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○変異原性が認められた化学物質の取扱いについて

(平成25年11月28日)

(基発1128第3号)

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

(公印省略)

標記の件に関し、現在まで、

1.労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第57条の3第1項の規定に基づき届出のあった化学物質(以下「届出物質」という。)のうち、有害性の調査の結果、強度の変異原性が認められたもの(合計739物質)

2.法第57条の3第1項の既存の化学物質として政令に定める化学物質(以下「既存化学物質」という。)のうち、有害性の調査の結果、強度の変異原性が認められたもの(合計145物質)

については、「変異原性が認められた化学物質による健康障害を防止するための指針」(平成5年5月17日付け基発第312号の3の別添1。以下「指針」という。)に基づく措置の実施を届出事業者に対して要請するとともに、指針の周知等を関係事業者団体に対して要請してきたところである。

今般、労働安全衛生法第57条の3第3項の規定に基づき新規化学物質の名称を公表する件(平成24年厚生労働省告示第594号、平成25年厚生労働省告示第78号、第215号及び第311号)により、1,125物質の名称を公表したところであるが、それらの化学物質のうち、別紙1に掲げる43の届出物質について、学識経験者から、変異原性試験の結果、強度の変異原性が認められる旨の意見を得た。

また、既存化学物質のうち別紙2―1に掲げる1物質及び別紙2―2に掲げる5物質について、学識経験者から、強度の変異原性が認められる旨の意見を得た。

ついては、別添1により別紙1に掲げる届出物質を届け出た事業場に対して、指針に基づく措置を講ずるよう要請し、また、別添2により関係事業者団体に対して、別紙1に掲げる届出物質又は別紙2―1及び別紙2―2に掲げる既存化学物質を製造する又は取り扱う際には、指針に基づく措置を講ずるよう周知していただきたい旨要請したので、貴職におかれても、管内の事業者に対して、これらの化学物質を製造し、又は取り扱う際には、指針に基づく措置を講ずる等、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講ずる旨周知されたい。

なお、これまでに指針に基づく措置を講ずるよう届出事業者及び関係事業者団体に要請した物質のうち、別紙3に掲げる既存化学物質については、別紙3に掲げる理由により措置の対象から除外することとした。しかしながら当該物質は法第57条の2の規定に基づく名称等を通知すべき物質であるので、製造し、又は取り扱う際には適切な措置を講ずるよう、併せて周知されたい。

(別紙1)

変異原性が認められた届出物質

 

名称公表通し番号

名称公表年月日

名称公表告示番号

名称

1

21698

平成24年12月27日

厚生労働省告示第594号

4―クロロメチル―2―(グアニジン―2―イル)―1,3―チアゾール=塩酸塩

2

21699

4―クロロメチル―1,3―チアゾール

3

21719

1,2―ジクロロ―3―(2―クロロ―1,1,2―トリフルオロエトキシ)プロパン

4

21729

3',4'―ジフルオロビフェニル―2―アミン

5

21738

(4R,5S,6S)―3―{[(3S,5S)―5―(N,N―ジメチルカルバモイル)―1―(4―ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン―3―イル]スルファニル}―6―[(1R)―1―ヒドロキシエチル]―4―メチル―7―オキソ―1―アザビシクロ[3.2.0]ヘプタ―2―エン―2―カルボン酸=4―ニトロベンジル

6

21782

5―(4―ニトロフェニル)フラン―2―カルバルデヒド

7

21783

1―{[5―(4―ニトロフェニル)フルフリリデン]アミノ}ヒダントイン

8

21814

ビフェニル―4,4'―ジオールとホルムアルデヒドの3,3',5,5'―テトラキス(ヒドロキシメチル)ビフェニル―4,4'―ジオールを主成分とする反応生成物

9

21841

9―ブロモアントラセン

10

21844

2―ブロモメチル―1,3―ジフルオロベンゼンのアセトニトリル溶液

 11

22006

平成25年3月27日

厚生労働省告示第78号

[1―クロロ―2,3―エポキシプロパン・4,4'―(プロパン―2,2―ジイル)ジフェノール重縮合物]と(1―ブトキシ―2,3―エポキシプロパンとリン酸の反応生成物)の反応生成物

