添付一覧
科目 |
目的 |
内容 |
時間数 |
○介護保険制度の理念・現状及びケアマネジメント |
介護保険制度の理念等を理解するとともに、地域包括ケアシステムの構築に向けた取組の現状を理解する。 また、介護保険制度における利用者の尊厳の保持及び自立支援に資するケアマネジメントの役割を理解し、地域包括ケアシステムにおける介護支援専門員の役割を認識する。 |
・介護保険制度の基本理念を理解し、介護保険制度における利用者の尊厳の保持、自立支援に資するケアマネジメントの役割、ケアマネジメントを担う介護支援専門員に求められる機能や役割に関する講義を行う。 ・介護保険制度の現状と地域包括ケアシステムが求められる背景とその考え方、構築に向けた取組状況に関する講義を行う。 ・介護サービスの利用手続き(要介護認定等に関する基本的な視点と概要)、居宅サービス計画等の作成、保険給付及び給付管理等の仕組みといった一連の関係性についての講義を行う。 |
講義3時間 |
○自立支援のためのケアマネジメントの基本 |
利用者の尊厳の保持及び自立支援に資するケアマネジメントの視点を理解する。 また、利用者が住み慣れた地域で主体的な生活を送ることができるように支援することの重要性を理解するとともに、在宅生活を支援する上で、家族に対する支援の重要性を理解する。 |
・ケアマネジメントの成り立ちや機能について理解するとともに、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準に基づいて、介護支援専門員としての責務及び業務を理解し、ケアマネジメントの中心的な役割を担う立場であることを認識するための講義を行う。 ・利用者が住み慣れた地域で、最期まで尊厳をもって自分らしい生活を送ることができるよう、自立支援のためのケアマネジメントを実践する上で必要な視点を理解する。 ・インフォーマルサービスも活用したケアマネジメントを理解する。 ・利用者を支援する上で、家族を取り巻く環境に留意し、家族に対する支援の重要性や目的を理解する。 ・介護予防支援や、介護予防・日常生活支援総合事業におけるケアマネジメントにおいても、基本的な考え方やプロセスは同様であることから、これらも含めた形での講義を行う。 |
講義及び演習6時間 |
○人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理 |
人権と尊厳を支える専門職に求められる姿勢を認識する。 また、介護支援専門員としての職業倫理を理解するとともに、日常業務で直面する倫理的課題等を認識する。 |
・介護支援専門員が備えるべき、利用者本位、自立支援、公正中立、権利擁護、守秘義務、利用者のニーズの代弁等の倫理に関する講義を行う。 ・人権の概念、利用者の尊厳の保持、介護支援専門員の倫理綱領、倫理原則、成年後見制度等に関する講義を行う。 ・ケアマネジメントの実践において直面しやすい倫理的な課題とその課題に向き合うことの重要性を理解するための講義を行う。 |
講義2時間 |
○介護支援専門員に求められるマネジメント(チームマネジメント) |
多職種に対する理解・尊重に基づいてチームを組成し、円滑に機能させるための基本的な技術を修得する。 |
・利用者及びその家族の支援に際し、チームアプローチの意義を理解するとともに、介護支援専門員には、ケアのマネジメントだけでなく、チームのマネジメントも求められることを認識するための講義を行う。 ・チームアプローチに際し、チームを組成する各職種の専門性と各々に求められる役割を理解するとともに、チームにおける介護支援専門員の役割を理解し、チーム運営において想定される課題や対応策を含め、チームを円滑に機能させるために必要な知識・技術を修得する。 |
講義及び演習2時間 |
○地域包括ケアシステム及び社会資源 |
地域包括ケアの理念を踏まえ、地域包括ケアを推進していくに当たり介護支援専門員に求められる役割を理解する。 また、利用者を支援する上で知っておくべき各種制度や地域の社会資源の重要性を理解する。 |
・地域包括ケアシステムの構築が求められる背景及び地域包括ケアシステムが目指す姿についての講義を行う。 ・地域包括ケアシステムを構築していく中で介護支援専門員に求められる役割(自立支援に資するケアマネジメント、インフォーマルサービスを含めた社会資源の活用、多職種や地域包括支援センター等との連携、不足している地域資源の提案等)に関する講義を行う。 ・地域包括ケアを実現していくためのケアマネジメントを行う上で、必要な保健・医療・福祉サービスに関する講義を行う。 ・地域包括ケアシステムの構築に関して、地域の現状、課題、目指す方向性、社会資源の整備状況等を把握する事が大切であることから介護保険事業計画、地域ケア会議の重要性や内容に関する講義を行う。 ・生活保護制度、障害施策、老人福祉施策、地域ケア会議などの概要について理解するとともに、関連する機関やボランティア等との連携・協力・ネットワークの構築についての講義を行う。 |
講義3時間 |
○ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義 |
医療との連携や多職種協働の意義を踏まえ、具体的な連携の場面で必要となる基本的な知識や連携の手法を修得する。 |
・医療との連携に当たって早い段階から連携の重要性を理解し、利用者の医療に係る情報や状態の改善可能性に係る意見等を把握しておく必要があることから、医療機関や医療職からの情報収集の方法等についての講義を行う。 ・医療との連携に当たっての留意点を理解するとともに、介護支援専門員から医療機関や医療職への情報提供の方法及び内容(生活状況、サービスの利用状況等)に関する講義を行う。 ・地域における、在宅医療・介護の連携を推進する役割を担っている機関の概要に関する講義を行う。 ・多職種協働の意義を理解するとともに、多職種間で情報を共有することの重要性を理解し、情報共有に当たり個人情報を取り扱う上での利用者やその家族の同意の必要性についての講義を行う。 |
講義3時間 |
○ケアマネジメントに係る法令等の理解 |
