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○「介護支援専門員資質向上事業の実施について」の一部改正について

(平成27年2月12日)

(老発0212第1号)

(各都道府県知事あて厚生労働省老健局長通知)

(公印省略)

介護支援専門員の実務研修等の研修実施については、「介護支援専門員資質向上事業の実施について」(平成26年7月4日付け老発0704第2号厚生労働省老健局長通知)において、介護支援専門員及び主任介護支援専門員に係る各研修の実施方法等の見直しを行ったところである。

主任介護支援専門員については、地域包括ケアの推進など、求められる役割がこれまで以上に大きくなることが見込まれ、実践を通じた能力向上を担保する必要がある。そのため、主任介護支援専門員が継続的に知識・技術等の向上に努めているかを確認し、また、自らの実践に足りないものを認識し、更なる資質向上を図ることが重要であることから、介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)及び介護保険法施行令第37条の15第2項に規定する厚生労働大臣が定める基準(平成18年厚生労働省告示第265号)の一部改正を行い、主任介護支援専門員更新研修を導入したところであり、主な改正内容は下記のとおりである。

これを踏まえ、今般、「介護支援専門員資質向上事業実施要綱」の一部を別紙のとおり改め、平成28年4月1日より適用することとしたので、その取り扱いに遺漏なきようお願いする。

1 主任介護支援専門員更新研修を5年を超えない期間ごとに受ける。

2 主任介護支援専門員更新研修を修了したものは、介護支援専門員更新研修を修了したものとする。

(別紙)

介護支援専門員資質向上事業実施要綱

1 目的

要介護者等ができる限り住み慣れた地域で、最期まで尊厳をもって自分らしい自立した日常生活を送るためには、医療・介護・予防・住まい・生活支援といった多様なサービスが一体的に提供されるとともに、医療職をはじめとする多職種と連携・協働しながら要介護者等を支援できるよう、適切にケアマネジメントを行うことが重要である。その中核的な役割を担う介護支援専門員について、その養成段階で行われる介護支援専門員実務研修や現任者を対象とした研修等を体系的に実施することにより、介護保険制度の基本理念である利用者本位、自立支援、公正中立等の理念を徹底し、専門職としての専門性の向上を図ることにより、利用者の自立支援に資する適切なケアマネジメントの実現に資することを目的とする。

また、主任介護支援専門員については、地域包括ケアシステムの構築に向けて、地域課題の把握から社会資源の開発等の地域づくりや地域の介護支援専門員の人材育成等の役割を果たすことができる専門職の養成を図ることを目的とする。

2 実施主体

実施主体は、都道府県又は都道府県知事の指定した研修実施機関(以下「都道府県等」という。)とする。

3 事業内容

本事業の事業内容は以下のとおりとする。

(1) 介護支援専門員実務研修(別添1)

(2) 介護支援専門員専門研修(別添2)

(3) 介護支援専門員再研修(別添3)

(4) 介護支援専門員更新研修(別添4)

(5) 主任介護支援専門員研修(別添5)

(6) 主任介護支援専門員更新研修(別添6)

4 事業実施上の留意点

(1) 各研修の実施に当たっては、施行規則及び施行規則に基づく告示のほか、別添の研修実施要綱により行うものとする。

(2) 一の研修日程の分割については、各都道府県の実情に即して適宜分割して行うものとする。

特に、現任の介護支援専門員を対象としている研修については、研修開催日程、研修開催期間、研修定員等の規模等の設定に当たっては、選択的な受講が可能となるよう各講義を個別に開講したり、開講日(曜日)、時間等についても工夫をする等、各都道府県の実情に応じて受講者が受講しやすいよう適宜配慮をすること。

また、やむを得ない事情により研修の一部を受講できない者に対しては、適切な方法による代替措置をとることができるものとする。

(3) 受講者の負担や各都道府県の実情に応じて、各研修における講義の一部又は全部を通信学習とすることができるものとする。なお、通信学習を実施する場合には、適切な教材及び適切な方法により、指導及び評価を行うこと。

(4) 各研修事業の実施主体である都道府県等は、介護支援専門員が行う業務を常に念頭におき、介護支援専門員がその業務を行う上で効果的な研修となるよう、その内容や実施方法等について留意しなければならない。

(5) 各研修事業の実施主体である都道府県等は、各研修の実施に当たっては、他の研修の研修内容とも相互に連携を図り、受講者の業務の習熟度に応じて必要な知識を修得するために体系的な研修内容となるよう配慮しなければならない。

(6) 本事業で行う研修のうち、次のア、イの各々の研修については、研修科目が同一であることから、研修開催日程、研修場所、研修定員等の規模等の設定に当たっては、適切な研修が行われるよう配慮することを前提に、同一の日程等で行うことは差し支えない。

ア 別添1「介護支援専門員実務研修実施要綱」に基づく介護支援専門員実務研修(一部科目)、別添3「介護支援専門員再研修実施要綱」に基づく介護支援専門員再研修及び別添4「介護支援専門員更新研修実施要綱」の3の(2)に基づく実務未経験者に対する介護支援専門員更新研修

イ 別添2「介護支援専門員専門研修実施要綱」に基づく介護支援専門員専門研修及び別添4「介護支援専門員更新研修実施要綱」の3の(3)に基づく実務経験者に対する介護支援専門員更新研修

(7) 都道府県知事又は指定研修実施機関の長は、研修修了者に対し、修了証明書を交付するとともに、研修修了者について、修了証明書番号、修了年月日、氏名、生年月日等必要事項を記載した名簿を作成し、管理する。

なお、3の(5)及び(6)の研修修了者に交付する修了証明書(以下「主任介護支援専門員研修修了証明書」という。)については、主任介護支援専門員研修修了証明書の有効期間を設けることとし、その期間は5年とする。

5 研修の費用

本事業は、地域医療介護総合確保基金を充てて実施する事業のうち、介護従事者の確保に関する事業として実施することが可能である。

ただし、本研修に使用する教材等に係る実費相当分、研修会場までの受講者の旅費及び宿泊費については、受講者が負担するものとする。

6 研修実施機関の指定に係る留意事項

(1) 研修実施機関の指定に係る要件

都道府県知事は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)、介護保険法施行令(平成10年政令第412号)及び施行規則で定める要件の他、以下についても適切に行われるよう指導すること。

・ 講師、会場等の研修体制及び事務処理体制の確保

・ 会計帳簿、決算書類等の整備及び適正な経理処理

・ 研修修了者名簿等の継続的な管理

なお、研修実施機関の指定を行うに当たっては、研修の円滑な実施の観点から、保健、医療、福祉の主要な関係団体の意向を十分踏まえた上で調整を行うこと。

(2) 研修実施機関に係る要件

研修実施機関は、法及び施行規則に定める要件の他、以下についても適切に行うこと。

① 研修事業を継続的に毎年一回以上実施すること。

② 研修受講者に研修内容等を明示するため、少なくとも次に掲げる事項を明らかにした規程を定めること。

・ 開講目的

・ 研修事業の名称

・ 実施場所

・ 研修期間

・ 研修科目

・ 講師氏名

・ 研修修了の認定方法

・ 受講資格

・ 受講手続き

・ 受講料等

③ 研修の出席状況等研修受講者に関する状況を確実に把握し保存すること。

④ 事業運営上知り得た研修受講者に係る秘密の保持については、厳格に行うこと。

⑤ 演習等において知り得た個人の秘密の保持について、厳格に行うとともに、研修受講者が十分に留意するよう指導すること。

(別添1)

