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○家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準の運用上の取扱いについて(通知)

(平成26年9月5日)

(雇児発0905第2号)

(各都道府県・各指定都市・各中核市民生主管部(局)長あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)

児童福祉法(昭和22年法律第164号。以下「法」という。)第34条の16第2項の規定に基づき、家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第61号)が平成26年4月30日に公布されたところだが、その運用上の取扱いに関する留意事項は下記のとおりであり、各都道府県知事、各指定都市・中核市市長におかれては、十分御了知の上、貴管内の関係者に対して遅滞なく周知し、その運用に遺漏のないよう配意願いたい。

なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的助言であることを申し添える。

1.趣旨

平成24年度に成立した子ども・子育て関連3法において、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業及び事業所内保育事業の4事業(以下「家庭的保育事業等」という。)については、法に市町村認可事業として位置づけられ、子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号)に規定する確認を受けた上で地域型保育給付の対象とされたところ。

家庭的保育事業等は、大都市部の待機児童対策、児童人口減少地域の保育基盤維持など地域における多様な保育ニーズにきめ細かく対応し、多様な主体が多様なスペースを活用して、乳幼児の健やかな成長を支援するものであり、市町村が認可した質の高い保育を提供するものであること。

2.総則

(1) 外部評価について(第5条第4項)

今回、家庭的保育事業者等については、外部評価を受審するよう努力義務が課せられたところであり、5年に1度程度の受審が可能となるよう、公定価格上の評価も行うこととしていることから、積極的に外部評価を受審するよう努めること。

(2) 連携施設について(第6条・第45条・附則第3条関係)

家庭的保育事業者等(居宅訪問型保育事業者を除く。以下この(2)及び(3)において同じ。)については、利用乳幼児に対する保育が適正かつ確実に行われ、及び、家庭的保育事業者等による保育の提供の終了後も満3歳以上の児童に対して必要な教育又は保育が継続的に提供されるよう、①~③までに掲げる事項にかかる連携協力を行う保育所、幼稚園又は認定こども園(以下「連携施設」という。)を適切に確保する必要がある。

ただし、離島その他の地域であって、連携施設の確保が著しく困難であると市町村が認めるものにおいて家庭的保育事業等(居宅訪問型保育事業を除く。以下この(2)及び(3)において同じ。)を行う家庭的保育事業者等についてはこの限りでない。

① 保育内容の支援について(第6条第1号)

保育内容の支援については、3歳児に近い2歳児に対する集団保育の体験機会の提供のほか、具体的な連携内容の例として以下のようなものが想定されるが、当該提供する保育の内容等を踏まえ、連携施設からの必要な支援内容を設定する必要がある。

(i) 給食に関する支援について

給食については、家庭的保育事業等を行う事業所(以下「家庭的保育事業所等」という。)内で調理する方法(当該家庭的保育事業所等の調理設備又は調理室を兼ねている他の社会福祉施設等の調理室において調理する方法を含む。以下「自園調理」という。)を原則としつつも、事業規模と負担を勘案し、第16条第1項各号の要件を満たす家庭的保育事業者等については、連携施設を含む(3)の搬入施設から搬入する方法を認めることとしている。

このことを踏まえ、例えば、連携施設から搬入を行う場合には、連携施設が献立を作成し、離乳食対応やアレルギー児対応、体調不良児対応などを含め、給食の調理、搬入を行うことなどが、自園調理の場合には、献立の作成に関する助言を行うことなどが考えられる。

なお、連携施設から搬入を行う場合、献立作成を含めた給食調理、搬入方法、費用負担に係る取り決め、契約が必要であることに留意すること。

(ii) 嘱託医(健康診断)について

連携施設と家庭的保育事業等で同一の嘱託医に委嘱する場合に、必要に応じ、連携施設と家庭的保育事業等の合同で健康診断を行うことが考えられる。

(iii) 園庭の開放

家庭的保育事業者等から求めがある場合に、連携施設は、当該連携施設の運営に支障のない範囲で園庭を開放することが考えられる。

(iv) 合同保育

家庭的保育事業者等から求めがある場合に、連携施設は、当該連携施設の運営に支障のない範囲で合同による保育を行うことが想定される。

特に、集団保育の必要性が生じてくる2歳児について、保育のグループ単位が小さくなりがちなことから、定期的な合同保育の場により、集団保育の機会を確保することを目的とし、3歳児からの円滑な集団保育につなげることを意図しているもの。