法令を遵守し、介護支援専門員の業務を適切に遂行できるよう、介護保険制度に係る法令等を正しく理解する。 |
・介護保険法、介護保険法施行令、介護保険法施行規則、厚生労働省告示、居宅サービス等の運営基準、居宅介護支援等の運営基準に関しその位置付けや業務との関連を俯瞰する講義を行う。(特に、介護支援専門員及びケアマネジメントに関する部分の規定について、業務と関連づけて理解する。) ・事業所の指定取消や介護支援専門員の登録消除などの不適切事例を参考に、ケアマネジメントを実践する上での法令遵守(コンプライアンス)の重要性を認識する為の講義を行う。 ・介護報酬に係る関係告示や通知等の概要についての講義を行う。 |
講義2時間 |
○ケアマネジメントの展開 ・基礎理解 |
ケアマネジメントは高齢者の生理、心理、生活環境などの構造的な理解に基づいて行われる必要があることを理解する。 |
・ケアマネジメントを実践する上で必要な高齢者の生理、高齢者やその家族の心理、住環境や同居者の有無などそれぞれの要素と要素の関係性の重要性に関する講義を行う。 ・それらの関係性を踏まえたアセスメント、課題分析の視点、居宅サービス計画等への具体的な展開方法など、支援に当たってのポイントを理解する。 ・高齢者本人が望む生活の実現のための意思決定の支援方法について修得する。 ・高齢者の代表的な疾患や症候群別のケアマネジメントを学ぶことの有効性について理解する。 |
講義及び演習3時間 |
・脳血管疾患に関する事例 |
脳血管疾患の特性や療養上の留意点、起こりやすい課題を踏まえた支援に当たってのポイントを理解する。 |
・脳血管疾患の分類、症状、後遺症、生活障害の程度と身体機能の関係、廃用症候群との関係性についての講義を行う。 ・脳血管疾患における療養上の留意点や起こりやすい課題についての講義を行う。 ・脳血管疾患の要介護者等に対するリハビリテーションや福祉用具、住宅改修の効果的な活用に関する講義を行う。 ・リハビリテーションや福祉用具等、それらを活用する際の医療職をはじめとする多職種との連携・協働に当たってのポイントを理解する。 ・脳血管疾患の事例におけるアセスメント、課題分析の視点、居宅サービス計画等の作成、サービス担当者会議における情報共有に当たっての留意点、モニタリングでの視点を理解する。 |
講義及び演習5時間 |
・認知症に関する事例 |
認知症の特性や療養上の留意点、起こりやすい課題を踏まえた支援に当たってのポイントを理解する。 |
・認知症の器質的障害種類別の原因、症状、改善可能性、症状の進行並びに薬物療法の有効性、留意点及び副作用について理解する。 ・認知症における療養上の留意点、倫理的な対応及び起こりやすい課題に関する講義を行う。 ・認知症ケアにおける医療職をはじめとする多職種との連携・協働に当たってのポイントを理解する。 ・認知症の事例におけるアセスメントや課題分析の視点、居宅サービス計画等の作成、サービス担当者会議における情報共有に当たっての留意点及びモニタリングでの視点について理解する。 ・独居で認知症の要介護者等に対するアプローチの視点や方法を理解する。 ・認知症の要介護者と同居している家族に対する支援や地域への配慮と協働の視点を持ったケアマネジメントの具体的な方法を修得する。 ・認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)に対するアプローチの視点及びケアの手法を理解する。 |
講義及び演習5時間 |
・筋骨格系疾患及び廃用症候群に関する事例 |
筋骨格系疾患及び廃用症候群の特性や療養上の留意点、起こりやすい課題を踏まえた支援に当たってのポイントを理解する。 |
・筋骨格系疾患の種類、原因、症状、生活をする上での障害及び予防・改善方法や、廃用症候群の原因、生活をする上での障害及び予防・改善方法に関する講義を行う。 ・筋骨格系疾患や廃用症候群における療養上の留意点や起こりやすい課題に関する講義を行う。 ・筋骨格系疾患や廃用症候群の要介護者等に対するリハビリテーションや福祉用具、住宅改修の効果的な活用方法等についての講義を行う。 ・リハビリテーション、福祉用具などを活用する際の医療職をはじめとする多職種との連携・協働に当たってのポイントを理解する。 ・筋骨格系疾患や廃用症候群の事例におけるアセスメント、課題分析の視点、居宅サービス計画等の作成、サービス担当者会議における情報共有に当たっての留意点及びモニタリングでの視点について理解する。 |
講義及び演習5時間 |
・内臓の機能不全(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)に関する事例 |
内臓の機能不全に係る各疾患・症候群(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)の特性や療養上の留意点、起こりやすい課題を踏まえた支援に当たってのポイントを理解する。 |
・内臓の機能不全に係る各疾患・症候群(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)の原因や症状、症状の進行、生活障害の程度と身体機能の関係についての講義を行う。 ・疾患相互の影響、高齢者の生理(生活上の留意点)との関係、療養上の留意点及び起こりやすい課題に関する講義を行う。 ・医療職をはじめとする多職種との連携・協働に当たってのポイントを理解する。 ・内臓の機能不全に係る疾患・症候群を有する方に対するアセスメント、課題分析の視点、居宅サービス計画等の作成、サービス担当者会議における情報共有に当たっての留意点及びモニタリングでの視点を理解する。 ・各疾患・症候群における生活習慣を改善するためのアプローチの方法(本人の動機付け、家族の理解の促進等)を修得する。 |
講義及び演習5時間 |
・看取りに関する事例 |
看取りにおける留意点や起こりやすい課題を踏まえた支援に当たってのポイントを理解する。 |
