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○医薬部外品の承認申請時における医薬部外品添加物規格集の利用について

(平成26年7月30日)

(事務連絡)

(各都道府県衛生主管部(局)薬務主管課あて厚生労働省医薬食品局審査管理課通知)

今般、独立行政法人医薬品医療機器総合機構において、「医薬部外品添加物規格集」を作成するとともに、別添写しのとおり、関係団体あてに通知が行われましたので、参考までにお知らせします。

○医薬部外品の承認申請時における医薬部外品添加物規格集の利用について

(平成26年7月30日)

(薬機般発第0730001号)

(日本化粧品工業連合会会長あて独立行政法人医薬品医療機器総合機構一般薬等審査部長通知)

独立行政法人医薬品医療機器総合機構では、医薬部外品の製造販売承認申請における申請者の負担を軽減し、承認審査の迅速化を図ることを目的に、平成26年6月9日付薬機般発第0609001号において「薬用化粧品添加物規格集」とその利用にあたっての留意事項を周知したところです。

今般、薬用化粧品に限らず、医薬部外品のその他の種類にも範囲を拡げることへのご要望があったことから、新たに「医薬部外品添加物規格集」(以下、「部外品規格集」という。)を再作成いたしました。

つきましては、下記の医薬部外品の製造販売承認申請における部外品規格集の利用にあたっての留意事項と併せて、貴団体加盟企業へご周知いただきますよう、ご配慮をお願いいたします。

なお、本通知の施行に伴い、平成26年6月9日付薬機般発第0609001号「医薬部外品の承認申請時における薬用化粧品添加物規格集の利用について」を廃止いたします。

1.部外品規格集に収載されている成分を添加物とし医薬部外品の製造販売承認申請を行う場合は、以下に示すような記載をすることにより、その別紙規格内容の記載のみを省略することができる。

(1) 【成分及び分量又は本質】欄の「規格」には、従来どおり「別紙規格」と記載すること。

(2) 【別紙規格】梱には、以下の<記載例>に従って記載すること。

[様式ダウンロード]

2.該当成分についても、従来どおり使用前例を提示する。

3.製造販売承認申請における規格集の利用は、平成26年7月30日以降に申請する品目からを対象とする。なお、平成26年6月9日付薬機般発第0609001号通知を用いての申請は、平成26年7月29日までとする。

<別添>

医薬部外品添加物規格集

独立行政法人医薬品医療機器総合機構

2014年7月

医薬部外品添加物規格集

目次

医薬部外品添加物規格集本編

アテロコラーゲン[IB―0002]

L―エルゴチオネイン液[IB―0021]

塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム[IB―0005]

加水分解ローヤルゼリータンパク液[IB―0010]

キシレンスルホン酸アンモニウム液[IB―0024]

グリシン亜鉛[IB―0022]

(加水分解シルク/PG―プロピルメチルシランジオール)クロスポリマー[IB―0013]

N,N―ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン[IB―0003]

水酸化カリウム液(A)[IB―0006]

水溶性コラーゲン(F)[IB―0011]

水溶性プラセンタエキス[IB―0019]

疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース[IB―0020]

炭酸ジカプリリル[IB―0001]

チューベロースポリサッカライド液―BG[IB―0004]

トリ(カプリル・カプリン酸)トリメチロールプロパン[IB―0025]

ヒドロキシプロピル―β―シクロデキストリン[IB―0012]

ピンピネラサキシフレイジエキス[IB―0008]

フィトグリコーゲン[IB―0018]

不織布[IB―0007]

ペンタオキシステアリン酸デカグリセリル[IB―0023]

ホモスルファミン[IB―0015]

ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエーテル(3B.O.)(8E.O.)(5P.O.)[IB―0014]

無水硫酸亜鉛[IB―0016]

ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド液[IB―0017]

リュウガン種子エキス[IB―0009]

整理番号対応表

医薬部外品添加物規格集本編

独立行政法人医薬品医療機器総合機構では、医薬部外品の申請にかかる負担の軽減及び承認審査の迅速化を図ることを目的に、既承認の医薬部外品に配合されており、医薬部外品原料規格2006に未収載である、25品目の添加物について、その別紙規格を「医薬部外品添加物規格集」としてまとめ、作成いたしました。

収載添加物について、業界内で広くご使用いただくことを希望いたします。

上記目的を達成するために、当該規格集に収載されている添加物を用いて、医薬部外品の製造販売承認申請を行う場合には、各添加物に付された整理番号を記載することのみで、その別紙規格内容の申請書への記載を省略することができることといたしました。当該規格集を利用しての製造販売承認申請の詳細については、別途、周知いたします。

なお、これまでの規格集の作成にあたり、その趣旨をご理解いただき、既承認の別紙規格に関する情報の提供にご協力くださいました、各承認取得者様に深く感謝いたします。

当該規格集の全般についての要旨は、以下のとおりです。

1.「医薬部外品原料規格2006」の略名を「外原規」、「日本薬局方」の略名を「日局」とする。

2.作成にあたっては、外原規の通則及び一般試験法を基本に、主な計量単位、試薬・試液等の記載表現を外原規の表現と整合させた。

3.添加物の収載順は、アイウエオ順とした。

4.各添加物名の前に整理番号を付した。なお、整理番号の冒頭の「IB」は「医薬部外品」を表し、提出順に通し番号を付与した。

5.別紙規格の記載にあたっては、日局及び外原規に準拠した。

6.各添加物中の記載順序は概ね次のとおりとする。

(1) 整理番号

(2) 日本名

(3) 基原、成分の含量規格または表示規定

(4) 性状

(5) 確認試験

(6) 示性値

(7) 純度試験

(8) 乾燥減量、強熱残分、蒸発残分又は水分

(9) 定量法

(10) 試薬及び試液

(11) 備考

[IB―0002]

アテロコラーゲン

本品は、「水溶性コラーゲン液(3)」からテロペプチドを除去したコラーゲンの水溶液である。本品を定量するとき、窒素(N:14.01)0.1~0.5%を含む。

性状 本品は、乳白色~淡黄褐色の液で、においはないか又はわずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品1gに水酸化ナトリウム試液2mL及び硫酸銅(Ⅱ)試液0.1mLを加えて振り混ぜるとき、液は、青紫色~紫青色を呈する。

(2) 本品の窒素量から、次式により、コラーゲン量(%)を求める。

コラーゲン量(%)=窒素量(%)×5.6

次に、本品5gをとり、コラーゲン濃度が0.2%になるように水を加えて振り混ぜる。この液1mLにコラーゲン溶解用試液1mLを加えてよく振り混ぜ、試料溶液とする。別に、コラーゲン標準品を、試料溶液と同様に処理し、これを標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液を、各20μLとり、水溶性コラーゲン試験法により試験を行うとき、試料溶液から得られる泳動パターンの主要なバンドは、標準溶液から得られるα鎖、β鎖及びγ鎖に相当する三つのたん白質バンドのいずれかの位置に一致する。

pH 3.0~5.0

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

定量法 本品約1.0gを精密に量り、窒素定量法(第1法)により、試験を行う。

0.005mol/L硫酸1mL=0.1401mgN

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0021]

L―エルゴチオネイン液

本品は、L―エルゴチオネインをpH8のリン酸緩衝液に溶解したものである。本品は定量するとき、L―エルゴチオネイン(C9H15N3O2S:229.30)として0.04~0.05%を含む。

性状 本品は、無色~淡黄色の液体で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品2mLにピリジン0.5mL及びニンヒドリン試液1mLを加えてほとんど乾固するまで加熱するとき、液は褐色~茶褐色を呈する。