このほか、発達に遅れのある可能性がある子どもの早期発見、適切な保護者・家庭支援について、連携施設におけるノウハウ等を活用し、連携先において適切な助言・相談を行うこと等も考えられる。

② 代替保育の提供について(第6条第2号)

具体的な連携内容としては、家庭的保育事業所等の職員の病気、休暇等により保育を提供することができない場合に、連携施設が代わって保育を提供することが考えられる。

また、家庭的保育事業所等の職員が研修を受講する場合に、連携施設が代わって保育を提供することも考えられる。

③ 卒園後の受け皿の設定について(第6条第3号)

家庭的保育事業所等は、乳児又は満3歳未満の幼児を受入対象とした施設であり、卒園後の確実な受け皿があることにより、保護者の安心、ひいては事業の安定性の確保につながることから、当該受け皿としての連携施設を確保することが重要である。

連携施設の設定に当たっては、必ずしも1事業につき1連携施設を設定する方法に限らず、1事業の卒園児を複数の連携施設で受け入れる方法や、複数の事業の卒園児を複数の連携施設で受け入れる方法も考えられる。

このため、連携施設については、認可施設に限ることとしたうえで、受け皿対象となる施設に関するルールについて、地域における必要性に応じ、市町村がルールを定めることとし、当該ルールに基づき、各事業者が確保することを基本とした上で、公立施設を連携施設として設定することや、当該事業所に連携施設をあっせん・調整するなど、市町村が積極的な関与・役割を果たすことが望ましい。

(3) 食事の提供等について(第14条から第16条まで関係)

家庭的保育事業者等は、食事を提供する際には、自園調理により行わなければならない。(第15条第1項)。

その際、円滑かつ適切に給食を提供できるよう、連携施設その他の施設の栄養士に嘱託する形で、アレルギー児対応を含め、給食内容に係る相談・助言を行う体制を設けること。

なお、調理業務の委託については、保育所と同様に可能な取扱いとしていること。

また、以下の(i)~(v)の要件をいずれも満たした家庭的保育事業者等については、第15条第1項の規定にかかわらず、①~③までに規定する搬入施設から食事を搬入することを可能としている。この場合において、当該食事の提供について上記の方法によることとしてもなお当該家庭的保育事業所等において行うことが必要な調理のための加熱、保存等の調理機能を有する設備を備えなければならない。

<搬入施設から搬入を行う際の要件>

(i) 利用乳幼児に対する食事の提供の責任が当該家庭的保育事業者等にあり、その管理者が、衛生面、栄養面等業務上必要な注意を果たしうるような体制及び調理業務の受託者との契約内容が確保されていること

(ii) 当該家庭的保育事業所等又はその他の施設、保健所、市町村等の栄養士により、献立等について栄養の観点からの指導が受けられる体制にある等、栄養士による必要な配慮が行われること

(iii) 調理業務の受託者を、当該家庭的保育事業者等による給食の趣旨を十分に認識し、衛生面、栄養面等、調理業務を適切に遂行できる能力を有する者とすること

(iv) 利用乳幼児の年齢及び発達の段階並びに健康状態に応じた食事の提供や、アレルギー、アトピー等への配慮、必要な栄養素量の給与等、利用乳幼児の食事の内容、回数及び時機に適切に応じることができること

(v) 食を通じた利用乳幼児の健全育成を図る観点から、利用乳幼児の発育及び発達の過程に応じて食に関し配慮すべき事項を定めた食育に関する計画に基づき食事を提供するよう努めること

<家庭的保育事業所等に食事の搬入を行う搬入施設>

①連携施設

②当該家庭的保育事業者等と同一の法人又は関連法人が運営する小規模保育事業若しくは事業所内保育事業を行う事業所、社会福祉施設、医療機関等

③学校給食法(昭和29年法律第160号)第3条第2項に規定する義務教育諸学校又は同法第6条に規定する共同調理場(家庭的保育事業者等が離島その他の地域であって、①②に掲げる搬入施設の確保が著しく困難であると市町村が認めるものにおいて家庭的保育事業等を行う場合に限る。)

