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○カバジタキセル アセトン付加物製剤の使用に当たっての留意事項について

(平成26年7月4日)

(薬食審査発0704第1号)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)

(公印省略)

カバジタキセル アセトン付加物製剤(販売名:ジェブタナ点滴静注60mg)。(以下「本剤」という。)については、本日、「前立腺癌」を効能又は効果として承認したところですが、本剤については、死亡転帰を含む重篤な骨髄抑制等の副作用が報告されていること等から、その使用に当たっては、特に下記の点について留意されるよう、貴管下の医療機関に対する周知をお願いします。

1.本剤の適正使用について

(1) 本剤については、承認に際し、製造販売業者による全症例を対象とした使用成績調査をその条件として付したこと。

【承認条件】

国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

(2) 本剤の警告、効能又は効果、並びに用法及び用量は以下のとおりであるので、特段の留意をお願いすること。なお、その他の使用上の注意については、別添の添付文書を参照されたいこと。

【警告】

好中球減少症、発熱性好中球減少症、貧血等の重篤な骨髄抑制があらわれ、その結果重症感染症等により死亡に至る例が報告されている。本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、下記の患者には投与しない等、適応患者の選択を慎重に行うこと。

・重篤な骨髄抑制のある患者

・感染症を合併している患者

・発熱を有し、感染症の疑われる患者

・肝機能障害を有する患者

治療の開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

【効能又は効果】

前立腺癌

(効能又は効果に関連する使用上の注意)

1.本剤は外科的又は内科的去勢術を行い、進行又は再発が確認された患者を対象とすること。

2.本剤の化学療法未治療の前立腺癌における有効性及び安全性は確立していない。

3.【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと。

【用法及び用量】

1.プレドニゾロンの投与に際しては、【臨床成績】の項の内容を熟知し、投与すること。

2.本薬の投与時には、添付溶解液全量に溶解して10mg/mLの濃度とした後、最終濃度が0.10~0.26mg/mLとなるよう必要量を注射筒で抜き取り、直ちに生理食塩液又は5%ブドウ糖液と混和し、1時間以上かけて点滴静注すること。

3.本薬投与時にあらわれることがある過敏反応を軽減させるために、本薬投与の30分前までに、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤、H2受容体拮抗剤等の前投与を行うこと。

4.他の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。

5.減量・休薬・中止基準 本薬投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本薬を減量又は休薬すること。減量後もこれらの副作用があらわれる場合は投与中止を考慮すること。

副作用(GradeはNCI―CTCAEによる)

処置

適切な治療にも関わらず持続するGrade3以上の好中球減少症(1週間以上)

好中球数が1,500/mm3を超えるまで休薬し、その後、用量を20mg/m2に減量して投与を再開する。

発熱性好中球減少症又は好中球減少性感染

症状が回復又は改善し、好中球数が1,500/mm3を超えるまで休薬し、その後、用量を20mg/m2に減量して投与を再開する。

Grade3以上の下痢、又は水分・電解質補給等の適切な治療にも関わらず持続する下痢

症状が回復又は改善するまで休薬し、その後、用量を20mg/m2に減量して投与を再開する。

Grade3以上の末梢性ニューロパチー

投与を中止する。

Grade2の末梢性ニューロパチー

用量を20mg/m2に減量する。

2.医療機関における適正使用に関する周知事項について

本剤については、薬事法(昭和35年法律第145号)第79条に基づき、承認取得者である製造販売業者に対し、「製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施する」よう義務付けたので、その調査の実施にご協力願いたいこと。