 12

22012

6―クロロフェナントリジン

13

22059

(E)―N,N―ジメチル―2―(8―ニトロキノリン―7―イル)エテン―1―アミン

14

22066

チオ炭酸=O―(1―クロロエチル)=S―メチル

15

22070

2,2,3,3―テトラフルオロ―4―{N2―[4―(3―{3―[2―(ヘプチルスルファニル)エチル]ウレイド}フェニルスルホニルアミノ)フェニル]ヒドラジノ}―4―オキソブタン酸カリウム

16

22085

8―ニトロキノリン―7―カルバルデヒド

17

22089

1,3―ビス(オキシラニルメチル)―5―メチル―1,3,5―トリアジン―2,4,6(1H,3H,5H)―トリオン

18

22101

(4―ヒドロキシフェニル)メチル(1―ナフチルメチル)スルホニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラヌイド

19

22111

(1R,2S)―1―{[(2S,4R)―4―(フェナントリジン―6―イルオキシ)ピロリジン―2―イル]カルボキサミド}―2―ビニルシクロプロパン―1―カルボン酸エチル

20

22144

3―{3―[2―(ヘプチルスルファニル)エチル]ウレイド}―N―(4―ヒドラジノフェニル)ベンゼンスルホンアミド=塩酸塩

21

22162

N―[4―(N2―ホルミルヒドラジノ)フェニル]―3―{3―[2―(ヘプチルスルファニル)エチル]ウレイド}ベンゼンスルホンアミド

22

22189

7―メチル―8―ニトロキノリン

 23

22225

平成25年6月27日

厚生労働省告示第215号

アクリル酸=2―ヒドロキシエチル・アクリル酸ブチル・(フェノール・ホルムアルデヒド重縮合物の1―クロロ―2,3―エポキシプロパンによるエーテル化反応生成物)・メタクリル酸・α―メチル―ω―メトキシポリ{オキシ(ジメチルシランジイル)/オキシ[メトキシ(フェニル)シランジイル]}共重合物

 24

22232

アクリル酸ブチル・(フェノール・ホルムアルデヒド重縮合物の1―クロロ―2,3―エポキシプロパンによるエーテル化反応生成物)・メタクリル酸・メタクリル酸=2,3―エポキシプロピル共重合物

25

22267

[2―(アリルオキシメチル)オキシランとフェノール・ホルムアルデヒド重縮合物の反応生成物]と2―(クロロメチル)オキシランの反応生成物

26

22290

7―オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ―5―エン―2―スルホン酸メチル

27

22291

3,4'―オキシジアニリンと2―クロロメチルオキシランのN,N,N',N'―テトラキス(オキシラニルメチル)―3,4'―オキシジアニリンを主成分とする反応生成物

28

22328

酢酸=2,2―ジオキソ―1,2λ6―オキサチオラン―4―イル

29

22336

次亜フッ素酸=トリフルオロメチル

30

22342

2,2―ジオキソ―1,2λ6―オキサチオラン―4―オール

31

22411

4―(2―ヒドロキシ―4―ニトロフェニルジアゼニル)―3―メチル―1―フェニルピラゾール―5―オールと3―ヒドロキシ―4―(5―ヒドロキシ―3―メチル―1―フェニルピラゾール―4―イルジアゼニル)ナフタレン―1―スルホン酸の1:2型クロム(Ⅲ)錯体の二ナトリウム塩

32

22430

6―ブロモ―2―エチル―1H―ベンゾ[de]イソキノリン―1,3(2H)―ジオンと6―ブロモ―2―メチル―1H―ベンゾ[de]イソキノリン―1,3(2H)―ジオンの混合物

33

22444

3―{N―ベンジル―4―[(2―シアノ―4―ニトロフェニル)ジアゼニル]アニリノ}プロパン酸=2―オキソプロピル

34

22470

4―(2―メトキシ―1―メチルエトキシ)―2―メチルベンゾイル=クロリド

35

22510

平成25年9月27日

厚生労働省告示第311号

N―{5―アセチルアミノ―4―[(2―クロロ―4,6―ジニトロフェニル)ジアゼニル]―2―メトキシフェニル}―N―(2―エトキシ―2―オキソエチル)グリシンメチル