(4) 家庭的保育事業所等内部の規程について(第18条関係)

家庭的保育事業者等は、次の運営についての重要事項に関する規程を園則や運営規程として定めること。なお、次の定めるべき事項のうち、全部又は一部について、別途規定している場合、重ねて規定する必要はなく、当該別途定めている規定を示せば足りることとする。

1 事業の目的及び運営の方針

家庭的保育事業等としての目的及び運営の方針を記すこと。

2 提供する保育の内容

児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(昭和23年厚生省令第63号)第35条の規定に基づき保育所における保育の内容について厚生労働大臣が定める指針(保育所保育指針)に準じ、家庭的保育事業等の特性に留意して、提供する保育のほか、障害児の受入れ体制等その事業の提供する保育についても積極的に記すこと。

3 職員の職種、員数及び職務の内容

園長、保育士、保育従事者、嘱託医、調理員など、職員の職種、員数及び職務内容について記すこと。

4 保育の提供を行う日及び時間並びに提供を行わない日

保育の提供を行う日時及び行わない日を明確に記すこと。

5 保護者から受領する費用の種類、支払を求める理由及びその額

特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準(平成26年内閣府令第39号)第43条の規定を踏まえ、適切に記すこと。

6 乳児、幼児の区分ごとの利用定員

子ども・子育て支援法第19条第1項第3号のうち、乳児又は満3歳未満の幼児それぞれに利用定員を記すこと。

7 家庭的保育事業等の利用の開始、終了に関する事項及び利用に当たっての留意事項

家庭的保育事業等に係る利用の開始、終了に関する事項や利用に当たっての留意事項を記すこと。

8 緊急時等における対応方法

緊急時等における対応方針について、関係機関や保護者との連絡方法など記すこと。なお、別途、緊急時等における対応マニュアルを定めている場合においては、その旨を記すこと。

9 非常災害対策

火災や地震などの、非常災害等に対する対策を記すこと。なお、別途、非常災害対策等を定めている場合においては、その旨を記すこと。

10 虐待の防止のための措置に関する事項

虐待の防止のために講じている対策について記すこと。

11 その他家庭的保育事業等の運営に関する重要事項

その他家庭的保育事業等の運営に関する重要事項について記すこと。

(5) 賠償責任保険

特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準第50条において準用する第32条第4項において、その提供した保育により賠償すべき事故が発生した場合については損害賠償を速やかに行うことが規定されていることから、家庭的保育事業者等については事故等の発生による保障を円滑に行うことができるよう、賠償責任保険に加入することを可能な限り検討すること。

3.家庭的保育事業について(第22条から第26条まで関係)

(1) 設備の基準について

家庭的保育事業は、家庭的保育者の居宅その他の場所(保育を受ける乳幼児の居宅を除く。)で保育を提供する事業であり、次に掲げる要件を満たすものとして、市町村長が適当と認める場所で実施するものとする。

① 乳幼児の保育を行う専用の部屋を設けること。

② ①に掲げる専用の部屋の面積は、9.9m2(保育する乳幼児が3人を超える場合は、9.9m2に3人を超える人数1人につき3.3m2を加えた面積)以上であること。

③ 乳幼児の保健衛生上必要な採光、照明及び換気の設備を有すること。

④ 衛生的な調理設備及び便所を設けること。

⑤ 同一の敷地内に乳幼児の屋外における遊戯等に適した広さの庭(付近にあるこれに代わるべき場所を含む。⑥において同じ。)があること。

⑥ ⑤に掲げる庭の面積は、満2歳以上の幼児1人につき、3.3m2以上であること。

⑦ 火災報知器及び消火器を設置するとともに、消火訓練及び避難訓練を定期的に実施すること。

(2) 職員について

(i) 家庭的保育事業を行う場所には、家庭的保育者、嘱託医及び調理員を置かなければならない。

ただし、①調理業務の全部を委託する場合、②搬入施設から食事を搬入する場合のいずれかに該当する場合には、調理員を置かないことができる。

(ii) 家庭的保育者は、市町村長が行う研修(市町村長が指定する都道府県知事その他の機関が行う研修を含む。)を修了した保育士又は保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認める者であって、①保育を行っている乳幼児の保育に専念でき、②法第18条の5各号及び法第34条の20第1項第4号の欠格要件のいずれにも該当しない者、のいずれの要件も満たす者とする。