(2) 本品2mLに炭酸ナトリウム試液1mL及び薄めたフォリン試液(1→5)1mLを加えるとき、液は濃青色を呈する。

旋光度 画像2 (2KB)別ウィンドウが開きます
:+110~120°(10mL、100mm)

純度試験 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

定量法 本品約25mLを精密に量り、窒素定量法(第1法)により試験を行う。

0.005mol/L硫酸 1mL=0.7643mg C9H15N3O2S

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0005]

塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム

本品は、主として塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムからなり、セタノール及びステアリルアルコールを含む。本品は定量するとき、塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウム(C24H52ClNO:406.13)40.0~50.0%を含む。

性状 本品は、白色~淡黄色の固体で、特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品1gをとり、エタノール20mLを加え、加熱して溶かした後、硝酸銀試液5mLを加え、栓をして激しく振り混ぜる。これを毎分3000回転で5分間遠心分離するとき、白色の沈殿を生じる。上澄液を除いた後、沈殿にエタノール20mLを加え、栓をして30秒間激しく振り混ぜる。沈殿を分取し、この一部に希硝酸を加えても溶けない。また、他の一部に過量のアンモニア試液を加えるとき、沈殿は溶ける。

(2) 本品を、赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき、波数2918cm-1、2850cm-1、1119cm-1、1058cm-1及び913cm-1付近に吸収を認める。

純度試験

(1) アンモニウム塩 本品0.1gをとり、水5mLを加え、90℃の水浴中で溶かし、水酸化ナトリウム試液3mLを加えて煮沸するとき、発生するガスは、潤した赤色リトマス紙を青変しない。

(2) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(3) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

強熱残分 0.10%以下(第2法、10g)

定量法 本品約1.0gを精密に量り、エタノールを加えて溶かした後、エタノールを加えて正確に200mLとする。この液5mLを正確にとり、水酸化カリウム・硫酸ナトリウム試液20mL、クロロホルム20mL及びブロムフェノールブルー溶液(1→10000)1mLを加え、0.005mol/Lラウリル硫酸ナトリウム液で滴定する。ただし、滴定は、終点近くでは1滴ずつ滴加し、激しく振り混ぜて2層に分離させ、その終点は、白色の背景を用い、クロロホルム層の青色が上層に移行した点とする。

0.005mol/Lラウリル硫酸ナトリウム液1mL=2.0306mg C24H52ClNO

次式により、塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムの量(%)を算出する。

塩化オクタデシロキシプロピルトリメチルアンモニウムの量(%)

={(A×f×2.0306×0.001)/S}×(200/5)×100

=(A×f×8.1224)/S

A:試料の滴定に要した0.005mol/Lラウリル硫酸ナトリウム液の消費量(mL)

f:0.005mol/Lラウリル硫酸ナトリウム液のファクター

S:試料の採取量(g)

試薬及び試液

水酸化カリウム・硫酸ナトリウム試液 水酸化カリウム2.8g及び硫酸ナトリウム25gに水1000mLを加えて溶かす。

0.005mol/Lラウリル硫酸ナトリウム液 1000mL中にラウリル硫酸ナトリウム(C12H25NaO4S)1.4419gを含む。

調製 純分に換算して、ラウリル硫酸ナトリウム約1.5gに対応する量のラウリル硫酸ナトリウムを精密に量り、水を加えて溶かし、正確に1000mLとする。

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0010]

加水分解ローヤルゼリータンパク液

本品は、「ローヤルゼリー」中に含まれるたん白のたん白分解酵素による加水分解抽出エキスであって、総窒素として0.2~0.4%を含む。

性状 本品は、淡黄色~淡黄褐色の透明な液体で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品を加熱するとき、凝固しない。

(2) 本品5mLに水酸化ナトリウム試液5mLを加え、硫酸銅(II)試液1滴を加えるとき、赤紫色~青紫色を呈する。

(3) 本品5mLをとり、ニンヒドリン試液3mLを加えて混和し、水浴上で3分間加熱するとき、液は青色~青紫色を呈する。

pH 6.0~7.5

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

蒸発残分 2.0~4.0%(1g、105℃、6時間)

定量法 本品約0.5gを精密に量り、窒素定量法(第1法)により、試験を行う。

0.005mol/L硫酸 1mL=0.14007mgN

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0024]

キシレンスルホン酸アンモニウム液

本品は、オルト、メタ、パラ異性体及びエチルベンゼンを含むキシレンを濃硫酸でスルホン化し、アンモニア水を反応させて得られるもので、定量するとき、窒素(N:14.01)を2.6~3.3%含む。

性状 無色又は淡黄色の透明な液で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品1.0gに20mLの熱湯を加えて溶かし、水酸化ナトリウム試液5mLを加え、加熱するとき、アンモニアのにおいを発生し、そのガスは潤した赤色リトマス紙を青変する。

(2) 本品を105℃で2時間乾燥し、赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき、3180cm-1、3070cm-1、1440cm-1、1200cm-1及び820cm-1付近に吸収を認める。

比重 画像3 (1KB)別ウィンドウが開きます
:1.100~1.130(第1法、A)

pH 本品1.0gに新たに煮沸し冷却した水100mLを加えて溶かした液のpHは、6.5~8.5である。

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第1法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gを25mLの水に溶かし、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

強熱残分 3.0%以下(第1法、2g)

定量法 本品約0.85gを精密に量り、窒素定量法(第2法)により試験を行う。

0.05mol/L硫酸 1mL=1.401mgN

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0022]

グリシン亜鉛

本品は定量するとき、グリシン亜鉛((NH2CH2COO)2Zn・H2O)を95.0~105.0%を含む。

性状 本品は、白色~淡黄色の結晶又は粉末である。

確認試験 本品につき、赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき、波数3450cm-1、3310cm-1、1600cm-1及び1405cm-1付近に吸収を認める。

純度試験

(1) 鉛 本品2.0gをとり、注意しながら加熱し、徐々に強熱して灰化する。

冷後、水5mL及び酢酸(100)5mLを加え、水浴上で加熱して溶かす。冷後、クロム酸カリウム試液5滴を加えるとき、液の混濁は、鉛標準液2.0mLをとり、同様に操作して得られる液より少ない。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

乾燥減量 9.0%以下(1g、105℃、2時間)

定量法 本品約0.8gを精密に量り、水2mL及び塩酸3mLを加えて溶かし、水を加えて正確に100mLとする。この液10mLを正確に量り、水80mLを加え、水酸化ナトリウム溶液(1→50)を液がわずかに混濁を生じ始めるまで加える。次にpH10.7のアンモニア・塩化アンモニウム緩衝液10mLを加えた後、0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム液で滴定する。指示薬には、エリオクロムブラックT・塩化ナトリウム指示薬40mgを用いる。ただし、滴定の終点は、液の赤紫色が青色に変わる点とする。

0.05mol/Lエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム液 1mL=11.576mg C4H10N2O5Zn

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、日局の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0013]

(加水分解シルク/PG―プロピルメチルシランジオール)クロスポリマー

本品は、ジメチルジエトキシシランとオクチルトリエトキシシランと「N―[2―ヒドロキシ―3―[3―(ジヒドロキシメチルシリル)プロポキシ]プロピル]加水分解シルク」の10~20:10~20:1モル比の共重合体と水との混合物である。

性状 本品は、淡黄白色、粘性の均一又は二層の液体で、振り混ぜたとき均一の液体となり、わずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品を振り混ぜて均一とした液1gをとり、105℃で1時間乾燥し、赤外吸収スペクトル測定法の液膜法により測定するとき、波数3300cm-1、2960cm-1、2930cm-1、1650cm-1及び1100~1000cm-1付近に吸収を認める。

