添付一覧
○解熱鎮痛薬の製造販売承認基準について
(平成27年3月25日)
(薬食発0325第30号)
(各都道府県知事あて厚生労働省医薬食品局長通知)
(公印省略)
一般用医薬品のうち、解熱鎮痛薬の製造販売承認については、「解熱鎮痛薬製造(輸入)承認基準について」(昭和47年11月25日付け薬発第1187号厚生省薬務局長通知。以下「旧基準」という。)により取り扱ってきたところですが、今般、旧基準の見直しを行い、別紙「解熱鎮痛薬の製造販売承認基準」(以下「本基準」という。)により行うこととしたので、下記の点にご留意の上、貴管下関係業者に対し、周知を図るとともに、円滑な事務処理が行われるようご配慮願います。
本基準は平成27年4月1日以降に製造販売承認申請される品目について適用します。また、本基準の施行に伴い、旧基準は廃止します。
記
1 鎮痛又は解熱に関する効能又は効果をうたう内服用の薬剤であって、解熱鎮痛成分を含有するもの(漢方処方に基づく製剤及び生薬のみよりなる製剤を除く。)には、本基準が適用されること。ただし、かぜ薬を除くものとすること。
2 本基準に基づき製造販売承認を受けようとする者は、承認申請書の備考欄に「一般用」に併せて「解熱鎮痛薬の製造販売承認基準による」と記載すること。
3 この通知の発出の際、現に製造販売承認申請中のもの及び本基準の適用の日前に製造販売承認申請がされたものについては、本基準に照らし所要の措置をとらせること。
4 既存の通知等については、別途の通知等が発出されない限り、「旧基準」と規定されているものは、「本基準」と読み替えるなど、必要な読み替えを行った上で、引き続き適用されるものであること。
5 本基準の内容については、科学的知見等の集積を踏まえ、定期的に見直しを行うこと。
別紙
解熱鎮痛薬の製造販売承認基準
1 解熱鎮痛薬の範囲
ここでいう解熱鎮痛薬の範囲は,鎮痛又は解熱に用いることを目的として調製された内服用薬剤(かぜ薬,漢方処方に基づく製剤及び生薬のみからなる製剤を除く。)とする。
2 基準
解熱鎮痛薬の基準は次のとおりとする。なお,この基準に適合しないものにあっては,有効性,安全性及び配合理由についての資料の提出を求め,それに基づき審査する。
(1) 有効成分の種類
ア 配合できる有効成分の種類は,別表1に掲げるものとする。
イ 配合しなければならない有効成分は,別表1のⅠ欄1項,2項又は3項に掲げるもののいずれか1種類以上とする。
ウ 別表1の各欄に掲げる有効成分は,別に定める場合を除き,相互に配合することができる。
エ 別表1のⅠ欄1項又は2項に掲げる有効成分の配合は,3種までとする。
オ 別表1のⅠ欄3項に掲げる有効成分を配合する場合は,同欄に掲げる有効成分と同時に配合してはならない。ただし,同欄1項のアセトアミノフェン,2項のエテンザミド又は4項に掲げる有効成分のいずれか1種と同時に配合する場合は,この限りではない。
カ 別表1のⅠ欄3項に掲げる有効成分を配合する場合,又は同欄1項のアセトアミノフェン,2項のエテンザミドのいずれか1種と同時に配合する場合は,Ⅱ欄,Ⅲ欄,Ⅳ欄,Ⅴ欄,Ⅵ欄,Ⅷ欄及びⅨ欄に掲げる有効成分を配合することができる。ただし,別表1のⅠ欄3項に掲げる有効成分を1回最大分量配合する場合は,他のいずれの成分も配合してはならない。
キ 別表1のⅠ欄4項に掲げる有効成分を配合する場合は,同欄1項のアセトアミノフェン,2項のエテンザミド又は3項に掲げる有効成分のいずれか1種と同時に配合しなければならず,その他の同欄1項及び2項に掲げる有効成分とは同時に配合してはならない。
ク 別表1のⅠ欄4項に掲げる有効成分を同欄1項のアセトアミノフェン,2項のエテンザミド若しくは同欄3項の有効成分のいずれか1種と同時に配合する場合は,Ⅱ欄,Ⅳ欄,Ⅴ欄,Ⅵ欄,Ⅷ欄及びⅨ欄に掲げる有効成分を配合することができる。
ケ 別表1のⅡ欄又はⅣ欄に掲げる有効成分を配合する場合は,同一欄内において1種に限る。
(2) 有効成分の分量
ア 各有効成分の1回及び1日最大分量は,別に定める場合を除き,別表1に掲げる量とする。
イ 別表1のⅠ欄1項又は2項に掲げる有効成分を1種配合する場合の1回量の下限は,1回最大分量の1/2とする。また,Ⅰ欄1項又は2項の有効成分を2種以上配合する場合の1日量の下限は,1日最大分量の1/5又は1回最大分量の1/2のうちどちらか低い方とする。
ウ 別表1のⅡ欄又はⅣ欄に掲げる有効成分の1日量の下限は,1日最大分量の1/5又は1回最大分量の1/2のうちどちらか低い方とする。