36

22583

2―シアノアクリル酸=2―メトキシエチル

37

22628

3,3,3―トリフルオロプロパ―1―イン

38

22645

ビス(メタンスルホン酸)=ブタ―2―イン―1,4―ジイル

39

22659

2―[(4―フェノキシフェニル)アミノ]マロン酸ジエチル

40

22677

2―ブロモ―2―(2―クロロフェニル)酢酸

41

22682

1―ブロモ―4―(ブロモメチル)ナフタレン

42

22683

4―ブロモベンゼン―1,2―ジアミン

43

22725

4―メチルベンゼンスルホン酸=[(2S)―4―メチル―3,4―ジヒドロ―2H―1,4―ベンゾオキサジン―2―イル]メチル

(別紙2―1)

変異原性が認められた既存化学物質

 

安衛法

官報公示

整理番号

名称公表年月日

名称公表告示番号

名称

1

2―(13)―114

昭和54年5月31日

労働省告示第49号

1,2―ジクロロ―1,2―ジフルオロエチレン

(注) この物質は労働安全衛生法の有害性調査制度発足時に既存化学物質として公示したものである(労働安全衛生法施行令附則第9条の2関係)。

今般、当該物質と同一の物質について新規化学物質製造・輸入届が提出され、その有害性調査の結果について、学識経験者から強い変異原性が認められる旨の意見を得たことから、今般措置の対象としたものである。

(別紙2―2)

変異原性が認められた既存化学物質

 

化審法官報公示

整理番号

CAS No.

名称

1

5―720

109―09―1

2―クロロピリジン

2

2―396

2425―79―8

1,4―ブタンジオールジグリシジルエーテル

3

3―575

3101―60―8

ブチルフェニルグリシジルエーテル

4

5―270

5401―94―5

5―ニトロインダゾール

5

1―115

7789―38―0

臭素酸ナトリウム

(注1) これらの化学物質は、化学物質のリスク評価検討会(有害性評価小検討会)の下に設置された遺伝毒性評価ワーキンググループにおいて、既知の知見を基に評価を行い、強い変異原性がある旨の意見を得られたことから、措置の対象とする。

(注2) 「化審法官報公示整理番号」とは、昭和54年6月29日までに化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和48年法律第117号)(化審法)の規定により公示された際に付せられた整理番号であり、これらは労働安全衛生法においても既存の化学物質として取り扱うこととしている(労働安全衛生法施行令附則第9条の2関係)。

(別紙3)

変異原性が認められた届出物質として指針に基づく措置を要請した物質のうち、措置の対象から除外する物質

 

化審法官報公示

整理番号

CAS No.

名称

1

4―118

101―68―8

メチレンビス(4―フェニルイソシアネート)【別名:(4,4'―ジフェニルメタンジイソシアネート)】

(除外する理由)

メチレンビス(4―フェニルイソシアネート)(以下「MDI」という。)は平成3年2月4日基発第80号「変異原性が認められた既存化学物質の取扱いについて」において強度の変異原性が認められた既存化学物質とされたが、平成24年度化学物質のリスク評価検討会において、強度の変異原性があると判断することができない旨の結論が得られたので、除外する。

【MDIの初期リスク評価書(2012年8月公表)】(抜粋)

・MDIは変異原性試験に用いた溶媒であるジメチルスルホキシド(以下「DMSO」という。)と反応し、遺伝毒性物質であるメチレンジアニリン(以下「MDA」という。)となるため、試験が適切に実施されたか不明であり、当該物質の遺伝毒性は判断できない。

・MDIのネズミチフス菌を用いた変異原性試験では、溶媒としてDMSOを用いた時には+S9で陽性成績を示すが、エチレングリコールジメチルエーテル(以下「EGDE」という。)では陰性成績を示した。MDIはDMSO中では不安定であり、数分間でMDIから多くの生成物が産出される。in vitro試験での陽性成績はMDIそのものというよりもDMSO中でのMDIの生成物によるものではないかと推測される。

