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○生活保護法の一部を改正する法律の公布について(通知)

(平成25年12月13日)

(社援発1213第5号)

(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長あて厚生労働省社会・援護局長通知)

(公印省略)

生活保護法の一部を改正する法律(平成25年法律第104号)については、平成25年10月17日に第185回臨時国会へ法案が提出され、同年12月6日に成立し、本日公布されたところです。

この法律の施行は、平成26年7月1日(一部は同年1月1日、平成27年4月1日)であり、必要な政省令等を含め運用の詳細については今後順次お示ししますが、今般、法律の趣旨及び主な内容を下記のとおり通知しますので、十分御了知の上、管内市町村(特別区を含む。以下同じ。)をはじめ、関係者、関係団体等に対する周知について、特段の御配慮をお願いします。

第1 改正の趣旨

保護の決定に際してのより実効ある不正の防止、医療扶助の実施の適正化等を図ることにより、国民の生活保護制度に対する信頼を高めるとともに、被保護者の就労による自立の助長を図るため、指定医療機関等の指定制度の整備、被保護者が就労により自立することを促進するための給付金を支給する制度の創設等の措置を講ずること。

第2 改正の要点

1 申請による保護の開始及び変更に関する事項

保護の開始の申請、開始の決定等に当たっての申請書の提出等に係る手続を整備するものとすること。(第24条第1項、第2項及び第8項関係)

なお、申請時に必要な書類を添付して書類を提出すること(第24条第1項、第2項)の規定の整備は、法律に基づく調査権限(第29条)を強化し、実施するのであれば、申請に際しても保護の決定に必要となる事項を法律上明確にする必要があるという法制的な整合性を図るためのものであり、現在、事情のある者に認めている口頭による保護の開始の申請等も含め、現行の運用の取扱いをこの改正により変更するものではない。

また、保護の開始の申請等の意思が示された者に対しては、その申請権を侵害しないことはもとより、侵害していると疑われるような行為も厳に慎むべきであることは改正後も何ら変わるものではない。

保護開始の際の扶養義務者への通知(第24条第8項)の規定の整備は、扶養義務者への報告を求めること(第28条第2項)や、家庭裁判所を活用した費用徴収(第77条第1項及び第2項)があり得ることから、事前に親族が保護を受けることを把握できるようにすることが適当との法制的な観点から設けるものであるが、この対象となるのは、福祉事務所が当該扶養義務者について、法第77条第1項の規定を適用させる蓋然性が高いと判断できる場合に限ることとし、厚生労働省令で定めることとする。

2 要保護者、扶養義務者等に対する報告の求め等に関する事項

(1) 要保護者、扶養義務者等に対する報告の求めに関する事項

保護の実施機関は、必要があると認めるときは、要保護者、扶養義務者等に対して報告を求めることができるものとすること。(第28条第1項及び第2項関係)

なお、扶養義務者に対する報告の求めについては、現行の扶養照会とは別に実施するものであり、この対象となるのは、福祉事務所が当該扶養義務者について、法第77条第1項の規定を適用させる蓋然性が高いと判断できる場合に限ることとし、厚生労働省令で定めることとする。

(2) 官公署等に対する資料提供等の求め及び銀行等に対する報告の求めに関する事項

保護の実施機関及び福祉事務所長は、必要があると認めるときは、要保護者又は被保護者であった者について、資産及び収入の状況のほか、健康状態等の事項につき(扶養義務者については、現行と変わらず資産及び収入の状況につき)、官公署等に対し、必要な資料の提供等を求め、又は銀行、信託会社、要保護者等の雇主その他の関係人に報告を求めることができるものとすること。(第29条第1項関係)

(3) 官公署等による情報提供に関する事項

別表第1の上欄に掲げる官公署の長等は、それぞれ同表の下欄に掲げる情報であって厚生労働省令で定めるものにつき、(2)による求めがあったときは、速やかに、資料の提供等を行うものとすること。(第29条第2項関係)

