アクセシビリティ閲覧支援ツール

④当該医療機関の施設内に設置された店舗等

病院又は診療所内の売店、食堂、花屋、喫茶店、床屋、一時保育所等について、これらの種別及びその名称を広告しても差し支えないこと。ただし、当該医療機関の外部にあるものは広告してはならないこと。

⑤駐車設備に関する事項

駐車設備の有無、駐車設備の位置、収容可能台数及び利用に当たって料金を徴収している場合には当該駐車料金等について広告可能であること。

⑥送迎サービス

最寄りの鉄道の駅等からの送迎サービスについて、送迎先の駅名、時間等を広告可能であること。

⑦携帯電話の使用に関する事項

病院又は医療機関内での携帯電話の使用について、使用可能な場所や時間帯等について広告可能であること。

⑧通訳の配置

手話を含めた通訳の配置に関することを対応時間や費用を含めて広告可能であること。

コ 広告告示第4条第12号関係

「開設者に関する事項」については、開設者の氏名又は名称を広告可能であり、経営者(法人の場合には法人の理事長に限る。)の経歴についても、簡潔に示すものとして、生年月日、出身校、学位、職歴を一連の履歴として総合的に記載する場合には、広告して差し支えないこと。

サ 広告告示第4条第13号関係

「外部監査を受けている旨」については、公認会計士又は監査法人の監査を受けていることを広告しても差し支えないこと。なお、広告する場合は、当該監査を受けた年月を併記すること。

シ 広告告示第4条第14号関係

「財団法人日本医療機能評価機構が行う医療機能評価の結果(個別の審査項目に係るものを含む。)」については、財団法人日本医療機能評価機構(以下、「評価機構」という。)が行う審査を受けた結果だけでなく、個別具体的な審査項目の結果についても広告しても差し支えないこと。ただし、各医療機関による自己評価調査の項目については、評価機構による評価を受けていないので、広告は認められないこと。

ス 広告告示第4条第15号関係

「財団法人日本医療機能評価機構が定める産科医療補償制度標準補償約款と同一の産科医療補償約款に基づく補償を実施している旨」については、評価機構を運営組織とする産科医療補償制度に加入していること、当該制度に基づく補償を実施していることを広告できるようにする趣旨であること。この際、評価機構が定めた当該制度のシンボルマークを利用しても差し支えないこと。

(例)

・○○病院(産科医療補償制度加入機関)

・当院は妊婦の方に安心して出産していただけるよう産科医療補償制度に加入しており、もしも重度の脳性麻痺となった赤ちゃんが生まれ、一定の要件を満たしている場合には、所定の補償金をお支払いします。

セ 広告告示第4条第16号関係

「財団法人日本適合性認定協会の認定を受けた審査登録機関に登録をしている旨」については、いわゆる「ISO9000シリーズ」の品質マネジメントシステムの認証を取得している旨を広告しても差し支えないこと。認証取得日や審査登録機関の名称等についても広告可能であること。

ソ 広告告示第4条第17号関係

「前各号に定めるもののほか、都道府県知事の定める事項」については、地方公共団体の単独事業として実施している事業に関する事項等について、都道府県知事が公示することにより、当該都道府県の区域内において広告できる事項とすることができるようにする趣旨であること。

なお、事項を定めるに当たっては、各都道府県における診療に関する学識経験者の団体又は都道府県医療審議会の意見を聴く等の方法により、関係者の合意形成に努めるよう配慮されたいこと。

6 医療に関する内容とは扱わない事項

医療に関する広告については、法又は広告告示により広告が可能とされた事項以外の広告が禁じられているが、以下のア~オに示す背景等となる画像や音声等については、通常、医療に関する内容ではないので、特段制限されるものではない。

ただし、風景写真であっても、他の病院の建物である場合やそのような誤認を与える場合、あるいは、芸能人が当該医療機関を推奨することや芸能人が受診をしている旨を表示(音声によるものや暗示を含む。)することは、医療に関する広告として、規制の対象として取り扱うこと。