(2) 本品を振り混ぜて均一とした液1gに水酸化ナトリウム試液2mL、エタノール0.5mL及び硫酸銅(Ⅱ)試液2~3滴を加えるとき、液は、青紫色~赤紫色を呈する。

(3) 本品を振り混ぜて均一とした液の1gを白金、ニッケル又は鉄製のるつぼにとり、初めは注意して弱く加熱し、次に強熱して灰化する。残留物に水酸化ナトリウム3gを加え、強熱して融解する。冷後、水50gを加えて溶かした後、ろ過する。ろ液5gに、モリブデン酸アンモニウム試液2gを加え、6mol/L塩酸試液約1.5mLを加えて弱酸性とする。次いで、5%亜硫酸ナトリウム溶液0.8gを加えるとき、液は、青色を呈する。

粘度 本品を振り混ぜて均一とした液270gにデカメチルシクロペンタシロキサン30gを加え、激しく振り混ぜて均一な分散液とし、試料溶液とする。試料溶液につき、粘度測定法第2法により試験を行うとき、1000~3000mPa・s(3号、12回転、1分間)である。

純度試験

(1) 重金属 本品を振り混ぜて均一とした液1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品を振り混ぜて均一とした液0.3gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。ただし、標準色の調製には、ヒ素標準液0.6mLをとる。

(3) 残留シランモノマー 本品を振り混ぜて均一とした液約1.0gを精密に量り、ヘキサンを加えて正確に10gとし、激しく振り混ぜて均一な分散液とし、試料溶液とする。別に、ジメチルジエトキシシラン1.0mL及びオクチルトリエトキシシラン1.0mLを正確にとり、ヘキサンを加えて正確に100mLとする。この液1.0mLを正確にとり、ヘキサンを加えて正確に100mLとし、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液1μLずつを正確にとり、次の試験条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行うとき、試料溶液から得たクロマトグラムには、標準溶液のジメチルジエトキシシラン及びオクチルトリエトキシシランに対応する保持時間にピークを認めない。

試験条件

検出器:水素炎イオン化検出器

カラム:内径3~4mm、長さ2~2.5mの管に、ガスクロマトグラフィー用

メチルシリコーンを180~250μmのガスクロマトグラフィー用ケイソウ土に5%の割合で被覆したものを充填する。

カラム温度:注入後、50℃を2分間保ち、その後、毎分6℃で200℃まで昇温する。

キャリヤーガス:窒素

流量:毎分40mLで、オクチルトリエトキシシランの保持時間が約20分になるように調整する。

システム適合性

検出の確認:検出感度は、標準溶液から得たオクチルトリエトキシシランのピーク高さが、フルスケールの5~10%となるように調整する。

システムの性能:標準溶液1μLにつき、上記の条件で試験するとき、ジメチルジエトキシシラン、オクチルトリエトキシシランの順に溶出し、その分離度は、20以上である。

システムの再現性:標準溶液1μLにつき、上記の条件で試験を6回繰り返すとき、ジメチルジエトキシシラン及びオクチルトリエトキシシランのピーク面積の相対標準偏差は、いずれも5.0%以下である。

水分 本品を振り混ぜて均一とした液の約80mgを精密に量り、水分定量法の直接滴定により測定するとき、その水分は23.0~27.0%である。ただし、カールフィッシャー用メタノールに代え、カールフィッシャー用メタノール/クロロホルム混液(2:1)を用いる。

試薬及び試液

ジメチルジエトキシシラン C6H16O2Si

性状:無色の液で、特異なにおいがある。

含量:98.0%以上

密度:0.782~0.902g/cm3

確認試験:赤外吸収スペクトル測定法のATR法により測定するとき、波数2972cm-1、1391cm-1、1256cm-1、1100~1000cm-1及び850~650cm-1付近に吸収を認める。

オクチルトリエトキシシランC14H32O3Si

性状:無色の液で、特異なにおいがある。

含量:88~99%

密度:0.819~0.939g/cm3

確認試験:赤外吸収スペクトル測定法のATR法により測定するとき、波数2925cm-1、1390cm-1、1100~1000cm-1及び850~650cm-1付近に吸収を認める。

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0003]

N,N―ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン

本品は、主としてN,N―ジメチルオクタデシロキシプロピルアミン(C23H49NO:355.64)からなる。

性状 本品は、無色~淡黄色又は白色の液~固体で、特異なにおいがある。

確認試験 本品を、赤外吸収スペクトル測定法の液膜法により測定するとき、波数2920cm-1、2850cm-1、1115cm-1、1040cm-1及び720cm-1付近に吸収を認める。

三級アミン価 本品約0.5gを精密に量り、無水酢酸/酢酸(100)混液(9:1)20mLを加えて溶かした後、時計皿でふたをして3時間放置する。次に酢酸(100)30mLを加え、0.1mol/L過塩素酸で滴定する(電位差滴定法)。同様の方法で空試験を行い補正する。三級アミン価は、134~150である。

三級アミン価={(A-B)×f×5.611}/C

A:試料の滴定に要した0.1mol/L過塩素酸の消費量(mL)

B:空試験の滴定に要した0.1mol/L過塩素酸の消費量(mL)

f:0.1mol/L過塩素酸のファクター

C:試料の量(g)

純度試験

(1) ステアリルアルコール 本品2.0gをとり、液体クロマトグラフィー用メタノールを加えて正確に100mLとする。この液2mLを正確にとり、液体クロマトグラフィー用メタノールを加えて正確に20mLとし、試料溶液とする。別にステアリルアルコール約0.1gを精密に量りとり、液体クロマトグラフィー用メタノールを加えて正確に100mLとする。この液6mLを正確にとり、液体クロマトグラフィー用メタノールを加えて正確に20mLとし、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液をそれぞれ20μL正確にとり、液体クロマトグラフィーにより試験を行い、それぞれのステアリルアルコールのピーク面積A及びBを測定する。次式により、ステアリルアルコールの量を求めるとき、5.0~15.0%である。

ステアリルアルコールの量(%)=(A/B)×3×(T/S)×100

S:試料の採取量(g)

T:ステアリルアルコールの採取量(g)

操作条件

検出器:示差屈折計

カラム:内径4.6mm、長さ150mmのステンレス管に、粒径5μmのオクタデシルシリル化シリカゲルを充填したカラム

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:液体クロマトグラフィー用トリフルオロ酢酸の液体クロマトグラフィー用メタノール溶液(1→1000)

流量:毎分1.0mL

(2) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(3) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

強熱残分 0.10%以下(第2法、10g)

試薬及び試液

ステアリルアルコール C18H38O、純度99.0%以上のもの。

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0006]

水酸化カリウム液(A)

本品は定量するとき、総アルカリ(KOHとして、KOH:56.11)46.0~50.0%を含む水溶液であり、このうち炭酸カリウム(K2CO3:138.21)は、1.0%以下である。

性状 本品は、無色透明の液である。

確認試験

(1) 本品の水溶液(1→250)は、強アルカリ性である。

(2) 本品の水溶液(1→10)は、カリウム塩の定性反応を呈する。

純度試験

(1) 塩化物 本品2.0gに水を加えて溶かし、100mLとする。この液25mLに希硝酸10mL及び水を加えて50mLとし、これを試料溶液として試験を行うとき、その限度は、0.05%以下である。ただし、比較液には、0.01mol/L塩酸0.7mLをとる。

