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8.測定条件

(例)

カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル内径2.0mm、長さ150mm、粒子径5μm

カラム温度:40℃

移動相:アセトニトリル及び2mmol/L酢酸アンモニウム溶液(3:7)から(9:1)までの濃度勾配を10分間で行い、(9:1)で5分間保持する。

イオン化モード:ESI(-)又はESI(+)

主なイオン(m/z):

ESI(-);プリカーサーイオン300、プロダクトイオン264

ESI(+);プリカーサーイオン302、プロダクトイオン97

注入量:5μL

保持時間の目安:8分

9.定量限界

0.01mg/kg

10.留意事項

1)試験法の概要

フェンヘキサミドを試料から酸性下アセトンで抽出し、オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム及びグラファイトカーボンミニカラムで精製した後、LC―MS/MSで定量及び確認する方法である。

2)注意点

①pH3未満の条件下で抽出を行う必要があること。

②フェンヘキサミドのLC―MS/MS測定で、試験法開発時に使用したイオンを以下に示す。

定量用イオン(m/z):ESI(-);プリカーサーイオン300、プロダクトイオン264

定性用イオン(m/z):ESI(+);プリカーサーイオン302、プロダクトイオン97

また、そのほかのイオンの例を以下に示す。

ESI(-);プリカーサーイオン300、プロダクトイオン249

11.参考文献

なし

12.類型

C

[別紙5]

ミルベメクチン及びレピメクチン試験法(農産物)

1.分析対象化合物

農薬等の成分である物質

分析対象化合物

ミルベメクチン

ミルベメクチンA3

(10E,14E,16E,22Z)―(1R,4S,5'S,6R,6'R,8R,13R,20R,21R,24S)―21,24―ジヒドロキシ5',6',11,13,22―ペンタメチル―3,7,19―トリオキサテトラシクロ[15.6.1.14,8.020,24]ペンタコサ―10,14,16,22―テトラエン―6―スピロ―2'―テトラヒドロピラン―2―オン

ミルベメクチンA4

(10E,14E,16E,22Z)―(1R,4S,5'S,6R,6'R,8R,13R,20R,21R,24S)―6'―エチル―21,24―ジヒドロキシ―5',11,13,22―テトラメチル―3,7,19―トリオキサテトラシクロ[15.6.1.14,8.020,24]ペンタコサ―10,14,16,22―テトラエン―6―スピロ―2'―テトラヒドロピラン―2―オン

レピメクチン

L.A3(レピメクチンA3)

(10E,14E,16E)―(1R,4S,5'S,6R,6'R,8R,12R,13S,20R,21R,24S)―21,24―ジヒドロキシ―5',6',11,13,22―ペンタメチル―2―オキソ―3,7,19―トリオキサテトラシクロ[15.6.1.14,8.020,24]ペンタコサ―10,14,16,22―テトラエン―6―スピロ―2'―テトラヒドロピラン―12―イル(Z)―2―メトキシイミノ―2―フェニルアセタート

L.A4(レピメクチンA4)

(10E,14E,16E)―(1R,4S,5'S,6R,6'R,8R,12R,13S,20R,21R,24S)―6'―エチル―21,24―ジヒドロキシ―5',11,13,22―テトラメチル―2―オキソ―3,7,19―トリオキサテトラシクロ[15.6.1.14,8.020,24]ペンタコサ―10,14,16,22―テトラエン―6―スピロ―2'―テトラヒドロピラン―12―イル(Z)―2―メトキシイミノ―2―フェニルアセタート

2.装置

蛍光光度型検出器付き高速液体クロマトグラフ(HPLC―FL)

3.試薬、試液

次に示すもの以外は、総則の3に示すものを用いる。

無水トリフルオロ酢酸 無水トリフルオロ酢酸(特級)

ミルベメクチンA3標準品 本品はミルベメクチンA395%以上を含む。

ミルベメクチンA4標準品 本品はミルベメクチンA495%以上を含む。

レピメクチン標準品 本品はレピメクチン97%以上を含む。

4.試験溶液の調製

1)抽出

①穀類、豆類及び種実類の場合

試料10.0gに水20mLを加え、30分間放置する。これにアセトン100mLを加え、ホモジナイズした後、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物にアセトン50mLを加えてホモジナイズした後、上記と同様にろ過する。得られたろ液を合わせて、アセトンで正確に200mLとする。この20mLを採り、40℃以下で濃縮し、アセトンを除去する。10%塩化ナトリウム溶液100mLを加え、酢酸エチル及びn―ヘキサン(1:4)混液50mLで2回振とう抽出する。抽出液を合わせ、無水硫酸ナトリウムを加えて脱水し、無水硫酸ナトリウムをろ別した後、40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物にn―ヘキサン30mLを加え、n―ヘキサン飽和アセトニトリル30mLで2回振とう抽出する。抽出液を合わせ、40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物にアセトン及びn―ヘキサン(1:19)混液5mLを加えて溶かす。