なお、この対象となるのは、要保護者及び被保護者であった者に係る情報に限ることとし、当該厚生労働省令で定めることとする。

3 医療扶助の方法に関する事項

指定医療機関等に委託して行う医療の給付のうち、医療を担当する医師又は歯科医師が医学的知見に基づき後発医薬品を使用することができると認めたものについては、被保護者に対し、可能な限り後発医薬品の使用を促すことによりその給付を行うよう努めるものとすること。(第34条第3項関係)

4 医療機関等の指定制度の見直しに関する事項

(1) 医療機関の指定制度の見直しに関する事項

① 医療機関の指定について、開設者の申請により行うものとするとともに、指定に係る要件について、具体的に定めること。(第49条の2関係)

② 指定医療機関の指定について、6年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失うものとすること。(第49条の3関係)

③ 指定医療機関は、厚生労働大臣の行う指導に従わなければならないことを明確にすること。(第50条第2項関係)

④ 指定医療機関の指定の取消しに係る要件をより具体的に定めるとともに、当該要件に該当するときはその指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止することができるものとすること。(第51条第2項関係)

⑤ 指定医療機関に対する厚生労働大臣又は都道府県知事の報告徴収等について、その調査対象の範囲を拡大するものとすること。(第54条関係)

(2) 介護機関の指定制度の見直しに関する事項

① 介護機関について、別表第2の上欄に掲げる介護機関の種類に応じ、同表の中欄に掲げる介護保険法の指定等があったときは、その介護機関は、指定介護機関の指定を受けたものとみなすものとすること。ただし、当該介護機関が、あらかじめ、別段の申出をしたときは、この限りではないものとすること。(第54条の2第2項関係)

② ①により指定介護機関の指定を受けたものとみなされた別表第2の上欄に掲げる介護機関に係る指定介護機関の指定は、同表の下欄に掲げる場合に該当するときは、その効力を失うものとすること。(第54条の2第3項関係)

③ 介護機関の指定の申請及び基準等に関する事項について、医療機関の指定に関する規定を準用するものとすること。(第54条の2第4項)

(3) 助産機関及び施術機関の指定制度の見直しに関する事項

① 施術機関については、あん摩マッサージ指圧師及び柔道整復師に加え、はり師及びきゅう師についても、この法律による医療扶助のための施術を担当させる機関として都道府県知事が指定するものとすること。(第55条第1項)

② 助産機関及び施術機関の指定の申請及び基準等に関する事項についても、医療機関の指定に関する規定を準用するものとすること。(第55条第2項関係)

5 就労自立給付金の創設に関する事項

(1) 都道府県知事、市長及び福祉事務所を管理する町村長(以下「支給機関」という。)は、被保護者の自立の助長を図るため、安定した職業に就いたこと等により保護を必要としなくなったと認めたものに対して、就労自立給付金を支給するものとすること。(第55条の4関係)

(2) 支給機関は、就労自立給付金の支給等のために必要があると認めるときは、被保護者若しくは被保護者であった者又はこれらの者の雇主等に、報告を求めることができるものとすること。(第55条の5関係)

(3) 市町村長が、就労自立給付金の支給に関する事務の全部又は一部をその管理に属する行政庁に委任した場合における当該事務に関する処分についての審査請求は、都道府県知事に対してするものとすること。(第64条関係)

(4) 厚生労働大臣又は都道府県知事は、就労自立給付金の支給に関する処分についての審査請求があったときは、50日以内(再審査請求にあっては70日以内)に、当該審査請求等に対する裁決をしなければならないものとすること。(第65条第1項及び第66条第2項関係)

(5) 市町村長がした就労自立給付金の支給に関する処分又は市町村長の管理に属する行政庁が支給機関の委任に基づいてした処分に係る審査請求についての都道府県知事の裁決に不服がある者は、厚生労働大臣に対して再審査請求をすることができるものとすること。(第66条第1項関係)

(6) 就労自立給付金の支給を受ける権利は、2年を経過したときは、時効によって消滅するものとすること。(第76条の3関係)

6 被保護者就労支援事業の創設に関する事項

(1) 保護の実施機関は、就労の支援に関する問題について、被保護者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行う事業(以下「被保護者就労支援事業」という。)を実施するものとすること。(第55条の6第1項関係)

