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○原薬等登録原簿の利用に関する指針について

(平成26年11月17日)

(/薬食審査発1117第3号/薬食機参発1117第1号/)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長・厚生労働省大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)通知)

(公印省略)

「薬事法等の一部を改正する法律」(平成25年法律第84号。以下「改正法」という。)、「薬事法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令」(平成26年政令第269号)、「薬事法等の一部を改正する法律及び薬事法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令」(平成26年厚生労働省令第87号。以下「改正省令」という。)が公布され、法律上、医薬品及び医療機器とは別に新たな区分として再生医療等製品が定義されたこと等を踏まえ、今般、下記のとおり、MF制度の利用にあたっての取扱いを示すこととしましたので、MF登録申請等に際し活用されるよう貴管内関係者に対し周知方よろしく御配慮をお願いします。

本通知は、平成26年11月25日から適用することとし、「原薬等登録原簿の利用に関する指針について」(平成17年2月10日付け薬食審査発第0210004号医薬食品局審査管理課長通知)は、同日をもって廃止します。

1 MF制度について

MF制度は、医薬品、医療機器及び再生医療等製品の承認審査において、申請者以外の者(MF登録者)が保有する製造方法等の審査に必要な情報を利用し、また、当該MF登録者の知的財産を保護することを目的とすると同時に、審査事務の効率化を図るものであること。

2 MFの利用範囲

(1) MFの利用については、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号。以下「規則」という。)に規定する手続及び様式に従って、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)に登録の申請、登録事項の変更の申請、登録事項の軽微な変更の届出の提出を行うことができること。

(2) 登録の対象について

ア 次に掲げる医薬品、医療機器及び再生医療等製品の製造(輸出用に製造されるものを含む。)の用に供される原材料等について登録対象とすることができること。

1) 医薬品原薬、中間体及び製剤原料(バルクのうち特殊な剤型等)

2) 新添加剤及びこれまでと配合割合が異なるプレミックス添加剤

3) 医療機器原材料

4) 再生医療等製品原材料(細胞、培地、培地添加物、細胞加工用資材等)

5) 容器・包装材

イ 要指導医薬品及び一般用医薬品(新有効成分含有医薬品(再審査期間中に申請されるものを含む。)を除く。以下「要指導・一般用医薬品」という。)に用いる原薬、中間体及び製剤原料(バルクのうち特殊な剤型等)については、品質及び安全性が従来の規格及び試験方法においても確立されているものと考えられており、当面、MFを利用することは差し控えられたい。

ウ 登録することができる事項は、製造所の名称等の登録証記載情報の他、製造方法、製造工程管理、品質管理試験、規格及び試験方法、安定性試験、非臨床試験(主として新添加剤)であること。

エ BSE対策において実施している「TSE資料番号」(平成15年8月1日付け薬食審査発第0801001号・薬食安発第0801001号医薬食品局審査管理課長・医薬食品局安全対策課長通知によるもの。)に基づく、新たなTSE資料についても当MF制度を利用すること。

オ 医療機器原材料のMFへの登録事項は、原材料の特定に関する情報であること。

カ 登録を受けた原材料は、医薬品、医療機器及び再生医療等製品の区分の別によらず、利用可能であること。

キ 承認審査等において指摘された事項においてMFの使用が適当と認められる場合には、登録の対象となること。

3 MF登録情報の様式等について

(1) MFに登録される情報は、承認申請書に一部代わるもの及び添付資料(医薬品にあっては「製造方法並びに規格及び試験方法等に関する資料」、「安定性に関する資料」、「薬理作用に関する資料」の記載事項)に一部代わるものとして取り扱うものであること。また、治験計画届書の添付資料に一部代わるものとして取り扱うものであること。

(2) 登録申請書の様式については、薬事法施行規則様式第120に定めること。

(3) 登録申請書に添付する資料(以下「登録データ」という。)は、登録事項につき、次の様式を用いること。

ア 医薬品(後発医薬品及び要指導・一般用医薬品を除く。)については、平成13年6月21日付け医薬審発第899号医薬局審査管理課長通知「新医薬品の製造又は輸入の承認申請に際し承認申請書に添付すべき資料の作成要領について」の別添の様式(以下「CTD」という。)

イ 後発医薬品については、平成11年4月8日付け医薬発第481号医薬安全局長通知「医薬品の承認申請について」に従うこと。

ウ 要指導・一般用医薬品、及び2(2)アに示す「2.新添加剤及びこれまでと配合割合が異なるプレミックス添加剤」及び「5.容器・包装材」のうち、要指導・一般用医薬品のみに用いられるものついては、平成26年6月12日付け薬食発0612第6号医薬食品局長通知「要指導・一般用医薬品の承認申請について」に従うこと。

