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○「使用上の注意」の改訂について

(平成25年11月26日)

(薬食安発1126第1号)

(日本製薬団体連合会安全性委員会委員長あて厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知)

(公印省略)

医薬品の品質、有効性及び安全性に関する情報の収集、調査、検討等を踏まえ、医薬品の「使用上の注意」の改訂が必要と考えますので、下記のとおり必要な措置を講じるよう関係業者に対し周知徹底方お願い申し上げます。

なお、本通知に基づき改訂を行った添付文書については、「独立行政法人医薬品医療機器総合機構設立を踏まえた医薬品の添付文書中の「使用上の注意」の改訂及びその情報提供について」(平成16年4月1日付け薬食安発第0401001号厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知。以下「課長通知」という。)の趣旨にかんがみ、医療用医薬品についての電子化した添付文書の独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「総合機構」という。)安全第一部安全性情報課への提出等に御協力をお願いします。

1.別紙1から別紙8のとおり、速やかに添付文書を改訂し、医薬関係者等への情報提供等の必要な措置を講ずること。また、貴委員会において取りまとめの上、本通知の日から1か月以内に、課長通知の別紙様式による「使用上の注意」等変更届を総合機構安全第二部を窓口として、同部長あて提出すること。

別紙1

119 その他の中枢神経系用薬

【医薬品名】ドネペジル塩酸塩

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[重要な基本的注意]の項の徐脈、心ブロック、QT延長に関する記載を

「本剤の投与により、QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)、心室細動、洞不全症候群、洞停止、高度徐脈、心ブロック(洞房ブロック、房室ブロック)等があらわれることがあるので、特に心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)を有する患者や電解質異常(低カリウム血症等)のある患者等では、観察を十分に行うこと。」

と改め、

「アルツハイマー型認知症では、自動車の運転等の機械操作能力が低下する可能性がある。また、本剤により、意識障害、めまい、眠気等があらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないよう患者等に十分に説明すること。」

を追記し、[副作用]の「重大な副作用」の項の失神、徐脈、心ブロック、QT延長、心筋梗塞、心不全に関する記載を

「QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)、心室細動、洞不全症候群、洞停止、高度徐脈、心ブロック、失神:

QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)、心室細動、洞不全症候群、洞停止、高度徐脈、心ブロック(洞房ブロック、房室ブロック)、失神があらわれ、心停止に至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

心筋梗塞、心不全:

心筋梗塞、心不全があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」

と改め、

「血小板減少:

血小板減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」

を追記する。

(注)患者向医薬品ガイドを作成する医薬品に特定する。

別紙2

212 不整脈用剤

【医薬品名】ピルシカイニド塩酸塩水和物(経口剤)

プロパフェノン塩酸塩

ベプリジル塩酸塩水和物

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[重要な基本的注意]の項に

「めまい等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。」

を追記する。

(注)ピルシカイニド塩酸塩水和物(経口剤)、プロパフェノン塩酸塩を患者向医薬品ガイドを作成する医薬品に特定する。

別紙3

213 利尿剤

【医薬品名】フロセミド

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[副作用]の「重大な副作用」の項の再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、赤芽球癆に関する記載を

「再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少、赤芽球癆:

再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少、赤芽球癆があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」

と改める。

(注)患者向医薬品ガイドを作成する医薬品に特定する。

別紙4

219 その他の循環器官用薬

339 その他の血液・体液用薬

614 主としてグラム陽性菌、マイコプラズマに作用するもの

624 合成抗菌剤

625 抗ウイルス剤

【医薬品名】ベラプロストナトリウム

アジスロマイシン水和物

(成人用錠剤、成人用ドライシロップ剤、注射剤)

オフロキサシン(経口剤)

メシル酸ガレノキサシン水和物

レボフロキサシン水和物(注射剤)

テラプレビル

ファムシクロビル

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[重要な基本的注意]の項に

「意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。」

を追記する。

(注)ベラプロストナトリウム、メシル酸ガレノキサシン水和物、レボフロキサシン水和物(注射剤)、ファムシクロビルを患者向医薬品ガイドを作成する医薬品に特定する。

別紙5

219 その他の循環器官用薬

【医薬品名】ボセンタン水和物

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[副作用]の「重大な副作用」の項に

「心不全、うっ血性心不全:

心不全が増悪することがあるので、投与中は観察を十分に行い、体液貯留、急激な体重増加、心不全症状・徴候(息切れ、動悸、心胸比増大、胸水等)が増悪あるいは発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」

を追記する。

別紙6

611 主としてグラム陽性菌に作用するもの

【医薬品名】クリンダマイシン塩酸塩

クリンダマイシンリン酸エステル(注射剤)

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[副作用]の「重大な副作用」の項の皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症、剥脱性皮膚炎に関する記載を

「中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎:

中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」

と改め、

「薬剤性過敏症症候群:

初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。」

を追記する。

〈参考〉厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性過敏症症候群

(注)クリンダマイシンリン酸エステル(注射剤)を患者向医薬品ガイドを作成する医薬品に特定する。

別紙7

624 合成抗菌剤

【医薬品名】レボフロキサシン水和物(経口剤)

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[重要な基本的注意]の項を新たに設け、

「意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。」

を追記する。

(注)患者向医薬品ガイドを作成する医薬品に特定する。

別紙8

625 抗ウイルス剤

【医薬品名】アシクロビル(経口剤、注射剤)

バラシクロビル塩酸塩

【措置内容】以下のように使用上の注意を改めること。

[重要な基本的注意]の項に

「意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。なお、腎機能障害患者では、特に意識障害等があらわれやすいので、患者の状態によっては従事させないよう注意すること。」

を追記する。

(注)アシクロビル(経口剤、注射剤)、バラシクロビル塩酸塩を患者向医薬品ガイドを作成する医薬品に特定する。