○「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」等の施行に伴う事務の取扱いについて
(平成25年6月28日)
(年管管発0628第7号)
(日本年金機構事業企画部門担当理事・事業管理部門担当理事あて厚生労働省年金局事業管理課長通知)
(公印省略)
国民年金の年金記録において、実態は第1号被保険者であったにもかかわらず、第3号被保険者のままとなっている記録(以下「不整合記録」といい、当該記録に関する期間を「不整合期間」という。)の問題への対応策として、不整合期間に係る特例等を定めた「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」(平成25年法律第63号)が平成25年6月26日に公布され、平成25年7月1日から施行されるところである。
また、同法の施行に伴い、「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令」(平成25年政令第210号)及び「国民年金法施行規則の一部を改正する省令」(平成25年厚生労働省令第87号)が本日付けで公布されたところである。
これらの法令の内容については、「「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律」の公布について」(平成25年6月26日付け年発0626第2号)等により通知されたところであるが、このうち、不整合期間に係る特例等に関する事務の取扱いは下記のとおりであるので、遺漏のないよう取り扱われたい。
なお、本通知における法令の略称は、以下のとおりとする。
法令 |
略称 |
公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律 |
厚年法等改正法 |
厚年法等改正法による改正後の国民年金法(昭和34年法律第141号) |
法 |
公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令による改正後の国民年金法施行令(昭和34年政令第184号) |
政令 |
記
第1 不整合記録の発生の防止等に関する事項
1 第3号被保険者に該当しなくなったことの届出
(法第12条の2及び厚年法等改正法附則第96条関係)
将来の不整合記録の発生を防止する観点から、平成25年6月26日(公布日)から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日以後、第3号被保険者であった者は、第2号被保険者の被扶養配偶者でなくなったことについて、事業主、健康保険組合等を経由して、厚生労働大臣に届け出なければならないこととされた。
この具体的な事務処理については、別途通知する。
2 健康保険組合等からの短期給付に関する資料の提供等(法第108条関係)
過去の不整合記録を是正する観点から、平成25年7月1日(一部施行日)以後、厚生労働大臣は、法第3条第2項に規定する共済組合等(以下「共済組合等」という。)及び健康保険組合に対し、その組合員、被保険者等の氏名及び住所その他の事項につき、必要な書類の閲覧又は資料の提供を求めることができることとされた。
この具体的な事務処理については、別途通知する。
3 共済組合等からの長期給付に関する情報の提供(法第108条の2の2関係)
将来の不整合記録の発生を防止する観点から、平成25年7月1日以後、共済組合等は厚生労働大臣に対し、その組合員等が第2号被保険者でなくなったことに関して必要な情報の提供を行うものとされた。
これに基づき、共済組合等から情報の提供を受けた場合は、従来どおり、「国民年金第1号被保険者又は第3号被保険者に係る資格取得、種別変更又は種別確認の届出のお知らせ(勧奨)の実施について」(平成10年3月2日付け庁文発第497号)、「国民年金第2号又は第3号被保険者から第1号被保険者に移行した者に対する適用促進について」(平成17年4月20日付け庁保険発第0420001号(平成19年10月26日付け庁保険発第1026001号により一部改正))等に基づき、種別変更等を適切に行う必要がある。
第2 不整合期間の取扱いに関する事項