介護支援専門員実務研修実施要綱

1 目的

介護支援専門員として利用者の自立支援に資するケアマネジメントに関する必要な知識及び技能を修得し、地域包括ケアシステムの中で医療との連携をはじめとする多職種協働を実践できる介護支援専門員の養成を図ることを目的とする。

2 対象者

法第69条の2第1項に規定する介護支援専門員実務研修受講試験に合格した者とする。

3 実施方法及び研修課程

(1) 基本的な考え方

介護支援専門員は、法第7条第5項において、「要介護者又は要支援者(以下「要介護者等」という。)からの相談に応じ、及び要介護者等がその心身の状況等に応じ適切な居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービス又は地域密着型介護予防サービスを利用できるよう市町村、居宅サービス事業を行う者、地域密着型サービス事業を行う者、介護保険施設、介護予防サービス事業を行う者、地域密着型介護予防サービス事業を行う者等との連絡調整等を行う者であって、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術を有するものとして第69条の7第1項の介護支援専門員証の交付を受けたもの」とされ、その養成課程である介護支援専門員実務研修(以下「実務研修」という。)は、施行規則第113条の4第1項において、「介護支援専門員として必要な専門的知識及び技術を修得させることを目的とし」て、同条第2項において、「居宅サービス計画、施設サービス計画及び介護予防サービス計画に関する専門的知識及び技術の修得に係るものをその主たる内容」とすると定められているところである。

したがって、実務研修の内容は、利用者の自立支援を図るために、アセスメントの重要性を認識し、居宅サービス計画、施設サービス計画及び介護予防サービス計画の作成、サービスの利用、モニタリングの実施等のいわゆる「ケアマネジメント」の過程に沿った各段階で必要な視点や手法を修得するとともに、地域包括ケアシステムの中で医療との連携をはじめとする多職種協働の手法を修得できるものでなければならない。

(2) 研修内容

実務研修で行うべき科目については、「厚生労働大臣が定める介護支援専門員等に係る研修の基準」(平成18年厚生労働省告示第218号)第1号に規定されているところであるが、科目、目的、内容及び時間数については以下のとおりであり、合計87時間以上とする。

科目

目的

内容

 

【前期】

 

 

 

○介護保険制度の理念・現状及びケアマネジメント

介護保険制度の理念等を理解するとともに、地域包括ケアシステムの構築に向けた取組の現状を理解する。

また、介護保険制度における利用者の尊厳の保持及び自立支援に資するケアマネジメントの役割を理解し、地域包括ケアシステムにおける介護支援専門員の役割を認識する。

・介護保険制度の基本理念を理解し、介護保険制度における利用者の尊厳の保持、自立支援に資するケアマネジメントの役割、ケアマネジメントを担う介護支援専門員に求められる機能や役割に関する講義を行う。

・介護保険制度の現状と地域包括ケアシステムが求められる背景とその考え方、構築に向けた取組状況に関する講義を行う。

・介護サービスの利用手続き(要介護認定等に関する基本的な視点と概要)、居宅サービス計画等の作成、保険給付及び給付管理等の仕組みといった一連の関係性についての講義を行う。

講義3時間

○自立支援のためのケアマネジメントの基本

利用者の尊厳の保持及び自立支援に資するケアマネジメントの視点を理解する。

また、利用者が住み慣れた地域で主体的な生活を送ることができるように支援することの重要性を理解するとともに、在宅生活を支援する上で、家族に対する支援の重要性を理解する。

・ケアマネジメントの成り立ちや機能について理解するとともに、指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準に基づいて、介護支援専門員としての責務及び業務を理解し、ケアマネジメントの中心的な役割を担う立場であることを認識するための講義を行う。

・利用者が住み慣れた地域で、最期まで尊厳をもって自分らしい生活を送ることができるよう、自立支援のためのケアマネジメントを実践する上で必要な視点を理解する。

・インフォーマルサービスも活用したケアマネジメントを理解する。

・利用者を支援する上で、家族を取り巻く環境に留意し、家族に対する支援の重要性や目的を理解する。

・介護予防支援や、介護予防・日常生活支援総合事業におけるケアマネジメントにおいても、基本的な考え方やプロセスは同様であることから、これらも含めた形での講義を行う。

講義及び演習6時間

○相談援助の専門職としての基本姿勢及び相談援助技術の基礎

ケアマネジメントにおける相談援助の専門性を理解し、直接援助職から相談援助職への視座の転換を行う。

また、利用者のニーズを把握する上で、利用者を多面的に捉える視点の必要性を理解し、利用者の自立支援に向けた相談援助技術を修得する。

・直接援助を行う職種と相談援助を行う職種の各々の役割や視点の違いを認識することにより、相談援助の職種における専門性を理解する為の講義を行う。

・相談援助を行う上での留意点として、感情移入することなく自己を客観視することの重要性とそのための方法等に関する講義を行う。

・利用者のニーズを把握する上で、利用者を多面的に捉える視点(身体的・心理的状況、生活環境、社会参加状況等)について理解する。

・相談援助に係る基本的な技法を理解する。

講義及び演習4時間

○人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理

人権と尊厳を支える専門職に求められる姿勢を認識する。

また、介護支援専門員としての職業倫理を理解するとともに、日常業務で直面する倫理的課題等を認識する。

・介護支援専門員が備えるべき、利用者本位、自立支援、公正中立、権利擁護、守秘義務、利用者のニーズの代弁等の倫理に関する講義を行う。

・人権の概念、利用者の尊厳の保持、介護支援専門員の倫理綱領、倫理原則、成年後見制度等に関する講義を行う。

・ケアマネジメントの実践において直面しやすい倫理的な課題とその課題に向き合うことの重要性を理解するための講義を行う。

講義2時間

○利用者、多くの種類の専門職等への説明及び合意

利用者及びその家族に対する適切な説明と合意形成の手法を修得する。

また、サービス担当者会議、地域ケア会議等様々な場面においても説明と合意が得られる技術を修得する。

・利用者及びその家族、利用者を支援するサービスの担当者等の多職種に対する説明の意義・目的を理解するための講義を行う。

・サービス担当者会議や地域ケア会議等における場面ごとに求められる説明の意味・目的を理解するとともに説明の技法(話の構成、姿勢、スピード、言葉の選択等)を修得する。

・説明から利用者の合意に向かうまでのプロセスの重要性とポイントを理解するとともに、多職種協働における説明責任を理解する。

講義及び演習2時間

○ケアマネジメントのプロセス

ケアマネジメントプロセスの全体像を理解する。

・ケアマネジメントプロセスの構成と流れを理解するとともに、各プロセスにおける意義・目的に関する講義を行う。

・ケアマネジメントプロセスにおける各プロセスの相互の関係についての講義を行う。

講義2時間

○ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術

・受付及び相談並びに契約

受付及び初期面接相談(インテーク)、契約の各場面で求められる実践的な技術を修得する。

・受付及び初期面接相談(インテーク)の場面における相談援助の視点と技術を修得するとともに、利用者及びその家族との信頼関係の構築の重要性について講義を行う。

・契約は重要事項の説明を経た法律行為であることから、利用者が主体となる契約の意義とそれを保障するための仕組み(苦情申し立て、権利擁護等)についての講義を行う。

・契約に関する制度上の位置付けや留意事項に関する講義を行う。

講義及び演習1時間

・アセスメント及びニーズの把握の方法

利用者及びその家族並びに多職種からの情報収集とその分析を通じて、介護支援専門員としての専門的な判断の根拠を説明できる技術を修得する。

また、アセスメントにおいて収集した情報から、専門職としてニーズを導くための技術を修得する。

・アセスメントからニーズを導き出すまでの思考過程の全体像に関する講義を行う。

・アセスメントにおける情報収集の項目の内容、目的、主治医意見書の記載内容を理解するとともに、情報収集の方法・技術を修得する。

・収集した情報を的確に分析することにより、課題の明確化、改善及び悪化の可能性などを導き出せることを理解する。

・利用者の生活全体を捉える視点の重要性を理解するとともに、利用者の生活の現況から生活機能(WHO国際生活機能分類による)と背景を把握し、理解する視点を修得する。

・課題整理総括表等を用いてADLやIADL等の状況から利用者が抱える課題を明確化し、状態の維持改善及び悪化の可能性の判断と予測を立て、適切なニーズを導くための技術を修得する。