ア 背景等となる風景写真やイラスト等

(例)町や海の写真、山や森のイラスト等

イ レイアウトに使用する幾何学模様等

ウ BGMとして放送される音楽、効果音等

エ 広告制作者の名称、広告の作成日、写真の撮影日等

オ 芸能人や著名人の映像や声等

芸能人や著名人が、医療機関の名称その他の広告可能な事項について説明することは、差し支えない。

なお、実際に当該医療機関の患者である場合にも、芸能人等が患者である旨は、広告できない事項であるので、認められないものとして扱うこと。(第4参照)

第4 禁止される広告について

1 禁止の対象となる広告の内容

法第6条の5第1項の規定により、法又は広告告示により広告が可能とされた事項以外は、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も広告をしてはならないとされている。

また、広告可能な事項を広告する場合においても、同条第3項の規定により、患者等に著しく事実に相違する情報を与え、適切な受診機会を喪失したり、不適切な医療を受けさせるおそれがあることから、内容が虚偽にわたる広告は、罰則付きで禁じられている。

同様に、同条第4項の規定により、患者等に対して医療に関する適切な選択に関し必要な基準として、省令で広告の方法及び内容に関する基準が定められ、当該基準に適合しなければならないこととされている。広告の方法及び内容に関する基準としては、いわゆる比較広告、誇大広告の他、客観的事実であることを証明できない内容の広告、公序良俗に反する内容の広告が禁止されるものである。

(1) 広告が可能とされていない事項の広告

法第6条の5第1項に「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関しては、文書その他いかなる方法によるを問わず、何人も次に掲げる事項を除くほか、これを広告してはならない。」と規定されているように、医療に関する広告は、患者の治療選択等に資する情報として、法又は広告告示により広告可能とされた事項を除いては、広告が禁じられているものであること。

(例)

・専門外来

→専門外来については、広告が可能な診療科名と誤認を与える事項であり、広告可能な事項ではない。(ただし、保険診療や健康診査等の広告可能な範囲であれば、例えば、「糖尿病」、「花粉症」、「乳腺検査」等の特定の治療や検査を外来の患者に実施する旨の広告は可能であり、専門外来に相当する内容を一律に禁止するものではない。)

・死亡率、術後生存率等

→医療の提供の結果としては、医療機能情報提供制度において報告が義務付けられた事項以外は、対象となった患者の状態等による影響も大きく、適切な選択に資する情報であるとの評価がなされる段階にはないことから、広告可能な事項ではない。

・未承認医薬品(海外の医薬品やいわゆる健康食品等)による治療の内容

→治療の方法については、広告告示で認められた保険診療で可能なものや薬事法で承認された医薬品による治療等に限定されており、未承認医薬品による治療は、広告可能な事項ではない。

・著名人も当院で治療を受けております。

→優良誤認(他の医療機関より著しく優れているとの誤認)を与えるおそれがあり、芸能人等が受診している旨は、事実であっても、広告可能な事項ではない。

(2) 内容が虚偽にわたる広告(虚偽広告)

法第6条の5第3項に規定する「その内容が虚偽にわたってはならない」とは、広告に示された内容が虚偽である場合、患者等に著しく事実に相違する情報を与え、適切な受診機会を喪失したり、不適切な医療を受けるおそれがあることから、罰則付きで禁じられているものであること。

(例)

・絶対安全な手術です!

→絶対安全な手術は、医学上あり得ないので、虚偽広告として扱うこと。

・厚生労働省の認可した○○専門医

→専門医の資格認定は、学会が実施するものであり、厚生労働省が認可した資格ではない。

(3) 他の病院又は診療所と比較して優良である旨の広告(比較広告)

省令第1条の9第1号に規定する「他の病院、診療所又は助産所と比較して優良である旨」の広告とは、特定又は不特定の他の医療機関と自ら(複数の場合を含む。)を比較の対象とし、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容等について、自らの病院等が他の医療機関よりも優良である旨を広告することを意味するものであり、医療に関する広告としては認められないものであること。

これは、事実であったとしても、優秀性について、著しく誤認を与えるおそれがあるために禁止されるものであり、例えば、「日本一」、「No.1」、「最高」等の表現は、客観的な事実であったとしても、禁止される表現に該当すること。

(例)

・肝臓がんの治療では、日本有数の実績を有する病院です。

・当院は県内一の医師数を誇ります。

・本グループは全国に展開し、最高の医療を広く国民に提供しております。

(4) 誇大な広告(誇大広告)