1 時効消滅不整合期間の届出及び特定期間の概要(法附則第9条の4の2関係)
(1) 時効消滅不整合期間の届出
被保険者又は被保険者であった者は、第3号被保険者とされていた被保険者期間(平成25年6月以前の保険料納付済期間(3号特例該当届による届出期間を除く。)に限る。)のうち、第1号被保険者の被保険者期間として法第14条の規定により記録した事項の訂正(以下「不整合記録の訂正」という。)がなされた期間であって、不整合記録の訂正がなされたときに保険料を徴収する権利が既に時効によって消滅している期間(以下「時効消滅不整合期間」という。)について、厚生労働大臣に届出をすることができることとされた。
(2) 特定期間及びその効果
届出が行われた時効消滅不整合期間は特定期間となり、当該届出が行われた日以後、年金額には反映しないが、年金の受給資格要件や保険料納付要件を判定するにあたり、保険料免除期間(法第90条の3第1項の規定による学生納付特例の期間)と同等のものとして取り扱われる期間とみなされることとなった。
(3) 任意加入対象期間の取扱い
上記(1)のとおり、時効消滅不整合期間は、第3号被保険者とされていた被保険者期間のうち、第1号被保険者の被保険者期間へと法第14条の規定により記録した事項の訂正がなされたものであり、次のア~ウに掲げるような任意加入対象期間へと訂正がなされた場合、この期間は時効消滅不整合期間とならず、通常どおり、任意加入していなかった期間として取り扱うことになる。
ア 昭和61年4月以降の海外在住期間
イ 昭和61年4月から平成3年3月までに学生であった期間
ウ 昭和61年4月以降の老齢給付を受けることができた期間
したがって、当該期間は、特定期間や下記第3の1による特定保険料の納付(以下「特例追納」という。)の対象とならない。
2 時効消滅不整合期間の届出に関する事務の取扱い
(1) 特定期間該当届の届出様式
時効消滅不整合期間の届出には、別添1の「時効消滅不整合期間に係る特定期間該当届」(以下「特定期間該当届」という。)を利用すること。
(2) 特定期間該当届の届出勧奨
① 特定期間該当届の届出勧奨の実施
特定期間は、年金の受給資格期間に算入されるほか、特例追納の対象期間となるものであり、年金受給権の確保のために非常に重要なものでもあることから、所要の準備が整い次第、以下のア~エの対象者に対し、特定期間該当届を提出するよう勧奨を行うこと。その際、イ及びエの者については、その対象者の把握に努めた上で勧奨を行うこと。
ア 平成25年7月1日以後に不整合記録の訂正がなされる被保険者等(被保険者であった者を含み、年金受給者を除く。以下同じ。)
イ 平成25年7月1日前に既に不整合記録の訂正がなされている被保険者等
ウ 平成25年7月1日以後に不整合記録の訂正がなされる年金受給者(当該年金が支給停止されている者も含む。以下同じ。)
エ 平成25年7月1日前に既に不整合記録の訂正がなされている年金受給者
② 種別変更届の提出があったときの個別勧奨
上記①のア又はウの者から、不整合期間に係る種別変更届が提出された場合には、併せて特定期間該当届を提出するよう求めること。
その際、特定期間該当届を提出しない場合には、障害を負ったときに障害給付が支給されない等の不利益が生じるおそれがあることや、老齢基礎年金を増額するための特例追納の機会を失うこと等について説明すること。
③ 裁定請求があったときの個別勧奨
平成25年7月1日以後に年金の裁定請求があった場合には、請求者が不整合期間又は時効消滅不整合期間を有しているかどうかを確認し、当該期間を有していた場合には、種別変更届や特定期間該当届を提出するよう求めること。
(3) 特定期間該当届の受付
被保険者又は被保険者であった者が特定期間該当届を提出する際には、国民年金手帳、年金証書等の添付書類が適切に添付されているかどうかを確認し、次のア~ウの事項について説明した上で、受付を行うこと。
ア 特定期間該当届には、届出者が把握している全ての時効消滅不整合期間を記入すべきこと
イ 特定期間の効果及びその効果が発生する時期
ウ 特例追納が可能となる時期、特例追納の対象期間及び特例追納の効果
(4) 特定期間該当届の記入内容の確認