・看取りのケースについて支援を行う際における介護支援専門員の役割や適切な姿勢についての講義を行う。 ・看取りに関連する各種サービス等の活用方法や、医療職をはじめとする多職種との連携・協働を効果的に行う為のポイントを理解する。 ・看取りに向けた利用者及びその家族との段階的な関わりの変化(生活動作の負担や痛みの軽減、主治医との連携や多職種協働、急変時の基本的な対応等)を認識する。 ・看取りのケースにおいて、在宅生活の支援を行う際の起こりやすい課題を理解し、アセスメント、課題分析の視点、居宅サービス計画等の作成、サービス担当者会議における情報共有に当たっての留意点及びモニタリングでの視点について理解する。 |
講義及び演習5時間 |
○アセスメント及び居宅サービス計画等作成の総合演習 |
研修全体での学びを踏まえ、アセスメントから居宅サービス計画等の作成からモニタリングまでを一貫して行い、ケアマネジメントプロセスについて更なる理解を深める。 |
・これまでの研修の中で修得した知識・技術を確認するため、事例に即したアセスメント、ニーズの把握、居宅サービス計画等の作成及びモニタリングを一貫して行うことにより、ケアマネジメントプロセスの理解を深めるとともに、理解が不足しているものがないか自己評価を行う。 ・作成した居宅サービス計画等を原案として、サービス担当者会議の演習を行う。 |
講義及び演習5時間 |
4 実施上の留意点等
(1) ケアマネジメントの展開における「脳血管疾患に関する事例」、「認知症に関する事例」、「筋骨格系疾患及び廃用症候群に関する事例」、「内臓の機能不全(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)に関する事例」及び「看取りに関する事例」並びに「アセスメント及び居宅サービス計画等作成の総合演習」について、アセスメントからニーズを把握する過程及びモニタリングでの評価に関する知識・技術についての講義・演習を行うに当たっては、別途通知する「課題整理総括表」及び「評価表」等を活用し行うものとする。
なお、演習を行うに当たっては、受講者が積極的に演習に参加するよう小規模な班編制により実施することとし、班編制に当たっては保健、医療、福祉の各職種の均衡に配慮すること。
(2) 講師
講師については、原則アからキまでのとおりとする。
なお、相当の知見を有する者とは、
① 施行規則第113条の2第1項第1号に規定する資格を有する実務経験が長い主任介護支援専門員
② 地域包括支援センターにおいて介護支援専門員に対する相談・支援に従事している者
③ 大学教員又は法人内において研修の責任者として指導に従事している者
④ その他上記に準ずる者
とする。
ア 「介護保険制度の理念・現状及びケアマネジメント」及び「ケアマネジメントに係る法令等の理解」の講師については、原則として、介護保険制度について相当の知見を有する者又は都道府県職員を充てること。
イ 「自立支援のためのケアマネジメントの基本」並びにケアマネジメントの展開における「基礎理解」及び「アセスメント及び居宅サービス計画等作成の総合演習」の講師については、ケアマネジメントについて相当の知見を有する者する者を充てること。
ウ 「人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理」の講師については、原則として、相当の実務経験のある現任の介護支援専門員を充てること。
エ 「介護支援専門員に求められるマネジメント(チームマネジメント)」の講師については、介護支援専門員に関するチームマネジメントについて相当の知見を有する者を充てること。
オ 「地域包括ケアシステム及び社会資源」の講師については、地域包括ケアシステムについて相当の知見を有する者又は都道府県職員を充てること。
カ 「ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義」の講師については、在宅介護に知見のある医療関係者又は病院等において医療連携業務に従事している者を充てること。
キ ケアマネジメントの展開における「脳血管疾患に関する事例」、「認知症に関する事例」、「筋骨格系疾患及び廃用症候群に関する事例」、「内臓の機能不全(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)に関する事例」及び「看取りに関する事例」の講師については、医師又は医療関係職種の基礎資格を有する介護支援専門員又は各事例に関し相当の知見を有する者を充てること。
(3) 修了評価
研修の実施に当たっては、各科目における到達目標を達成しているかについて修了評価を実施すること。
(4) その他留意点
当該研修の研修受講地については、原則として介護支援専門員の登録を行っている都道府県とする。なお、受講者がやむを得ない事情により、再研修の一部又は全部を受講できなかった場合には、別途実施する再研修の際に当該未受講の科目を受講することとして差し支えない。この場合、当該受講者から登録地の都道府県に申し出ることにより、他の都道府県で受講することを認めるなど、都道府県間で連携の上、受講者の便宜を図るものとする。
(別添4)
介護支援専門員更新研修実施要綱
1 目的
介護支援専門員証に有効期限が付され、更新時に研修の受講を課すことにより、定期的な研修受講の機会を確保し、介護支援専門員として必要な専門知識及び技術の修得を図ることにより、専門職としての能力の保持・向上を図ることを目的とする。
2 対象者
研修対象者は、次のいずれかに該当するものであって、介護支援専門員証の有効期間がおおむね1年以内に満了する者とする。
① 介護支援専門員証の交付を受けてから、その有効期間が満了するまでに介護支援専門員として実務に従事した経験を有しない者(以下「実務未経験者」という。)
② 介護支援専門員証の有効期間中に、介護支援専門員として実務に従事している者又は従事していた経験を有する者(以下「実務経験者」という。)
3 実施方法等
(1) 実施に当たっての基本的な考え方
介護支援専門員として実務経験がない者と実務に従事している者又はその経験を有する者がそれぞれ有する経験・知識等の差異を考慮し、介護支援専門員更新研修(以下「更新研修」という。)の研修課程を実務未経験者に対する研修と実務経験者に対する研修に区分して実施すること。