(iii) 家庭的保育者1人が保育することができる乳幼児の数は、3人以下とする。ただし、家庭的保育者が、家庭的保育補助者(市町村長が行う研修(市町村長が指定する都道府県知事その他の機関が行う研修を含む。)を修了した者であって、家庭的保育者を補助するものをいう。)とともに保育する場合には、5人以下とする。

(3) 保育時間について

家庭的保育事業における保育時間は、1日8時間を原則として、乳幼児の保護者の労働時間その他家庭の状況等を考慮して、家庭的保育事業者が定めるものとする。

(4) 保育内容について

家庭的保育事業者は、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準第35条に規定する厚生労働大臣が定める指針(保育所保育指針)に準じ、家庭的保育事業の特性に留意して、保育する乳幼児の心身の状況等に応じた保育を提供しなければならない。

(5) 保護者との連絡について

家庭的保育事業者は、常に保育する乳幼児の保護者と密接な連絡をとり、保育の内容等につき、その保護者の理解及び協力を得るよう努めなければならない。

4.小規模保育事業について(第27条から第36条まで関係)

小規模保育事業は、利用定員6人から19人までと定められた施設であり、従来の保育所の規模に満たない事業についても、保育の質を担保したうえで、地域の保育の受け皿として確保するため、子ども・子育て支援新制度において、市町村認可事業として位置づけたものである。

このため、現行の認可外保育施設やへき地保育所、グループ型小規模保育事業などから幅広く認可事業に移行していただくため、乳幼児の保育に直接従事する職員を保育士に限るA型に加え、保育に従事する職員の半数以上を保育士とするB型、現行のグループ型小規模保育事業からの移行を前提としたC型と事業類型を設定したところ。

ただし、保育の質を確保する観点や事業特性として小規模であることを踏まえ、保育所よりも手厚い人員配置としていることに留意すること。

Ⅰ 小規模保育事業A型について

(1) 設備の基準について

小規模保育事業A型を行う事業所(以下「小規模保育事業所A型」という。)の設備の基準は、次のとおりとする。

① 乳児又は満2歳に満たない幼児を利用させる小規模保育事業所A型については、乳児室又はほふく室、調理設備及び便所を設けること。

② 乳児室又はほふく室の面積は、乳児又は①の幼児1人当たり3.3m2以上とすること。

③ 乳児室又はほふく室には、保育に必要な用具を備えること。

④ 満2歳以上の幼児を利用させる小規模保育事業所A型には、保育室又は遊戯室、屋外遊技場、調理設備及び便所を設けること。ただし、屋外遊技場については、自園内に設置できない場合には、他の公的施設の敷地その他の付近の屋外遊技場に代わるべき場所で代替することも可能とすること。

⑤ 保育室又は遊戯室の面積は、④の幼児1人当たり1.98m2以上とするとともに、屋外遊技場の面積については、④の幼児1人当たり3.3m2以上の広さを確保すること。

⑥ 保育室又は遊戯室には、保育に必要な用具を備えること。

⑦ 乳児室、ほふく室、保育室又は遊戯室(以下「保育室等」という。)を2階以上に設ける場合の設備等については、

・建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第9号の2に規定する耐火建築物又は同条第9号の3に規定する準耐火建築物であること(第28条第7号イ)

・保育室等が設けられている階に応じ、その区分ごとに、以下の表に掲げる施設や設備が1以上設けられていること(第28条第7号ロ)

・保育室等その他乳幼児が出入りし、又は通行する場所に、乳幼児の転落事故を防止する設備が設けられていること(第28条第7号ヘ)