エ 再生医療等製品については、「細胞・組織加工医薬品等の製造に関連するものに係る原薬等登録原簿登録申請書及びその申請書に添付すべき資料の作成要領について」(平成25年3月8日厚生労働省医薬食品局審査管理課事務連絡)を参考にすること。

(4) 医薬品に関するMF登録に使用する電子的な様式については、平成15年6月4日付け医薬審発第0604001号医薬局審査管理課長通知「コモン・テクニカル・ドキュメントの電子化仕様について」に従うこと。

(5) 医薬品のMF登録においては、CTDの第2部(モジュール2)(添付資料概要)に相当する部分の資料の提出は求めないこと。ただし、MFを利用した医薬品の承認審査において、MF登録事項を審査することとなるため、MF登録者は、CTDの第2部に相当する資料を承認審査の際に審査当局に提出すること。

4 MF登録者が開示すべき情報

(1) MF登録者は、治験計画届者又は承認申請者(以下「承認申請者等」という。)に対して登録事項の変更について事前に通知すること。なお、既に当該MFを利用して承認を取得している品目がある場合は、当該品目の承認取得者に対してもあわせて通知すること。

(2) MF登録者は、登録事項の軽微な変更の届出を行う場合であっても、関係する承認申請者等又は承認取得者に対して通知すること。

(3) 登録情報において、医薬品等の承認申請者等又は承認取得者に開示するべき情報は別添のとおりであること。MF登録申請を行う際には、開示すべき情報であっても登録申請書に記載すること。

(4) (3)の情報について、当該MFを利用する医薬品等の承認申請者は、承認申請書に記載することができる。

(5) 変更により製品の品質等に影響を与えうるものか否かは、平成17年2月10日付け薬食審査発第0210001号医薬食品局審査管理課長通知「改正薬事法に基づく医薬品等の製造販売承認申請書記載事項に関する指針について」(以下「第0210001号通知」という。)等を参考に、MF登録者と登録情報を利用する医薬品等の承認申請者等又は承認取得者との間で十分に協議すること。

(6) 承認申請者等又は承認取得者に開示される情報であっても、MF制度の利点を活用する意義のある情報については、MF登録を拒むものではない。例えば、TSE資料がそれに該当する。

5 MFの登録等の手続きについて

(1) 新規の登録

ア 新規の登録については、機構に登録申請書及び添付資料を提出する。登録区分は次のとおりであること。再生医療等製品の製造に関連するもの及びTSE資料については四に含まれるものとする。

一 専ら医薬品(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)の製造の用に供されることが目的とされている医薬品(原薬、中間体及び特殊な製造方法により製造される製剤原料をいう。)

二 これまで医薬品の製造に使用されたことがない添加剤又はこれまでの成分の配合割合と異なる添加剤(新添加剤及びこれまでの配合割合とは異なるプレミックス添加剤をいう。)

三 専ら医療機器(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)の製造の用に供されることが目的とされている原材料

四 その他(包装材料等)

イ 登録申請書には、登録を行おうとする工程における製造方法の概要等を記載すること。なお、記載にあたっては、第0210001号通知等を参考とすること。

ウ 登録される場合は、登録証(規則様式第120を参照。)と登録申請書の副本が交付されること。登録証には非開示情報は含まれない。

(2) MFが新規の承認申請に利用される場合

ア 医薬品及び再生医療等製品の承認申請者は申請に際し、MFを利用する場合、名称、登録番号、登録証の交付日及び製造方法等が複数ある場合どの方法を利用しているかを承認申請書に記載し、登録証の写し、MF利用に関するMF登録者との契約書の写しを添付すること。なお、承認申請書の製造方法欄への記載例を下に示す。

例)…原薬▲▲▲▲▲(MF登録番号:××××××××××(平成○年○月○日) ●の方法)を用いて…

イ 当該承認申請に対する審査において、MF登録事項についての照会がある場合は、MF登録者に対して直接機構から照会が行われること。また、MF登録者が外国製造業者の場合は、国内管理人に対し照会が行われること。機構は、当該承認申請者に対して、照会した旨の連絡を行うものとする。

ウ 治験計画届出に対する調査においても、上記と同様の手続きによること。

(3) 登録事項の変更

ア 審査等の結果、登録事項に変更がある場合、MF登録者は登録事項の変更申請を行うものとし、その後変更に係る登録証が交付されること。なお、製剤の承認審査中に登録事項に変更がある場合、審査当局に速やかに相談すること。

イ 登録事項を変更する場合は、機構に登録事項の変更申請書、登録事項の変更に係る添付資料を提出すること。なお、添付資料のみに係る変更についての登録変更申請は認めないこと。また、変更する登録事項によっては、変更申請ではなく、新規登録が必要になる場合があること。

