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○トルバプタン製剤の使用に当たっての留意事項について

(平成26年3月24日)

(薬食審査発0324第9号)

(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)

(公印省略)

トルバプタン製剤(販売名:サムスカ錠7.5mg、同錠15mg及び同錠30mg)(以下「本剤」という。)については、本日、サムスカ錠7.5mg及び同錠15mgに対し、「腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制」(以下「本効能・効果」という。)を効能又は効果として追加する承認事項一部変更承認を行い、また、サムスカ錠30mgに対し、本効能・効果を効能又は効果として承認を行ったところです。

本剤については、重篤な肝機能障害や高ナトリウム血症等の副作用が現れるおそれがあること等から、本効能・効果に係る使用にあたっては、特に下記の点について留意されるよう、貴管下の医療機関及び薬局に対して周知をお願いします。

1.本剤の適正使用について

(1) 本剤は、特に重大な副作用として、高ナトリウム血症や肝機能障害が現れるおそれがあり、適切な水分摂取、血液検査等による定期的なモニタリングの実施が必要であること。

(2) 今回の承認に係る効能又は効果は、「腎容積が既に増大しており、かつ、腎容積の増大速度が速い常染色体優性多発性のう胞腎の進行抑制」であることから、添付文書の効能・効果欄及び効能・効果に関連する使用上の注意欄を遵守し、適切な患者に限って本剤を使用又は処方すること。

(3) その他、本剤の使用、処方又は調剤に当たっては、あらかじめ最新の添付文書の内容を理解し、その注意を遵守すること。

(4) 本効能・効果については、本剤の適正使用が可能な医師によってのみ処方され、さらに、医療機関・薬局においては調剤前に当該医師によって処方されたことを確認した上で調剤がなされるよう、承認に当たり、薬事法第79条第1項により、製造販売業者に適切な流通管理を義務づけたこと。

(【承認条件】

1.常染色体優性多発性のう胞腎の治療及び本剤のリスクについて十分に理解し、投与対象の選択や肝機能や血清ナトリウム濃度の定期的な検査をはじめとする本剤の適正使用が可能な医師によってのみ処方され、さらに、医療機関・薬局においては調剤前に当該医師によって処方されたことを確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。

2.製造販売後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、本剤が投与された全症例を対象に製造販売後調査を実施することにより、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。また、集積された結果については定期的に報告すること。)

2.医療機関における適正使用に関する周知事項について

(1) 本剤を本効能・効果で使用又は処方するに当たっては、医師は本剤の適正使用に関する講習を受講すること。

(2) 外来患者に、本剤を本効能・効果で処方する場合には、医師は、患者に対して(1)の講習が修了した旨を記載した文書(以下「サムスカカード等」という。)を交付すること。

(3) 本剤については、本効能・効果に係る承認に際し、承認取得者である製造販売業者に対し、「製造販売後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、本剤が投与された全症例を対象に製造販売後調査を実施する」よう義務付けたので、その調査の実施にご協力願いたいこと。

3.薬局における適正使用に関する周知事項について

(1) 本剤を調剤するに当たっては、薬剤師は、製造販売業者による情報提供等を積極的に活用し、本剤の適正使用に関する最新の情報を把握すること。

(2) 薬局における本剤の調剤に際し、薬剤師は、用法、用量等から、本効能・効果に係る処方であると考えられる場合には、サムスカカード等を患者が所持していることを確認すること。

(3) (2)の確認ができなかった場合には、処方した医師に対して疑義照会を行う等により、2.(1)の講習を修了した医師であることを確認すること。また、本効能・効果に係る処方であって、講習を修了した医師であることが確認できない場合には、調剤することを拒むこと。

(4) (3)に基づく理由により調剤を拒むことについては、薬剤師法(昭和35年法律第146号)第21条(調剤の求めに応ずる義務)の「正当な理由」に当たるものと解されること。