(2) 実務未経験者に対する更新研修内容
実務未経験者に対する更新研修で行うべき科目については、「厚生労働大臣が定める介護支援専門員等に係る研修の基準」(平成18年厚生労働省告示第218号)第2号に規定されているところであるが、科目、目的、内容及び時間数については、別添3「介護支援専門員再研修実施要綱」3(2)「研修内容」と同様であり、合計54時間以上とする。
(3) 実務経験者に対する更新研修内容
実務経験者に対する更新研修で行うべき科目については、「厚生労働大臣が定める介護支援専門員等に係る研修の基準」第3号に規定されているところであるが、科目、目的、内容及び時間数については、別添2「介護支援専門員専門研修実施要綱」3(2)「研修内容」と同様である。
なお、実務経験者として初めての更新研修は、専門研修課程Ⅰ及び専門研修課程Ⅱと同内容であり、合計88時間以上とする。また、実務経験者としての更新研修が2回目以降の者に対する更新研修は、専門研修課程Ⅱと同内容であり、合計32時間以上とする。
4 修了評価
研修の実施に当たっては、各科目における到達目標を達成しているかについて修了評価を実施すること。
5 実施上の留意点等
(1) 介護支援専門員証の有効期間中に、別添2「介護支援専門員専門研修実施要綱」に基づく研修を修了している者については、法第69条の8第2項ただし書きの規定に基づき、実務経験者に対する更新研修のうち、介護支援専門員専門研修で履修した科目と同内容の科目を免除することができる。
(2) 当該研修の研修受講地については、原則として介護支援専門員としての登録を行っている都道府県とする。なお、受講者がやむを得ない事情により、更新研修の一部又は全部を受講できなかった場合には、別途実施する更新研修の際に当該未受講の科目を受講することとして差し支えない。この場合、当該受講者から登録地の都道府県に申し出ることにより、他の都道府県で受講することを認めるなど、都道府県間で連携の上、受講者の便宜を図るものとする。
(別添5)
主任介護支援専門員研修実施要綱
1 目的
介護保険サービスや他の保健・医療・福祉サービスを提供する者との連絡調整、他の介護支援専門員に対する助言・指導などケアマネジメントが適切かつ円滑に提供されるために必要な業務に関する知識及び技術を修得するとともに、地域包括ケアシステムの構築に向けた地域づくりを実践できる主任介護支援専門員の養成を図ることを目的とする。
2 対象者
介護支援専門員の業務に関し十分な知識と経験を有する介護支援専門員とする。
具体的には、主任介護支援専門員としての役割を果たすことができる者を養成する観点から、居宅サービス計画等を提出させることにより、研修実施機関において内容を確認し、利用者の自立支援に資するケアマネジメントが実践できていると認められる者のうち、以下の①から④のいずれかに該当し、かつ、(別添2)「介護支援専門員専門研修実施要綱」に基づく専門研修課程Ⅰ及び専門研修課程Ⅱ又は(別添4)「介護支援専門員更新研修実施要綱」の3の(3)に基づく実務経験者に対する介護支援専門員更新研修を修了した者とする。
① 専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して5年(60ヶ月)以上である者(ただし、管理者との兼務は期間として算定できるものとする。)
② 「ケアマネジメントリーダー活動等支援事業の実施及び推進について」(平成14年4月24日老発第0424003号厚生労働省老健局長通知)に基づくケアマネジメントリーダー養成研修を修了した者又は日本ケアマネジメント学会が認定する認定ケアマネジャーであって、専任の介護支援専門員として従事した期間が通算して3年(36ヶ月)以上である者(ただし、管理者との兼務は期間として算定できるものとする。)
③ 施行規則第140条の66第1号イの(3)に規定する主任介護支援専門員に準ずる者として、現に地域包括支援センターに配置されている者
④ その他、介護支援専門員の業務に関し十分な知識と経験を有する者であり、都道府県が適当と認める者
また、受講対象者の選定に当たっては、特に質の高い研修を実施する観点から、上記の要件以外に、都道府県において実情に応じた受講要件を設定することは差し支えないものとする。
3 実施方法等
(1) 実施に当たっての基本的な考え方
主任介護支援専門員研修は、他の介護支援専門員に適切な指導・助言、さらに事業所における人材育成及び業務管理を行うことができ、また、地域包括ケアシステムを構築していくために必要な情報の収集・発信、事業所・職種間の調整を行うことにより地域課題を把握し、地域に必要な社会資源の開発やネットワークの構築など、個別支援を通じた地域づくりを行うことができる者を養成するための研修であることから、適切なケアマネジメントを実践できていることを前提とし、介護支援専門員が実際に直面している問題や地域包括ケアシステムを構築していく上での課題を把握することにより、本研修の修了者が、主任介護支援専門員として役割を果たすことができるよう、効果的な研修内容とすること。
(2) 研修内容
主任介護支援専門員研修で行うべき科目については、「介護保険法施行令第37条の15第2項に規定する厚生労働大臣が定める基準」(平成18年厚生労働省告示第265号)に規定されているところであるが、その科目、目的、内容及び時間数については以下のとおりであり、合計70時間以上とする。
科目 |
目的 |
内容 |
時間数 |
○主任介護支援専門員の役割と視点 |
地域包括ケアシステムの構築や地域包括ケアを実現するケアマネジメントを展開するに当たり、主任介護支援専門員が果たすべき役割を認識するとともに、その役割を担う上で必要な視点、知識及び技術を修得する。 |