(2) ナトリウム 本品1.0gに、水50mLを加えた液に白金線を浸し、その白金線を無色の炎中で熱するとき、黄色を呈しても持続しない。

(3) 重金属 本品2.0gを水4mLに加えて溶かし、希塩酸7mLを加え、水浴上で蒸発乾固する。残留物に水35mL及び希酢酸2mLを加えて溶かし、更に水を加えて50mLとし、これを試料溶液として第4法により操作し、試験を行うとき、その限度は、15ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液3.0mLをとる。

定量法 本品約4.0gを精密に量りとり、100g/L塩化バリウム溶液10mLを加え、1mol/L塩酸で滴定し、微紅色が消失する少し前に0.1mol/L塩酸で滴定し、微紅色が消失した点を終点とする(指示薬:フェノールフタレイン試液)。次に、0.1mol/L塩酸15mLを正確に加え、約5分間静かに煮沸する。0.1mol/L水酸化ナトリウム液で微紅色になるまで滴定する。

本品中の水酸化カリウムの量(%)

=(V1×f1+V2/10×f2)×1/1000×56.11×100/W

=(V1×f1+V2/10×f2)×5.611/W

V1:滴定に要した1mol/L塩酸の量(mL)

f1:1mol/L塩酸のファクター

V2:滴定に要した0.1mol/L塩酸の量(mL)

f2:0.1mol/L塩酸のファクター

W:試料の採取量(g)

56.11:水酸化カリウムの分子量

本品中の炭酸カリウムの量(%)

=(V3×f2-V4×f3)×1/1000×1/10×138.21/2×100/W

=(V3×f2-V4×f3)×1.3821/(2×W)

V3:0.1mol/L塩酸の添加量(mL)

f2:0.1mol/L塩酸のファクター

V4:逆滴定に要した0.1mol/L水酸化ナトリウム液の量(mL)

f3:0.1mol/L水酸化ナトリウム液のファクター

W:試料の採取量(g)

138.21:炭酸カリウムの分子量

試薬及び試液

フェノールフタレイン試液 フェノールフタレイン1.0gをエタノール(95)90mLに溶かし、水で100mLとする。

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0011]

水溶性コラーゲン(F)

本品は、タラの浮袋から水にて室温で抽出して得られる水溶性コラーゲンである。本品は定量するとき、窒素(N:14.01)として0.1~0.3%である。

性状 本品は、無色~淡黄褐色の粘性の液体で、特異なにおいである。

確認試験 本品1gに水酸化ナトリウム試液2mL及び硫酸銅(II)試液0.1mLを加えるとき、液は青紫~紫青色を呈する。

pH 3.0~6.0

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

強熱残分 0.4%以下(1g、第3法)

定量法 本品0.5gを正確にとり、窒素定量法(第1法)により試験を行う。

0.005mol/L硫酸 1mL=0.1401mgN

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0019]

水溶性プラセンタエキス

本品は、健康な豚 Sus scrofa Linn画像4 (1KB)別ウィンドウが開きます
 var. domesticus Gray (Suidae)の胎盤を凍結、融解後、血液等の不純物を洗浄、除去し、粥状胎盤となし、水溶性成分のみを減圧、低温下で抽出を行った後、更に遠心分離、無菌ろ過して得られた水溶性胎盤抽出液である。本品は定量するとき、0.025~0.12%の総窒素を含む。

性状 本品は、無色~淡黄色の液体で、わずかに特異なにおいがある。本品は、水に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくい。

確認試験

(1) 本品1mLにニンヒドリン試液1mLを加え、数分間煮沸するとき、液は青紫色を呈する。

(2) 本品1mLに水酸化ナトリウム試液2mL及び硫酸銅(II)五水和物溶液(1→100)数滴を加えて振り混ぜるとき、液は赤紫~青紫色を呈する。

(3) 本品2mLに硝酸2mLを加え、1分間煮沸し、冷後、アルカリ性になるまで水酸化ナトリウム試液を加えるとき、液は黄色を呈する。

pH 5.5~7.5

純度試験

(1) 異物 本品を検鏡するとき、血球、細胞屑等の異物を認めない。

(2) 塩化物 本品1.0gをとり、水を加えて100mLとする。この液25mLをとり希硝酸6mL及び水を加えて50mLとし、これを試料溶液として試験を行うとき、その限度は、0.099%以下である。ただし、比較液には0.01mol/L塩酸0.7mLをとる。

(3) 硫酸塩 本品1.0gをとり、硫酸塩試験法により試験を行うとき、その限度は、0.022%以下である。ただし、比較液には0.005mol/L硫酸0.45mLをとる。

(4) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(5) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

(6) ホルモン 本品50mLを分液漏斗にとり、ジエチルエーテル25mLずつで3回抽出する。全ジエチルエーテル層を合わせて、水10mLずつで2回洗う。ジエチルエーテル抽出液に無水硫酸ナトリウム5gを加えて20分間放置した後、脱脂綿を用いてろ過し、ジエチルエーテルで洗い、ろ液及び洗液を合わせて減圧乾固する。残留物にエタノール(95)2mLを加えて溶かし、試料溶液とする。別に、エストロン、エストラジオール及びプロゲステロンをデシケーター(減圧、酸化リン(Ⅴ))で4時間乾燥し、エストロン、17β―エストラジオール約20mg及びプロゲステロン約10mgをそれぞれ精密に量り、全てを合わせてエタノール(95)を加えて溶かし、正確に250mLとし標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液5μLにつき、次の条件で液体クロマトグラフィーにより試験を行うとき、試料溶液のクロマトグラムには標準溶液と同一保持時間に相当するピークは認めない。

操作条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:270nm)

カラム:内径4.6mm、長さ15cmのステンレス管にオクタデシルシリル化シリカゲルを充填する。

カラム温度:50℃付近の一定温度

移動相:メタノール/水混液(27:23)

流量:エストラジオールの保持時間が約13分になるように調整する。

カラムの選定:パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル及びパラオキシ安息香酸ブチルのそれぞれ10mgにメタノールを加えて溶かし100mLとする。この液5μLにつき、上記の条件で操作するときパラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル及びパラオキシ安息香酸ブチルの順に溶出し、標準溶液5μLにつき、上記の条件で操作するとき、エストロン、エストラジオール、及びプロゲステロンが完全に分離するものを用いる。

検出感度:エストラジオールのピークの高さがフルスケールの30~50%になるように調整する。

蒸発残留物 本品約1mLを精密に量り白金るつぼにとり、水浴上で蒸発乾固させる。更に105℃で4時間乾燥するとき、残留物は2~12mgである。

強熱残分 1.0%以下(第1法、2g)

定量法 本品につき、窒素定量法(第1法)により試験を行う。

0.005mol/L硫酸 1mL=0.1401mgN

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

防腐剤「パラオキシ安息香酸メチル」0.15%

[IB―0020]

疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース

本品は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのステアリルオキシヒドロキシプロピルエーテルである。本品は、その動粘度を平方ミリメートル毎秒(mm2/s)の単位で表示する。

本品を乾燥したものは定量するとき、メトキシル基(OCH3:31.03)21.5~30.0%、ヒドロキシプロポキシル基(OC3H6OH:75.09)7.0~11.0%及びステアリルオキシヒドロキシプロポキシル基(OC3H5(OH)OC18H37:343.56)0.3~4.5%を含む。

性状 本品は、白色~帯黄白色の粉末又は粒で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがあり、味はない。本品は、熱湯、エタノール(99.5)、ジエチルエーテル又はアセトンにほとんど溶けない。本品に水又は水/2―プロパノール混液(3:2)を加えるとき、澄明又はわずかに混濁した粘稠性のある液となる。