②果実及び野菜の場合

試料20.0gにアセトン100mLを加え、ホモジナイズした後、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物にアセトン50mLを加えてホモジナイズした後、上記と同様にろ過する。得られたろ液を合わせて、アセトンで正確に200mLとする。この10mLを採り、40℃以下で濃縮し、アセトンを除去する。10%塩化ナトリウム溶液100mLを加え、酢酸エチル及びn―ヘキサン(1:4)混液50mLで2回振とう抽出する。抽出液を合わせ、無水硫酸ナトリウムを加えて脱水し、無水硫酸ナトリウムをろ別した後、40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物にアセトン及びn―ヘキサン(1:19)混液5mLを加えて溶かす。

③茶の場合

試料5.00gに水20mLを加え、30分間放置する。これにアセトン100mLを加え、ホモジナイズした後、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物にアセトン50mLを加えてホモジナイズした後、上記と同様にろ過する。得られたろ液を合わせて、アセトンで正確に200mLとする。この40mLを採り、40℃以下で濃縮し、アセトンを除去する。10%塩化ナトリウム溶液100mLを加え、酢酸エチル及びn―ヘキサン(1:4)混液50mLで2回振とう抽出する。抽出液を合わせ、無水硫酸ナトリウムを加えて脱水し、無水硫酸ナトリウムをろ別した後、40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物にアセトン及びn―ヘキサン(1:19)混液5mLを加えて溶かす。

2)精製

グラファイトカーボンミニカラム(500mg)の下にシリカゲルミニカラム(690mg)を連結し、アセトン及びn―ヘキサン各10mLを順次注入し、流出液は捨てる。このカラムに1)で得られた溶液を注入した後、アセトン及びn―ヘキサン(1:19)混液15mLを注入し、流出液は捨てる。次いで、アセトン及びn―ヘキサン(3:7)混液30mLを注入し、溶出液を40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物にトルエン1mLを加えて溶かす。

3)蛍光誘導体化

2)で得られた溶液にトリエチルアミン0.05mL及び無水トリフルオロ酢酸0.1mLを加えて密栓し、40℃で30分間緩やかに振とう後、トリエチルアミン0.05mLを加え、窒素気流下で溶媒を除去する。この残留物をメタノールに溶解し、正確に5mLとしたものを試験溶液とする。

5.検量線の作成

1)ミルベメクチンについて

ミルベメクチンA3標準品及びミルベメクチンA4標準品の混合標準溶液(各2mg/Lアセトニトリル溶液)を調製する。混合標準溶液1mLを採り窒素気流下で溶媒を除去した後、トルエン1mLを加えて溶かし、4.試験溶液の調製3)蛍光誘導体化と同様の操作を行い、蛍光誘導体の検量線用メタノール溶液を調製する。この溶液を希釈してメタノール溶液を数点調製し、それぞれHPLC―FLに注入し、ピーク高法もしくはピーク面積法で検量線を作成する。なお、本法に従って試験溶液を調製した場合、試料中0.01mg/kgに相当する試験溶液中濃度は各0.002mg/Lである。

2)レピメクチンについて

レピメクチン標準品の2mg/Lアセトニトリル溶液を調製し、その1mLを採り窒素気流下で溶媒を除去した後、トルエン1mLを加えて溶かし、4.試験溶液の調製3)蛍光誘導体化と同様の操作を行い、蛍光誘導体の検量線用メタノール溶液を調製する。この溶液を希釈してメタノール溶液を数点調製し、それぞれHPLC―FLに注入し、レピメクチンA3及びレピメクチンA4の両ピークの高さ又は面積の合計を用いて、ピーク高法もしくはピーク面積法で検量線を作成する。なお、本法に従って試験溶液を調製した場合、試料中0.01mg/kgに相当する試験溶液中濃度は0.002mg/Lである。

6.定量

試験溶液をHPLC―FLに注入し、5の検量線でミルベメクチンA3、ミルベメクチンA4及びレピメクチンの含量を求める。

7.確認試験

HPLC―FLにより確認する。

8.測定条件

(例)

検出器:FL(励起波長368nm、蛍光波長460nm)

カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル、内径4.6mm、長さ150mm、粒子径5μm

カラム温度:40℃

移動相:アセトニトリル及び水(9:1)混液

注入量:20μL

保持時間の目安:

ミルベメクチンA3;14分

ミルベメクチンA4;18分

レピメクチンA3;13分

レピメクチンA4;15分

9.定量限界

0.01mg/kg

10.留意事項

1)試験法の概要

ミルベメクチン(ミルベメクチンA3及びミルベメクチンA4)及びレピメクチン(レピメクチンA3及びレピメクチンA4)を試料からアセトンで抽出し、酢酸エチル及びn―ヘキサン(1:4)混液で転溶した後、穀類、豆類及び種実類はアセトニトリル/ヘキサン分配で脱脂する。グラファイトカーボン/シリカゲル連結ミニカラムで精製した後、蛍光誘導体化しHPLC―FLで定量及び確認する方法である。