MDIの分解生成物の一つにMDAがあり、MDAは遺伝毒性を示し、MDIがDMSO中で溶解したときに生成されることが知られているが、EDGE中のMDI溶液ではMDAは検出されない。したがって、溶媒としてDMSOを用いたときのMDIの陽性成績はMDA生成によるものと考えられる。in vitroおよびin vivoでのMDIの変異原性試験結果の評価では、変異原性の証拠は確認できない。

[別添1]

○変異原性が認められた化学物質の取扱いについて

(平成25年11月28日)

(基発1128第1号)

(届出事業者あて厚生労働省労働基準局長通知)

労働安全衛生法第57条の3第1項の規定に基づき、貴殿から届出のあった下記の化学物質(以下「届出物質」という。)に係る有害性調査の結果について、学識経験者から、強度の変異原性が認められる旨の意見を得たところです。

つきましては、届出物質の製造又は取扱いに関し、別添の「変異原性が認められた化学物質による健康障害を防止するための指針」(平成5年5月17日付け基発第312号の3の別添1)に基づく措置を講ずる等、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講ずるようお願いします。

1 届出年月日等

2 官報掲載年月日

3 官報公示名称

(別添 略)

[別添2]

○変異原性が認められた化学物質の取扱いについて

(平成25年11月28日)

(基発1128第2号)

(別紙の関係団体の長あて厚生労働省労働基準局長通知)

労働安全衛生行政の運営につきましては、日頃から格段の御協力を賜り厚くお礼申し上げます。

さて、これまで、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第57条の3第1項の規定に基づき届出のあった化学物質については、同条第3項の規定に基づき当該化学物質の名称を公表するとともに、同条第4項の規定に基づき有害性の調査の結果について学識経験者の意見を聴取し、変異原性試験の結果強度の変異原性が認められる旨の意見を得たものについては、「変異原性が認められた化学物質による健康障害を防止するための指針」(平成5年5月17日付け基発第312号の3の別添1。以下「指針」という。)に基づく措置を講ずるよう、要請してきているところです。

今般、「労働安全衛生法第57条の3第3項の規定に基づき新規化学物質の名称を公表する件」(平成24年厚生労働省告示第594号、平成25年厚生労働省告示第78号、第215号及び第311号)により、1,125物質の名称を公表したところですが、それらの化学物質のうち、別紙1に掲げる43の届出物質について、学識経験者から、変異原性試験の結果、強度の変異原性が認められる旨の意見を得ました。

また、法第57条の3第1項の既存の化学物質として政令に定める化学物質(以下「既存化学物質」という。)のうち、別紙2―1に掲げる1物質及び別紙2―2に掲げる5物質について、学識経験者から、強度の変異原性が認められる旨の意見を得ました。

つきましては、貴団体におかれましても、傘下会員に対し、別紙1に掲げる届出物質又は別紙2―1及び別紙2―2に掲げる既存化学物質を製造し、又は取り扱う際には、指針に基づく措置を講ずる等、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講ずる旨周知いただきますようお願いします。

なお、これまでに指針に基づく措置を講ずるよう届出事業者及び関係事業者団体に要請した物質のうち、別紙3に掲げる既存化学物質については、別紙3に掲げる理由により措置の対象から除外することとしました。しかしながら、当該物質は法第57条の2の規定に基づく名称等を通知すべき物質ですので、製造し、又は取り扱う際には適切な措置を講じていただきますようお願いします。

(別紙1、別紙2―1、別紙2―2及び別紙3 略)

(別紙)

一般社団法人日本化学工業協会

一般社団法人日本化学品輸出入協会

化成品工業協会

農薬工業会

日本製薬団体連合会

[別添3]

○変異原性が認められた化学物質による健康障害を防止するための指針(平成5年5月17日付け労働省労働基準局長伺い定め)

(平成5年5月17日)