講義及び演習6時間

・居宅サービス計画等の作成

ニーズを踏まえた目標の設定と目標を実現するための居宅サービス計画等の作成技術を修得する。

また、居宅サービス計画等と訪問介護計画等の個別のサービス計画との連動の重要性を理解する。

・利用者及び家族の生活に対する意向及び総合的な援助の方針を記載するに当たっての留意点に関する講義を行う。

・アセスメントから導いたニーズを解決するための視点と達成するための目標の関係についての講義を行う。

・インフォーマルサービスも含めた社会資源の種類及び内容を理解するとともに、インフォーマルサービスの活用も含めた居宅サービス計画等を作成する方法を理解する。

・保健医療サービス利用時の主治医等からの意見収集、リハビリテーション専門職からの意見収集など、多職種との連携に当たっての留意点に関する講義を行う。

・訪問介護計画等の個別サービスの計画は、居宅サービス計画に記載したニーズや目標に基づいて作成され、利用者を支援するサービス提供につながっていくものであることから、居宅サービス計画との連動の重要性を理解するとともに、個別サービスの計画につながる目標の立て方等を修得する。

講義及び演習4時間

・サービス担当者会議の意義及び進め方

多職種とのアセスメント結果の共有や、居宅サービス計画等の原案に対する専門的見地からの意見収集の意義を理解し、会議の開催に係る具体的な方法を修得する。

・会議を開催するに当たり、事前の準備や開催当日の準備など、必要な業務を理解するとともに、会議の進行の手法等に関する講義を行う。

・サービス担当者会議は、利用者及び家族並びにサービス担当者も含めて、利用者を支援していくための方向性を定める場であることから、介護支援専門員によるアセスメントの結果を共有することの重要性を理解する。

・会議での意識の共有に当たり、居宅サービス計画と訪問介護計画等の個別サービス計画との内容の整合性を確認することの重要性を理解する。

・複数のサービスを利用する場合には、各サービスの個別サービス計画ごとの内容を確認することの重要性を理解する。

・新規ケース、更新ケース、要介護状態等の区分変更ケースごとのサービス担当者会議における検討の留意点についての講義を行う。

講義及び演習4時間

・モニタリング及び評価

ケアマネジメントプロセスにおけるモニタリングの意義・目的や、多職種との連携によるサービス実施の効果を検証することの重要性を理解する。

・利用者及びその家族、サービス担当者等との継続的な連絡や、居宅を訪問し利用者と面接することの意味を理解するための講義を行う。

・モニタリングにおける視点や手法、状況の変化への対応を理解する。

・評価表等を活用し目標に対する各サービスの達成度(効果)の検証の必要性と評価手法を修得する。

・居宅サービス計画の再作成を行う方法と技術についての講義を行う。

・モニタリングにおける多職種との役割分担と連携の重要性を理解する。

・モニタリング結果の記録作成の意味と、記録に当たっての留意点を理解するための講義を行う。

講義及び演習4時間

○介護支援専門員に求められるマネジメント(チームマネジメント)

多職種に対する理解・尊重に基づいてチームを組成し、円滑に機能させるための基本的な技術を修得する。

・利用者及びその家族の支援に際し、チームアプローチの意義を理解するとともに、介護支援専門員には、ケアのマネジメントだけでなく、チームのマネジメントも求められることを認識するための講義を行う。

・チームアプローチに際し、チームを組成する各職種の専門性と各々に求められる役割を理解するとともに、チームにおける介護支援専門員の役割を理解し、チーム運営において想定される課題や対応策を含め、チームを円滑に機能させるために必要な知識・技術を修得する。

講義及び演習2時間

○地域包括ケアシステム及び社会資源

地域包括ケアの理念を踏まえ、地域包括ケアを推進していくに当たり介護支援専門員に求められる役割を理解する。

また、利用者を支援する上で知っておくべき各種制度や地域の社会資源の重要性を理解する。

・地域包括ケアシステムの構築が求められる背景及び地域包括ケアシステムが目指す姿についての講義を行う。

・地域包括ケアシステムを構築していく中で介護支援専門員に求められる役割(自立支援に資するケアマネジメント、インフォーマルサービスを含めた社会資源の活用、多職種や地域包括支援センター等との連携、不足している地域資源の提案等)に関する講義を行う。

・地域包括ケアを実現していくためのケアマネジメントを行う上で、必要な保健・医療・福祉サービスに関する講義を行う。

・地域包括ケアシステムの構築に関して、地域の現状、課題、目指す方向性、社会資源の整備状況等を把握する事が大切であることから介護保険事業計画、地域ケア会議の重要性や内容に関する講義を行う。

・生活保護制度、障害施策、老人福祉施策、地域ケア会議などの概要について理解するとともに、関連する機関やボランティア等との連携・協力・ネットワークの構築についての講義を行う。

講義3時間

○ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義

医療との連携や多職種協働の意義を踏まえ、具体的な連携の場面で必要となる基本的な知識や連携の手法を修得する。

・医療との連携に当たって早い段階から連携の重要性を理解し、利用者の医療に係る情報や状態の改善可能性に係る意見等を把握しておく必要があることから、医療機関や医療職からの情報収集の方法等についての講義を行う。

・医療との連携に当たっての留意点を理解するとともに、介護支援専門員から医療機関や医療職への情報提供の方法及び内容(生活状況、サービスの利用状況等)に関する講義を行う。

・地域における、在宅医療・介護の連携を推進する役割を担っている機関の概要に関する講義を行う。

・多職種協働の意義を理解するとともに、多職種間で情報を共有することの重要性を理解し、情報共有に当たり個人情報を取り扱う上での利用者やその家族の同意の必要性についての講義を行う。

講義3時間

○ケアマネジメントに係る法令等の理解

法令を遵守し、介護支援専門員の業務を適切に遂行できるよう、介護保険制度に係る法令等を正しく理解する。

・介護保険法、介護保険法施行令、介護保険法施行規則、厚生労働省告示、居宅サービス等の運営基準、居宅介護支援等の運営基準に関しその位置付けや業務との関連を俯瞰する講義を行う。(特に、介護支援専門員及びケアマネジメントに関する部分の規定について、業務と関連づけて理解する。)

・事業所の指定取消や介護支援専門員の登録消除などの不適切事例を参考に、ケアマネジメントを実践する上での法令遵守(コンプライアンス)の重要性を認識するための講義を行う。

・介護報酬に係る関係告示や通知等の概要についての講義を行う。

講義2時間

○実習オリエンテーション

研修における実習の位置付けと目的、実施方法を理解し、効果的な実習に結びつける。

・実習は、ケアマネジメントの実践現場を通して様々なことを学ぶことができる機会であるとともに、これまでの講義や演習を通じて身につけた知識・技術を試行する機会でもあり、効果的な実習となるよう、実習の目的についての講義を行う。