確認試験

(1) 本品10mgに水1mL及びアントロン試液2mLを加えて振り混ぜるとき、液は緑色を呈し、徐々に暗緑色から暗緑褐色に変わる。

(2) 本品1gに熱湯100mLを加え、かき混ぜながら室温に冷却した液を試料溶液とする。試料溶液0.1mLに薄めた硫酸(9→10)9mLを加えて振り混ぜ、水浴中で正確に3分間加熱した後、直ちに氷水浴中で冷却し、ニンヒドリン試液0.6mLを注意して加え、振り混ぜて、25℃で放置するとき、液は初め紅色を呈し、更に100分間以内に紫色に変わる。

(3) 本品5mgを小試験管にとり、25%含水過酸化ベンゾイルのアセトン溶液(1→10)2滴を加え、水浴上で蒸発乾固し、下端にクロモトロープ酸試液をつけたガラス棒をその小試験管にコルク栓で固定し、125℃の浴中で5~6分間加熱するとき、クロモトロープ酸試液は赤紫色を呈する。

(4) 定量法で示す条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行うとき、試料溶液から得たピークの保持時間は約12分であり、標準溶液から得たピークの保持時間に等しい。

粘度 本品の換算した乾燥物1.000gに対応する量を正確に量り、85℃の水100mLを加え、かき混ぜ機を用いて10分間かき混ぜる。更に40分間氷水中でかき混ぜた後、水を加えて120.0gとする。更に2―プロパノールを加えて200.0gとし、かき混ぜ機を用いて20分間かき混ぜる。必要ならば遠心分離して泡を除き、25℃で日局一般試験法粘度測定法第1法により試験を行うとき、本品の粘度は表示単位の80~120%である。

pH 本品0.5gに熱湯100mLを加え、振り混ぜて溶解又は混濁し、冷却した液のpHは、5.5~7.5である。

純度試験

(1) 塩化物 本品1.0gに熱湯30mLを加えてよくかき混ぜ、水浴上で10分間加熱した後、熱時傾斜してろ過し、残留物を熱湯でよく洗い、洗液をろ液に合わせ、冷後、水を加えて100mLとする。この液5mLに希硝酸6mL及び水を加えて50mLとする。これを検液とし、試験を行う。比較液には0.01mol/L塩酸0.4mLを加える(0.284%以下)。

(2) 重金属 本品2.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、10ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(3) ジエチルエーテル抽出物 本品約8gを精密に量り、ソックスレー抽出器に入れ、ジエチルエーテル100mLを加え、水浴上で3時間抽出する。抽出物を質量既知のビーカーに移し、ジエチルエーテルを水浴上で蒸発乾固し、更に100℃で恒量になるまで乾燥する。冷後、全質量を測定し、次式により、ジエチルエーテル抽出物を算出する(0.2%以下)。

ジエチルエーテル抽出物(%)

=(ビーカーの全質量(g)-ビーカーの空質量(g))/試料の量(g)×100

乾燥減量 5.0%以下(1g、105℃、2時間)

強熱残分 0.10%以下(1.0g)

定量法

(1) メトキシル基及びヒドロキシプロポキシル基

1) 装置 分解瓶:5mLのガラス製耐圧ねじ口瓶で、底部の内側が円すい状となっており、外径20mm、首部までの高さが50mm、高さ約30mmまでの容積が2mLで、栓は耐熱性樹脂製、内栓又はシールはフッ素樹脂製のもの。

加熱器:厚さ60~80mmの角形金属アルミニウム製ブロックに直径20.6mm、深さ32mmの穴をあけたもので、ブロック内部の温度を±1℃の範囲で調節できる構造を有するもの。

2) 操作方法 本品を乾燥し、その約65mgを精密に量り、分解瓶に入れ、アジピン酸65mg、内標準溶液2.0mL及びヨウ化水素酸2.0mLを加え、密栓し、その質量を精密に量る。分解瓶を30秒間振り混ぜた後、加熱器を用い150℃で、5分ごとに振り混ぜながら、30分間加熱し、更に30分間加熱を続ける。冷後、その質量を精密に量り、減量が10mg以下のものの上層を試料溶液とする。別にアジピン酸65mg、内標準溶液2.0mL及びヨウ化水素酸2.0mLを分解瓶にとり、密栓し、その質量を精密に量り、定量用ヨウ化イソプロピル15μLを加え、その質量を精密に量り、同様にして定量用ヨードメタン45μLを加え、その質量を精密に量る。分解瓶を30秒間振り混ぜた後、上層を標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液2μLにつき、次の条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液の内標準物質のピーク面積に対するヨードメタン及びヨウ化イソプロピルのピーク面積の比QTa及びQTb並びに標準溶液の内標準物質のピーク面積に対するヨードメタン及びヨウ化イソプロピルのピーク面積の比QSa及びQSbを求める。

メトキシル基(CH3O)の量(%)

=QTa/QSa×WSa/試料の量(mg)×21.864

ヒドロキシプロポキシル基(C3H7O2)の量(%)

=QTb/QSb×WSb/試料の量(mg)×44.17

WSa:標準溶液中のヨードメタンの量(mg)

WSb:標準溶液中のヨウ化イソプロピルの量(mg)

内標準溶液 n―オクタンのo―キシレン溶液(1→25)

試験条件

検出器:熱伝導度型検出器又は水素炎イオン化検出器

カラム:内径3mm、長さ3mのガラス管に、ガスクロマトグラフィー用メチルシリコーンポリマーを180~250μmのガスクロマトグラフィー用ケイソウ土に20%の割合で被覆させたものを充填する。

カラム温度:100℃付近の一定温度

キャリヤーガス:ヘリウム

流量:内標準物質の保持時間が約10分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液2μLにつき、上記の条件で操作するとき、ヨードメタン、ヨウ化イソプロピル、内標準物質の順に検出し、その分離度は2.0以上である。

(2) ステアリルオキシヒドロキシプロポキシル基

1) 装置 分解瓶及び加熱器:「メトキシル基及びヒドロキシプロポキシル基」の定量法と同様のものを用いる。

2) 操作方法 本品を乾燥し、その約65mgを精密に量り、分解瓶に入れ、ヨウ化水素酸2.0mLを加え、密栓し、その質量を精密に量る。加熱器を用い150℃で、5分ごとに振り混ぜながら、20分間加熱する。冷後、その質量を精密に量り、減量が10mg以下のものに内標準溶液2.0mLを加え、分解瓶を30秒間振り混ぜた後、上層を試料溶液とする。別に1―ヨウ化オクタデカン約15mgを精密に量り、内標準溶液を加えて100mLとし、標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液2μLにつき、次の条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液の内標準物質のピーク面積に対する1―ヨウ化オクタデカンのピーク面積の比QTc及びQScを求める。

ステアリルオキシヒドロキシプロポキシル基(C21H43O3)の量(%)=QTc/QSc×WSc/試料の量(mg)×1/50×90.32

WSc:標準溶液中の1―ヨウ化オクタデカンの量(mg)

内標準溶液 ステアリン酸メチルのo―キシレン溶液(1→2000)

試験条件

検出器:熱伝導度型検出器又は水素炎イオン化検出器

カラム:内径0.53mm、長さ15mのキャピラリーカラムに、ガスクロマトグラフィー用メチルシリコーンポリマーを被覆する。

カラム温度:210℃付近の一定温度

キャリヤーガス:ヘリウム

流量:内標準物質の保持時間が約7.5分になるように調整する。

システム適合性

システムの性能:標準溶液2μLにつき、上記の条件で試験するとき、内標準物質、1―ヨウ化オクタデカンの順に検出し、その分離度は2.0以上である。

試薬及び試液

1―ヨウ化オクタデカン 試薬95.0%以上を含むもの。

ステアリン酸メチル ガスクロマトグラフィー用 99.0%以上を含むもの。

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、日局の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0001]