(2) 保護の実施機関は、被保護者就労支援事業の事務の全部又は一部を当該保護の実施機関以外の者に委託することができるものとし、当該委託を受けた者等は、その委託を受けた事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないものとすること。(第55条の6第2項及び第3項関係)

7 被保護者の生活上の義務に関する事項

被保護者の生活上の義務に、自ら、健康の保持及び増進に努め、収入、支出その他生計の状況を適切に把握することを加えるものとすること。(第60条関係)

8 就労自立給付金に係る費用の負担に関する事項

(1) 市町村及び都道府県は、その長が行う就労自立給付金の支給(他の支給機関から委託を受けて行う場合を含む。)に要する費用を支弁しなければならないものとすること。(第70条第5号及び第71条第5号関係)

(2) 都道府県は、居住地がないか、又は明らかでない被保護者につき市町村が支弁した就労自立給付金の支給に要する費用(以下「就労自立給付金費」という。)等の4分の1を負担しなければならないものとすること。(第73条第3号及び第4号関係)

(3) 国は、市町村及び都道府県が支弁した就労自立給付金費の4分の3を負担しなければならないものとすること。(第75条第1項第2号関係)

9 被保護者就労支援事業に係る費用の負担に関する事項

(1) 市町村及び都道府県は、その長が行う被保護者就労支援事業に要する費用を支弁しなければならないものとすること。(第70条第6号及び第71条第6号関係)

(2) 国は、市町村が支弁した被保護者就労支援事業に係る費用のうち、当該市町村における人口、被保護者の数その他の事情を勘案して算定した額の4分の3を負担しなければならないものとすること。(第75条第1項第3号関係)

(3) 国は、都道府県が支弁した被保護者就労支援事業に係る費用のうち、当該都道府県の設置する福祉事務所の所管区域内の町村における人口、被保護者の数その他の事情を勘案して算定した額の4分の3を負担しなければならないものとすること。(第75条第1項第4号関係)

10 被保護者が有する損害賠償請求権の取得に関する事項

都道府県又は市町村は、被保護者の医療扶助又は介護扶助を受けた事由が第三者の行為によって生じたときは、その支弁した保護費の限度において、被保護者が当該第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得するものとすること。(第76条の2関係)

11 不正な手段により保護を受けた場合等の費用等の徴収に関する事項

(1) 徴収金の額に関する事項

① 不正な手段等により保護を受けた被保護者、医療の給付に要する費用の支払を受けた指定医療機関又は就労自立給付金を受けた者等があるときは、当該費用を支弁した都道府県又は市町村の長は、その費用の額のほか、その額に100分の40を乗じて得た額以下の金額を徴収することができるものとすること。(第78条第1項から第3項まで関係)

なお、当該不正な手段等により支弁した費用の額のほかに金額を徴収する場合の考え方等については、別途示すことを予定している。

② ①による徴収金は、この法律に別段の定めがある場合を除き、国税徴収の例により徴収することができるものとすること。(第78条第4項関係)

(2) 徴収金の徴収の特例に関する事項

① 被保護者が保護金品の交付又は就労自立給付金の支給を受ける前に、当該保護金品等の一部を徴収金の納入に充てる旨を申し出た場合において、保護の実施機関が当該被保護者の生活の維持に支障がないと認めたときは、保護金品等を交付する際に当該申出に係る徴収金を徴収することができるものとすること。(第78条の2第1項及び第2項関係)

なお、当該被保護者の生活の維持に支障がないと認めたときの考え方等については、別途示すことを予定している。

② ①により徴収金が徴収されたときは、当該被保護者に対して申出に係る保護金品の交付又は当該就労自立給付金の支給があったものとみなすものとすること。(第78条の2第3項関係)

12 厚生労働大臣への通知に関する事項

都道府県知事は、指定医療機関の指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部若しくは一部の効力を停止した場合において、健康保険法第80条各号のいずれかに該当すると疑うに足りる事実があるときは、厚生労働大臣に対し、その事実を通知しなければならないものとすること。(第83条の2関係)