提出された特定期間該当届について、届出者の氏名、性別、生年月日、住所及び基礎年金番号(老齢給付の受給者にあっては、これらに加えて年金証書の年金コード等)並びに日本年金機構が把握できる全ての時効消滅不整合期間が適切に記入されていることを確認すること。
また、特定期間該当届に記載された期間について、上記1の(3)の任意加入対象期間を含むとの申立があるときは、任意加入対象期間は特定期間にならない旨を届出者に対して説明した上で、必要に応じ、任意加入対象期間に該当するかを住民票、在学証明書、年金証書等により確認すること。
(5) 特定期間該当届の受付をした旨の通知
上記(4)の内容を確認し、適正であると認められる場合には、次のア~オの事項を記載した別添2の「時効消滅不整合期間に係る特定期間該当届受理通知書」により、届出者に通知を行うこと。
ア 特定期間該当届の受付をした旨
イ 特定期間の始期及び終期
ウ 特定期間に関する説明
エ 特例追納が可能となる時期及び特例追納の対象期間
オ 特例追納と後納保険料の納付との関係
(6) 特定期間の管理
特定期間該当届を受け付けた後は、時効消滅不整合期間を特定期間として適切に管理する必要があること。
この特定期間の管理については、厚年法等改正法に盛り込まれた内容を実施するための社会保険オンラインシステム(以下「オンラインシステム」という。)の改修が完了し、稼働するまでの間、別途、特定期間の管理のためのシステム(以下「特定期間管理システム」という。)を構築し、正確な管理を行うこと。
第3 特定保険料の納付に関する事項
1 特定保険料の納付の概要
(法附則第9条の4の3、厚年法等改正法附則第98条及び第99条関係)
(1) 特定保険料の納付
被保険者又は被保険者であった者は、厚生労働大臣の承認を受け、特定期間について特例追納できることとされた。
(2) 特例追納が可能となる期間
特例追納に係る法附則第9条の4の3第1項の規定は、厚年法等改正法附則第98条により、平成25年7月1日から平成27年3月31日までの間、適用しないこととされている。
このため、特例追納が可能な期間は、平成27年4月1日から平成30年3月31日までの3年間となる。
なお、特例追納の申込書の提出は、平成27年2月1日から行うことができる。
(3) 特例追納の対象期間
特例追納の対象期間は、それぞれ次に掲げる期間となる。
ア 特例追納する時点で60歳未満の者:承認があった月前10年以内の期間
イ 特例追納する時点で60歳以上の者:50歳以上60歳未満であった期間
(4) 特定保険料の額
特定保険料の額は、それぞれ次に掲げる額となる。
ア 承認があった月前10年以内の期間:各月の保険料に相当する額に政令で定める額を加算した額
イ 承認があった月前10年を超える期間:アの額のうち最も高い額
また、平成27年4月1日から特例追納が可能となるが、平成27年度の特定保険料の額については、平成26年度末に、加算額(政令で定める額)の算定方法を定めるための政令改正が行われ、具体的な額が告示されることになる。
(5) 特例追納の順序
特例追納は、先に経過した月から順次行うこととされている。
(6) 特例追納の効果
特例追納が行われたときは、特例追納が行われた日に、特例追納した月の保険料が納付されたものとみなされる。
(7) 後納制度との関係
平成24年10月1日から平成27年9月30日までの間、被保険者等については、国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律(平成23年法律第93号)附則第2条の規定による後納保険料の納付の制度(以下「後納制度」という。)を利用することができる。
特例追納の対象期間と後納制度の対象期間が重なる場合には、当該期間の保険料を納付するにあたり、後納制度を利用することとされている。
2 特定保険料の納付に関する事務の取扱い
特定保険料の納付に関する具体的な事務処理については、別途通知する。
なお、後納制度が終了する平成27年9月30日までの間、60歳未満の者については、特例追納の対象期間と後納制度の対象期間が完全に重なるため、後納制度のみを利用することになり、60歳以上の者(老齢基礎年金の受給権者を除く。)については、承認があった月前10年以内の期間について、後納制度を利用し、その期間より前の期間については、特例追納を利用することになる。