省令第1条の9第2号に規定する「誇大な広告」とは、必ずしも虚偽ではないが、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容等について、事実を不当に誇張して表現していたり、人を誤認させる広告を意味するものであり、医療に関する広告としては認められないものであること。

「人を誤認させる」とは、一般人が広告内容から認識する「印象」や「期待感」と実際の内容に相違があることを常識的判断として言えれば足り、誤認することを証明したり、実際に誤認したという結果までは必要としないこと。

(例)

・知事の許可を取得した病院です!(「許可」を強調表示する事例)

→病院が都道府県知事の許可を得て開設することは、法における義務であり当然のことであるが、知事の許可を得たことをことさらに強調して広告し、あたかも特別な許可を得た病院であるかの誤認を与える場合には、誇大広告として扱うこと。

・医師数○名(○年○月現在)

→示された年月の時点では、常勤換算で○名であることが事実であったが、その後の状況の変化により、医師数が大きく減少した場合には、誇大広告として扱うこと。(この場合、広告物における文字サイズ等の強調の程度や医療機関の規模等を総合的に勘案し、不当に患者を誘引するおそれがあるかを判断するべきであり、一律に何名の差をもって誇大広告と扱うかを示すことは困難であるが、少なくとも実態に即した人数に随時更新するよう指導するべきである。)

・(美容外科の自由診療の際の費用として)顔面の○○術 1カ所○○円

→例えば、当該費用について、大きく表示された値段は5カ所以上同時に実施したときの費用であり、1カ所のみの場合等には、倍近い費用がかかる場合等、小さな文字で注釈が付されていたとしても、当該広告物からは注釈を見落とすものと常識的判断から認識できる場合には、誇大広告として扱うべきである。

(5) 客観的事実であることを証明することができない内容の広告

省令第1条の9第3号に規定する「客観的事実であることを証明することができない内容の広告」とは、患者や医療従事者の主観によるものや客観的な事実であることを証明できない事項について、広告することを意味するものであり、医療に関する広告としては認められないものであること。

これは、広告する内容が客観性・正確性をもったものであることを広告を実施する者が自ら証明する必要があることも意味しており、患者等から質問がなされた場合には、その内容が事実であることを説明できなければならないこと。

(例)

・患者の体験談の紹介

→患者の体験談の記述内容が、広告が可能な範囲であっても、患者の主観であり、広告は認められない。

・理想的な医療提供環境です。

→「理想的」であるかは、客観的な証明はできないことから、広告は認められない。

・比較的安全な手術です。

→何と比較して安全であるか不明であり、客観的な事実と証明できない事項に当たる。

・伝聞や科学的根拠に乏しい情報の引用

→医学的・科学的な根拠に乏しい文献やテレビの健康番組での紹介による治療や生活改善法等の紹介は、それらだけをもっては客観的な事実であるとは証明できない事項として扱うべきであり、広告は認められない。

(6) 公序良俗に反する内容の広告

省令第1条の9第4号に規定する「公の秩序又は善良の風俗に反する内容の広告」とは、わいせつ若しくは残虐な図画や映像又は差別を助長する表現等を使用した広告など、公序良俗に反する内容の広告を意味するものであり、医療に関する広告としては認められないこと。

(7) その他

品位を損ねる内容の広告、他法令又は他法令に関連する広告ガイドラインで禁止される内容の広告は、医療に関する広告として適切ではなく、厳に慎むべきものであること。

ア 品位を損ねる内容の広告

医療に関する広告は、患者や地域住民等が広告内容を適切に理解し、治療等の選択に資するよう、客観的で正確な情報の伝達に努めなければならないものであることから、医療機関や医療の内容について品位を損ねる、あるいはそのおそれがある広告は、行わないものとすること。

①費用を強調した広告

(例)今なら○円でキャンペーン実施中!

