添付一覧
○コンビネーション製品の承認申請における取扱いについて
(平成26年10月24日)
(/薬食審査発1024第2号/薬食機参発1024第1号/薬食安発1024第9号/薬食監麻発1024第15号/)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長、厚生労働省大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)、厚生労働省医薬食品局安全対策課長、厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課長通知)
(公印省略)
従来、医薬品と医療機器を組み合わせた製品の取扱いについては、キット製品について、「注射剤に溶解液等を組み合わせたキット製品等の取扱いについて」(昭和61年3月12日付け薬審2第98号厚生省薬務局審査第一課長、審査第二課長、生物製剤課長通知)及び「キット製品の取扱いについて」(平成16年2月13日付け薬食審査発第0213005号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)により示してきましたが、今般、薬事法等の一部を改正する法律(平成25年法律第84号)が成立し、再生医療等製品の新たな承認制度等が創設されたこと等に伴い、医薬品(体外診断用医薬品を除く。以下同じ。)、医療機器又は再生医療等製品を組み合わせた製品の製造販売の承認の申請、製造販売業及び製造業の許可、認定又は登録並びに製造管理及び品質管理、副作用・不具合報告の取扱いについて、下記のとおり取り扱うこととしましたので、貴管下関係業者に周知をお願いします。
なお、本通知は改正法の施行の日(平成26年11月25日)から適用します。
記
1 本通知の適用の範囲
(1) 本通知は、単独で流通した場合には医薬品、医療機器又は再生医療等製品に該当することが想定される薬物、機械器具又は加工細胞等(以下「薬物等」という。)のうち、二以上の異なる種類のものを組み合わせて一の医薬品、医療機器又は再生医療等製品として製造販売する製品(以下「コンビネーション製品」という。)を対象とする。
(2) コンビネーション製品には、以下の製品が含まれること。
① セット製品(コンビネーション製品のうち、組み合わせられる薬物等が一体不可分ではなく、それぞれ医薬品、医療機器又は再生医療等製品として独立に流通可能な製品をいう。)
② キット製品(「注射剤に溶解液等を組み合わせたキット製品等の取扱いについて」(昭和61年3月12日付け薬審2第98号厚生省薬務局審査第一課長、審査第二課長、生物製剤課長通知)におけるキット製品(同通知1及び3に規定するもののうち医薬品を単一の容器(体内に注入できる装置があらかじめセットされていないものに限る。)内に充填したもの、並びに同通知5に規定するもののうち医薬品を吸入用の容器(単独で流通した場合に医療機器に該当しないものに限る。)内に充填したものを除く。)をいう。以下同じ。)
③ 薬物と一体不可分な医療機器等、組み合わせられる薬物等が独立に流通不可能な製品(キット製品を除く。)
(3) カテーテル、注射器等穿刺する医療機器に、穿刺部位の皮膚の消毒を目的とする医薬品たる外皮用殺菌消毒剤を医療機器と組み合わせ、全体を包装して滅菌したものについては、「組合せ医療機器に係る製造販売承認申請、製造販売認証申請及び製造販売届出に係る取扱いについて」(平成21年3月31日付け薬食機発第0331002号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査室長通知」によることとし、本通知の対象とはならないこと。
なお、これ以外の薬物と機械器具を組み合わせたセット製品については、本通知の対象となること。
(4) 製造販売された医薬品、医療機器又は再生医療等製品を、販売業者がまとめて販売するものについては、「組合せ医薬品等の取扱いについて」(平成9年12月25日医薬監第104号厚生省医薬安全局監視指導課長通知)によることとし、本通知の対象とはならないこと。
(5) (2)の③に該当する可能性のある医薬品、または再生医療等製品を構成する薬物と一体不可分な一般医療機器であって、当該一般医療機器の一般的名称の定義において容器と規定されているものは、容器とみなすこととする。したがって、(2)の③に該当する可能性のあるもののうち、薬物又は加工細胞等及びそれらと一体不可分な一般医療機器(当該一般医療機器の一般的名称の定義において容器と規定されているものに限る。)で構成される医薬品又は再生医療等製品については、本通知のコンビネーション製品に該当しないこと。
(6) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則(昭和36年厚生省令第1号。以下「施行規則」という。)第98条第2項及び第228条の20第3項に規定する「機械器具等と一体的に製造販売するものとして承認を受けた医薬品」、第114条の60第2項に規定する「薬物と一体的に製造販売するものとして承認を受けた医療機器」並びに第137条の60に規定する「機械器具等と一体的に製造販売するものとして承認を受けた再生医療等製品」については本通知のコンビネーション製品に該当するものとする。