・地域包括支援センター、居宅介護支援事業所等における主任介護支援専門員の役割(地域や事業所の介護支援専門員に対する個別支援、地域や事業所における人材育成の実施、多職種等とのネットワークづくりや社会資源の開発などの地域づくり及びセルフケア・セルフマネジメントに関する地域住民の意識づくり)について講義を行う。 ・介護支援専門員に対する指導・支援の視点及び地域包括ケアシステムの構築に当たっての地域づくりに関する講義を行う。 ・事業所におけるケアマネジメントと地域包括ケアシステムにおいて求められるケアマネジメントの違いに関する講義を行う。 ・介護保険制度や利用者支援に係る周辺制度について、最新の制度改正等の動向に関する講義を行う。 |
講義5時間 |
○ケアマネジメント(居宅介護支援、施設における施設サービス計画の作成、サービスの利用援助及び施設サービス計画の実施状況の把握並びに介護予防支援をいう。以下同じ。)の実践における倫理的な課題に対する支援 |
介護支援専門員が直面しやすい倫理的課題に対し、どのような姿勢で対応すべきかについて指導・支援する技術を修得する。 |
・介護支援専門員倫理綱領の意義・内容を再確認し、介護支援専門員が備えるべき倫理を実践例を交えて講義を行う。 ・ケアマネジメントを行う際に直面する倫理的課題と対応方法について講義を行う。 ・個別支援において生じた倫理面の課題に対する指導・支援方法について講義を行う。 |
講義2時間 |
○ターミナルケア |
ターミナルケアに関する現状・課題、介護支援専門員が関わる際に必要な視点・支援の技術及び支援に当たっての指導方法を習得する。 |
・ターミナルケアの基本を理解し、居宅及び施設におけるターミナルケアの課題や必要な視点について講義を行う。 ・利用者及びその家族等に対する介護支援専門員としての適切な支援方法について講義を行う。 ・ターミナルケアで必要な看護サービス等を活用する際の視点や医療職をはじめとする多職種との連携方法・協働のポイントについて講義を行う。 |
講義3時間 |
○人材育成及び業務管理 |
質の高いマネジメントを提供し、事業所の適正な運営等を図るための「人事管理」「経営管理」に関する知識の修得及び「人材育成」「業務管理」の手法を修得する。 |
・地域や事業所内における介護支援専門員の人材育成に関する留意事項、効果的な取組及び方法(研修計画の作成、OJTとOff-JT、事例検討会等)について講義を行う。 ・地域において人材育成を行うに当たって必要なネットワークの構築方法に関する講義を行う。 ・事業所内における介護支援専門員に対する業務管理の意義・方法及び課題と対応策について講義を行う。 |
講義3時間 |
○運営管理におけるリスクマネジメント |
ケアマネジメントを実践する上で発生するリスクに対して、組織や地域として対応する仕組みの構築に必要な知識・技術を修得する。 |
・ヒヤリハットの事例に基づき、ケアマネジメントを行う上で発生しうるリスクの予測とその評価の手法について講義を行う。 ・地域や事業所におけるリスク軽減に向けた仕組みや体制の構築の手法について講義を行う。 ・介護支援専門員に課せられている秘密保持義務の規定を再確認し、個人情報の取扱に係るリスクと関連制度について講義を行う。 ・自然災害が発生した場合の対応に関する基本的な考え方や方法、対応体制の構築に向けて必要な知識や方法について講義を行う。 |
講義3時間 |
○地域援助技術 |
地域において、地域援助技術(コミュニティソーシャルワーク)の実践が進むよう地域づくりの重要性と主任介護支援専門員の役割を理解するとともに、地域課題の把握方法、地域づくりに向けた具体的な取組内容等に係る必要な知識・技術を修得する。 |
・地域づくりの意義と手法及び地域課題を把握するための情報の入手・活用の方法について講義を行う。 ・地域課題の解決に向けた関係者によるネットワークの機能や構築方法について講義を行う。 ・地域援助技術(コミュニティソーシャルワーク)に関する介護支援専門員に対する指導・支援方法を修得する。 ・地域ケア会議等を通じて把握した地域課題を解決するための地域援助技術(コミュニティソーシャルワーク)の展開について、基本的な考え方や方法を修得する。 |
講義及び演習6時間 |
○ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実現 |
地域において、医療との連携や多職種協働が進むよう、他の介護支援専門員や多職種に対する働きかけ、連携・協働の仕組みづくりに必要な知識・技術を修得する。 |
・医療職をはじめとした多職種との協働における工夫と留意点など成功例と失敗例を参考にして連携・協働の仕組みづくりの重要性を理解する。 ・地域ケア会議が有している機能と、当該会議を効果的に開催するための運営方法に関する講義を行う。 ・行政との連携・協働に当たっての留意点に関する講義を行う。 ・多職種協働において関わりが強い他法他施策(障害者総合支援法、生活困窮者自立支援法等)の概要と他法他施策を活用する際の関係機関等との連携・協働に当たっての留意点に関する講義を行う。 ・日常的な実践における医療職をはじめとした多職種協働に関する介護支援専門員への指導・支援方法を修得する。 |
講義及び演習6時間 |
○対人援助者監督指導 |
対人援助者監督指導(スーパービジョン)の機能(管理や教育、支援)を理解し、実践できる知識・技術を修得するとともに、スーパーバイザーとして主任介護支援専門員に求められる姿勢を理解する。 |
・対人援助者監督指導(スーパービジョン)の内容と方法に関する講義を行う。 ・対人援助者監督指導(スーパービジョン)の効果、介護支援専門員に対して対人援助者監督指導(スーパービジョン)を行う際の留意点及びスーパーバイザーとしての主任介護支援専門員の心構えと視点を理解する。 ・個人対人援助者監督指導(個人スーパービジョン)と集団対人援助者監督指導(グループスーパービジョン)の方法等を修得する。 |
講義及び演習18時間 |
○個別事例を通じた介護支援専門員に対する指導・支援の展開 |
介護支援専門員に対する指導・支援における様々な方法と関わり方について、その具体的方法や留意点を理解するとともに、事例研究の実践的な展開方法を修得する。 |