改正 平成18年 3月 9日

同 24年12月11日

1 趣旨

この指針は、微生物を用いる変異原性試験、乳類培養細胞を用いる染色体異常試験等の結果から強度の変異原性が認められた化学物質(以下「変異原化学物質」という。)又は変異原化学物質を含有するもの(変異原化学物質の含有量が重量の1パーセント以下のものを除く。)(以下「変異原化学物質等」という。)を製造し、又は取り扱う作業に関し、当該変異原化学物質への暴露による労働者の健康障害を未然に防止するため、その製造又は取扱いに関する留意事項について定めたものである。事業者は、この指針に定める措置を講ずるほか、労働者の健康障害を防止するための適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 変異原化学物質による暴露を低減するための措置について

(1) 労働者への変異原化学物質による暴露の低減を図るため、当該事業場における変異原化学物質等の物性、製造量、取扱量、作業の頻度、作業時間、作業の態様等を勘案し、必要に応じ、次に掲げる作業環境管理に係る措置、作業管理に係る措置その他必要な措置を講ずること。

イ 作業環境管理

(イ) 使用条件等の変更

(ロ) 作業工程の改善

(ハ) 設備の密閉化

(ニ) 局所排気装置等の設置

ロ 作業管理

(イ) 労働者が変異原化学物質に暴露されないような作業位置、作業姿勢又は作業方法の選択

(ロ) 呼吸用保護具、不浸透性の保護衣、保護手袋等の保護具の使用

(ハ) 変異原化学物質に暴露される時間の短縮

(2) (1)により暴露を低減するための装置等の設置等を行った場合には、次によること。

イ 局所排気装置等については、作業が行われている間、適正に稼働させること。

ロ 局所排気装置等については定期的に保守点検を行うこと。

ハ 変異原化学物質等を作業場外へ排出する場合は、当該物質を含有する排気、排液等による事業場の汚染を防止すること。

ニ 保護具については同時に就業する労働者の人数分以上を備え付け、常時有効かつ清潔に保持すること。また、送気マスクを使用させたときは、当該労働者が有害な空気を吸入しないような措置を講ずること。

(3) 次の事項について当該作業に係る作業規定を定め、これに基づき作業させること。

イ 設備、装置等の操作、調整及び点検

ロ 異常な事態が発生した場合における応急の措置

ハ 保護具の使用

3 作業環境測定について

(1) 変異原化学物質に係る作業が屋内で行われる場合であって、当該物質に関する作業環境測定手法が開発されているときには、定期に当該物質の性状に応じ作業環境測定基準、作業環境ガイドブック等を参考として作業環境測定を実施することが望ましいこと。

(2) 作業環境測定の結果及び結果の評価の記録を30年間保存するよう努めること。

4 労働衛生教育について

(1) 変異原化学物質等を製造し、又は取り扱う作業に従事している労働者及び当該作業に従事させることとなった労働者に対して、次の事項について労働衛生教育を行うこと。

イ 変異原化学物質の性状及び有害性

ロ 変異原化学物質による健康障害、その予防方法及び応急措置

ハ 局所排気装置その他の変異原化学物質への暴露を低減するための設備並びにそれらの保守及び点検の方法

ニ 保護具の種類、性能、使用方法及び保守管理

(2) 上記事項に係る労働衛生教育の時間は4時間以上とすること。

(3) (1)のイからニの全部又は一部について十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該項目についての教育を省略して差し支えないこと。

5 危険有害性等の表示、通知等について

変異原化学物質等を譲渡し、又は提供する場合は、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第24条の14及び第24条の15の規定に準じて、容器又は包装に名称等の表示を行うとともに、相手方に安全データシート(以下「SDS」という。)の交付等により名称等の通知を行うこと。この場合、微生物等への強い変異原性を有することについて表示及び通知の内容に含めること。

6 変異原化学物質等の製造等に従事する労働者の把握について

変異原化学物質等を製造し、又は取り扱う作業に常時従事する労働者について、1年を超えない期間ごとに次の事項を記録すること。

イ 労働者の氏名

ロ 従事した作業の概要及び当該作業に従事した期間

ハ 変異原化学物質により著しく汚染される事態が生じたときは、その概要及び講じた応急措置の概要

なお、上記の事項の記録は、当該記録を行った日から30年間保存するよう努めること。