エ 別表1のⅥ欄に掲げる有効成分の1日量の下限は,1日最大分量の1/5とする。ただし,1日2回までの用法を有するものについては1回量の下限は1日最大分量の1/15とする。
オ 別表1のⅠ欄1項又は2項に掲げる有効成分を2種以上配合する場合は,当該有効成分ごとに配合する分量をそれぞれの1日最大分量(アセトアミノフェンについてはかっこ内の分量)で除して得た数値の和が別表2に示す配合係数を超えてはならず,かつ1/2以上であること。
カ 別表1のⅠ欄1項又は2項に掲げる同一項内の有効成分を2種以上配合する場合は,当該有効成分ごとに配合する分量をそれぞれの1日最大分量で除して得た数値の和が1を超えてはならない。
キ 別表1のⅠ欄1項又は2項に掲げる有効成分にⅦ欄に掲げる有効成分を配合する場合は2の(2)のオを適用する。
ク 別表1のⅦ欄,Ⅷ欄又はⅨ欄に掲げる有効成分の1日量の下限は,1日最大分量の1/10とする。
ケ 別表1のⅠ欄に掲げる有効成分のうち,3項に掲げる有効成分のみを配合する場合の1回量は,200mg又は150mgのいずれかとする。なお,1回量200mgを配合する場合の1日最大分量は400mgとする。
コ 別表1のⅠ欄3項に掲げる有効成分を,同欄1項のアセトアミノフェン又は同欄2項のエテンザミドと同時に配合する場合の配合量の組合せは,別表3に示すものに限る。
サ 別表1のⅠ欄4項に掲げる有効成分を,同欄1項のアセトアミノフェン,同欄2項のエテンザミド又は同欄3項に掲げる有効成分と同時に配合する場合の配合量の組合せは,別表4に示すものに限る。
(3) 剤形
剤形は,錠剤,カプセル剤,丸剤,顆粒剤及び散剤とする。
(4) 用法及び用量
ア 用法は次のとおりとする。
a 1日1回服用の場合
1日1回を限度とし,なるべく空腹時をさけて服用すること。
b 1日2回服用の場合
1日2回を限度とし,なるべく空腹時をさけて服用する。服用間隔は6時間以上おくこと。
c 1日3回服用の場合
1日3回を限度とし,なるべく空腹時をさけて服用する。服用間隔は4時間以上おくこと。
イ 生後3ヵ月未満の者を対象とする用法は認められない。
ウ 別表1のⅠ欄2項に掲げるアスピリン,アスピリンアルミニウム,サザピリン,サリチル酸ナトリウム,Ⅰ欄3項に掲げる有効成分又はⅠ欄4項に掲げる有効成分を含有する製剤については,15歳未満の者を対象とする用法は認められない。
エ 別表1のⅢ欄に掲げる有効成分を含有する製剤については,5歳未満の者を対象とする用法は認められない。
オ 硬カプセル剤並びに直径6mmを超える軟カプセル剤,丸剤及び錠剤については,5歳未満の者を対象とする用法は認められない。
カ 直径6mm以下の軟カプセル剤,丸剤及び錠剤については,3歳未満の者を対象とする用法は認められない。
キ 15歳未満の者における有効成分の1日最大用量は,2の(2)に規定する有効成分の分量に別表5の当該年齢区分に対応する係数欄の数値を乗じた量とする。
ク 別表1のⅢ欄に掲げる有効成分を含有する15歳未満の者における用法を持つ製剤については,1回最大分量は140mgとし,1日最大分量は420mgとする。なお,15歳未満の者における1日最大分量は,1日最大分量(420mg)に別表5の当該年齢区分に対応する係数欄の数値を乗じた量とする。
(5) 効能又は効果
効能又は効果は,次の範囲とする。
1) 頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛(のどの痛み)・耳痛・関節痛・神経痛・腰痛・筋肉痛・肩こり痛・打撲痛・骨折痛・ねんざにともなう痛み(ねんざ痛)・月経痛(生理痛)・外傷痛の鎮痛
2) 悪寒(発熱によるさむけ)・発熱時の解熱
別表1
有効成分の種類並びに1回及び1日最大分量
区分 |
有効成分 |
1回最大分量 (mg) |
1日最大分量 (mg) |
|
Ⅰ欄 |
1項 |
アセトアミノフェン |
300 |
900(1500)* |
ラクチルフェネチジン |
200 |
600 |
||
2項 |
アスピリン |
750 |
1500 |
|
アスピリンアルミニウム |
1000 |
2000 |
||
エテンザミド |
500 |
1500 |
||
サザピリン |
500 |
1500 |
||
サリチルアミド |
1000 |
3000 |
||
サリチル酸ナトリウム |
1000 |
3000 |
||
3項 |
イブプロフェン |
200 |
450 |
|
4項 |
イソプロピルアンチピリン |
150 |
450 |
|