・個々の事例に対する介護支援専門員のケアマネジメントについて、主任介護支援専門員として指導・支援を行う際の様々な方法(コーチング、ティーチング等)を修得するとともに、指導・支援を行う際の様々な場面における関わり方を理解する。 ・指導・支援に当たっての留意点を踏まえつつ、事例検討・事例研究における指導・支援の実践的な展開方法(会議の設定と準備、介護支援専門員との関係構築、傾聴、承認、指導・支援の具体的な展開及びまとめと振り返り)を修得する。 |
講義及び演習24時間 |
4 実施上の留意点
(1) 講師
講師については、原則アからエまでのとおりとする。
ア 「主任介護支援専門員の役割と視点」、「人材育成及び業務管理」、「運営管理におけるリスクマネジメント」、「地域援助技術」、「対人援助者監督指導」及び「個別事例を通じた介護支援専門員に対する指導・支援の展開」の講師については、相当の実務経験のある主任介護支援専門員、大学教員又は法人内における研修の責任者として指導に従事している者を充てること。
イ 「ケアマネジメントの実践における倫理的な課題に対する支援」の講師については、相当の実務経験のある現任の主任介護支援専門員を充てること。
ウ 「ターミナルケア」の講師については、ターミナルケアに関し知見のある医療関係者又は病院等において医療連携業務に従事している者を充てること。
エ 「ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実現」の講師については、在宅介護に知見のある医療関係者又は病院等において医療連携業務に従事している者を充てること。
(2) 修了評価
研修の実施に当たっては、各科目における到達目標を達成しているかについて修了評価を実施すること。
(3) その他留意点
当該研修の研修受講地については、原則として介護支援専門員としての登録を行っている都道府県とする。なお、受講者がやむを得ない事情により、主任介護支援専門員研修の一部又は全部を受講できなかった場合には、別途実施する主任介護支援専門員研修の際に当該未受講の科目を受講することとして差し支えない。この場合、当該受講者から登録地の都道府県に申し出ることにより、他の都道府県で受講することを認めるなど、都道府県間で連携の上、受講者の便宜を図るものとする。
(別添6)
主任介護支援専門員更新研修実施要綱
1 目的
主任介護支援専門員に対して、主任介護支援専門員研修修了証明書の有効期限の更新時に併せて、研修の受講を課すことにより、継続的な資質向上を図るための定期的な研修受講の機会を確保し、主任介護支援専門員の役割を果たして行くために必要な能力の保持・向上を図ることを目的とする。
2 対象者
研修対象者は、次の①から⑤までのいずれかに該当するものであって、主任介護支援専門員研修修了証明書の有効期間がおおむね2年以内に満了する者とする。
なお、特に質の高い研修を実施する観点から、上記の要件以外に、都道府県において実情に応じた受講要件を設定することは差し支えないものとする。
① 介護支援専門員に係る研修の企画、講師やファシリテーターの経験がある者
② 地域包括支援センターや職能団体等が開催する法定外の研修等に年4回以上参加した者
③ 日本ケアマネジメント学会が開催する研究大会等において、演題発表等の経験がある者
④ 日本ケアマネジメント学会が認定する認定ケアマネジャー
⑤ 主任介護支援専門員の業務に十分な知識と経験を有する者であり、都道府県が適当と認める者
3 実施方法等
(1) 実施に当たっての基本的な考え方
主任介護支援専門員としての役割を果たすには、多職種との連携や介護支援専門員に対する助言・指導や地域での活動等の実務を通じて、主任介護支援専門員として必要な知識・技術等を高めていくことが必要不可欠であり、地域包括ケアシステムの構築や地域包括ケアの推進など、主任介護支援専門員に求められる役割がこれまで以上に大きくなることが見込まれることを踏まえると、実践を通じた能力向上を担保する必要があることから、継続的な知識・技術等の向上を図るとともに、実践の振り返りにより、更なる資質向上を図る研修内容とする。
(2) 研修内容
主任介護支援専門員更新研修で行うべき科目については、「介護保険法施行令第37条の15第2項に規定する厚生労働大臣が定める基準」(平成18年厚生労働省告示第265号)第2号により、規定されているところであるが、その科目、目的、内容及び時間数については以下のとおりであり、合計46時間以上とする。
科目 |
目的 |
内容 |
時間数 |
○介護保険制度及び地域包括ケアシステムの動向 |
介護保険制度の最新の動向を踏まえ、地域包括ケアシステムの構築に向けた現状の取組と課題を理解し、主任介護支援専門員として果たすべき役割を再認識する。 |
・介護保険制度の最新の動向や地域包括ケアシステムの構築に向けた取組や課題、地域包括ケアシステムの構築における介護支援専門員及び主任介護支援専門員の役割について講義を行う。 ・利用者やその家族を支援する上で関連する最新の制度、動向及び社会資源の活用並びに関係機関等との連携やネットワーク構築に関する講義を行う。 ・介護保険制度並びに介護支援専門員を取り巻く状況など現状で課題となっている事項を踏まえた、介護支援専門員に対する指導、支援に関する講義を行う。 |
講義4時間 |
○主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導及び支援の実践 ・リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例 |
リハビリテーションや福祉用具等の活用事例を用いて主任介護支援専門員としての実践の振り返りを行うことにより、リハビリテーションや福祉用具等の活用に係る実践上の課題や不足している視点を認識し分析する手法を深める。 また、分析結果を踏まえた資質向上に必要な取組と実践における改善策を講じることができる知識・技術を修得する。 |