2 コンビネーション製品の医薬品、医療機器又は再生医療等製品への該当性の判断について
コンビネーション製品に該当すると考えられる製品について、医薬品、医療機器又は再生医療等製品のいずれに該当するかは、当該製品の主たる機能、目的が何かを勘案して個別に判断されるものであること。判断に当たっては以下に掲げる事例を参考にされたいこと。
なお、コンビネーション製品に該当するか判断が難しい場合や、医薬品、医療機器又は再生医療等製品のいずれに該当するか判断が難しい場合は、厚生労働省医薬食品局審査管理課又は医療機器・再生医療等製品審査管理室に相談すること。
① 医薬品たるコンビネーション製品の例
プレフィルドシリンジ入り注射剤、医薬品ペン型注入器(容量調整機能付き)付き注射剤、吸入器(吸入量調整機能付き)付き喘息用薬剤
② 医療機器たるコンビネーション製品の例
薬剤溶出ステント、ヘパリンコーティングカテーテル、抗菌剤入り骨セメント
③ 再生医療等製品たるコンビネーション製品の例
プレフィルドシリンジ入り細胞懸濁液、細胞浮遊液と足場材料をセットにして医療現場で含浸させて使用する製品
3 承認申請の取扱いについて
(1) コンビネーション製品については、一の製品として、医薬品、医療機器又は再生医療等製品のいずれかに該当するものとして申請すること。
(2) コンビネーション製品を構成する薬物等(医薬品たるコンビネーション製品にあっては機械器具又は加工細胞等、医療機器たるコンビネーション製品にあっては薬物又は加工細胞等、再生医療等製品たるコンビネーション製品にあっては薬物又は機械器具等をいう。以下同じ。)については、最終製品たるコンビネーション製品の製造所以外の製造所において製造される場合であっても、個別に医薬品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売の承認、認証又は届出(以下「承認等」という。)は必要ないこと。
(3) コンビネーション製品を構成する薬物等について、最終製品たる医薬品等として製造販売する場合については、別途製造販売業の許可及び製造販売の承認等を受ける必要があること。
(4) コンビネーション製品を構成する薬物等が医薬品、医療機器又は再生医療等製品として承認等されている場合は、当該コンビネーション製品の承認申請書に、成分又は構成部品として、当該薬物等の販売名、一般的名称、製造販売業者の名称、承認番号、認証番号又は届出番号、承認等の年月日を記載することで、その他の承認申請書等の各欄の記載については、簡略して差し支えないこと。
(5) セット製品については、臨床上の必要性が認められるものを除いては、一般には認められないため、承認申請に当たっては、臨床上の必要性を示すこと。
(6) 医薬品に該当するコンビネーション製品の承認申請書の備考欄には「コンビネーション製品」と記載すること。ただし、コンビネーション製品が「注射剤に溶解液等を組み合わせたキット製品等の取扱いについて」(昭和61年3月12日付け薬審2第98号厚生省薬務局審査第一課長、審査第二課長、生物製剤課長通知)における「キット製品」に該当する場合は、「コンビネーション製品(キット製品)」と記載すること。
(7) 既に承認された製品であって、コンビネーション製品に該当する医薬品については、一部変更承認申請又は軽微変更届出の機会をとらえて承認申請書の備考欄に「コンビネーション製品」と記載すること。また、平成28年11月24日までに変更手続がないコンビネーション製品に該当する医薬品は、備考欄に上記の内容を記載するため、当該医薬品の販売名及び承認番号等を記載した別添の表を平成29年3月31日までに独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査業務部業務第一課へ郵送又は窓口にて届け出ること。
4 製造業の許可、認定又は登録並びに製造管理及び品質管理について
(1) コンビネーション製品の製造業については、当該コンビネーション製品が医薬品にあっては医薬品の製造業の許可又は認定、医療機器にあっては医療機器の製造業の登録、再生医療等製品にあっては再生医療等製品の製造業の許可又は認定を受けること。その際、コンビネーション製品を構成する薬物等を製造する者については、許可、認定又は登録を受ける必要はないこと。
(2) 製造管理及び品質管理の方法に係る基準の適合性調査については、コンビネーション製品が医薬品にあっては医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令、医療機器にあっては医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令、再生医療等製品にあっては再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令によることとし、コンビネーション製品を構成する薬物等に対して、最終製品たるコンビネーション製品に適用される基準とは異なる基準への適合性が別途求められることはないこと。ただし、コンビネーション製品を構成する薬物等については、当該コンビネーション製品に適用される製造管理及び品質管理の基準に従い、適切な購買管理等を実施すること。
