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作用点

所在

作用する殺虫剤

変異

アセチルコリンエステラーゼ

神経シナプス後膜

有機リン化合物、カーバメイト

アミノ酸置換

ナトリウムチャンネル

神経軸策

ピレスロイド、DDT

アミノ酸置換

γ―アミノ酪酸受容体

抑制性シナプス後膜

γ―BHC、シクロジエン化合物

アミノ酸置換

幼若ホルモン受容体

細胞質

幼若ホルモン様化合物

(作用点に起因する抵抗性事例はない)

B.t.艨\内毒素結合構造

中腸上皮細胞膜

Bacillus thuringensis(BT)毒素

構造変化(詳細は未解明)

 現在、衛生害虫駆除用には未承認。

表2 解毒酵素に関する殺虫剤抵抗性の分子機構

酵素

作用

解毒される殺虫剤

変異

チトクロムP450

水酸化、脱アルキル化、エステルの開裂、脱硫的酸化、エポキシ化、イオウの酸化

DDT、有機リン化合物、カーバメイト、ピレスロイド、幼若ホルモン様化合物、ジフルベンズロン(表皮形成阻害剤)

遺伝子転写活性上昇による過剰発現

加水分解酵素

エステル結合の加水分解

有機リン化合物、カーバメイト、ピレスロイド

遺伝子増幅による過剰発現

グルタチオンS―転移酵素

O―アルキル、O―アリルの脱アルキル、脱アリル

有機リン化合物

遺伝子転写活性上昇による過剰発現、遺伝子増幅による過剰発現

表3.殺虫剤抵抗性コガタアカイエカの薬剤感受性(終齢幼虫の浸漬試験結果)

殺虫剤

LC50(μg/mL)

抵抗性比(R/S)

感受性系統(S)

富山系統(R)

有機リン剤

 

 

 

テメホス

0.0008

>100

>1,300,000

フェニトロチオン

0.008

21

27,000

フェンチオン

0.0014

32

23,000

マラチオン

0.004

24

6,000

ダイアジノン

0.015

4.8

320

カーバメイト剤

 

 

 

カルバリル

0.27

14

53

プロポクスル

0.095

30

320

ピレスロイド剤

 

 

 

ペルメトリン

0.0024

0.0028

1.2

Takahashi and Yasutomi(1987)より改写。

表4.殺虫剤抵抗性チカイエカの薬剤感受性(終齢幼虫の浸漬試験結果)

殺虫剤

LC50(μg/mL)

抵抗性比(R/S)

戸塚系統(S)

新宿系統(R)

有機リン剤

 

 

 

フェニトロチオン

0.01

1

100

フェンチオン

0.0067

1.1

160

マラチオン

0.03

10

340

ダイアジノン

0.032

1.2

36

ジクロルボス

0.014

1.3

91

テメホス

0.0008

0.17

210

クロルピリホスメチル

0.0083

5.7

690

クロルピリホスエチル

0.0002

0.028

140

プロペタンホス

0.017

3.3

190

プロチオホス

0.058

0.49

8.4

カーバメイト剤

 

 

 

プロポクスル

0.39

0.73

1.8

ピレスロイド剤

 

 

 

ペルメトリン

0.0095

0.14

15

フェノトリン

0.0087

0.28

32

川上(1989)より改写。

表5 イエバエの東京湾中央防波堤外側処分場コロニーの殺虫剤感受性(成虫の局所処理法による試験結果)

殺虫剤

LD50(μg/fly)

SRS

1978年9月

1985年10月

1992年12月

有機リン剤

 

 

 

 

マラチオン

0.24

211.0(880)

>400(>1700)

>400(1700)

ダイアジノン

0.018

19.35(1100)

11.2(620)

4.7(260)

フェニトロチオン

0.029

12.40(430)

12.3(420)

70.2(2400)

ジクロルボス

0.013

0.65(5.0)

1.68(130)

0.29(22)

プロチオホス

0.46

0.65(1.7)

1.02(2.2)

1.9(4.1)

ピレスロイド剤

 

 

 

 

アレスリン

0.201

0.480(2.4)

1.58(7.7)

2.9(14)

フタルスリン

0.162

0.352(2.2)

1.38(8.5)

1.8(11)

ペルメトリン

0.015

0.019(1.0)

0.031(2.1)

0.055(3.7)

安富ら(1988)および三原(1993)より改写。

 感受性系統。括弧内数値は抵抗性比を表す。

表6 チャバネゴキブリの大阪府内で採集されたRコロニーの殺虫剤感受性(成虫の局所施用法による試験結果)

殺虫剤

抵抗性比

殺虫剤

抵抗性比

有機リン剤

 

ピレスロイド剤

 

フェニトロチオン

1.8

ペルメトリン

23.9

ダイアジノン

1.5

dT80―レスメトリン

17.8

ジクロルボス

2.6

フェノトリン

25.6

クロルピリホスメチル

1.9

エトフェンプロックス

21.5

クロルピリホスエチル

1.9

シフルトリン

19.2

カーバメイト剤

 

その他

 

プロポクスル

1.1

DDT

>6.3

BPMC

0.8

γ―BHC

1.1

新庄ら(1988)より改写。

Rコロニーの感受性系統に対するLD50値の比。

図1 殺虫剤のローテーション使用の例。

水谷ら(2001)より改写。