炭酸ジカプリリル

本品は定量するとき、炭酸ジカプリリル(C17H34O3:286)96.0%以上を含む。

性状 本品は、無色~淡黄色の透明な油液で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験 本品につき、赤外吸収スペクトル測定法の液膜法により測定するとき、波数2920cm-1、2850cm-1、1750cm-1、1470cm-1及び1260cm-1付近に吸収を認める。

比重 画像5 (1KB)別ウィンドウが開きます
:0.880~0.900(第1法)

屈折率 画像6 (1KB)別ウィンドウが開きます
:1.434~1.438

酸価 1以下(第1法、3g)

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

強熱残分 0.5%以下(第1法、3g)

定量法 本品0.5gを秤量し、ヘキサンを加えて全量を10mLとし試料溶液とし、ガスクロマトグラフィー第3法面積百分率法により試験を行う。(主成分のピーク:8.5分付近)

測定条件

検出器:水素炎イオン化検出器

カラム:ジメチルシリコーンガム

カラム温度:150―290℃(昇温条件:5℃/分)

注入口温度:320℃

キャリヤーガス:窒素

流量:毎分35mL

注入量:1μL

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0004]

チューベロースポリサッカライド液―BG

本品は、チューベロース Polianthes tuberose Linn画像7 (1KB)別ウィンドウが開きます
のカルスを培養することによって得られる主としてポリサッカライドの水溶液である。このポリサッカライドは、グルクロン酸、マンノース、アラビノース、ガラクトース、キシロースよりなる。本品は定量するとき、グルクロン酸(C6H10O7:194.14)として0.25~0.33%を含む。

性状 本品は、無色~淡黄色の澄明又は半澄明の液で、わずかに特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品0.5gをとり、100℃で加温しながら窒素ガスを吹き付けて、溶媒を除去した後、水で20mLとする。この溶液1mLに硫酸6mLを加え、沸騰水浴中で20分間加熱し、冷後、カルバゾール試液0.2mLを加えて室温に放置するとき、液は、赤紫色を呈する。

(2) 本品の水溶液(1→10)10mLに塩化セチルピリジニウム溶液(1→20)3滴を加えるとき、白色の沈殿を生じる。

(3) 本品約1.5gをとり、6mol/Lトリフルオロ酢酸溶液3.0mLを加えて125℃で密封容器中で2時間加熱する。冷後、60℃の水浴上で1時間窒素ガスを吹き付けて溶媒を留去させ、これに水3mLを加えて溶かし、試料溶液とする。試料溶液10μLにつき、次の条件で、液体クロマトグラフィーにより試験を行うとき、マンノース・アラビノース・ガラクトース・キシロース標準混合液のピークと同一の保持時間を有するピークを認める。

試験条件

検出器:蛍光光度計(励起波長:342nm、蛍光波長:432nm)

カラム:内径4~8mm、長さ100~300mmのステンレス管に平均粒径4~10μmの液体クロマトグラフィー用スチレンジビニルベンゼン共重合体に第四級アンモニウム基を導入したポーラスポリマーを充填する。

カラム温度:78℃付近の一定温度

移動相:2.6w/v% ホウ酸―エタノールアミン混液

流量:毎分1.0mL

反応槽温度:140℃付近の一定温度

反応コイル:内径0.5mm、長さ20mのステンレス管

(4) 本品を乾燥したものにつき、赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき、波数3500~3400cm-1、2925cm-1、1739cm-1及び1160~1040cm-1付近に吸収を認める。

pH 本品2.0gに新たに煮沸し冷却した水20mLを加え振り混ぜた液のpHは、5.0~7.0である。

純度試験

(1) たん白質 本品約0.7gを精密に量り、水を加えて正確に25mLとする。この溶液を正確に4mLとり、色素溶液1mLを加えて混和し、室温に5分間放置し、試料溶液とする。別に、水4mLをとり、同様に操作したものを対照液として、波長595nmにおける吸光度を測定するとき、比較液を同様に処理して得られる吸光度よりも小さい。その限度は、0.02%以下である。測定は、調製後1時間以内に行う。

(2) 2,4―ジクロロフェノキシ酢酸及びα―ナフチル酢酸 本品約5gを精密に量り、メタノールを加えて正確に25mLとする。この溶液を0.2μmのフィルターを用いてろ過した後、そのろ液2.5mLを正確にとり、溶媒を留去する。これに移動相0.50mLを正確に加えて溶かし、試料溶液とする。試料溶液40μLにつき、次の条件で、液体クロマトグラフィーにより試験を行うとき、認められるピークの面積は、2,4―ジクロロフェノキシ酢酸及びα―ナフチル酢酸標準溶液のピーク面積よりも小さい。2,4―ジクロロフェノキシ酢酸及びα―ナフチル酢酸の限度は、それぞれ0.2ppm以下及び0.1ppm以下である。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:285nm)

カラム:内径4~6mm、長さ100~300mmのステンレス管に平均粒径3~7μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填する。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:水/アセトニトリル混液(63:37)に、0.1w/v%になるように、リン酸を加える。

流量:毎分1.0mL

(3) 6―ベンジルアミノプリン 本品約5gを精密に量り、メタノールを加えて正確に25mLとする。この溶液を0.2μmのフィルターを用いてろ過した後、そのろ液2.5mLを正確にとり、溶媒を留去する。これに移動相0.50mLを正確に加えて溶かし、試料溶液とする。試料溶液40μLにつき、次の条件で、液体クロマトグラフィーにより試験を行うとき、認められるピークの面積は、6―ベンジルアミノプリン標準溶液のピーク面積よりも小さい。6―ベンジルアミノプリンの限度は、0.1ppm以下である。

試験条件

検出器:紫外吸光光度計(測定波長:270nm)

カラム:内径4~6mm、長さ100~300mmのステンレス管に平均粒径3~7μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填する。

カラム温度:40℃付近の一定温度

移動相:水/メタノール混液(13:7)に、過塩素酸ナトリウム及びリン酸を各々0.1mol/L、0.1w/v%になるように加える。

流量:毎分1.0mL

(4) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(5) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

乾燥減量 98.3~99.1%(5g、105℃、6時間)

極限粘度 本品約4.0g、3.0g、2.0g及び1.0gを精密に量り、0.5mol/L塩化ナトリウム試液4mLを加えた後、水を加えて正確に20mLとし、試料溶液とする。試料溶液及び0.1mol/L塩化ナトリウム試液について、25±0.1℃で粘度測定法(第1法)により粘度を測定した後、次式により相対粘度、比粘度及び還元粘度を求める。

相対粘度=試料溶液の粘度/0.1mol/L塩化ナトリウム試液の粘度

比粘度=相対粘度-1

還元粘度(mL/g)=比粘度/ポリサッカライドの濃度(g/mL)

下式によりポリサッカライドの濃度(g/mL)を求める。

ポリサッカライドの濃度(g/mL)

={試料の採取量(g)×(1-乾燥減量/100)}/試料溶液の容量(20mL)

還元粘度を縦軸に、対応する比粘度を横軸にとり各点を結ぶ線を外挿し、縦軸の値を極限粘度として求めるとき、900~1300mL/gである。

定量法 本品約0.5gを精密に量り、100℃で加温しながら窒素ガスを吹き付けて、溶媒を除去した後、水を加えて正確に20mLとし、試料溶液とする。この溶液1mLをネジ付試験管に正確にとり、これに流水で冷やしながら硫酸6mLを加え、沸騰水浴中で20分間加熱した後、流水で冷やす。これにカルバゾール試液0.2mLを正確に加えてよく混合し、室温で2時間放置する。別に、水1mLを正確にとり、同様に操作したものを対照液として、波長530nmにおける吸光度を測定し、検量線よりD―グルクロン酸ラクトン量を求め、次式によりグルクロン酸含量を計算する。吸光度は、室温で2時間放置後、1時間以内に測定する。