・各自が担当しているリハビリテーションや福祉用具等の活用に関する主任介護支援専門員としての実践事例について振り返り、意見交換等を通じて、課題や不足している視点を認識し分析する。分析に必要な根拠を明確にすることにより改善策を講じ、資質向上に向けた介護支援専門員に対する指導及び支援を実践することができる知識・技術を修得する。 ・リハビリテーションや福祉用具等の活用をするに当たって重要となる医師やリハビリテーション専門職等との連携方法等ネットワークづくりの実践について、課題や不足している視点を認識し分析する手法及び改善指導に関する講義を行う。 ・リハビリテーションや福祉用具等の活用を検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの実践において、社会資源の開発など地域づくりの視点を含め、課題や不足している視点を認識し分析する手法及び改善指導に関する講義を行う。 |
講義及び演習6時間 |
・看取り等における看護サービスの活用に関する事例 |
看護サービスの活用が必要な事例を用いて主任介護支援専門員としての実践の振り返りを行うことにより、看護サービスの活用に係る実践上の課題や不足している視点を認識し分析する手法を深める。 また、分析結果を踏まえた資質向上に必要な取組と実践における改善策を講じることができる知識・技術を修得する。 |
・各自が担当している看護サービスの活用に関する主任介護支援専門員としての実践事例について振り返り、意見交換等を通じて、課題や不足している視点を認識し分析する。分析に必要な根拠を明確にすることにより改善策を講じ、資質向上に向けた介護支援専門員に対する指導及び支援を実践することができる知識・技能を修得する。 ・看取り等を含む看護サービスを活用するに当たって重要となる医師や看護師等との連携方法等ネットワークづくりの実践について、課題や不足している視点を認識し分析する手法及び改善指導に関する講義を行う。 ・看取り等を含む看護サービスの活用を検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの実践において、社会資源の開発など地域づくりの視点を含め、課題や不足している視点を認識し分析する手法及び改善指導に関する講義を行う。 |
講義及び演習6時間 |
・認知症に関する事例 |
認知症に関する事例を用いて主任介護支援専門員としての実践の振り返りを行うことにより、認知症の要介護者等に関する実践上の課題や不足している視点を認識し分析する手法を深める。 また、分析結果を踏まえた資質向上に必要な取組と実践における改善策を講じることができる知識・技術を修得する。 |
・各自が担当している認知症ケースに関する主任介護支援専門員としての実践事例について振り返り、意見交換等を通じて、課題や不足している視点を認識し分析する。分析に必要な根拠を明確にすることにより改善策を講じ、資質向上に向けた介護支援専門員に対する指導及び支援を実践することができる知識・技能を修得する。 ・認知症の要介護者等及び家族を支援するに当たり重要となる医療職をはじめとする多職種や地域住民との連携方法等ネットワークづくりの実践について、課題や不足している視点を認識し分析する手法及び改善指導に関する講義を行う。 ・認知症である要介護者等の支援方法を検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの実践において、社会資源の開発など地域づくりをの視点を含め、課題や不足している視点を認識し分析する手法及び改善指導に関する講義を行う。 |
講義及び演習6時間 |
・入退院時等における医療との連携に関する事例 |
入退院時等における医療との連携に関する事例を用いて主任介護支援専門員としての実践の振り返りを行うことにより、医療との連携に関する実践上の課題や不足している視点を認識し分析する手法を深める。 また、分析結果を踏まえた資質向上に必要な取組と実践における改善策を講じることができる知識・技術を修得する。 |
・各自が担当している入退院時等における医療との連携に関する主任介護支援専門員としての実践事例について振り返り、意見交換等を通じて、課題や不足している視点を認識し分析する。分析に必要な根拠を明確にすることにより改善策を講じ、資質向上に向けた介護支援専門員に対する指導及び支援を実践することができる知識・技能を修得する。 ・入退院時等において重要となる医療職をはじめとする多職種との連携方法等ネットワークづくりの実践について、課題や不足している視点を認識し分析する手法及び改善指導に関する講義を行う。 ・入退院時における支援を検討するに当たり、効果的なものになるようインフォーマルサービスも含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの実践において、社会資源の開発など地域づくりの視点を含め、課題や不足している視点を認識し分析する手法及び改善指導に関する講義を行う。 |
講義及び演習6時間 |
・家族への支援の視点が必要な事例 |
家族への支援の視点が特に必要な事例を用いて主任介護支援専門員としての実践の振り返りを行うことにより、家族への支援の視点も踏まえた実践上の課題や不足している視点等を認識し分析する手法を深める。 また、分析結果を踏まえた資質向上に必要な取組と実践における改善策を講じることができる知識・技術を修得する。 |
・各自が担当している家族支援が特に必要なケースに関する主任介護支援専門員としての実践事例について振り返り、意見交換等を通じて、課題や不足している視点を認識し分析する。分析に必要な根拠を明確にすることにより改善策を講じ、資質向上に向けた介護支援専門員に対する指導及び支援を実践することができる知識・技能を修得する。 ・家族に対する支援に当たり重要となる関係機関や地域住民をはじめとする多職種との連携方法等ネットワークづくりの実践について、課題や不足している視点を認識し分析する手法及び改善指導に関する講義を行う。 ・家族支援が必要なケースを検討するに当たり、インフォーマルサービスも含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの実践において、社会資源の開発など地域づくりの視点を含め、課題や不足している視点を認識し分析する手法及び改善指導に関する講義を行う。 |
講義及び演習6時間 |