など、防火上、耐火上の観点から第28条第7号に規定する基準を満たすこと。

区分

施設又は設備

2階

常用

1 屋内階段

2 屋外階段

避難用

1 建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第123条第1項各号又は同条第3項各号に規定する構造の屋内階段

2 待避上有効なバルコニー

3 建築基準法第2条第7号の2に規定する準耐火構造の屋外傾斜路又はこれに準ずる設備

4 屋外階段

3階

常用

1 建築基準法施行令第123条第1項各号又は同条第3項各号に規定する構造の屋内階段

2 屋外階段

避難用

1 建築基準法施行令第123条第1項各号又は同条第3項各号に規定する構造の屋内階段

2 建築基準法第2条第7号に規定する耐火構造の屋外傾斜路又はこれに準ずる設備

3 屋外階段

4階以上の階

常用

1 建築基準法施行令第123条第1項各号又は同条第3項各号に規定する構造の屋内階段

2 建築基準法施行令第123条第2項各号に規定する構造の屋外階段

避難用

1 建築基準法施行令第123条第1項各号又は同条第3項各号に規定する構造の屋内階段(ただし、同条第1項の場合においては、当該階段の構造は、建築物の1階から保育室等が設けられている階までの部分に限り、屋内と階段室とは、バルコニー又は外気に向かって開くことの出来る窓若しくは排煙設備(同条第3項第1号に規定する国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものその他有効に排煙することができると認められるものに限る。)を有する付室を通じて連絡することとし、かつ、同条第3項第2号、第3号及び第9号を満たすものとする。)

2 建築基準法第2条第7号に規定する耐火構造の屋外傾斜路

3 建築基準法施行令第123条第2項各号に規定する構造の屋外階段

(2) 職員について

① 小規模保育事業所A型については、保育士、嘱託医及び調理員を置かなければならない。調理員については、原則として置く必要があるが、(i)調理業務の全部を委託する場合、(ii)搬入施設から食事を搬入する場合のいずれかに該当する場合には、置かないことができる。

② 子どもを直接処遇する保育士の配置基準については、以下の区分に応じ、区分ごとに定める数の合計数に1を加えた数以上とする。

・乳児 おおむね3人につき1人

・満1歳以上満3歳に満たない幼児 おおむね6人につき1人

・満3歳以上満4歳に満たない児童 おおむね20人につき1人

・満4歳以上の児童 おおむね30人につき1人

③ 保育士の算定に当たっては、現在の保育所同様に、当該小規模保育事業所A型に勤務する保健師又は看護師を1人に限り保育士と見なすことができる。

(3) その他

保育時間、保育内容、保護者との連絡については、家庭的保育事業と同様の取扱いとすること。

Ⅱ 小規模保育事業B型について

(1) 職員について

① 小規模保育事業B型を行う事業所(以下「小規模保育事業所B型」という。)には、保育士その他保育に従事する職員として市町村長が行う研修(市町村長が指定する都道府県知事その他の機関が行う研修を含む。)を修了した者(以下Ⅱにおいて「保育従事者」という。)、嘱託医及び調理員を置く必要がある。調理員については、原則として置く必要があるが、(i)調理業務の全部を委託する場合、(ii)搬入施設から食事を搬入する場合のいずれかに該当する場合には、置かないことができる。