②ふざけたもの、ドタバタ的な表現による広告

イ 他法令又は他法令に関する広告ガイドラインで禁止される内容の広告

他法令に抵触する広告を行わないことは当然として、他法令に関する広告ガイドラインも遵守すること。

また、広告は通常、医療機関が自らの意思により、患者等の選択に資するために実施するものであり、例えば、医薬品又は医療機器の販売会社等からの依頼により、金銭の授与等の便宜を受けて、特定の疾病を治療できる旨等について広告することは、厳に慎むべきであること。

(例)

・医薬品「○○錠」を処方できます。

→医薬品の商品名は、薬事法の広告規制の趣旨に鑑み、広告を行わないこと。

・当院ではジェネリック医薬品を採用しております。

→医薬品が特定されないため、薬事法上の医薬品の広告には該当せず、医療の内容に関する事項として広告可能である。

・ED治療薬を取り扱っております。

→医薬品が特定されないため、自由診療である旨と標準的な費用を併せて示してあれば、薬事法の承認を得た医薬品による治療の内容に関する事項として広告可能である。

第5 相談・指導等の方法について

1 苦情相談窓口の明確化

医療に関する広告として広告可能な事項を相当程度拡大した今回の広告規制制度の改正により、広告を行う医療機関や広告代理店等からの相談及び広告の受け手である患者や住民からの苦情相談等がこれまで以上に寄せられることが予想される。

医療に関する広告は、患者や地域住民等に対する客観的で正確な情報伝達の手段となるよう病院等の広告を実施する者に対する相談支援を行うとともに、虚偽・誇大な広告等により、患者等が適切な医療の受診機会を喪失したり、不適切な医療を受けることのないよう住民からの苦情を受けるための担当係を決めていただき、相談窓口を明確化されたい。

具体的な窓口としては、医療安全支援センターや保健所の医療法担当部署等が想定されるが、各都道府県、保健所設置市又は特別区の判断により、適切な苦情相談の体制を確保し、当該苦情相談の窓口の連絡先については、自治体のホームページや広報誌等を通じて住民に周知するべきである。

病院等の広告を実施する者からの相談窓口と住民等からの苦情相談の窓口は、別々であったり、他の業務との兼任で差し支えないが、実際に病院や広告代理店等を指導する担当者も含めて、相互に情報を共有し、一体的な相談・指導が効果的になされるよう適切な運用に努められたい。

2 消費者行政機関等との連携

医療に関する広告に関する住民からの苦情は、管内を所管する消費生活センターに寄せられることもあるので、苦情・相談の状況について、定期的に情報交換する等、消費者行政機関との連携に努め、違反が疑われる広告等に関する情報を入手した際には、必要な措置を講じられたい。

3 景表法等の他法令との対応

景表法は、「商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示」を規制している(景表法第4条第1項第1号)。すなわち、法第6条の5第3項の違反となる虚偽広告及び同条第4項の規定による省令第1条の9第2号違反となる誇大広告等については、それが実際のもの等よりも著しく優良であると示すことにより、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる場合には、同時に景表法に違反する可能性が非常に強いものであり、法及び景表法が有機的に活用され指導等を行うことが重要である。

また、薬事法は、「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品又は医療機器の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。」(薬事法第66条第1項)、「何人も、第14条第1項又は第23条の2第1項に規定する医薬品又は医療機器であつて、まだ第14条第1項若しくは第19条の2第1項の規定による承認又は第23条の2第1項の規定による認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。」(薬事法第68条)とされ、医薬品、医療機器等の虚偽・誇大広告、承認前の医薬品等の広告を禁止している。医療に関する広告として、医薬品又は医療機器による診断や治療の方法等を広告する際には、医療行為として医薬品等を使用又は処方する旨であれば、薬事法上の広告規制の対象とはならないが、販売又は無償での授与をする旨が記載された広告であれば、薬事法上の広告規制も受けることとなる。

これらの広告に関する規定は、重畳的に適用され得るものであるので、法第6条の5の規定に違反し、又は違反が疑われる広告等が同時に、関係法令に違反していることが疑われる場合については、違反が疑われる法令の主管課室がそれぞれ連携しながら指導・処分等を行うなど、所要の取組を効果的に行われたい。その際、違反事例に対して、一部の法令のみによる処分とするか、それぞれの法令で処分するかは、事例に応じて考えるべきであるが、他法令に違反するとの理由や他法令に基づく処分を受けるとの理由で、法の広告違反が免責されることはない。他法令にも抵触する広告である場合にも、法又は本指針による必要な指導等を適切に実施されたい。

