添付一覧
○新医薬品の承認の予見性向上等に向けた承認申請の取扱い及び総審査期間の考え方について
(平成26年10月6日)
(/薬食審査発1006第1号/薬食監麻発1006第1号/)
(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長、厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課長通知)
(公印省略)
医薬品の総審査期間については、これまで行政側、申請者側双方の努力により短縮を図ってきたところであるが、これに加え、承認の予見性の向上を図る観点から、「医薬品の承認申請について」(平成17年3月31日付け薬食発第0331015号厚生労働省医薬食品局長通知)の別表2―(1)医療用医薬品の(1)から(7)まで、(9)及び(9の2)に該当する医薬品(以下この通知において「新医薬品」という。)については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構中期計画(平成26年3月31日厚生労働省発薬食0331第44号認可)において、別添のとおり新医薬品の総審査期間について、平成26年度より段階的にパーセンタイル値を引き上げ、平成30年度までに80パーセンタイル値で優先品目9ヶ月、通常品目12ヶ月を達成することを目指すとしている。
今般、下記のとおり新医薬品の承認の予見性向上等に向け、引き続き行政側と申請者側の双方が協働しながら取り組むことの重要性に鑑み、承認申請の取扱い及び総審査期間の考え方について定めたので、貴管下関係業者に対して周知願いたい。
記
1 審査予定事前面談について
「新医薬品の総審査期間短縮に向けた申請に係る留意事項について」(平成22年6月9日付け厚生労働省医薬食品局審査管理課・監視指導・麻薬対策課事務連絡)において、長期投与試験及び長期安定性試験の最終報告書の具体的提出時期等について、承認申請前に個別に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「機構」という。)と合意しておくことを求めているところであるが、当該事務連絡の趣旨に基づき、承認審査をさらに円滑かつ効率的に進めるため、別途機構が定める「新医薬品承認審査予定事前面談実施要綱」(平成26年10月6日付け薬機発第1006001号。以下「実施要綱」という。)に基づき、あらかじめ承認申請に際し機構と申請者との間で審査スケジュール等について、原則として面談を行い、必要な対応について相互に確認しておくことが望ましい。
特に、優先審査品目など総審査期間の目標値が短い申請や承認申請時に電子データを提出する場合については、具体的な審査スケジュールや電子データの提出範囲等について綿密な調整が必要であることに留意すること。
なお、当該面談の受付は、機構において本通知の発出日より開始するが、平成27年2月1日以降に承認申請されるものについて、当該面談を実施していない場合には、面談審査スケジュール等実施要綱に基づく面談事項について機構と申請者の間で相互の確認に至るまでの期間は総審査期間に含めないことができるものとする。
2 承認の予見性及び審査プロセスの透明性向上に向けた取組み
新医薬品等の承認審査において有効性・安全性が示されていると考えられない場合等については、「新医薬品等の承認申請に係る取下げ依頼について」(平成16年6月4日付け薬食審査発第0604001号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)により、その取扱いを示したところであるが、今般、新医薬品の総審査期間の目標値の見直しに伴い、平成27年2月1日以降に承認申請されるものについて、次のように取り扱うこととする。
(1) 承認審査が困難な場合における申請者への連絡
新医薬品については、承認の予見性を高めるとともに、審査プロセスの透明性を向上させるため、承認審査が困難と判断されるものについては、その判断に至った根拠、承認の可能性等の審査上の論点を機構から申請者に文書により連絡する。
① 連絡の対象
次のア)又はイ)のいずれかに該当する場合。
ア) 初回面談又は初回の専門協議等を踏まえ、機構の担当審査部が、申請された内容では有効性・安全性について確認できないと判断した場合