② 子どもを直接処遇する保育従事者の配置基準については、以下の区分に応じ、区分ごとに定める数の合計数に1を加えた数以上とする。

・乳児 おおむね3人につき1人

・満1歳以上満3歳に満たない幼児 おおむね6人につき1人

・満3歳以上満4歳に満たない児童 おおむね20人につき1人

・満4歳以上の児童 おおむね30人につき1人

また、保育従事者のうち、半数以上を保育士とすること。

③ 保育士の算定に当たっては、現在の保育所同様に、当該小規模保育事業所B型に勤務する保健師又は看護師を1人に限り保育士と見なすことができる。

④ 小規模保育事業所B型の保育従事者については、可能な限り、保育士とすることが望ましいこと。

(2) その他

小規模保育事業所B型の設備の基準は、小規模保育事業A型と同様のものとする。

また、保育時間、保育内容、保護者との連絡については、家庭的保育事業と同様の取扱いとすること。

Ⅲ 小規模保育事業C型について

(1) 設備の基準について

小規模保育事業C型を行う事業所(以下「小規模保育事業所C型」という。)の設備の基準は、次のとおりとする。

① 乳児又は満2歳に満たない幼児を利用させる小規模保育事業所C型には、乳児室又はほふく室、調理設備及び便所を設けること。

② 乳児室又はほふく室の面積は、家庭的保育事業における基準との整合性を考慮し、乳児又は①の幼児1人につき3.3m2以上とすること。

③ 乳児室又はほふく室には、保育に必要な用具を備えること。

④ 満2歳以上の幼児を利用させる小規模保育事業所C型には、保育室又は遊戯室、屋外遊技場、調理設備及び便所を設けること。

⑤ 保育室又は遊戯室の面積は、家庭的保育事業における基準との整合性を考慮し、④の幼児1人につき3.3m2以上とすること。

⑥ 保育室又は遊戯室には、保育に必要な用具を備えること。

⑦ 保育室等を2階以上に設ける建物についての取扱いは、小規模保育事業A型の取扱いと同様のものとする。

(2) 職員について

小規模保育事業C型については、家庭的保育事業と同様に、職員の配置を確保すること。

(3) 利用定員について

小規模保育事業C型については、利用定員を6人以上10人以下とすること。

(4) その他

保育時間、保育内容、保護者との連絡については、家庭的保育事業と同様の取扱いとすること。

5.居宅訪問型保育事業について(第37条から第41条まで関係)

(1) 居宅訪問型保育事業について

居宅訪問型保育事業については、保育を必要とする乳幼児の居宅において以下に規定する保育を提供するものとし、家庭的保育者1人が保育することができる乳幼児の数は1人とする。

① 障害、疾病等の程度を勘案して集団保育が著しく困難であると認められる乳幼児に対する保育

② 子ども・子育て支援法第34条第5項又は第46条第5項の規定による便宜の提供に対応するために行う保育

③ 法第24条第6項に規定する措置に対応するために行う保育

④ 母子家庭等(母子及び寡婦福祉法(昭和39年法律第129号)第6条第4項に規定する母子家庭等をいう。)の乳幼児の保護者が夜間及び深夜の勤務に従事する場合への対応等、保育の必要の程度及び家庭等の状況を勘案し、居宅訪問型保育を提供する必要性が高いと市町村が認める乳幼児に対する保育

⑤ 離島その他の地域であって、居宅訪問型保育事業以外の家庭的保育事業等の確保が困難であると市町村が認めるものにおいて行う保育

(2) 設備及び備品について

居宅訪問型保育事業者が当該事業を行う事業所には、事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の区画を設けるほか、保育の実施に必要な設備及び備品等を備えること。

(3) 連携施設について

居宅訪問型保育事業については、保育を必要とする児童の家庭等で保育を行うことが想定され、保育を行う場所が1か所に限られないことから、保育内容の支援、卒園後の受け皿の確保の両面を考慮しても、一律に連携施設を設定することは求めないが、当該提供する保育の性質にかんがみ、当該保育を受ける乳幼児の障害、疾病等の状態に応じ適切な専門的な支援が受けられるよう、市町村の指定する障害児入所施設や児童発達支援事業所及び医療機関等を居宅訪問型保育連携施設として適切に確保する必要がある。

(4) その他

食事の提供については、保育を必要とする乳幼児の居宅で行うことを想定していることから、食事の提供を行わないものとする。

その他、保育時間、保育内容、保護者との連絡については、家庭的保育事業と同様の取扱いとすること。

6.事業所内保育事業について(第42条から第48条まで関係)

(1) 利用定員について

事業所内保育事業者については、第42条の規定のとおり、法第6条の3第12項第1号イ、ロ又はハに規定するその他の乳児又は幼児の数を踏まえて市町村が定める乳幼児数以上の定員枠(以下「地域枠」という。)を設けなくてはならない。

Ⅰ 保育所型事業所内保育事業について

(1) 設備の基準について

事業所内保育事業のうち、利用定員が20人以上のもの(以下「保育所型事業所内保育事業」という。)を行う事業所(以下「保育所型事業所内保育事業所」という。)の設備の基準は、次のとおりとする。

