添付一覧
○登録検査機関における水質検査の業務管理要領の策定について
(平成24年9月21日)
(健水発0921第2号)
(各都道府県・各保健所設置市・各特別区水道行政担当部(局)長あて厚生労働省健康局水道課長通知)
水道行政の推進につきましては、日頃からご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、水道法施行規則の一部を改正する省令(平成23年厚生労働省令第125号)により、登録水質検査機関(水道法(昭和32年法律第177号)第20条第3項ただし書きの規定により厚生労働大臣の登録を受けた者をいう。以下同じ。)における水質検査の業務において遵守すべき事項が追加され、また、登録水質検査機関に委託して水質検査を行う水道事業者等は、水質検査の実施状況を水質検査の結果の根拠となる書類等により確認することとされたところです。
今般、水質検査の信頼性確保の取組を促進するため、別添のとおり登録水質検査機関における水質検査の業務管理について要領を策定しましたので、水道事業者等による水質検査の実施状況の確認、登録水質検査機関に対する日常業務確認調査の実施等につき、遺漏なきよう、貴管下水道事業者等に対する周知指導につき特段のご配慮をお願いいたします。
なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)に規定する技術的助言であること並びに大臣認可の水道事業者等、国設置専用水道の設置者及び登録水質検査機関には別途通知していることを申し添えます。
(別添)
登録水質検査機関における水質検査の業務管理要領
平成24年9月
1.目的
この要領は、水道法(以下「法」という。)に基づく登録水質検査機関における水質検査の業務管理について細則を定め、水質検査の信頼性を確保することを目的とする。
2.組織
(1) 水質検査を行う部門(以下「水質検査部門」という。)に法第20条の4第1項第3号イに規定する専任の管理者(以下「水質検査部門管理者」という。)を1名(水道法施行規則(以下「規則」という。)第15条の4第3号ただし書きに規定する検査区分責任者を設置する場合、区分ごとにそれぞれ1名以上)設置すること。
ただし、水質検査を行う事業所(以下単に「事業所」という。)が複数の場合における水質検査部門管理者の設置や、水質検査の業務の管理及び精度の確保は、以下により行うこと。
① 水質検査部門管理者又は検査区分責任者(以下「水質検査部門管理者等」という。)は全ての事業所において標準作業書に基づく適切な検査が実施されているか確認する必要がある。そのため、水質検査部門管理者がいない事業所にあっては、事業所ごとにあらかじめ検査員の中から指定した検査区分責任者を設置すること。
② 規則第15条の4第6号に規定する標準作業書及び同条第7号イからルまでに掲げる文書において、以下の点に留意しつつ、各事業所の関係を明らかにすること。
ア 水質検査部門管理者等が標準作業書に基づき、水質検査が適切に実施されていることを確認する方法を、①で規定した体制を踏まえて明らかにすること。
イ 内部監査及び精度管理は、検査を行う事業所ごとに計画、実施すること。
ウ 文書の管理及び記録の管理は1つの事業所で行うこと。
(2) 水質検査部門管理者は、規則第15条の4第3号イからハまでに掲げる業務のほか、次の業務を行うこと。ただし、検査区分責任者を設置する場合は、ハに掲げる業務を検査区分責任者に行わせることができる。
① 検査区分責任者及び検査員の職務分掌を明らかにする文書の作成及びその保存
② 標準作業書の作成又は改定の承認
③ 水質検査結果書の発行の承認
④ 検査員の研修計画の策定及びその保存
⑤ 検査員の研修及び職務経験に関する記録の作成及びその保存
⑥ その他水質検査部門を統括するために必要な業務
(3) 検査区分責任者は、規則第15条の4第3号ハに掲げる業務のほか、検査員を指揮監督して次の業務を行うこと。
① 標準作業書の作成及び改定並びにその保存
② 水質検査に係る施設設備及び機械器具の管理
③ 試料の取扱いの確認
④ 水質検査の方法の選定
⑤ 水質検査の結果及びその根拠となる書類の確認
⑥ その他当該検査区分において水質検査の業務を管理するために必要な業務
(4) 水質検査部門管理者等は、規則第15条の4第3号ハについては、標準作業書からの逸脱が生じた場合には、その内容を評価し、検査の結果に影響がない場合には逸脱した原因を明確にするとともに必要に応じ標準作業書の改定等を行うこととし、影響がある場合には水質検査の結果の撤回及び是正処置等の必要な措置を講ずること。
(5) 水質検査の業務の管理及び精度の確保に関する文書に記載されたところに従い、専ら水質検査の業務の管理及び精度の確保を行う部門(以下「信頼性確保部門」)という。)を設置し、信頼性確保部門には、規則第15条の4第4号に規定する信頼性確保部門管理者を1名設置すること。