Ⅱ欄 |
アリルイソプロピルアセチル尿素 |
60 |
180 |
|
ブロモバレリル尿素 |
200 |
600 |
||
Ⅲ欄 |
トラネキサム酸 |
250(93.4)** |
750(280)** |
|
Ⅳ欄 |
安息香酸ナトリウムカフェイン |
150 |
300 |
|
カフェイン水和物 |
120 |
250 |
||
無水カフェイン |
120 |
250 |
||
Ⅴ欄 |
ビタミンB1及びその誘導体並びにそれらの塩類 |
|
25(1)** |
|
ビタミンB2及びその誘導体並びにそれらの塩類 |
|
12(2)** |
||
ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩類 |
|
500(50)** |
||
ヘスペリジン及びその誘導体並びにそれらの塩類 |
|
90(18)** |
||
Ⅵ欄 |
グリシン |
|
900 |
|
ケイ酸マグネシウム |
|
3000 |
||
合成ケイ酸アルミニウム |
|
3000 |
||
合成ヒドロタルサイト |
|
4000 |
||
酸化マグネシウム |
|
500 |
||
ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート |
|
1500 |
||
水酸化アルミニウムゲル(乾燥水酸化アルミニウムゲルとして) |
|
1000 |
||
乾燥水酸化アルミニウムゲル |
|
1000 |
||
水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物 |
|
900 |
||
水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル |
|
3000 |
||
水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物 |
|
1500 |
||
水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物 |
|
1800 |
||
炭酸マグネシウム |
|
2000 |
||
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム |
|
1500 |
* かっこ内の数値は,2の(2)のオの規定により,各有効成分の1日最大分量を算出するときに用いるものである。
** かっこ内の数値は配合量の下限である。
(生薬)
区分 |
有効成分 |
1日最大分量(g) |
|
エキス (原生薬換算量) |
粉末 |
||
Ⅶ欄 |
ジリュウ |
3 |
2 |
Ⅷ欄 |
カノコソウ |
6 |
2 |
カンゾウ |
5 |
1.5 |
|
ケイヒ |
5 |
1 |
|
シャクヤク |
5 |
2 |
|
ボタンピ |
6 |
2 |
|
Ⅸ欄 |
サンショウ |
2 |
1 |
ショウキョウ |
3 |
1 |
|
チンピ |
5 |
3 |
別表2
Ⅰ欄1項又は2項の有効成分を2種又は3種配合する場合の配合係数
服用法 配合有効成分数 |
1日3回 |
1日2回 |
1日1回 |
2種配合の場合 |
34/30 |
32/30 |
18/30 |
3種配合の場合 |
38/30 |
36/30 |
19/30 |
別表3
Ⅰ欄3項の有効成分とⅠ欄1項又は2項の有効成分を配合する場合の配合パターン
(1日量,―:配合不可)
Ⅰ欄3項 |
450mg |
432mg |
390mg |
|
Ⅰ欄1項 |
アセトアミノフェン |
195mg |
― |
390mg |
Ⅰ欄2項 |
エテンザミド |
― |
252mg |
― |
別表4
Ⅰ欄4項の有効成分とⅠ欄1項,2項又は3項の有効成分を配合する場合の配合パターン
(1日量,―:配合不可)
Ⅰ欄4項 |
450mg |
450mg |
300mg |
|
Ⅰ欄1項 |
アセトアミノフェン |
750mg |
― |
― |
Ⅰ欄2項 |
エテンザミド |
― |
750mg |
― |
Ⅰ欄3項 |
イブプロフェン |
― |
― |
100mg |
別表5
年齢区分別用量の換算係数
年齢区分 |
係数 |
15歳以上 |
1 |
11歳以上15歳未満 |
2/3 |
7歳以上11歳未満 |
1/2 |
3歳以上7歳未満 |
1/3 |
1歳以上3歳未満 |
1/4 |
6ヵ月以上1歳未満 |
1/5 |
3ヵ月以上6ヵ月未満 |
1/6 |