・実習の流れや実習時の心構えなどに関する講義を行う。(実習を通じて、地域ごとの社会資源等の状況や現場での倫理的課題などについても意識を向けるよう認識する。)

講義1時間

○ケアマネジメントの基礎技術に関する実習

実習現場でのケアマネジメントプロセスの経験を通じて、実践に当たっての留意点や今後の学習課題等を認識する。

・実習に当たっては、利用者への居宅訪問を行い、アセスメントの実施、居宅サービス計画の作成、サービス担当者会議の準備・同席、モニタリングの実施、給付管理業務の方法など一連のケアマネジメントプロセスの実習を行う。

 

【後期】

 

 

 

○実習振り返り

実習を通して得られた気付きや課題を客観的に振り返り、発表することを通じて今後の学習課題を認識する。

・実習で行ったアセスメントや居宅サービス計画の作成など、一連のケアマネジメントプロセスの実践事例を発表することにより、実習を通じて感じた気付きや不足している知識・技術といった課題、現場で生じうる倫理的な課題を共有する。

・受講者間で共有した課題や実習に関する講師からの総評を踏まえて、今後、専門職として身につけていくべき知識・技術についての学習課題を認識する講義を行う。

講義及び演習3時間

○ケアマネジメントの展開

・基礎理解

ケアマネジメントは高齢者の生理、心理、生活環境などの構造的な理解に基づいて行われる必要があることを理解する。

・ケアマネジメントを実践する上で必要な高齢者の生理、高齢者やその家族の心理、住環境や同居者の有無などそれぞれの要素と要素の関係性の重要性に関する講義を行う。

・それらの関係性を踏まえたアセスメント、課題分析の視点、居宅サービス計画等への具体的な展開方法など、支援に当たってのポイントを理解する。

・高齢者本人が望む生活の実現のための意思決定の支援方法について修得する。

・高齢者の代表的な疾患や症候群別のケアマネジメントを学ぶことの有効性について理解する。

講義及び演習3時間

・脳血管疾患に関する事例

脳血管疾患の特性や療養上の留意点、起こりやすい課題を踏まえた支援に当たってのポイントを理解する。

・脳血管疾患の分類、症状、後遺症、生活障害の程度と身体機能の関係、廃用症候群との関係性についての講義を行う。

・脳血管疾患における療養上の留意点や起こりやすい課題についての講義を行う。

・脳血管疾患の要介護者等に対するリハビリテーションや福祉用具、住宅改修の効果的な活用に関する講義を行う。

・リハビリテーションや福祉用具等、それらを活用する際の医療職をはじめとする多職種との連携・協働に当たってのポイントを理解する。

・脳血管疾患の事例におけるアセスメント、課題分析の視点、居宅サービス計画等の作成、サービス担当者会議における情報共有に当たっての留意点、モニタリングでの視点を理解する。

講義及び演習5時間

・認知症に関する事例

認知症の特性や療養上の留意点、起こりやすい課題を踏まえた支援に当たってのポイントを理解する。

・認知症の器質的障害種類別の原因、症状、改善可能性、症状の進行並びに薬物療法の有効性、留意点及び副作用について理解する。

・認知症における療養上の留意点、倫理的な対応及び起こりやすい課題に関する講義を行う。

・認知症ケアにおける医療職をはじめとする多職種との連携・協働に当たってのポイントを理解する。

・認知症の事例におけるアセスメントや課題分析の視点、居宅サービス計画等の作成、サービス担当者会議における情報共有に当たっての留意点及びモニタリングでの視点について理解する。

・独居で認知症の要介護者等に対するアプローチの視点や方法を理解する。

・認知症の要介護者と同居している家族に対する支援や地域への配慮と協働の視点を持ったケアマネジメントの具体的な方法を修得する。

・認知症に伴う行動・心理症状(BPSD)に対するアプローチの視点及びケアの手法を理解する。

講義及び演習5時間

・筋骨格系疾患及び廃用症候群に関する事例

筋骨格系疾患及び廃用症候群の特性や療養上の留意点、起こりやすい課題を踏まえた支援に当たってのポイントを理解する。

・筋骨格系疾患の種類、原因、症状、生活をする上での障害及び予防・改善方法や、廃用症候群の原因、生活をする上での障害及び予防・改善方法に関する講義を行う。

・筋骨格系疾患や廃用症候群における療養上の留意点や起こりやすい課題に関する講義を行う。

・筋骨格系疾患や廃用症候群の要介護者等に対するリハビリテーションや福祉用具、住宅改修の効果的な活用方法等についての講義を行う。

・リハビリテーション、福祉用具などを活用する際の医療職をはじめとする多職種との連携・協働に当たってのポイントを理解する。

・筋骨格系疾患や廃用症候群の事例におけるアセスメント、課題分析の視点、居宅サービス計画等の作成、サービス担当者会議における情報共有に当たっての留意点及びモニタリングでの視点について理解する。

講義及び演習5時間

・内臓の機能不全(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)に関する事例

内臓の機能不全に係る各疾患・症候群(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)の特性や療養上の留意点、起こりやすい課題を踏まえた支援に当たってのポイントを理解する。

・内臓の機能不全に係る各疾患・症候群(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)の原因や症状、症状の進行、生活障害の程度と身体機能の関係についての講義を行う。

・疾患相互の影響、高齢者の生理(生活上の留意点)との関係、療養上の留意点及び起こりやすい課題に関する講義を行う。

・医療職をはじめとする多職種との連携・協働に当たってのポイントを理解する。

・内臓の機能不全に係る疾患・症候群を有する方に対するアセスメント、課題分析の視点、居宅サービス計画等の作成、サービス担当者会議における情報共有に当たっての留意点及びモニタリングでの視点を理解する。

・各疾患・症候群における生活習慣を改善する為のアプローチの方法(本人の動機付け、家族の理解の促進等)を修得する。

講義及び演習5時間

・看取りに関する事例

看取りにおける留意点や起こりやすい課題を踏まえた支援に当たってのポイントを理解する。

・看取りのケースについて支援を行う際における介護支援専門員の役割や適切な姿勢についての講義を行う。

・看取りに関連する各種サービス等の活用方法や、医療職をはじめとする多職種との連携・協働を効果的に行うためのポイントを理解する。

・看取りに向けた利用者及びその家族との段階的な関わりの変化(生活動作の負担や痛みの軽減、主治医との連携や多職種協働、急変時の基本的な対応等)を認識する。

・看取りのケースにおいて、在宅生活の支援を行う際の起こりやすい課題を理解し、アセスメント、課題分析の視点、居宅サービス計画等の作成、サービス担当者会議における情報共有に当たっての留意点及びモニタリングでの視点について理解する。

講義及び演習5時間

○アセスメント及び居宅サービス計画等作成の総合演習

研修全体での学びを踏まえ、アセスメントから居宅サービス計画等の作成からモニタリングまでを一貫して行い、ケアマネジメントプロセスについて更なる理解を深める。

・これまでの研修の中で修得した知識・技術を確認するため、事例に即したアセスメント、ニーズの把握、居宅サービス計画等の作成及びモニタリングを一貫して行うことにより、ケアマネジメントプロセスの理解を深めるとともに、理解が不足しているものがないか自己評価を行う。

・作成した居宅サービス計画等を原案として、サービス担当者会議の演習を行う。

講義及び演習5時間

○研修全体を振り返っての意見交換、講評及びネットワーク作り

研修全体を通じた振り返りを行うことで、今後の学習課題を認識し、自己研鑽の意欲を高める。

また、研修受講者間でのネットワークの構築を図る。

・研修全体の振り返りを行うに当たって、グループ又は全体で意見交換を行い、専門的助言を含めて、研修における学習の成果や今後の学習課題への意識付けのための講義を行う。