グルクロン酸含量(%)={(A×0.000001×20)/S}×1.102×100

={A/(S×500)}×1.102

A:検量線から求めた試料溶液中のグルクロン酸ラクトンの濃度(μg/mL)

S:試料の採取量(g)

1.102:グルクロン酸ラクトンからグルクロン酸への換算係数

検量線の作成

グルクロン酸ラクトン約0.1gを精密に量り、水を加えて溶かし正確に100mLとする。この液1mL、2mL、4mL、6mL及び8mLを正確にとり、水を加えて正確に100mLとする。この溶液を各々1mLとり、試料溶液と同様の操作を行った後、波長530nmにおける吸光度を測定し、得られた吸光度と濃度(μg/mL)から検量線を作成する。

試薬及び試液

カルバゾール試液 カルバゾール0.1gをエタノール(99.5)に溶かし、100mLとする。用時調製する。

6mol/Lトリフルオロ酢酸試液 トリフルオロ酢酸13.7gをとり、水を加えて20mLとする。

マンノース・アラビノース・ガラクトース・キシロース標準混合液 D(+)―マンノース、L(+)―アラビノース、ガラクトース及びD(+)―キシロースを各々0.1g量りとり、水を加えて溶かし、100mLとした後、この液20mLをとり、水を加えて100mLとする。

2.6w/v% ホウ酸―エタノールアミン混液 ホウ酸6.5g及びモノエタノールアミン6.5gをとり、水500mLに溶かす。

色素溶液 Coomassie Brilliant Blue G―250溶液 Bio―Rad Protein Assay KitのDye Reagent Concentrateをそのまま用いる。

比較液 ウシ血清アルブミン標準品(Bio―Rad Protein Assay KitのProtein Standard Ⅱ)全量に水20.0mLを正確に加えて溶かす(0.14%溶液)。この液1.0mLを正確にとり、水を加えて正確に250mLとし、5.6ppm溶液を調製する。この液4mLを正確にとり、色素溶液1.0mLを加えて混和し、室温に5分間放置し、比較溶液とする。

2,4―ジクロロフェノキシ酢酸及びα―ナフチル酢酸標準試液2,4―ジクロロフェノキシ酢酸(市販試薬残留農薬試験用)約0.1g及びα―ナフチル酢酸(市販試薬)約50mgを精密に量り、メタノールを加えて溶かし、正確に200mLとする。この液2mLを正確にとり、移動相を加えて正確に100mLとする。更に、この液2mLを正確にとり、移動相を加えて正確に100mLとし、この液40μLを液体クロマトグラフィーに注入する。

6―ベンジルアミノプリン標準試液 6―ベンジルアミノプリン(市販試薬生化学用)約50mgを精密に量り、移動相を加えて溶かし、正確に200mLとする。この液2mLを正確にとり、移動相を加えて正確に100mLとする。更に、この液2mLを正確にとり、移動相を加えて正確に100mLとし、この液40μLを液体クロマトグラフィーに注入する。

過塩素酸ナトリウム 日局試薬

グルクロン酸ラクトン 試薬特級

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

本品は、安定剤として「1,3―ブチレングリコール」15%を含む。

[IB―0025]

トリ(カプリル・カプリン酸)トリメチロールプロパン

本品は、トリメチロールプロパンとカプリル酸とカプリン酸の混合脂肪酸により合成されたトリエステルで、主としてトリ(カプリル・カプリン酸)トリメチロールプロパンからなる。

性状 本品は、無色~微黄色の油液で、においはほとんどない。

確認試験

(1) 本品5gに水酸化カリウム・エタノール試液50mLを加え、還流冷却器を付けて水浴上で2時間加温する。冷後、水50mLを加え、分液漏斗に移し、塩酸を加えて酸性とし、ジエチルエーテル20mLずつで3回よく振り混ぜて抽出する。ジエチルエーテル層に無水硫酸ナトリウム5gを加え、20分間放置した後、ろ過し、ろ液よりジエチルエーテルを留去する。残留物0.1gに三フッ化ホウ素・メタノール試液3mLを加え、水浴上で2分間煮沸させ、メチルエステル化させた後、ジエチルエーテル30mLを加えて分液漏斗に移し、水20mLを加えて振り混ぜる。ジエチルエーテル層を分取し、無水硫酸ナトリウム3gを加え、20分間放置した後、ろ過し、ろ液よりジエチルエーテルを留去する。残留物にヘキサン5mLを加えて溶かし、試料溶液とする。別にガスクロマトグラフィー用カプリル酸及びカプリン酸を各々50mgとり三フッ化ホウ素・メタノール試薬3mLに溶かす。以下試料溶液の調製と同様に操作して得たメチルエステル化物のヘキサン溶液をガスクロマトグラフィー用カプリル酸・カプリン酸標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液各5μLにつき、次の操作条件で、ガスクロマトグラフィーによって試験を行うとき、溶媒ピークを除き、試料溶液の主なピークは、標準溶液の主なピークと一致する。

操作条件

検出器:水素炎イオン化検出器

カラム:内径3~4mm、長さ1mの管にガスクロマトグラフィー用メチルシリコーンを149~177μmのガスクロマトグラフィー用ケイソウ土に15%の割合で被覆したものを充填する。

カラム温度:120℃付近の一定温度

キャリヤーガス:窒素

流量:毎分約40mL

(2) 本品につき、赤外吸収スペクトル測定法の液膜法により測定するとき、波数2925cm-1、1745cm-1、1465cm-1及び1160cm-1付近に吸収を認める。

比重 画像8 (1KB)別ウィンドウが開きます
:0.940~0.952(第1法、A)

屈折率 画像9 (1KB)別ウィンドウが開きます
:1.450~1.456

酸価 0.1以下(第1法、20g)

けん化価 300~330

ヨウ素価 1以下

水酸基価 3以下

水分 0.1%以下(2g)

強熱残分 0.1%以下(第2法、5g)

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0012]

ヒドロキシプロピル―β―シクロデキストリン

本品は、β―シクロデキストリンのヒドロキシプロピルエーテルである。本品を乾燥したものは、定量するとき、ヒドロキシプロポキシル基(OC3H6OH:75.09)18.0~35.0%を含む。

性状 本品は、白色の粉末で、においはない。

確認試験

(1) 本品0.1gに水10mLを加えて溶かし、試料溶液とする。試料溶液2mLを試験管にとり、アントロン試液1mLを静かに管壁に沿って層積するとき、その界面は、青緑色を呈する。

(2) 本品1gに水10mLを加えて溶かすとき、液は、無色澄明である。

(3) (1)の試料溶液0.1mLに薄めた硫酸(9→10)9mLを加え、水浴中で3分間加熱した後、直ちに氷水浴中で冷却する。次いでニンヒドリン試液0.6mLを注意して加え、振り混ぜた後、25℃で約1分間放置するとき、液は、紅色を呈し、更に20分間以内に紫色に変わる。

(4) 本品0.2gに酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液10mLを加えて溶かし、試料溶液とする。試料溶液2mLにグルコアミラーゼ試液1mLを加えて振り混ぜ、50℃で1時間加温する。次いで水浴中で10分間加熱した後、これをろ過する。ろ液にフェーリング試液2mLを加え、3分間水浴中で加熱するとき、赤褐色の沈殿を生じない。