この場合の後納保険料の納付に関する具体的な取扱いについては、従来どおり、「「国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律」の施行に伴う後納保険料に関する事務の取扱いについて」(平成24年7月25日付け年管管発0725第1号)に基づき行うこと。
第4 特定受給者に対する老齢給付の特例に関する事項
1 特定受給者に対する老齢給付の特例の概要(法附則第9条の4の4及び第9条の4の5関係)
(1) 特定受給者の定義
平成25年7月1日以後に不整合記録の訂正がなされたことにより時効消滅不整合期間を有することになった者であって、同日において、当該時効消滅不整合期間を保険料納付済期間として老齢給付を受けている者(これらの給付の全部につき支給が停止されている者を含む。)を特定受給者と定義している。
(2) 特定受給者に係る老齢給付の特例(特定保険料納付期限日までの期間)
特定受給者については、平成30年3月31日(特定保険料納付期限日)までの間、老齢給付に関する規定を適用する場合において、時効消滅不整合期間を保険料納付済期間とみなすこととされた。
このため、平成30年3月31日までの間は、不整合記録の訂正がなされる前と同等の年金額を支給することになる。
(3) 特定受給者に係る老齢給付の特例(特定保険料納付期限日後の期間)
平成30年4月以後の特定受給者に支給する老齢基礎年金の額は、不整合記録の訂正がなされた後の年金記録に基づく年金額とすることが原則となる。
ただし、特例として、次に掲げる訂正後年金額と減額下限額を比較し、訂正後年金額の方が小さいときは、減額下限額に相当する年金額を支給することとされた。
ア 訂正後年金額
不整合記録の訂正がなされた後の年金記録(特例追納がなされた期間は保険料納付済期間とする。)に基づく年金額であって、付加年金及び振替加算による加算額を除いたもの。
イ 減額下限額
時効消滅不整合期間を保険料納付済期間とみなして算定した年金額であって、付加年金及び振替加算による加算額を除いたもの(訂正前年金額)に、100分の90を乗じたもの。
(4) 特定受給者の具体的な範囲
① 特定受給者に含まれる者
ア 平成25年7月1日前に特別支給の老齢厚生年金又は特別支給の退職共済年金(時効消滅不整合期間を保険料納付済期間として裁定されたものに限る。)が失権となった者であって、同日以後に老齢給付の裁定請求を行う者(当該老齢給付の全てについて支給繰下げの申出をする者を除き、当該老齢給付について、時効消滅不整合期間を保険料納付済期間として裁定される者に限る。)
イ 平成25年7月1日前に老齢給付の受給権を取得したが、同日以後に当該老齢給付の裁定請求を行う者(当該老齢給付の全てについて支給繰下げの申出をする者を除く。)であって、かつ、当該老齢給付の裁定後に不整合記録の訂正がなされる者
ウ 平成23年3月8日に廃止された「第3号被保険者期間として記録管理されていた期間が実際には第1号被保険者期間であったことが事後的に判明した場合の取扱いについて」(平成22年12月15日付け厚生労働省年金局事業企画課長・事業管理課長連名通知)に基づき、平成23年1月1日から同年2月24日までの間に老齢給付の裁定が行われた者であって、平成25年7月1日以後に不整合記録の訂正がなされる者
② 特定受給者に含まれない者
特定受給者は、平成25年7月1日以後に時効消滅不整合期間を有することになった者であることが要件とされているが、上記第2の1の(3)のとおり、第3号被保険者とされていた被保険者期間のうち、任意加入対象期間へと訂正された期間は時効消滅不整合期間にならない。
このため、平成25年7月1日以後に第3号被保険者の被保険者期間として法第14条の規定により記録した事項の訂正がなされた場合であっても、訂正後の期間の全てが任意加入対象期間であるときは、その者は特定受給者にならない。
2 特定受給者に対する老齢給付の特例に関する事務の取扱い
(1) 特定受給者に係る年金記録の管理
特定受給者については、平成30年3月31日までの間、時効消滅不整合期間を保険料納付済期間とみなして老齢給付を支給することになる。