・現場で生じうる課題への対応や共同で研修する機会を作るため、研修受講者間においてネットワークの構築を図る。

講義及び演習2時間

4 研修実施上の留意点

(1) 研修実施方法

ア 研修の全体構成

ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術における「アセスメント及びニーズの把握の方法」、「モニタリング及び評価」、ケアマネジメントの展開における「脳血管疾患に関する事例」、「認知症に関する事例」、「筋骨格系疾患及び廃用症候群に関する事例」、「内臓の機能不全(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)に関する事例」、「看取りに関する事例」及び「アセスメント及び居宅サービス計画等作成の総合演習」について、アセスメントからニーズを把握する過程及びモニタリングでの評価に関する知識・技術についての講義・演習を行うに当たっては、別途通知する「課題整理総括表」及び「評価表」等を活用し行うものとする。

なお、演習を行うに当たっては、受講者が積極的に演習に参加するよう小規模な班編制により実施することとし、班編制に当たっては保健、医療、福祉の各職種の均衡に配慮すること。

イ 実習における留意点

実習先としては、特定事業所加算を取得している事業所のような指導体制が整っている事業所で行うことが適切であり、主任介護支援専門員が配置されている事業所に協力してもらうことが適当である。

実習に当たっては、一つの事例だけではなく、複数の事例についてケアマネジメントプロセスを経験することが効果的であり、アセスメントからモニタリングまでの一連のケアマネジメントプロセス(同行等による利用者の居宅訪問、サービス担当者会議開催のための準備や当該会議への同席も含む)を経験することが適当である。なお、実習期間中にサービス担当者会議が開催される機会がなく、会議に同席できなかった場合には、実習先の指導者によって、サービス担当者会議の準備や会議当日の議事進行の方法等を説明することにより理解を促すこと。

実習においては、事前に実習に係る対象者等の同意を得るとともに、特に対象者の安全の確保や知り得た秘密の厳守について万全を期すよう受講者に周知徹底すること。

(2) 講師

講師については、原則アからキまでのとおりとする。

なお、相当の知見を有する者とは、

① 施行規則第113条の2第1項第1号に規定する資格を有する実務経験が長い主任介護支援専門員

② 地域包括支援センターにおいて介護支援専門員に対し相談・支援に従事している者

③ 大学教員又は法人内において研修の責任者として指導に従事している者

④ その他上記に準ずる者

とする。

ア 「介護保険制度の理念・現状及びケアマネジメント」及び「ケアマネジメントに係る法令等の理解」の講師については、原則として、介護保険制度について相当の知見を有する者又は都道府県職員を充てること。

イ 「自立支援のためのケアマネジメントの基本」、「相談援助の専門職として基本姿勢及び相談援助技術の基礎」、「ケアマネジメントのプロセス」、ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術における「受付及び相談並びに契約」、「アセスメント及びニーズの把握の方法」、「居宅サービス計画等の作成」、「サービス担当者会議の意義及び進め方」及び「モニタリング及び評価」並びにケアマネジメントの展開における「基礎理解」及び「アセスメント及び居宅サービス計画等作成の総合演習」の講師については、ケアマネジメントについて相当の知見を有する者を充てること。

ウ 「人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理」、「利用者、多くの種類の専門職等への説明及び合意」及び「実習振り返り」の講師については、原則として、相当の実務経験のある現任の介護支援専門員を充てること。

エ 「介護支援専門員に求められるマネジメント(チームマネジメント)」の講師については、介護支援専門員に関するチームマネジメントについて相当の知見を有する者を充てること。

オ 「地域包括ケアシステム及び社会資源」の講師については、地域包括ケアシステムについて相当の知見を有する者又は都道府県職員を充てること。

カ 「ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義」の講師については、在宅介護に知見のある医療関係者又は病院等において医療連携業務に従事している者を充てること。

キ ケアマネジメントの展開における「脳血管疾患に関する事例」、「認知症に関する事例」、「筋骨格系疾患及び廃用症候群に関する事例」、「内臓の機能不全(糖尿病、高血圧、脂質異常症、心疾患、呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病等)に関する事例」及び「看取りに関する事例」の講師については、医師又は医療関係職種の基礎資格を有する介護支援専門員又は各事例に関し相当の知見を有する者を充てること。

(3) 修了評価

研修の実施に当たっては、各科目における到達目標を達成しているかについて修了評価を実施すること。

(4) その他留意点

ア 介護支援専門員実務研修修了者とは、実務研修の全科目を受講した受講者とする。

なお、受講者がやむを得ない事情により、実務研修の一部又は全部を受講できなかった場合には、別途実施する実務研修の際に当該未受講の科目を受講することとして差し支えない。この場合、当該受講者から試験受験地の都道府県に申し出ることにより、他の都道府県で受講することを認めるなど、都道府県間で連携の上、受講者の便宜を図るものとする。

イ 実務研修の研修受講地については、当該試験受験地の都道府県であるが、当該試験合格後の勤務地等の異動に伴い、必ずしも試験受験地と研修受講地を同一とする考え方では合理的でない場合が想定される。このような場合には、当該受講者から試験受験地の都道府県宛て「研修受講地変更願」を提出させ、やむを得ないと認められるときは、希望する研修受講地の都道府県と連携の上、受講者の便宜を図るものとする。

(別添2)

介護支援専門員専門研修実施要綱

1 目的

現任の介護支援専門員に対して、一定の実務経験をもとに、必要に応じた専門知識及び技能の修得を図ることにより、その専門性を高め、多様な疾病や生活状況に応じて、医療との連携や多職種協働を図りながらケアマネジメントを実践できる知識・技術を修得し、もって介護支援専門員の資質向上を図ることを目的とする。

2 対象者

ア 専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅰの研修対象者は、原則として、介護支援専門員としての実務に従事している者であって、就業後6か月以上の者とする。

なお、介護支援専門員として、効果的にその専門性を高めるためには早期に受講することが適当であり、就業後3年以内に受講することが望ましい。

イ 専門研修課程Ⅱ

専門研修課程Ⅱの研修対象者は、原則として、介護支援専門員としての実務に従事している者であって、専門研修課程Ⅰを修了している就業後3年以上の者とする。

3 実施方法等

(1) 実施に当たっての基本的な考え方

個々の介護支援専門員の経験・知識等を考慮し、介護支援専門員専門研修の研修課程を専門研修課程Ⅰ及び専門研修課程Ⅱに区分し、それぞれ介護支援専門員の習熟度に応じて実施すること。

また、介護支援専門員が実際に直面している問題を把握し、実際のサービスや施策の状況、介護支援専門員の状況を踏まえた研修内容とすること。

なお、本研修は、介護支援専門員実務研修から連続する一連の研修体系の中に位置付けられるものであり、それぞれ対象となる現任の介護支援専門員の全員が受講することが望ましい。また、専門研修課程Ⅱは、1回の受講で修了するものではなく、一定の期間ごとに、技術の再確認及び向上のために繰り返し受講することが望ましい。