13 緊急時における厚生労働大臣の事務執行に関する事項

4(1)⑤で都道府県知事の権限に属するものとされている事務は、被保護者の利益を保護する緊急の必要があると厚生労働大臣が認める場合には、厚生労働大臣又は都道府県知事が行うものとすること。(第84条の4関係)

14 罰則に関する事項

(1) 不実の申請その他不正な手段により保護を受け、又は他人をして受けさせた者への罰金の上限について、30万円から100万円に引き上げるとともに、偽りその他不正な手段により就労自立給付金の支給を受け、又は他人をして受けさせた者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処するものとすること。(第85条関係)

(2) 5の(2)による報告を怠り、又は虚偽の報告をした者等は、30万円以下の罰金に処するものとすること。(第86条関係)

(3) 6の(2)に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処するものとすること。(第85条の2関係)

15 その他所要の規定の整備を行うものとすること。

第3 施行期日等

1 施行期日

この法律は、平成26年7月1日から施行すること。ただし、次の改正規定については各々に定める日から施行すること。(附則第1条関係)

① 第二の3及び7 平成26年1月1日

② 第二の6、9及び14の(3) 平成27年4月1日

2 検討

政府は、この法律の施行後5年を目途として、この法律による改正後の生活保護法(以下「新法」という。)の規定の施行の状況を勘案し、新法の規定に基づく規制の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。(附則第2条関係)

3 経過措置等

その他この法律の施行に関し必要な経過措置等を定めるとともに、関係法律について所要の規定の整備を行うものとすること。主なものは以下のとおり。

(1) 申請による保護の開始及び変更に関する経過措置(附則第3条関係)

この法律の施行前にされた第二の1の申請書の提出等の手続であって、この法律の施行の際、これらに係る保護の開始又は変更の決定がされていないものについては、なお従前の例によること。

(2) 調査の嘱託に関する経過措置(附則第4条関係)

この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前にされたこの法律による改正前の第29条の規定による調査の嘱託については、なお従前の例によるものとすること。

(3) 指定医療機関に関する経過措置(附則第5条関係)

① この法律の施行の際現に指定医療機関の指定を受けている病院若しくは診療所又は薬局は、施行日に、新法の規定による指定医療機関の指定を受けたものとみなすものとすること。

② この法律の施行の際現に指定医療機関の指定を受けている病院若しくは診療所又は薬局は、施行日から1年以内であって厚生労働省令で定める期間内に指定医療機関の指定の申請をしないときは、当該期間の経過によって、指定の効力を失うこと。

③ この法律の施行の際現に指定医療機関の指定を受けている病院若しくは診療所又は薬局の指定に係る施行日以後の最初の更新については、6年ごとではなく、厚生労働省令で別途定める期間を経過する日までとすること。

④ この法律の施行の際現に指定医療機関の指定を受けている医師又は歯科医師は、診療所を開設しているものとみなし、施行日に、新法の規定による指定医療機関の指定を受けたものとみなして、改正後の法律の規定、②及び③を適用するものとすること。

(4) 指定介護機関に関する経過措置(附則第6条関係)

① この法律の施行の際現に指定介護機関の指定を受けている介護機関は、施行日に、新法の規定による指定介護機関の指定を受けたものとみなすものとすること。

② この法律の施行の際現に指定介護機関の指定を受けている地域密着型介護老人福祉施設又は介護老人福祉施設(この法律による改正前の生活保護法第54条の2第2項の規定により、介護保険法第42条の2第1項の指定又は同法第48条第1項の指定があったときに、指定介護機関の指定を受けたものとみなされたものに限る。)については、当該介護保険法による指定の効力を失った場合、指定介護機関としての指定の効力も失うこと。

(5) 助産機関等に関する経過措置(附則第7条関係)

この法律の施行の際現に指定を受けている助産師、あん摩マッサージ指圧師及び柔道整復師は、施行日に、新法の規定による指定を受けたものとみなすものとすること。

なお、はり師及びきゅう師については、新たに指定の申請をする必要があること。

(6) 指定医療機関等の申請に関する経過措置(附則第8条関係)

新法の規定による指定医療機関等の指定を受けようとする者は、施行日前においても、第2の4(1)①(開設者の申請に係る部分に限る。)の例により、その申請をすることができること。