① 乳児又は満2歳に満たない幼児を利用させる保育所型事業所内保育事業所については、乳児室又はほふく室、医務室、調理室及び便所を設けること。

② 乳児室の面積は、乳児又は①の幼児1人につき1.65m2以上とすること。

③ ほふく室の面積は、乳児又は①の幼児1人につき3.3m2以上とすること。

④ 乳児室又はほふく室には、保育に必要な用具を備えること。

⑤ 満2歳以上の幼児を利用させる保育所型事業所内保育事業所については、保育室又は遊戯室、屋外遊技場、調理室及び便所を設けること。ただし、屋外遊技場については自園内に設置できない場合については、他の公的施設の敷地その他の付近の屋外遊技場に代わるべき場所で代替することも可能とする。

⑥ 保育室又は遊戯室の面積は、⑤の幼児1人につき1.98m2以上、屋外遊技場の面積は、⑤の幼児1人につき3.3m2以上とすること。

⑦ 保育室又は遊戯室には、保育に必要な用具を備えること。

⑧ 保育室等を2階以上に設ける場合の設備等については、

・建築基準法第2条第9号の2に規定する耐火建築物又は同条第9号の3に規定する準耐火建築物であること

・保育室等が設けられている階に応じ、その区分ごとに、以下の表に掲げる施設又は設備が1以上設けられていること

・保育室等その他乳幼児が出入りし、又は通行する場所に、乳幼児の転落事故を防止する設備が設けられていること

など、防火上、耐火上の観点から第43条第8号に規定する基準を満たすこと。

区分

施設又は設備

2階

常用

1 屋内階段

2 屋外階段

避難用

1 建築基準法施行令第123条第1項各号又は同条第3項各号に規定する構造の屋内階段

2 待避上有効なバルコニー

3 建築基準法第2条第7号の2に規定する準耐火構造の屋外傾斜路又はこれに準ずる設備

4 屋外階段

3階

常用

1 建築基準法施行令第123条第1項各号又は同条第3項各号に規定する構造の屋内階段

2 屋外階段

避難用

1 建築基準法施行令第123条第1項各号又は同条第3項各号に規定する構造の屋内階段

2 建築基準法第2条第7号に規定する耐火構造の屋外傾斜路又はこれに準ずる設備

3 屋外階段

4階以上の階

常用

1 建築基準法施行令第123条第1項各号又は同条第3項各号に規定する構造の屋内階段

2 建築基準法施行令第123条第2項各号に規定する構造の屋外階段

避難用

1 建築基準法施行令第123条第1項各号又は同条第3項各号に規定する構造の屋内階段(ただし、同条第1項の場合においては、当該階段の構造は、建築物の1階から保育室等が設けられている階までの部分に限り、屋内と階段室とは、バルコニー又は外気に向かって開くことのできる窓若しくは排煙設備(同条第3項第1号に規定する国土交通大臣が定めた構造方法を用いるものその他有効に排煙することができると認められるものに限る。)を有する付室を通じて連絡することとし、かつ、同条第3項第2号、第3号及び第9号を満たすものとする。)

2 建築基準法第2条第7号に規定する耐火構造の屋外傾斜路

3 建築基準法施行令第123条第2項各号に規定する構造の屋外階段

(2) 職員について

① 保育所型事業所内保育事業所には、保育士、嘱託医及び調理員を置かなければならない。調理員については、原則として置く必要があるが、①調理業務の全部を委託する場合、②搬入施設から食事を搬入する場合のいずれかに該当する場合には、置かないことができる。

② 子どもを直接処遇する保育士の配置基準については、以下の区分に応じ、区分ごとに定める数の合計した数以上とする。

・乳児 おおむね3人につき1人

・満1歳以上満三歳に満たない幼児 おおむね6人につき1人

・満3歳以上満4歳に満たない児童 おおむね20人につき1人

・満4歳以上の児童 おおむね30人につき1人

を保育士で満たす必要があること。

保育士の算定に当たっては、現在の保育所同様に、当該保育所型事業所内保育事業所に勤務する保健師又は看護師を1人に限り保育士と見なすことができる。

(3) 連携施設について

保育所型事業所内保育事業所については、保育所と同等の規模を有することから、第45条の規定のとおり、①保育内容の支援や②代替保育の実施については連携施設の設定を求めないこととするが、第42条に規定する地域枠の乳児又は幼児については、当該事業が満3歳未満の乳幼児を対象とした事業であることから、③卒園後の受け皿については連携施設の設定を行う必要がある。