(2) 研修内容

ア 専門研修課程Ⅰ

専門研修課程Ⅰについて、科目、目的、内容及び時間数については以下のとおりであり、合計56時間以上とする。

科目

目的

内容

時間数

○ケアマネジメントにおける実践の振り返り及び課題の設定

介護支援専門員としての実践の振り返りを通じて、ケアマネジメントプロセスを再確認した上で、専門職としての自らの課題を理解する。

・各自の実践を省みる事により、ケアマネジメントプロセスにおける各項目の持つ意味と重要性に関して再確認し課題等を認識するための講義を行う。

・専門職としての知識・技術を高めていく上での克服すべき課題等を認識する講義を行う。

・振り返りに当たっては、担当事例を活用することとし、担当事例におけるケアマネジメントの視点(アセスメントの結果から課題(ニーズ)を導き出すまでの考え方、当該課題(ニーズ)に対するサービスの選定理由等)を発表し、他の受講者との意見交換を通じて、自分自身の技量における課題を認識・理解する。

講義及び演習12時間

○介護保険制度及び地域包括ケアシステムの現状

介護保険制度の最新の動向や地域包括ケアシステムの構築に向けた現状の取組を理解した上で、今後の地域包括ケアシステムの展開における介護支援専門員としての関わりを理解する。

また、地域包括ケアシステムの中で、利用者及びその家族を支援していくに当たって、関連する制度等を理解する。

・介護保険制度の改正等の状況や地域包括ケアシステムの構築に向けた現状の取組及び課題に関する講義を行う。

・地域包括ケアシステムの構築に向けて、介護支援専門員が果たすべき役割に関する講義を行う。

・利用者が、住み慣れた地域で自立した生活を継続するためには、利用者だけでなくその家族を支援するという視点も必要であることから、利用者の家族も含めた支援に関連する各種制度や社会資源に関する講義を行う。

・フォーマルだけでなくインフォーマルな社会資源との連携やそれらの活用と働きかけに関する講義を行う。

講義3時間

○対人個別援助技術及び地域援助技術

対人個別援助技術(ソーシャルケースワーク)と地域援助技術(コミュニティソーシャルワーク)の違いと役割を理解する。

・対人個別援助技術(ソーシャルケースワーク)の考え方と地域援助技術(コミュニティソーシャルワーク)の概念・機能・目的に関する講義を行う。

・対人個別援助技術(ソーシャルケースワーク)に必要な知識・技術及び地域援助技術(コミュニティソーシャルワーク)の展開技法についての講義を行う。

・個別事例の支援から地域課題の把握、課題の共有、課題解決に向けた地域づくりや資源開発などに至る一連のプロセスに関する講義を行う。

・実際に取り組む場である地域ケア会議の意義や機能及び一連のプロセスの中における介護支援専門員としての役割に関する講義を行う。

・個別事例の支援や地域課題の把握から解決に向け、保険者を含む多職種連携の意義やネットワーク作りの視点と方法に関する講義を行う。

講義3時間

○ケアマネジメントの実践における倫理

ケアマネジメントを実践する上で感じた倫理的な課題を踏まえ、チームで対応していく際のチームアプローチの方法及び高齢者の権利を擁護する上で必要な制度等を理解する。

・ケアマネジメントを実践する上での介護支援専門員としての倫理原則(利用者本位、自立支援、人権の尊重、公正中立等)に関する講義を行う。

・ケアマネジメントを実践する上で生じうる具体的な倫理的課題に対する心構えや対応方法についての講義を行う。

・利用者の人権と倫理に配慮した意思決定のプロセスに関する講義を行う。

・倫理的な課題に対するチームアプローチの重要性を認識し、その手法に関する講義を行う。

・成年後見制度や高齢者虐待防止法等、高齢者の尊厳や権利擁護に関する講義を行う。

講義2時間

○ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実践

実践を通じて感じた医療との連携や多職種協働に関する課題を踏まえ、今後の実践に向けて必要な知識・技術を理解する。

・ケアマネジメントを実践する上で必要な疾病や医療との連携、多職種協働の必要性・重要性を再確認するための講義を行う。

・これまでの実践を省みて課題を認識し、医療との連携や多職種協働を実践していくための課題解決の方法に関する講義を行う。

・介護支援専門員から医療機関や多職種に情報を提供する際の留意点及び、医療機関や多職種から情報を収集する際の留意点についての講義を行う。

・サービス担当者会議や地域ケア会議における多職種との効果的な協働の手法に関する講義を行う。

講義4時間

○ケアマネジメントの演習

・リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例

リハビリテーションや福祉用具等の活用が有効な事例を用いて講義・演習を行うことにより、リハビリテーションや福祉用具等の活用に係る知識及びケアマネジメント手法を修得する。

・リハビリテーション(口腔リハビリテーションを含む。)や福祉用具等に関する基礎知識の向上と活用に当たっての基本的な視点に関する講義を行う。

・リハビリテーション専門職並びに福祉用具専門相談員等との連携方法等に関する講義を行う。

・リハビリテーションや福祉用具等の活用に関する事例を用いて、適切なアセスメントを行う際の重要なポイントや地域の社会資源を活用したケアマネジメントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が検討できるよう、必要な知識・技術を修得する。

講義及び演習4時間

・看取り等における看護サービスの活用に関する事例

看護サービスの活用が必要な事例を用いて講義・演習を行うことにより、看護サービスの活用に係る知識及びケアマネジメント手法を修得する。

・看護サービスに関する基礎知識の向上と活用に当たっての基本的な視点に関する講義を行う。

・訪問看護計画との関連付けや看護職との連携方法等に関する講義を行う。

・看取り等における看護サービスの活用に関する事例を用いて、適切なアセスメントを行う際の重要なポイントや地域の社会資源を活用したケアマネジメントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が検討できるよう、必要な知識・技術を修得する。

講義及び演習4時間

・認知症に関する事例

認知症に関する事例を用いて講義・演習を行うことにより、認知症に関する知識及び認知症の要介護者等に有効なサービスを活用したケアマネジメント手法を修得する。

・認知症や精神疾患に関する医学的・心理的基礎知識の向上と認知症施策に関わる多職種との連携方法等に関する講義を行う。

・認知症等の特質性を踏まえた早期の対応方法や家族も含めた支援方法などを修得するとともに、地域で生活を継続していくための支援を行う上で必要な視点を理解する。

・認知症に関する事例を用いて、認知症に鑑みた適切なアセスメントを行う際の重要なポイントや、地域の社会資源を活用したケアマネジメントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が検討できるよう、必要な知識・技術を修得する。

講義及び演習4時間

・入退院時等における医療との連携に関する事例

入退院時等における医療との連携に関する事例を用いて講義・演習を行うことにより、医療との連携に必要な知識及び医療との連携を踏まえたケアマネジメント手法を修得する。

・高齢者に多い疾病の特徴とその対処法、感染予防に関する講義を行う。

・医療職(特に主治医)や医療機関との連携方法等に関する講義を行う。

・入退院時等における医療との連携に関する事例を用いて、適切なアセスメントを行う際の重要なポイントや、社会資源を最大限に活用したケアマネジメントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が検討できるよう、必要な知識・技術を修得する。

講義及び演習4時間

・家族への支援の視点が必要な事例

家族への支援の視点が必要な事例を用いて講義・演習を行うことにより、家族への支援の視点も踏まえたケアマネジメント手法を修得する。

・単なるレスパイトだけでなく今後の介護に対する不安や利用者、家族同士の軋轢への介入など家族支援における基本的な視点に関する講義を行う。

・関係行政機関等との連携方法、家族支援に有効な制度等についての講義を行う。

・障害等のある家族や働きながら介護を担う家族に対する支援が必要な事例などを用いて、適切なアセスメントを行う際の重要なポイントや、地域の社会資源を最大限に活用したケアマネジメントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が検討できるよう、必要な知識・技術を修得する。