5 治験の計画の届出並びに副作用及び不具合の取扱いについて
(1) 製造販売された際にコンビネーション製品に該当すると考えられるもの(以下この項において「治験コンビネーション製品」という。)について、治験の計画を届け出ようとする場合は、備考欄に「コンビネーション製品に関する治験」と記載した上で、薬物、機械器具又は加工細胞等のいずれかとして一の治験の計画を届け出ること。
(2) (1)にかかわらず、治験コンビネーション製品を構成する薬物等の評価を別途行おうとする場合等は、治験コンビネーション製品に係る治験の計画に加えて、治験コンビネーション製品を構成する薬物等に係る治験の計画について届け出ることを妨げるものではないこと。その場合、治験計画届の備考欄には、別途届け出る治験に係る届出年月日、届出回数及び治験成分記号又は治験識別記号を、相互に記載すること。なお、治験コンビネーション製品及び治験コンビネーション製品を構成する薬物等の治験の計画を届け出る者は、別の者であっても差し支えないこと。
(3) 治験中の副作用又は不具合の報告については、治験コンビネーション製品の治験の計画を届け出た者が行うこと。ただし、(2)の場合にあっては、治験コンビネーション製品に係る副作用又は不具合(治験コンビネーション製品を構成する薬物等に係る副作用又は不具合を除く。)にあっては当該治験コンビネーション製品の治験の計画を届け出た者が、治験コンビネーション製品を構成する薬物等に係る副作用又は不具合にあっては、当該薬物等に係る治験の計画を届け出た者が行うこと。
6 市販後の副作用及び不具合の取扱いについて
(1) 医薬品たるコンビネーション製品については、その構成する機械器具に起因する不具合が発生した場合には、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号。以下「医薬品医療機器等法」という。)第68条の10第1項及び施行規則第228条の20第3項に基づき、当該コンビネーション製品の製造販売業者が報告を行わなければならないこと。ただし、薬事法等の一部を改正する法律及び薬事法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令(平成26年厚生労働省令第87号)附則第7条の規定に基づき、現に承認を受けているコンビネーション製品については、平成28年11月25日から当該報告を求めること。また、当該規定を適用する場合は、平成28年11月24日以前であっても、第68条の10第1項及び施行規則第228条の20第3項に準じた報告の実施及び必要な体制整備に努めること。
(2) 医療機器又は再生医療等製品たるコンビネーション製品については、その構成する薬物等に起因する副作用又は不具合が発生した場合には、医薬品医療機器等法第68条の10第1項及び施行規則第228条の20第2項又は第4項に基づき、当該コンビネーション製品の製造販売業者が報告を行わなければならないこと。
(3) コンビネーション製品に係る副作用等報告の方法等については「医薬品等の副作用等の報告について」(平成26年10月2日付け薬食発1002第20号厚生労働省医薬食品局長通知)を参照すること。
7 その他
(1) コンビネーション製品においては、製造販売業者が製品全体の品質、有効性及び安全性(以下「品質等」という。)を管理・把握する必要があることから、コンビネーション製品を構成する薬物等の医薬品、医療機器又は再生医療等製品としての承認等の有無によらず、品質等の情報や製品の変更情報等、当該薬物等に関する重要な情報を把握できる体制を確保すること。
(2) コンビネーション製品を構成する薬物等が承認等を受けている場合であって、当該薬物等の製造販売業者は、承認等の内容を変更(ただし、製品の品質等に影響を及ぼさない軽微な変更は除く。)する場合は、コンビネーション製品の製造販売業者に対して事前に通知すること。また、当該薬物等の品質等に大きな影響を与える情報を知ったときには、遅滞なく、コンビネーション製品の製造販売業者に対しても報告すること。
(3) 本通知の適用の日以降、本通知の内容に従い承認事項の一部変更承認申請又は軽微変更届出を行うことができること。その際、製造等の実態に変更がない場合は、必要な規格、使用等を既承認事項から変更せずに記載することで、軽微変更届出により変更して差し支えないが、具体的な取扱いについては別途通知するものであること。また、一部変更承認申請又は軽微変更届出を行わず、既承認の事項を維持しても差し支えないが、その場合は、承認書に記載の内容に従って、適時適切に、業許可更新等の必要な手続を行うこと。
(別添)