(4) その他

なお、事業所内保育事業については、その事業特性にかんがみ、乳幼児に対する食事の提供が適切に行われる前提で、事業所内保育事業所を設置及び管理する事業主が事業場に附属して設置する炊事場を活用することも可能な取扱いとする。(保育所型事業所内保育事業所及びⅡの小規模型事業所内保育事業所のいずれにおいても可能。)

その他、保育時間、保育内容、保護者との連絡については、家庭的保育事業と同様の取扱いとすること。

Ⅱ 小規模型事業所内保育事業について

(1) 職員について

① 事業所内保育事業のうち利用定員が19人以下のもの(以下「小規模型事業所内保育事業」という。)を行う事業所(以下「小規模型事業所内保育事業所」という。)には、保育士その他保育に従事する職員として市町村長が行う研修(市町村長が指定する都道府県知事その他の機関が行う研修を含む。)を修了した者(以下Ⅱにおいて「保育従事者」という。)、嘱託医及び調理員を置かなければならない。調理員については、原則として置く必要があるが、①調理業務の全部を委託する場合、②搬入施設から食事を搬入する場合のいずれかに該当する場合には、置かないことができる。

② 子どもを直接処遇する保育従事者の配置基準については、以下の区分に応じ、区分ごとに定める数の合計数に1を加えた数以上とする。

・乳児 おおむね3人につき1人

・満1歳以上満3歳に満たない幼児 おおむね6人につき1人

・満3歳以上満4歳に満たない児童 おおむね20人につき1人

・満4歳以上の児童 おおむね30人につき1人

また、保育従事者のうち半数以上を保育士とすること。

③ 保育士の算定に当たっては、現在の保育所同様に、当該小規模型事業所内保育事業所に勤務する保健師又は看護師を1人に限り保育士と見なすことができる。

④ 小規模型事業所内保育事業所の保育従事者については、小規模保育事業所B型と同様に、可能な限り、保育士とすることが望ましいこと。

(2) その他

小規模型事業所内保育事業所の設備の基準については、小規模保育事業所A型と同様の取扱いとする。

保育時間、保育内容、保護者との連絡については、家庭的保育事業と同様の取扱いとすること。

7.経過措置について

(1) 食事の提供の経過措置について(附則第2条)

上記のとおり、本省令の施行後、家庭的保育事業等(居宅訪問型事業を除く。以下この(1)において同じ。)を行う者には、調理員の配置及び調理室又は調理設備の設置を行う必要があるが、この省令の施行の日の前日において現に存する法第39条第1項に規定する業務を目的とする施設若しくは事業を行う者が、本省令の施行日以降、家庭的保育事業等の認可を得た場合については、省令の施行の日から5年を経過する日までの間、調理員の配置及び調理室又は調理設備の設置を要しないこととした。

(2) 連携施設について(附則第3条)

家庭的保育事業者等は、連携施設の確保が著しく困難であって、子ども・子育て支援法第59条第4号に規定する事業による支援その他の必要な適切な支援を行うことができると市町村が認める場合は、この省令の施行の日から起算して5年を経過する日までの間、連携施設の確保をしないことができる。

なお、連携施設の設定に当たっては、2.(2)のとおり、市町村が積極的な関与・役割を果たすことが望ましい。

(3) 小規模保育事業B型等の特例について(附則第4条)

家庭的保育者及び家庭的保育補助者については、この省令の施行の日から起算して5年間を経過する日までの間、小規模保育事業B型や小規模型事業所内保育事業で求められている保育従事者とみなす。

(4) 利用定員の特例について(附則第5条)

小規模保育事業C型にあっては、この省令の施行の日から起算して5年間を経過する日までの間、その利用定員を6人以上15人以下とする。