ウ MF登録者はMFの登録事項の変更にあたって、当該MFを引用しているすべての品目の販売名、承認番号、製造販売業者の氏名(法人にあっては主たる事業所の名称)及び住所(法人にあっては主たる事業所の所在地)及び各品目が一部変更承認申請と軽微変更届出のどちらの対象となるのか、を備考欄に記載すること。

エ 変更しようとするMFを利用して承認を得ている品目がある場合には、MF登録事項の変更申請に合わせて、その全ての品目について一部変更承認申請を行う必要があること。

オ ただし、当該MFの変更において、製造方法が追加される場合等、登録事項の変更後も変更前からの内容が存続しており、変更前からの内容を用いる品目がある場合には、当該MF登録の製造方法等の内容ごとに番号を付す等、変更前の登録内容と変更後新たに追加された内容が分かるよう区別して記載すること。当該MFを用いた品目には、用いる番号等を記載する等により、どの内容を用いているか識別できるようにすること。この場合、MF登録事項の変更申請に合わせて、変更後の内容を用いる品目について一部変更承認申請を行い、変更前の登録内容を用いる品目については軽微変更届出を行う必要があること。

カ 変更内容により原薬等の本質が変わるおそれのある場合には、変更登録はできないこと。この場合、新規のMF登録を行い、当該MFを使用する品目においては、新たに登録されたMFを使用する一部変更承認申請を行う必要がある。なお、変更前と同一とみなすことができない場合は、一部変更承認申請ではなく新規申請とする場合があるので、大幅な変更の場合には審査当局と事前に相談すること。

キ 登録事項の変更に際しては、登録情報を利用して承認を得ている品目のうち、すべての必要な品目の一部変更承認申請が行われた後、審査を行うこと。なお、上記オのケースのような、MFは登録事項の変更であるが、一部の品目が軽微変更届出で可能な場合等にあっては、当該軽微変更届出は登録証発行後速やかに行うこと。

ク 登録事項の変更においては、変更された登録証の交付日の日付により管理され、登録番号は登録事項の変更後も同じとすること。

(4) 軽微な登録事項の変更

ア 軽微な登録事項の変更の届出は、登録申請書の記載レベルにおいて、第0210001号通知等に従い、承認事項における軽微変更届出対象事項と同様の範囲において行うことができること。なお、添付資料についても、同通知等によることとする。

イ 軽微な登録事項の変更においては、当該登録情報を利用している品目の承認取得者は軽微変更届出を行う必要はないが、MF登録者は適切なバリデーション、変更管理を実施した旨の宣誓書を軽微な登録事項の変更の届出とともに審査当局に提出すること。なお、製剤の承認審査中に登録事項に変更がある場合、審査当局に速やかに相談すること。

(5) 承認申請者が、承認審査において機構等からの指摘に基づき、MFを利用する場合にあっては、承認申請資料を差し替え、承認申請書には登録番号及び登録証の公布日等を記載し、登録証の写し、MF利用に関するMF登録者との契約書の写しを追加添付すること。

(6) MF登録について承継する場合は、規則に規定する承継の手続きを行うこと。その際に、登録事項の根拠データ及びすべての登録に関する書類を承継することを規定した承継者と被承継者間の契約書の写しが必要であること。また、その場合において、製造所及びその他の製造技術等について一切変更がないことを陳述する必要があること。

(7) MFの登録に係る登録番号、登録年月日、登録者氏名、登録品目名及び登録区分については、機構が公示すること。なお、登録品目名については、例えば、当該登録が製剤の治験中又は承認前に行われる場合など、登録者又は承認申請者にとって競争上不利益となる場合はその具体名は公示しないこととし、化学的な分類名等の一般的に識別可能な名称を公示すること。

6 人及び動物に共通に使用される医薬品に関するMF利用の取扱いについて

(1) 人及び動物に共通に使用される医薬品であって、その承認審査においてMFを利用する場合は、原則、機構にMF登録を行うこと。ただし、当該医薬品であって、人用の使用が想定されていないものに係るMF登録は農林水産省に対して行うことができること。

(2) (1)の場合、動物用医薬品の承認を行う農林水産省の求めに応じて、MFの登録内容について、機構から適切な方法で、農林水産省に登録内容を開示することができるものであること。

なお、動物用医薬品の承認申請に対する審査において、機構から農林水産省に開示されたMF登録事項についての照会がある場合には、MF登録業者に対して直接動物用医薬品の承認審査を行っている農林水産省から照会が行われること。

(3) 人及び動物に共通に使用される医薬品について、農林水産大臣が承認した品目の一部変更承認申請を伴うMF登録事項の変更を行う場合、当該品目の承認取得者は農林水産省に一部変更承認申請を行う責務を負うものであること。