一方、不整合記録の訂正がなされる際に、オンラインシステム上の記録を訂正すると、訂正後の記録に基づき低下した年金額を支給してしまうため、厚年法等改正法に盛り込まれた内容を実施するためのオンラインシステムの改修が完了し、稼働するまでの間、オンラインシステム上の記録の訂正は行わないこと。
この場合、上記第2の2の(6)の特定期間管理システムを活用し、不整合記録の訂正がなされた後の年金記録を正確に管理すること。
(2) 平成30年4月以後の老齢基礎年金が減額となる場合の取扱い
特定受給者が時効消滅不整合期間の全てについて特例追納をしない限り、平成30年4月以後の月分の老齢基礎年金の額が減額されることになる。
このとき、当該特定受給者が他の年金の受給権を有しており、この減額によって他の年金の年金額の方が大きくなる場合には、減額改定の通知に際して、年金の選択について説明すること。
(3) 平成30年4月以後の老齢給付が失権となる場合の取扱い
① 老齢給付の失権
不整合記録の訂正がなされた後の年金記録では老齢給付の受給資格要件を満たさなくなる場合であって、平成30年3月31日までに特定受給者が特定期間該当届を提出しない場合には、平成30年3月31日を終了したときに老齢給付の受給権が失権することになる。
この場合、老齢給付の受給権が失権した旨を通知する際に、特定期間該当届を提出することの勧奨を併せて行うこと。
② 老齢給付の失権後に特定期間該当届を提出したときの取扱い
上記①により老齢給付の受給権を失権した者が、その後、特定期間該当届を提出したときは、その提出日をもって、再度、老齢給付の受給権が発生することになる。
この場合、新たに裁定請求書等を提出していただくよう求めること。
また、新たに裁定された老齢基礎年金の訂正後年金額が減額下限額に満たないときは、その後の老齢基礎年金として減額下限額に相当する額を支給する必要があることに留意すること。
第5 特例追納による老齢基礎年金の額の改定に関する事項
1 特例追納による老齢基礎年金の額の改定の概要
(法附則第9条の4の3及び厚年法等改正法附則第100条関係)
(1) 特定受給者に対する老齢基礎年金の額の改定
特定受給者が特例追納したときは、平成30年4月から老齢基礎年金の額を改定することとされている。
ただし、特例追納した後の訂正後年金額が減額下限額に満たないときは、平成30年4月以後の老齢基礎年金として減額下限額に相当する額が支給されるため、実際に支給される年金額への影響は生じないことになる。
(2) 特定受給者以外の者に対する老齢基礎年金の額の改定
平成25年7月1日前に不整合記録の訂正がなされた老齢給付の受給者や、平成25年7月1日以後に受給権を取得した老齢給付の受給者は、特定受給者ではないが、特例追納することができる。
このような特定受給者以外の老齢給付の受給者が特例追納したときは、その翌月から、老齢基礎年金の額を改定することとされている。
(3) 老齢基礎年金の増額分の支払いに関する特例
オンラインシステムの改修が必要となる都合上、特定受給者以外の老齢給付の受給者が平成27年4月1日から平成28年2月29日までの間に特例追納したときは、通常の取扱いと異なり、特例追納による老齢基礎年金の増額分について、平成28年5月にまとめて支払うこととされている。
また、そのような者が、特例追納による老齢基礎年金の増額分の支払いを受けずに平成28年5月までに死亡した場合、その増額分は、未支給年金の請求者に対して平成28年5月以降に支払うことになる。
2 特例追納による老齢基礎年金の額の改定に関する事務の取扱い
(1) 特定受給者が特例追納する場合の取扱い
長期の不整合期間を有している特定受給者が特例追納を行っても、訂正後年金額が減額下限額を上回らない限り、特例追納の効果が実際の年金額に反映されないことになるため、このような者から特例追納の申込みがあったときには、訂正後年金額と減額下限額の関係等について説明すること。
(2) 特定受給者以外の者が平成28年2月29日までに特例追納する場合の取扱い
特定受給者以外の老齢給付の受給者が、平成27年4月1日から平成28年2月29日までの間に特例追納しても、特例追納による老齢基礎年金の増額分は平成28年5月にまとめて支払われることになるため、その旨を説明すること。
第6 障害給付及び遺族給付の特例に関する事項