講義及び演習4時間

・社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例

社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例を用いて講義・演習を行うことにより、利用者が活用しうる制度に関する知識及び関係機関等との連携を踏まえたケアマネジメント手法を修得する。

・生活保護制度、障害者施策、成年後見制度などの他法他施策に関する制度の知識やインフォーマルサービスの活用に係る視点に関する講義を行う。

・虐待が発生している事例、他の制度(生活保護制度、成年後見制度等)を活用している事例、インフォーマルサービスを提供する事業者との連携が必要な事例等を用いて、適切なアセスメントを行う際の重要なポイントや、地域の社会資源を最大限に活用したケアマネジメントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画の作成)が検討できるよう、必要な知識・技術を修得する。

講義及び演習4時間

・状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービス、施設サービス等)の活用に関する事例

状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービス、施設サービス等)の活用に関する事例を用いて講義・演習を行うことにより、介護保険で提供される地域密着型サービス等の活用に係る知識及びケアマネジメントの手法を修得する。

・定期巡回・随時対応型訪問介護看護や複合型サービスなど新しく導入されたサービス及び小規模多機能型居宅介護の意義・効果に関する講義を行う。

・これらのサービスを活用する際の視点の重要性や連携方法等についての講義を行う。

・状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービス、施設サービス等)の活用に関する事例を用いて、適切なアセスメントを行う際の重要なポイントや、地域の社会資源を最大限に活用したケアマネジメントを実践する知識・技術を修得する。

・1つの事例について様々な状況等を勘案した、実践しうる複数の対応策(居宅サービス計画、施設サービス計画の作成)が検討できるよう、必要な知識・技術を修得する。

・その他、施設サービス等を活用する際の留意点等について理解する。

講義及び演習4時間

○個人での学習及び介護支援専門員相互間の学習

指導・支援、コーチング、スーパービジョン等の違いを踏まえ、自らがそれらを受ける際の心構えや、専門職として不断に自己研鑽を行うことの重要性を理解する。

・個人で専門性を高めていく際に必要な視点、手法に関する講義を行う。

・指導・支援、コーチング、スーパービジョン等の基本的な考え方、内容、方法を理解するとともに、これらを受ける側と行う側双方に求められる姿勢に関する講義を行う。

・個人で研鑽する場合と介護支援専門員間相互で研鑽する場合に求められる内容や手法とその関係性についての講義を行う。

・専門職として継続した自己研鑽を行うことの必要性・重要性について講義を行う。

講義2時間

○研修全体を振り返っての意見交換、講評及びネットワーク作り

研修全体を通じた振り返りを行うことで、今後の学習課題を認識し、自己研鑽の意欲を高める。

また、研修受講者間でのネットワークの構築を図る。

・研修全体の振り返りを行うに当たって、グループ又は全体で意見交換を行い、専門的助言を含めて、研修における学習の成果や今後の学習課題への意識付けのための講評を行う。

・現場で生じうる課題への対応や共同で研修する機会を作るため、研修受講者間においてネットワークの構築を図る。

講義及び演習2時間

イ 専門研修課程Ⅱ

専門研修課程Ⅱについて、科目、目的、内容及び時間数については以下のとおりであり、合計32時間以上とする。

科目

目的

内容

時間数

○介護保険制度及び地域包括ケアシステムの今後の展開

介護保険制度の最新の動向や地域包括ケアシステムの構築に向けた現状の取組を理解した上で、今後の地域包括ケアシステムの展開における介護支援専門員としての関わりを理解する。

また、地域包括ケアシステムの中で、利用者及びその家族を支援していくに当たって、関連する制度等を理解する。

・介護保険制度の改正等の最新状況や地域包括ケアシステムの構築に向けた現状の取組及び課題についての講義を行う。

・地域包括ケアシステムの構築に向けて、介護支援専門員が果たすべき役割に関する講義を行う。

・利用者やその家族を支援する上で関連する最新の制度、動向及び社会資源に関する講義を行う。

・介護保険制度や介護支援専門員を取り巻く状況など現状で課題となっている事項に関する講義を行う。

講義4時間

○ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

・リハビリテーション及び福祉用具の活用に関する事例

リハビリテーションや福祉用具等の活用事例を用いて演習等を行うことにより、リハビリテーションや福祉用具等の活用に係る知識及び効果的なケアマネジメント手法を修得する。

また、演習等で得られたリハビリテーションや福祉用具等の活用に係る示唆、留意点等を踏まえ、他の事例にも対応することができる知識・技術を修得する。

・各自が担当しているリハビリテーションや福祉用具等を組み入れた居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関して分析した内容の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等の作成における留意点を理解、再確認する。それらの留意点や必要に応じ根拠となる各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等にも広く対応することができる知識・技術を修得する。

・リハビリテーションや福祉用具等を活用するに当たって重要となる関連知識や歯科医師、リハビリテーション専門職等との連携方法に関する講義を行う。

・リハビリテーションや福祉用具等の活用を検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの展開に関する講義を行う。

講義及び演習4時間

・看取り等における看護サービスの活用に関する事例

看護サービスの活用が必要な事例を用いて講義・演習を行うことにより、看護サービスの活用に係る知識及び効果的なケアマネジメント手法を修得する。

また、演習等で得られた看護サービスの活用に係る示唆、留意点等を踏まえ、他の事例にも対応することができる知識・技術を修得する。

・各自が担当している看護サービスを組み入れた居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関して分析した内容の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等の作成における留意点を理解、再確認する。それらの留意点や必要に応じ根拠となる各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等にも広く対応することができる知識・技術を修得する。

・看取り等を含む看護サービスを活用するに当たって重要となる各種知識や医師、看護師等との連携方法に関する講義を行う。

・看取り等を含む看護サービスを検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの展開に関する講義を行う。

講義及び演習4時間

・認知症に関する事例

認知症に関する事例を用いて講義・演習を行うことにより、認知症に関する知識及び認知症の要介護者等に有効なサービスを活用した効果的なケアマネジメント手法を修得する。

また、演習等で得られた認知症の要介護者等に対して有効なサービスの活用に係る示唆、留意点等を踏まえ、他の事例にも対応することができる知識・技術を修得する。

・各自が担当している認知症である要介護者等の居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関して分析した内容の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等の作成における留意点を理解、再確認する。それらの留意点や必要に応じ根拠となる各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等にも広く対応することができる知識・技術を修得する。

・認知症の要介護者等及び家族を支援するに当たり重要となる各種知識及び医療職をはじめとする多職種や地域住民との連携方法に関する講義を行う。

・認知症である要介護者等の支援方法を検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの展開に関する講義を行う。

講義及び演習4時間

・入退院時等における医療との連携に関する事例

入退院時等における医療との連携に関する事例を用いて講義・演習を行うことにより、医療との連携に必要な知識及び医療との連携を踏まえた効果的なケアマネジメント手法を修得する。

また、演習等で得られた入退院時等における医療との連携に係る示唆、留意点等を踏まえ、他の事例にも対応することができる知識・技術を修得する。

・各自が担当している入退院時等におけるケースの居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関して分析した内容の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等の作成における留意点を理解、再確認する。それらの留意点や必要に応じ根拠となる各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等にも広く対応することができる知識・技術を修得する。