イ) 面接審査会及び第二回目の専門協議を踏まえ、機構が、申請された内容では有効性・安全性について確認できないと判断した場合
② 連絡の方法・時期
申請者への連絡は、初回面談後から遅くとも専門協議後(第二回目を含む)までに文書により行うものとする。
③ 連絡後の審査の進め方について
申請者が行う次のア)又はイ)のいずれかの申出に応じて、機構はそれぞれ以下のとおり対応を行う。申請者からの申出は、機構からの連絡の受領日から起算して、原則として1ヶ月以内に行うものとする。
ア) 申請者が機構から受けた連絡に対する意見をまとめ、当該連絡の内容に不服がある旨機構に申出を行った場合
機構は、申請者から提出された意見に基づき審査の継続の検討又は面接審査会の開催のいずれかを行うこととし、その結果承認することが困難と判断した事由が解決しなかった場合は、不承認とする審査報告書を厚生労働大臣に提出し、薬事・食品衛生審議会において承認することは困難とすることの可否を審議するものとする。
なお、薬事・食品衛生審議会における審議の結果、承認することは困難とすることが否とされた場合、機構は審査を再開するが、承認することは困難とすることが可とされた場合は審査を終了することとする。承認することは困難とする場合の総審査期間は、申請日から当該審査終了に係る処理がなされる日までの日数とする。
イ) 機構から受けた連絡の内容を受諾する場合
申請者からの連絡の内容を受諾する旨を受け、機構は当該承認申請に対する審査を終了することとする。
(2) 申請者の照会回答に時間を要する場合等の総審査期間の算出除外
審査において、申請者側の対応により著しく総審査期間が経過する場合、文書により連絡の上、それぞれ次の期間を総審査期間に含めないことができるものとする。
① 審査において照会事項がある場合のうち、次の1)又は2)のいずれかに該当した場合 当該照会事項の照会日から回答が提出されるまでの期間
1) 申請された内容では有効性・安全性について確認できず、再試験又は追加試験の実施等を求める照会事項があり、申請者の回答作成に12ヶ月以上を要すると機構の担当審査部が判断した場合
2) 複数の再試験又は追加試験の実施を求める照会事項があり、試験を複数実施した場合、申請者の回答作成に12ヶ月以上を要すると機構の担当審査部が判断した場合
② 審査において、主要照会事項に対する回答期間が12ヶ月以上累積した場合 当該照会事項の照会日から回答が提出されるまでの累積期間
③ GMP調査及びGCP調査に対する照会の回答において、優先審査の場合6ヶ月以上、通常品目の場合7ヶ月以上を要した場合 当該事項の照会日から回答が提出されるまでの期間
④ 申請者側の理由により、GMP調査の実施に、承認申請日に標準的事務処理期間を加算した日から6ヶ月を遡った日を起点として12ヶ月以上を要した場合 当該起点日から調査開始までの期間
⑤ 申請者側の理由により、GCP調査等に必要な資料の提出が、資料提出依頼日から12ヶ月以上を要した場合 資料提出依頼日から調査開始までの期間
(3) その他
申請書に添付すべき資料が不足していることが、申請書受付時点の形式審査等で判明した場合には、速やかに申請者に連絡することとし、当該連絡時から申請者による添付資料の是正がなされるまでの期間は、(2)に準じ、総審査期間に含めないことができるものとする。
3 その他
「新医薬品等の承認申請に係る取下げ依頼について」(平成16年6月4日付け薬食審査発第0604001号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)の新医薬品に係る取扱いについては廃止する。
(別添)
独立行政法人医薬品医療機器総合機構中期計画(平成26年3月31日厚生労働省発薬食0331第44号認可)より抜粋した各年度承認品目の総審査期間の目標値
① 新医薬品(優先品目)
年度 |
パーセンタイル値 |
総審査期間 |
平成26年度 |
60 |
9ヶ月 |
平成27年度 |
60 |
9ヶ月 |
平成28年度 |
70 |
9ヶ月 |
平成29年度 |
70 |
9ヶ月 |
平成30年度 |
80 |
9ヶ月 |
② 新医薬品(通常品目)
年度 |
パーセンタイル値 |
総審査期間 |
平成26年度 |
60 |
12ヶ月 |
平成27年度 |
70 |
12ヶ月 |
平成28年度 |
70 |
12ヶ月 |
平成29年度 |
80 |
12ヶ月 |
平成30年度 |
80 |
12ヶ月 |