属する資産の運用について具体的な方法を定めているが、同条第1項第9号では「銀行、農林中央金庫、株式会社商工組合中央金庫、全国を地区とする信用金庫連合会、労働金庫連合会、金融商品取引業者(金融商品取引法第28条第1項に規定する第1種金融商品取引業を行う者に限る。)、金融商品取引法第2条第30項に規定する証券金融会社及び短資業者に対する有価証券の貸付け」を規定しているところ。

金商法改正法において金商法上の第1種金融商品取引業者に新たに「第1種少額電子募集取扱業者」という区分を設けたところ。「第1種少額電子募集取扱業者」は、第1種金商業者ほど信用が高くなく、「第1種少額電子募集取扱業者」を資産運用の対象である第1種金融商品業者から除く必要があり、所要の改正を行うこととした。

二 保険業法改正法に伴う消費生活協同組合法施行規則の一部改正

(規則第15条及び第254条関係)

・ 保険業法改正法に伴う項ズレなどの技術的整理に関する整備を行うこととした。

三 企業会計基準の改正に伴う改正内容

企業会計基準委員会による企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」等の改正により、①少数株主から非支配株主へ表現が変更されたほか、連結損益計算書においては当期純利益に非支配株主に帰属する部分も含めるなど表示の変更が行われたこと及び②支配が継続している場合の子会社に対する親会社の持分を変動させる取引(子会社株式の追加取得、一部売却等)について、資本剰余金を増減させる取引として処理することに変更されたことを踏まえ、規則について所要の改正を行うこととした。

・連結貸借対照表の純資産の部の少数株主持分を非支配株主持分とする。(規則第84条第1項)

・連結純資産変動計算書の少数株主持分を非支配株主持分とする。(規則第107条第2項及び第7項)

・連結損益計算書の当期剰余金又は当期損失金について、非支配株主に帰属する部分を含む額で記載し、当期剰余金又は当期損失金の次に非支配株主に帰属する当期剰余金又は当期損失金と親組合に帰属する当期剰余金又は当期損失金を表示。(規則第100条第1項、第3項及び第4項)

・連結貸借対照表の純資産の部の剰余金を資本剰余金と利益剰余金に区分して表示。(規則第84条第4項)

・連結純資産変動計算書の剰余金を資本剰余金と利益剰余金に区分して表示。(規則第107条第4項)

・その他所要の規定の整備。

第3 施行日及び経過措置

一 金融商品取引法改正関係

① 没収手続関係の規定 平成26年11月29日 施行

② それ以外の法の改正規定 金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成26年法律第44号)の施行の日

二 保険業法改正関係

保険業法等の一部を改正する法律(平成26年法律第45号)の施行の日

三 会計基準に関する改正関係

公布の日(平成27年3月26日)から施行。

改正後の規則第84条、第99条、第100条、第107条及び第113条の規定は、平成27年4月1日以降に開始する事業年度に係る連結決算関係書類について適用し、同日前に開始する事業年度に係る連結決算関係書類については、なお従前の例による。