・入退院時等の支援に当たり重要となる各種知識や医療職をはじめとする多職種との連携方法に関する講義を行う。

・入退院時のケースを検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの展開に関する講義を行う。

講義及び演習4時間

・家族への支援の視点が必要な事例

家族への支援の視点が特に必要な事例を用いて講義・演習を行うことにより、家族への支援の視点も踏まえた効果的なケアマネジメント手法を修得する。

また、演習等で得られた家族への支援に係る示唆、留意点等を踏まえ、他の事例にも対応することができる知識・技術を修得する。

・各自が担当している家族支援が特に必要なケースの居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関して分析した内容の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等の作成における留意点を理解、再確認する。それらの留意点や必要に応じ根拠となる各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等にも広く対応することができる知識・技術を修得する。

・家族に対する支援に当たり重要となる各種知識や関係機関、地域住民をはじめとする多職種との連携方法に関する講義を行う。

・家族支援が必要なケースを検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの展開に関する講義を行う。

講義及び演習4時間

・社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例

社会資源の活用に向けた関係機関との連携に関する事例を用いて講義・演習を行うことにより、利用者が活用することができる制度に関する知識及び関係機関等との連携を踏まえた効果的なケアマネジメント手法を修得する。

また、演習等で得られた社会資源の活用に向けた関係機関との連携に係る示唆、留意点等を踏まえ、他の事例にも対応することができる知識・技術を修得する。

・各自が担当している他の制度(生活保護制度、成年後見制度等)を活用している事例、インフォーマルサービスを提供する事業者との連携が必要な事例等の居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関して分析した内容の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等の作成における留意点を理解、再確認する。それらの留意点や必要に応じ根拠となる各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等にも広く対応することができる知識・技術を修得する。

・他の制度を活用するに当たり重要となる各種知識や関係機関、多職種との連携方法に関する講義を行う。

・他の制度を活用するケースを検討するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの展開に関する講義を行う。

講義及び演習4時間

・状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービス、施設サービス等)の活用に関する事例

状態に応じた多様なサービス(地域密着型サービス、施設サービス等)の活用に関する事例を用いて講義・演習を行うことにより、介護保険で提供される地域密着型サービス等の活用に係る知識及びケアマネジメントの手法を修得する。

・各自が担当している地域密着型サービス等の多様なサービスを活用している事例等の居宅サービス計画等を持ち寄り、事例に関して分析した内容の発表、意見交換等を通じて、適切なアセスメントを行う際の留意点や居宅サービス計画等の作成における留意点を理解、再確認する。それらの留意点や必要に応じ根拠となる各種統計データを活用する等により、別の類似の事例等にも広く対応することができる知識・技術を修得する。

・状態に応じて多様なサービスを活用するに当たり重要となる各種知識や関係機関・介護サービス事業者との連携方法に関する講義を行う。

・状態に応じて多様なサービスを活用するに当たり、効果的なものとなるようインフォーマルサービスも含めた地域の社会資源を活用したケアマネジメントの展開に関する講義を行う。

講義及び演習4時間

4 実施上の留意点等

(1) ケアマネジメントの演習及びケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表に係る科目について、アセスメントからニーズを把握する過程及びモニタリングでの評価に関する知識・技術についての講義・演習を行うに当たっては、別途通知する「課題整理総括表」及び「評価表」等を活用し行うものとする。また、看護、認知症、リハビリテーション、福祉用具等に関する基本的な知識を講義した上で演習を展開すること。

なお、演習を行うに当たっては、受講者が積極的に演習に参加するよう小規模な班編制により実施することとし、班編制に当たっては保健、医療、福祉の各職種の均衡に配慮すること。

(2) ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表においては、基本的に各受講者が担当している事例を持ち寄ることとするが、科目に適合する事例を担当していないことも考えられるため、研修実施機関においては事例を用意しておくこと。

(3) 講師

講師については、原則ア及びイのとおりとする。

なお、相当の知見を有する者とは、

i 施行規則第113条の2第1項第1号に規定する資格を有する実務経験が長い主任介護支援専門員

ii 地域包括支援センターにおいて介護支援専門員に対する相談・支援に従事している者

iii 大学教員又は法人内において研修の責任者として指導に従事している者

iv その他上記に準ずる者

とする。

但し、対人個別援助技術及び地域援助技術の科目に関しては、iの資格を社会福祉士に、iiの介護支援専門員を地域活動と読み替える。

ア 専門研修課程Ⅰ

① 「ケアマネジメントにおける実践の振り返り及び課題の設定」及び「ケアマネジメントの実践における倫理」の講師については、相当の実務経験のある現任の主任介護支援専門員を充てること。

② 「介護保険制度及び地域包括ケアシステムの現状」の講師については、介護保険制度について相当の知見を有する者又は都道府県職員を充てること。

③ 「対人個別援助技術及び地域援助技術」の講師については、当該研修科目に関して相当の知見を有する者を充てること。

④ 「ケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の実践」の講師については、在宅介護に知見のある医療関係者又は病院等において医療連携業務に従事している者を充てること。

⑤ ケアマネジメントの演習に係る項目については、相当の実務経験のある現任の主任介護支援専門員又は法人内において研修の責任者として指導に従事している者又は在宅介護に知見のある医療関係者を充てること。

⑥ 「個人での学習及び介護支援専門員相互間の学習」の講師については、相当の実務経験のある主任介護支援専門員を充てること。

イ 専門研修課程Ⅱ

① 「介護保険制度及び地域包括ケアシステムの今後の展開」の講師については、介護保険制度について相当の知見を有する者又は都道府県職員を充てること。

② 「ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表」に係る科目の講師については、相当の実務経験のある現任の主任介護支援専門員又は法人内において研修の責任者として指導に従事している者又は在宅介護に知見のある医療関係者を当てること。

(4) 修了評価

研修の実施にあたっては、各科目における到達目標を達成しているかについて修了評価を実施すること。

(5) その他留意点

当該研修の研修受講地については、原則として介護支援専門員の登録を行っている都道府県とする。なお、受講者がやむを得ない事情により、専門研修の一部又は全部を受講できなかった場合には、別途実施する専門研修の際に当該未受講の科目を受講することとして差し支えない。この場合、当該受講者から登録地の都道府県に申し出ることにより、他の都道府県で受講することを認めるなど、都道府県間で連携の上、受講者の便宜を図るものとする。

(別添3)

介護支援専門員再研修実施要綱

1 目的

介護支援専門員として実務に就いていない者又は実務から離れている者が実務に就く際に、介護支援専門員としての必要な知識及び技能を再修得することを目的とする。

2 対象者

次のいずれかに該当する者とする。

① 介護支援専門員として都道府県知事の登録を受けた者であり、登録後5年以上実務に従事したことがない者又は実務経験はあるがその後5年以上実務に従事していない者で、今後、新たに介護支援専門員証の交付を受けようとする者

② 実務経験はあるが、その後実務に従事する予定がないとして更新を行わなかった者等で、実務経験後5年を経過する前に再度実務に従事するため介護支援専門員証の交付を受けようとする者

また、介護支援専門員実務研修修了後、相当の期間を経過した者についても、本研修の対象者とすることができる。

3 実施方法等

(1) 実施に当たっての基本的な考え方

一定期間、介護支援専門員の実務に就いていない者については、実務から離れて相当の時間が経過していることから、直近の介護保険制度等を理解するとともに、地域包括ケアシステムの中で医療との連携をはじめとする多職種協働を図りながら行うケアマネジメントについて、再度必要な視点や手法を修得する。

(2) 研修内容

介護支援専門員再研修で行うべき科目については、「厚生労働大臣が定める介護支援専門員等に係る研修の基準」(平成18年厚生労働省告示第218号)第2号に規定されているところであるが、科目、目的、内容及び時間数については以下のとおりであり、合計54時間以上とする。