(7) 指定又は指定の取消しの要件に関する経過措置(附則第9条関係)

新法の規定による指定医療機関等の指定又は指定の取消しに係る要件は施行日以後にした行為によりこれらの要件として挙げられる刑に処せられた者若しくは処分を受けた者又は施行日以後にこれらの要件として挙げられる行為を行った者について適用すること。

(8) 就労自立給付金に係る施行前の準備(附則第10条)

都道府県知事、市長及び福祉事務所を管理する町村長は、施行日前においても、第2の5(1)による就労自立給付金の支給に必要な準備行為をすることができること。

(9) 費用等の徴収に関する経過措置(附則第11条)

第2の11(1)①(不正な手段等により保護を受けた被保護者に係る部分に限る。)は、施行日以後に都道府県又は市町村の長が支弁した保護費の費用に係る徴収金の徴収について適用し、当該施行日前の費用の徴収については、なお従前の例によること。

第2の11(1)①(医療の給付に要する費用の支払を受けた指定医療機関に係る部分に限る。)は、施行日以後に都道府県又は市町村の長が支弁した保護費の費用に係る徴収金の徴収について適用すること。

(10) 罰則に関する経過措置(附則第12条)

この法律の施行前にした行為及びこの経過措置等によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例によること。

第4 その他の留意事項

この法律の成立に際して、参議院厚生労働委員会において、別添のとおり附帯決議が付されているところであり、これらの趣旨を踏まえた適切な運用をお願いしたい。

(別添)

生活保護法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

平成25年11月12日

参議院厚生労働委員会

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

一、生活保護制度は、憲法25条が規定した「健康で文化的な最低限度の生活」を全ての国民に保障するための最後の砦であり、本法に基づいて保護が必要な国民に確実に保護を実施する必要があることから、本法の施行を機に、制度の意義や必要性、相談窓口の所在や申請の方法等について改めて国民への周知を図り、国民全体の理解を得るよう努めること。

二、申請権侵害の事案が発生することのないよう、申請行為は非要式行為であり、障害等で文字を書くことが困難な者等が口頭で申請することも認められるというこれまでの取扱いや、要否判定に必要な資料の提出は可能な範囲で保護決定までの間に行うというこれまでの取扱いに今後とも変更がないことについて、省令、通達等に明記の上、周知するとともに、いわゆる「水際作戦」はあってはならないことを、地方自治体に周知徹底すること。

三、生活保護制度の説明資料、申請書等について、保護の相談窓口に常時配備するなど、相談窓口における適切な対応について指導を徹底すること。また、相談窓口の対応等について実態調査を行うとともに、申請権侵害が疑われる事案が生じた場合に、不服のある相談者等が相談できる機関を設置するなど、制度のより適正な運営に向けた相談体制の在り方について検討すること。

四、扶養義務者に対する調査、通知等に当たっては、扶養義務の履行が要保護認定の前提や要件とはならないことを明確にするとともに、事前に要保護者との家族関係、家族の状況等を十分に把握し、要保護者が申請を躊躇したり、その家族関係の悪化を来したりすることのないよう、十分配慮すること。

五、生活保護受給者に対して就労による自立を促す際には、十分な相談・聞き取りを行い、被保護者の納得と理解を確認するなど、適切な指導を行うこと。また、就労自立給付金の支給に当たっては、就労による自立のインセンティブ付与と、被保護者の自立後の生活の安定に資するという二つの観点から、対象範囲を適正に設定し、必要な給付が行われるよう制度設計を行うこと。

六、生活保護制度の実施体制については、受給者数が急増していることや、個々人の異なる状況に時間をかけて密接に対応していく必要があることから、地方自治体に対する地方交付税措置を改善し、地方自治体におけるケースワーカー、就労支援員などの増員を図る等により、適正な配置を確保すること。

七、5年後の見直しに際しては、生活保護受給者数、人口比受給率、生活保護の捕捉率、餓死・孤立死などの問題事例等の動向を踏まえ、生活保護受給者、これを支援する団体、貧困問題に関し優れた見識を有する者等、関係者の意見を十分に聴取した上で、必要な改正を行うこと。

右決議する。