(5) 本品を乾燥し、赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法により測定するとき、波数3400cm-1、2970cm-1、2930cm-1、1160cm-1、1030cm-1、940cm-1、845cm-1及び755cm-1付近に吸収を認める。

純度試験

(1) 液性 本品0.6gに水30mLを加えて溶かした液は、中性である。

(2) 溶状 本品0.2gにメタノール20mLを加えて溶かすとき、液は、無色澄明である。

(3) 塩化物 本品1.0gをとり、試験を行うとき、その限度は、0.018%である。ただし、比較液には、0.01mol/L塩酸0.50mLをとる。

(4) 重金属 本品1.0gをとり、第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(5) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

(6) 還元性物質 本品を乾燥し、その1.0gを正確にとり、水25mLを加えて溶かし、フェーリング試液40mLを加え、3分間穏やかに加熱する。冷後、沈殿がなるべくフラスコ内に残るように注意しながら上澄液をガラスろ過器(G4)を用いてろ過し、沈殿を温湯で洗液がアルカリ性を呈しなくなるまで洗い、洗液は先のガラスろ過器を用いてろ過する。フラスコ内の沈殿に硫酸鉄(Ⅲ)試液20mLを加えて溶かし、これを先のガラスろ過器を用いてろ過した後、水洗し、ろ液及び洗液を合わせ、80℃に加熱し、0.02mol/L過マンガン酸カリウム液で滴定するとき、その消費量は、3.2mL以下である。

乾燥減量 8.0%以下(1g、105℃、6時間)

強熱残分 0.10%以下(第1法、1g)

定量法 本品を乾燥し、その約65mgを精密に量り、分解瓶に入れ、アジピン酸65mg、内標準溶液2.0mL及びヨウ化水素酸2.0mLを加え、密栓し、その質量を精密に量る。分解瓶を30秒間振り混ぜた後、加熱器を用い150℃で5分ごとに振り混ぜながら、30分間加熱し、更に30分間加熱を続ける。冷後、その質量を精密に量り、減量が10mg以下のものの上層を試料溶液とする。別にアジピン酸65mg、内標準溶液2.0mL及びヨウ化水素酸2.0mLずつを分解瓶にとり、密栓し、その質量を精密に量る。各々の分解瓶に定量用ヨウ化イソプロピル15、30及び45μLをそれぞれ加え、その質量を精密に量る。分解瓶を30秒間振り混ぜた後、上層を標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液各1μLをとり、次の操作条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行い、得られたクロマトグラムのピーク面積比を求める。標準溶液のピーク面積比を縦軸に、質量比を横軸にとり作成した検量線から試料溶液中の質量比を求め、次式を用いてヒドロキシプロポキシル基の量(%)を求める。

ヒドロキシプロポキシル基(C3H7O2)の量(%)=A×B×0.4417×100/試料採取量(mg)

A:検量線から求めた質量比

B:内標準物質の添加量(mg)

0.4417=[ヒドロキシプロポキシル基の分子量(75.09)]/[ヨウ化イソプロピルの分子量(169.99)]

内標準溶液:n―オクタン約0.7gを精密に量り、o―キシレンを加え、正確に50mLとする。

操作条件

検出器:水素炎イオン化検出器

カラム:内径3mm、長さ3mの管にジメチルシリコーンを80~100μmのガスクロマトグラフィー用ケイソウ土に被覆処理したものを充填する。

カラム温度:100℃付近の一定温度

キャリヤーガス:窒素

流量:内標準物質の保持時間が約3分になるように調整する。

試薬及び試液

酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液 酢酸(100)1.51gに水を加えて500mLとした酢酸溶液と酢酸ナトリウム4.02gに水を加えて溶かし、500mLとした酢酸ナトリウム溶液とを混合し、pH5.0に調整する。

グルコアミラーゼ試液 グルコアミラーゼ0.1gに水10mLを加えて溶かす。なお、グルコアミラーゼは、可溶性デンプン0.2gをとり、確認試験(4)の試験法で試験したとき、赤褐色の沈殿を生じるものを用いる。

アジピン酸 HOOC(CH2)4COOH、特級

定量用ヨウ化イソプロピル ヨウ化イソプロピル(CH3)2CHI、特級

備考 本規格及び試験方法は、別に規定するもののほか、外原規の通則及び一般試験法を準用する。

[IB―0008]

ピンピネラサキシフレイジエキス

本品は、ピンピネラ サキシフラガ Pimpinella saxifraga Linn画像10 (1KB)別ウィンドウが開きます
(Umbelliferae)の地上部から、水、「1,3―ブチレングリコール」の混液で抽出して得られる浸出液であり、本品は定量するとき、没食子酸(C7H6O5・H2O:188.13)を0.1~0.2%含む。

製法 粉砕したピンピネラ サキシフラガ Pimpinella saxifraga Linn画像11 (1KB)別ウィンドウが開きます
(Umbelliferae)の地上部を60℃で12時間乾燥した後に粉砕し、この粉砕物10kgに「1,3―ブチレングリコール」の水溶液(1→2)90kgを加え、室温で2週間放置して浸出液をとる。沈殿物をろ過し、得られた浸出液を4℃で7時間冷却した後、再度沈殿物をろ過してピンピネラサキシフレイジエキス約80kgを得る。

性状 本品は、淡褐色~褐色の液体で、特異なにおいがある。

確認試験

(1) 本品1mLにエタノール(95)25mLを加え、よく振り混ぜた後、塩化鉄(Ⅲ)試液1~2滴を加えるとき、液は緑色~暗緑色を呈する。

(2) 本品1.0gを秤量瓶に量りとり、105℃で24時間乾燥した後、蒸発残留物に水10mLを加え攪拌し、10秒間静置した液1mLをとり、これに1―ナフトールのエタノール(95)溶液(1→20)2~3滴を加えてよく振り混ぜる。次に硫酸1~2mLを穏やかに加えるとき、液の接界面は赤紫色を呈する。

pH 本品のpHは、5.0~7.0である。

純度試験

(1) 重金属 本品1.0gを試料溶液として第2法により操作し、試験を行うとき、その限度は、20ppm以下である。ただし、比較液には鉛標準液2.0mLをとる。

(2) ヒ素 本品1.0gをとり、第3法により試料溶液を調製し、試験を行うとき、その限度は、2ppm以下である。

蒸発残分 0.8~1.2%(1g、105℃、24時間)

定量法 本品約5.0gを精密に量り、水を加えて溶解し、全量を正確に250mLとして試料溶液とする。別に「没食子酸」約25mgを精密に量り、薄めたエタノール(99.5)(1→2)を加えて溶解し、正確に500mLとし、50mg/L没食子酸標準液とする。50mg/L没食子酸標準液50mLを正確に量り、薄めたエタノール(99.5)(1→2)を加えて正確に100mLとし、25mg/L没食子酸標準液とする。試料溶液並びに25mg/L及び50mg/L没食子酸標準液1mLを正確に量り、水16mLを正確に加え、更にフォリン―デニス試薬1mLを正確に加えて攪拌し、飽和炭酸ナトリウム水溶液2mLを正確に加えて室温で30分間静置した後に、分光光度計を用い波長700nmで吸光度を測定する。同様の方法で空試験を行い、補正する。没食子酸濃度に対して標準液の補正値をプロットして検量線を作成する。次に試料溶液の補正値から検量線を用いて試料溶液の没食子酸濃度a(mg/L)を求める。

没食子酸(C7H6O5・H2O)の量(%)=(a×250)/1000×1/(b×1000)×100

a:検量線より求めた試料溶液の没食子酸濃度(mg/L)