2)注意点

①蛍光誘導体化において、30分間振とう後に添加するトリエチルアミンは、誘導体化反応を停止するために加える。誘導体化後に溶媒を除去した後、残留物が0.1~0.2mL程度残る。また、蛍光誘導体は不安定であることから、蛍光誘導体化後の操作は速やかに行い、測定まで即日で行うと良い。

②確認条件

検出器:蛍光光度型検出器(励起波長368nm、蛍光波長460nm)

カラム:フェニル結合型シリカゲル、内径4.6mm、長さ250mm、粒子径5μm

カラム温度:40℃

移動相:アセトニトリル及び水の混液(3:1)

保持時間の目安:

ミルベメクチンA3;13分

ミルベメクチンA4;15分

レピメクチンA3;16分

レピメクチンA4;18分

なお、試験法開発時にLC―MS/MSでの確認条件も検討したが、十分な感度が得られなかった。

③試験法開発時には、レピメクチンA3及びレピメクチンA4それぞれの標準品を入手できなかったため、両者の混合標準品(それぞれの割合はレピメクチンA3が20%以下、レピメクチンA4が80%以上のもの)を用いて両ピークの合計値で定量を行った。レピメクチンA3及びレピメクチンA4の各標準品が入手可能な場合には、それぞれの含量を求めその和を分析値とする。

11.参考文献

旧環境省告示ミルベメクチン試験法

12.類型

C

[別紙6]

ラフォキサニド試験法(畜水産物)

1.分析対象化合物

ラフォキサニド

2.装置

液体クロマトグラフ・タンデム型質量分析計(LC―MS/MS)

3.試薬、試液

次に示すもの以外は、総則の3に示すものを用いる。

ラフォキサニド標準品 本品はラフォキサニド97%以上を含む。

4.試験溶液の調製

1)抽出

①筋肉、肝臓、腎臓、乳、卵、魚介類及びはちみつの場合

試料10.0gにアセトン100mL(はちみつの場合は水20mLを加えて溶解後アセトン100mL)を加え、ホモジナイズした後、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物にアセトン50mL(はちみつの場合は水10mLを加えて溶解後アセトン50mL)を加えてホモジナイズし、上記と同様にろ過する。得られたろ液を合わせて、アセトンを加えて正確に200mLとする。この2mLを採り、水2mLを加える。

②脂肪の場合

試料5.00gにアセトン100mLを加え、ホモジナイズした後、吸引ろ過する。ろ紙上の残留物にアセトン50mLを加えてホモジナイズし、上記と同様にろ過する。得られたろ液を合わせて、アセトンを加えて正確に200mLとする。この4mLを採り、40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物にn―ヘキサン30mLを加え、n―ヘキサン飽和アセトニトリル30mLずつで2回振とう抽出する。抽出液を合わせ、40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物にアセトン2mLを加えて溶かした後、水2mLを加える。

2)精製

オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラム(1,000mg)にアセトニトリル及び水各5mLを順次注入し、流出液は捨てる。このカラムに1)で得られた溶液を注入した後、アセトニトリル及び水(7:3)混液10mLを注入し、流出液は捨てる。次いでアセトニトリル10mLを注入し、溶出液を40℃以下で濃縮し、溶媒を除去する。この残留物をアセトニトリルに溶解し、正確に4mLとしたものを試験溶液とする。

5.検量線の作成

ラフォキサニド標準品のアセトニトリル溶液を数点調製し、それぞれLC―MS/MSに注入し、ピーク高法又はピーク面積法で検量線を作成する。なお、本法に従って試験溶液を調製した場合、試料中0.01mg/kgに相当する試験溶液中濃度は0.00025mg/Lである。

6.定量

試験溶液をLC―MS/MSに注入し、5の検量線でラフォキサニドの含量を求める。

7.確認試験

LC―MS/MSにより確認する。

8.測定条件

(例)

カラム:オクタデシルシリル化シリカゲル内径2.1mm、長さ150mm、粒子径5μm

カラム温度:40℃

移動相:アセトニトリル及び0.1vol%ギ酸(17:3)混液

イオン化モード:ESI(-)

主なイオン(m/z):プリカーサーイオン624、プロダクトイオン345、127

注入量:4μL

保持時間の目安:10分

9.定量限界

0.01mg/kg

10.留意事項

1)試験法の概要

ラフォキサニドを試料からアセトンで抽出する。アセトニトリル/ヘキサン分配で脱脂(脂肪の場合のみ)、オクタデシルシリル化シリカゲルミニカラムで精製した後、LC―MS/MSで定量及び確認する方法である。

2)注意点

①ラフォキサニドはオクタデシルシリル化シリカゲルミニカラムの種類により溶出状況が大きく異なるため注意する。

②ラフォキサニドのLC―MS/MS測定で、試験法開発時に使用したイオンを以下に示す。

定量イオン(m/z):プリカーサーイオン624、プロダクトイオン127

定性イオン(m/z):プリカーサーイオン624、プロダクトイオン345

11.参考文献

なし

12.類型

C