4 広告指導の体制及び手順

医療に関する広告に対する指導等の措置は、各都道府県、保健所設置市又は特別区において、個別の事例に応じてその実状を踏まえつつ、効果的かつ柔軟に対応すべきものであるが、医療に関する法律及び病院、診療所又は助産所の管理について相当の知識が求められることから、医療監視員の知見を活用して、適切な体制を作る必要がある。

(1) 広告内容の確認

本指針を参考に、医療に関する広告として認められるものであるか等を判断することになるが、広告可能な事項に含まれる表現であるかどうか、あるいは、虚偽・誇大広告等に該当するかどうか等は、常に明確であるとは限らず、実効性のある指導等を行うことは必ずしも容易ではないと考えられる。このため、違法性が疑われる広告等に対する相談や指導に当たっては、

①まずは、各都道府県等において、法や本指針に抵触しないか否かを確認し、違反していると判断できる広告については、広告を行う者に対して必要な指導等を行う、

②都道府県等において、広告に該当するか判断できない情報物や違反しているかどうか判別できない広告については、その内容について、別添2の様式により、都道府県等の職員から厚生労働省医政局総務課あてにファクシミリによって照会する

という手順を採るようお願いする。

なお、規定に含まれているかどうかが明確ではなかったり、にわかには判断ができない事項については、医療に関する広告は法又は広告告示により広告が可能とされた事項以外は、原則として禁止されているという法の趣旨を踏まえ、広告しても差し支えない旨の判断が得られるまでの間は、広告を自粛するよう指導されたい。

また、法又は本指針に違反していると判断できる広告について、広告を行う者(法人の場合は、主たる事務所)が自らの管下の地域にない場合については、必要があると認める場合は、管内の事業所等に対する立入検査等必要な調査を行った上で、当該広告物及び入手できた広告の内容の根拠に関する資料等を添えて、広告を行う者が存在する地域を所轄する都道府県、保健所設置市又は特別区あてに速やかに報告されるようよろしくお願いする。広告を行う者の所在が不明である場合や海外の事業者等である場合には、厚生労働省医政局総務課あてに報告いただくようお願いする。

(2) 広告違反の指導及び措置

以下に参考として、広告違反の指導及び措置について具体的に記載するが、各都道府県等が個別の事例に応じて、効果的かつ柔軟に対応すべきものであり、以下のような手順に限定されるものではないこと。

ア 行政指導

法又は本指針に違反することが疑われる広告又は違反広告の疑いがある情報物を発見した際には、通常はまず、任意の調査として、当該広告又は情報物に記載された医業を行う医師等又は診療所若しくは病院に対して、説明を求める等により必要な調査を行うこと。

任意の調査又はイに示した報告命令若しくは立入検査により、法又は本指針に違反することを確認した場合、あるいは、明らかに法又は本指針に違反する広告を発見した場合には、当該違反広告については、通常はまず、広告の中止や広告の内容を是正することを行政指導として、医療に関する広告を行っている医師等又は医療機関に求め、さらに必要に応じて違反広告物の回収、廃棄等を指導すること。併せて、必要な場合には、広告代理店、雑誌社、新聞社、放送局等の医師等又は医療機関以外の広告を作成した者や広告を掲載した者に対しても任意での調査や指導を行うこと。

また、法に違反している広告については、必要に応じ、当該違反広告の責任者等に対して、別添3に示す様式を参考とした報告書の徴収、書面による改善指導等の行政指導としての措置を講じること。

イ 報告命令又は立入検査(法第6条の8第1項関係)

法又は本指針に違反することが疑われる広告又は違反広告の疑いがある情報物を発見した際には、アに記載したようにまずは任意の調査を行うこととするが、任意の調査に応じない場合又は任意での説明や提出される書類に疑義がある場合等、必要な場合には法第6条の8第1項の規定に基づき、都道府県知事、保健所設置市の市長又は特別区の区長は、当該広告(違反広告に該当するおそれがあると認められる情報物の流布を含む。以下同じ。)を行った者に対し、必要な報告を命ずること(報告命令)、又は当該広告を行った者の事務所に立ち入り、当該広告に関する文書(広告物そのもの、作成段階の案、契約書、診療録その他の内容が正確であるかを確認するために必要な書類等)その他の物件(施設、構造設備、医療機器等)を検査させること(立入検査)により、調査を実施すること。