1 障害給付及び遺族給付の特例の概要(法附則第9条の4の6関係)
(1) 障害給付の特例
平成25年7月1日以後に不整合記録の訂正がなされた者であって、同日において、不整合期間を保険料納付済期間として障害給付を受けている者(これらの給付の全部につき支給が停止されている者を含む。)については、障害給付に関する規定を適用する場合において、当該不整合期間を保険料納付済期間とみなすこととされた。
(2) 遺族給付の特例
平成25年7月1日以後に不整合記録の訂正がなされた者の死亡に係る遺族給付であって、同日において、不整合期間を保険料納付済期間として支給されている遺族給付(これらの給付の全部につき支給が停止されている者を含む。)については、遺族給付に関する規定を適用する場合において、当該不整合期間を保険料納付済期間とみなすこととされた。
2 障害給付及び遺族給付の特例に関する事務の取扱い
障害給付及び遺族給付の特例を受ける者に対しては、不整合期間を保険料納付済期間とみなして障害給付又は遺族給付を支給することになる。
ただし、障害給付及び遺族給付の年金額は保険料納付済期間に応じて変動せず、オンラインシステム上の記録を訂正しても、誤った年金額が支給されないため、不整合記録の訂正がなされる際に、オンラインシステム上の記録を訂正して差し支えないこと。
第7 特定期間該当届の効果の特例に関する事項
1 特定期間該当届の効果の特例の概要(厚年法等改正法附則第97条関係)
特定期間該当届の効果は、原則として、その提出日以後に生ずるものであるが、次のような場合には、この効果の発生時期に関する特例が設けられている。
① 平成25年6月26日(公布日)以後に初診日がある場合の特例
初診日がそれぞれ次の期間内にある傷病による障害を有する者であって、不整合記録の訂正により時効消滅不整合期間を有する者については、初診日以後に特定期間該当届を提出した場合であっても、障害給付の支給要件に関する規定を適用するにあたっては、初診日の前日以後、時効消滅不整合期間を特定期間とみなすこととされた。
ア 初診日以後に不整合記録の訂正がなされた場合:
平成25年6月26日から平成30年3月31日までの間
イ 初診日前に不整合記録の訂正がなされた場合:
平成25年6月26日から平成25年9月30日までの間
② 平成25年6月26日(公布日)以後に死亡した場合の特例
それぞれ次の期間内に死亡した者であって、不整合記録の訂正により時効消滅不整合期間を有する者については、その者の遺族が死亡日以後に特定期間該当届を提出した場合であっても、遺族給付の支給要件に関する規定を適用するにあたっては、死亡日の前日以後、時効消滅不整合期間を特定期間とみなすこととされた。
ア 死亡日以後に不整合記録の訂正がなされた場合:
平成25年6月26日から平成30年3月31日までの間
イ 死亡日前に不整合記録の訂正がなされた場合:
平成25年6月26日から平成25年9月30日までの間
2 特定期間該当届の効果の特例に関する事務の取扱い
初診日又は死亡日が平成25年6月26日以後の場合には、特定期間該当届が初診日又は死亡日後に提出された場合でも、障害給付又は遺族給付の保険料納付要件の判定にあたり、遡って当該特定期間該当届の効果が生じることがあるため、初診日又は死亡日と特定期間該当届の提出日との関係等について十分に留意すること。
第8 周知広報等に関する事項
1 厚年法等改正法の内容に関する周知広報等
(1) 周知広報
特定期間該当届の提出や特例追納の必要性、これらの手続の方法等について、不整合期間や時効消滅不整合期間を有する者に対して個別に周知(届出勧奨等)するなど、丁寧かつわかりやすい周知広報に努めること。
(2) 市町村等の関係団体との協力連携
特定期間該当届の提出等の手続に漏れが生ずることを防止するには、きめ細やかな対応が必要であることから、市町村、社会保険労務士会、事業主等の関係団体に協力を要請するとともに、密接な連携を図るため、関係団体に対して厚年法等改正法の内容に係る情報提供を行うこと。
2 第3号被保険者制度に関する周知広報
将来の不整合記録の発生を防止するため、第3号被保険者でなくなったときの届出の必要性、その手続の方法等について、様々な機会を捉えて周知広報に努めること。
(別添1)
(別添2)