・社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例 |
社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例を用いて主任介護支援専門員としての実践の振り返りを行うことにより、利用者が活用することができる制度に関する知識及び関係機関等との連携に係る実践上の課題や不足している視点等を認識し分析する手法を深める。 また、分析結果を踏まえた資質向上に必要な取組と実践における改善策を講じることができる知識・技術を修得する。 |
・各自が担当している他の制度(生活保護制度、成年後見制度等)を活用している主任介護支援専門員としての実践事例について振り返り、意見交換等を通じて、課題や不足している視点を認識し分析する。分析に必要な根拠を明確にすることにより改善策を講じ、資質向上に向けた介護支援専門員に対する指導及び支援を実践することができる知識・技能を修得する。 ・他の制度を活用するに当たり重要となる関係機関や多職種との連携方法等ネットワークづくりの実践について、課題や不足している視点を認識し分析する手法及び改善指導に関する講義を行う。 ・他の制度を活用するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの実践において、社会資源の開発など地域づくりの視点を含め、課題や不足している視点を認識し分析する手法及び改善指導に関する講義を行う。 |
講義及び演習6時間 |
・状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービス、施設サービス等)の活用に関する事例 |
状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービス、施設サービス等)の活用に関する事例を用いて主任介護支援専門員としての実践の振り返りを行うことにより、多様なサービスの活用に係る実践上の課題や不足している視点を認識し分析する手法を深める。 また、分析結果を踏まえた資質向上に必要な取組と実践における改善策を講じることができる知識・技術を修得する。 |
・各自が担当している地域密着型サービス等の多様なサービスを活用している主任介護支援専門員としての実践事例について振り返り、意見交換等を通じて、課題や不足している視点を認識し分析する。分析に必要な根拠を明確にすることにより改善策を講じ、資質向上に向けた介護支援専門員に対する指導及び支援を実践することができる知識・技能を修得する。 ・状態に応じて多様なサービスを活用するに当たり重要となる関係機関や介護サービス事業者との連携方法等ネットワークづくりの実践について、課題や不足している視点を認識し分析する手法及び改善指導に関する講義を行う。 ・状態に応じて多様なサービスを活用するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの実践において、社会資源の開発など地域づくりの視点を含め、課題や不足している視点を認識し分析する手法及び改善指導に関する講義を行う。 |
講義及び演習6時間 |
4 実施上の留意点等
(1) 主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導及び支援の実践に係る科目について、アセスメントからニーズを把握する過程及びモニタリングでの評価に関する知識・技術についての講義・演習を行うに当たっては、別途通知する「課題整理総括表」及び「評価表」等を活用し行うものとする。また、各自の実践方法を共有するとともに、自らの実践において不足している視点を認識することにより、今後の活動の改善につながるよう演習を展開すること。
なお、演習を行うに当たっては、受講者が積極的に演習に参加するよう小規模な班編制により実施することとし、班編制に当たっては保健、医療、福祉の各職種の均衡に配慮すること。
(2) 主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導及び支援の実践においては、基本的に各受講者が担当している事例を持ち寄ることとするが、科目に適合する事例を担当していないことも考えられるため、研修実施機関においては事例を用意しておくこと。
(3) 講師
講師については、原則ア及びイのとおりとする。
なお、相当の知見を有する者とは、
① 国家資格を有する実務経験が長い主任介護支援専門員
② 地域包括支援センターにおいて介護支援専門員に対し相談・支援に従事している者
③ 大学教員又は法人内において研修の責任者として指導に従事している者
④ その他上記に準ずる者
とする。
ア 「介護保険制度及び地域包括ケアシステムの動向」の講師については、介護保険制度について相当の知見を有する者又は都道府県職員を充てること。
イ 主任介護支援専門員としての実践の振り返りと指導及び支援の実践に係る科目の講師については、相当の実務経験のある主任介護支援専門員又は大学教員、法人内において研修の責任者として指導に従事している者を充てること。
(4) 修了評価
研修の実施に当たっては、各科目における到達目標を達成しているかについて修了評価を実施すること。
(5) その他留意点
ア 当該研修の研修受講地については、原則として介護支援専門員の登録を行っている都道府県とする。なお、受講者がやむを得ない事情により、主任介護支援専門員更新研修の一部又は全部を受講できなかった場合には、別途実施する主任介護支援専門員研修の際に当該未受講の課程を受講することとして差し支えない。この場合、当該受講者から登録地の都道府県に申し出ることにより、他の都道府県で受講することを認めるなど、都道府県間で連携の上、受講者の便宜を図るものとする。
イ 当該研修の修了者は、施行規則第113条の18に規定する更新研修を受けた者とみなされることから、「介護支援専門員更新研修」の受講については免除する。
また、当該研修の修了者の介護支援専門員証については、主任介護支援専門員研修修了証明書の有効期間に置き換えて交付するものとする。