ウ 中止命令又は是正命令(法第6条の8第2項関係)

アに示したように、広告違反を発見した場合には、通常はまず、行政指導により広告の中止や内容の是正を求めることとなるが、行政指導に従わない場合や違反を繰り返す等の悪質な事例の場合には、法第6条の8第2項の規定に基づき当該違反広告を行った者に対し、期限を定めて、当該広告を中止し、又はその内容を是正すべき旨を命ずること。

なお、不利益処分たる中止命令又は是正命令については、その実施に先立ち、行政手続法(平成5年法律第88号)第13条に規定する弁明の機会を付与しなければならないことに留意されたい。(行政手続法第29条から第31条参照)

エ 告発

①直接罰の適用される虚偽広告(法第6条の5第3項違反)を行った者が中止若しくは内容の是正の行政指導に応じない場合、②法第6条の8第1項による報告命令に対して、報告を怠り、若しくは虚偽の報告をした場合、③同項による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合、④同条第2項による中止命令若しくは是正命令に従わず、違反広告が是正されない場合には、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)第239条第2項の規定により、司法警察員に対して書面により告発を行うことを考慮すべきである。

なお、罰則については、①の虚偽広告、法第6条の6第4項に違反する場合(麻酔科の診療科名を広告する際に、併せて許可を受けた医師の氏名を併せて広告しなかった場合)又は④の中止命令若しくは是正命令に従わなかった場合には、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金(法第73条第1号)、②の報告命令又は③の立入検査に対する違反の場合には、20万円以下の罰金(法第74条第2号)が適用される。

オ 行政処分(法第28条、第29条関係)

病院又は診療所が悪質な違反広告を行った場合には、エに示した告発のほか、行政処分として、必要に応じ法第28条の規定に基づく管理者変更命令又は法第29条第1項第4号に該当するとして、同項の規定による病院又は診療所の開設の許可の取り消し、又は開設者に対し、期間を定めて、その閉鎖を命ずることが可能であるので、行政処分の実施を考慮すべきである。

(3) 命令等の対象者

法第6条の8第1項の規定による報告命令又は同条第2項の規定による中止命令若しくは是正命令の対象者は、違反広告の実施者が、個人である場合には当該個人であるが、病院又は診療所の場合には、その開設者又は管理者とし、広告代理店、雑誌社、新聞社、放送局等の場合には、その代表者あてとすること。

告発については、それらの者に加え、法人自体又は当該広告違反の主導的な立場にあった者等を事例に応じて対象とすること。

(4) 公表

行政指導に従わず中止命令若しくは是正命令又は刑事告発等を実施した際には、原則として、事例を公表することにより、患者や住民等に対して当該違反広告に対する注意喚起を行うこと。

第6 助産師の業務又は助産所に関する広告について

法第6条の7の規定により、助産師の業務又は助産所に関しても、広告は限定的に制限してきたところであるが、医療に関する広告と同様に、妊産婦等に対して、必要な情報が正確に提供され、その選択を支援する観点から、客観性・正確性を確保し得る事項については、広告事項としてできる限り幅広く認めることとしたこと。

法第6条の7第1項各号又は広告告示第5条各号若しくは第6条各号に定められた事項については、助産師の業務又は助産所に関する広告が可能であり、また、医療に関する広告と同様の考えにより虚偽広告等については、広告が禁止されている。

助産師の業務又は助産所に関する広告として広告可能な事項は、それぞれ医療に関する広告の事項に準じているものであり、その取り扱いについては、本指針第3の該当箇所を参照いただき、禁止される事項や指導等に関しては、第4及び第5を準用されたい。

なお、分娩の介助や保健指導等の実施の項目として、その費用、実施日時、出産育児一時金受領委任払いの説明等についても広告可能であること。

(別添1)

(別添2)

(別添3)

[様式ダウンロード]

画像8 (48KB)別ウィンドウが開きます

画像9 (41KB)別ウィンドウが開きます

画像10 (60KB)別ウィンドウが開きます

画像11 (53KB)別ウィンドウが開きます

画像12 (31KB)別ウィンドウが開きます