添付一覧
○「使用上の注意」の改訂について
(平成26年3月25日)
(薬食安発0325第1号)
(日本製薬団体連合会安全性委員会委員長あて厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)
(公印省略)
医薬品の品質、有効性及び安全性に関する情報の収集、調査、検討等を踏まえ、医薬品の「使用上の注意」の改訂が必要と考えますので、下記のとおり必要な措置を講じるよう関係業者に対し周知徹底方お願い申し上げます。
なお、本通知に基づき改訂を行った添付文書については、「独立行政法人医薬品医療機器総合機構設立を踏まえた医薬品の添付文書中の「使用上の注意」の改訂及びその情報提供について」(平成16年4月1日付け薬食安発第0401001号厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知。以下「課長通知」という。)の趣旨にかんがみ、医療用医薬品についての電子化した添付文書の独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「総合機構」という。)安全第一部安全性情報課への提出等に御協力をお願いします。
記
別紙1から別紙11のとおり、速やかに添付文書を改訂し、医薬関係者等への情報提供等の必要な措置を講ずること。また、貴委員会において取りまとめの上、本通知の日から1か月以内に、課長通知の別紙様式による「使用上の注意」等変更届を総合機構安全第二部を窓口として、同部長あて提出すること。
別紙1
113 抗てんかん剤
【医薬品名】レベチラセタム
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「薬剤性過敏症症候群:
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。」
を追記する。
〈参考〉 厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル薬剤性過敏症症候群
別紙2
114 解熱鎮痛消炎剤
【医薬品名】ケトプロフェン(注射剤、坐剤)
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[妊婦、産婦、授乳婦等への投与]の項の妊婦又は妊娠している可能性のある婦人への投与に関する記載を
「妊婦(妊娠後期以外)又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。」
と改め、
「ケトプロフェンの外皮用剤を妊娠中期の女性に使用し、羊水過少症が起きたとの報告があるので、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に使用すること。」
を追記する。
(注) 患者向医薬品ガイドを作成する医薬品に特定する。
別紙3
116 抗パーキンソン剤
【医薬品名】ロチゴチン
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「肝機能障害:
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP上昇等の肝機能障害があらわれることがあるので、このような場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙4
117 精神神経用剤
【医薬品名】ミルタザピン
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[慎重投与]の項に
「QT延長又はその既往歴のある患者、QT延長を起こすことが知られている薬剤を投与中の患者、著明な徐脈や低カリウム血症等がある患者」
を追記し、[副作用]の「重大な副作用」の項に
「QT延長、心室頻拍:
QT長、心室頻拍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙5
264 鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤
【医薬品名】イブプロフェンピコノール
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[妊婦、産婦、授乳婦等への投与]の項を新たに設け、
「他の非ステロイド性消炎鎮痛剤の外皮用剤を妊娠後期の女性に使用し、胎児動脈管収縮が起きたとの報告がある。」
を追記する。
別紙6
264 鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤
【医薬品名】
インドメタシン(外皮用剤)
ジクロフェナクナトリウム(外皮用剤)
ピロキシカム(外皮用剤)
フルルビプロフェン(外皮用剤)
ロキソプロフェンナトリウム水和物(外皮用剤)
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[妊婦、産婦、授乳婦等への投与]の項に
「他の非ステロイド性消炎鎮痛剤の外皮用剤を妊娠後期の女性に使用し、胎児動脈管収縮が起きたとの報告がある。」
を追記する。
別紙7
264 鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤
【医薬品名】ケトプロフェン
(クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、パップ剤)
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[禁忌]の項に
「妊娠後期の女性(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)」
を追記し、[妊婦、産婦、授乳婦等への投与]の項に
「ケトプリロフェンの外皮用剤を妊娠後期の女性に使用した場合、胎児動脈管収縮が起きることがあるので、妊娠後期の女性には本剤を使用しないこと。」
を追記し、安全性に関する記載を
「妊婦(妊娠後期以外)、産婦、授乳婦等に対する安全性は確立していないので、これらの患者に対しては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。」
と改め、
「ケトプロフェンの外皮用剤を妊娠中期の女性に使用し、羊水過少症が起きたとの報告があるので、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に使用すること。」
を追記する。
別紙8
264 鎮痛、鎮痒、収斂、消炎剤
【医薬品名】ケトプロフェン(テープ剤)
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[禁忌]の項に
「妊娠後期の女性(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)」
を追記し、[妊婦、産婦、授乳婦等への投与]の項の胎児動脈管収縮に関する記載を
「ケトプロフェンの外皮用剤を妊娠後期の女性に使用した場合、胎児動脈管収縮が起きることがあるので、妊娠後期の女性には本剤を使用しないこと。」
と改め、安全性に関する記載を
「妊婦(妊娠後期以外)、産婦、授乳婦等に対する安全性は確立していないので、これらの患者に対しては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。」
と改め、
「ケトプロフェンの外皮用剤を妊娠中期の女性に使用し、羊水過少症が起きたとの報告があるので、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に使用すること。」
を追記する。
別紙9
394 痛風治療剤
【医薬品名】クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム水和物
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[慎重投与]の項の「重篤な腎障害のある患者」の記載を
「腎機能障害のある患者」
と改め、[重要な基本的注意]の項に
「本剤の投与に際しては、患者の血清電解質の変化に注意すること。特に、腎機能障害のある患者に投与する場合や、長期間投与する場合には、血中のカリウム値、腎機能等を定期的に検査すること。また、高カリウム血症があらわれた場合には、投与を中止すること。」
を追記し、[副作用]の項に新たに「重大な副作用」として
「高カリウム血症:
高カリウム血症があらわれることがある。また、高カリウム血症に伴い、徐脈、全身倦怠感、脱力感等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙10
424 抗腫瘍性植物成分製剤
【医薬品名】パクリタキセル(非アルブミン懸濁型製剤)
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「腫瘍崩壊症候群:
腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。」
「白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む):
白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)があらわれることがあるので、歩行時のふらつき、痙攣、頭痛、視覚障害、高血圧、意識障害等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
を追記する。
別紙11
429 その他の腫瘍用薬
【医薬品名】ニロチニブ塩酸塩水和物
【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。
[副作用]の「重大な副作用」の項に
「脳梗塞、一過性脳虚血発作:
脳梗塞、一過性脳虚血発作があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」
を追記する。