(6) 信頼性確保部門管理者は、規則第15条の4第4号イからハまでに掲げる業務のほか、次の業務を自ら行い、又は規則第15条の4第4号に規定する業務の内容に応じてあらかじめ指定した者(以下単に「あらかじめ指定した者」という。)に行わせること。
① 第15条の4第7号トの文書に基づく精度管理
② 当該文書からの逸脱が生じた場合の内容の評価及び必要な措置
③ 標準作業書の写しの保存その他水質検査の信頼性の確保に係る必要な業務
(7) 水質検査部門管理者及び信頼性確保部門管理者を統括する者がいる場合は、その権限及び責任を明らかにすること。
(8) 水質検査部門及び信頼性確保部門の責任、相互関係(組織の相互関係が分かる組織図を含む。)、各部門の管理者の権限及び責任並びに各業務の責任者又は担当者を明らかにすること。
3.文書の管理
信頼性確保部門管理者は、規則第15条の4第7号ロに規定する文書により、信頼性確保文書の他、検査実施標準作業書等水質検査の業務全般に関する文書について、次の事項を明らかにすること。
① 文書の管理の方法(文書承認者と文書管理者の責任と権限、文書の制定及び改廃、文書の配布及び旧版の撤去、文書の保存と使用、改ざん防止の措置、電子媒体を用いた文書の管理、外部文書の管理等)
② 文書の一覧及び相互関係
③ その他文書の管理にあたっての注意事項及び細則
4.検査室の管理
(1) 水質検査部門管理者は、適切な水質検査が実施可能となるよう十分な広さの検査室を確保し、必要に応じ区画を設けること。
(2) 水質検査部門管理者等は、水質検査に支障を生じないよう次の事項に留意して検査室の維持管理を行い、記録すること。
① 適切な温度、湿度、換気、照明等の確保
② 部外者の立入り及び目的外使用の制限
③ 試料、標準物質及び機械器具等の汚染防止に必要な設備とその環境の確保
(3) 水質検査の精度を適正に保つため、以下の事項を遵守すること。
① 水道水等の検査室と高濃度試料(水道により供される水、水源の水及び飲用に供する井戸水その他これらに類する水以外の試料。以下同じ。)の検査室を区分する等適切な対策を行う。
② 高濃度試料の検査室を区分せず、水道水等の検査と高濃度試料の検査を同一の器具又は装置により行う場合は、それぞれの検査を実施する時間帯を区別するとともに、検査室の十分な清掃及び換気を行う。
③ 水道水等の水質検査の際に器具及び装置が汚染されていないことを確認することについて、標準作業書に規定する。
5.機械器具の管理
(1) 規則第15条の4第6号に規定する機械器具保守管理標準作業書の作成又は改定については、別紙の2に留意すること。
(2) 水質検査部門管理者等は、操作、保守点検、維持等が容易に行われるよう機械器具を適切に配置すること。
(3) 水質検査部門管理者等は、水質検査の方法に最も適した機械器具を使用し、適切に洗浄、乾燥、保管、廃棄等を行うこと。
(4) 水質検査部門管理者等は、機械器具保守管理標準作業書に従い、個別の機械器具について管理を担当する検査員を定め、常時行うべき保守点検及び定期的な保守点検を実施し、不備を発見した場合にあっては、必要な整備又は修理を行い、その結果を記録すること。
6.試薬等の管理
(1) 規則第15条の4第6号に規定する試薬等管理標準作業書の作成及び改定については、別紙の3に留意すること。
(2) 水質検査部門管理者等は、試薬等管理標準作業書に従い、試薬、試液、標準液、培地、標準品等(以下「試薬等」という。)について管理を担当する検査員を定め、次の事項の確認を行うこと。
① 試薬、試液及び標準液については、その容器に名称、純度又は濃度、保存方法、調製年月日、使用期限等を表示し、適切に保存すること。なお、変質したもの、使用期限を経過したものを使用しないこと。
② 培地及び標準品については、その容器に名称、純度又は濃度、保存方法、入手源、入手年月日、使用期限のほか、必要に応じ製造年月日等を表示すること。また、変質を防止するために適切な条件下に保存し、適切なものを水質検査に使用すること。
③ 試薬等を調製した場合は、その結果を記録すること。
7.有毒な又は有害な物質及び危険物の管理
(1) 水質検査部門管理者等は、毒物、劇物、高圧ガスその他の有毒、有害物質及び危険物の保管、設置等について関係法令を遵守して適切に管理し、記録すること(試薬等における毒物の使用量の管理にあたっては、風袋込みで重量確認することが望ましい。)。
(2) 水質検査部門管理者等は、水質検査に用いられる全てのものに係る廃棄物について法令を遵守して安全かつ衛生的に管理し、記録すること。
8.試料の取扱いの管理
(1) 規則第15条の4第6号に規定する試料取扱標準作業書の作成及び改定については、別紙の4に留意すること。
(2) 法第20条の4第1項第2号に規定する検査員が試料を採取すること。
(3) 試料を採取する検査員は、次の事項を遵守すること。
① 試料の変質、汚染又は他物の混入がないように採取すること。
② 試料を採取した場合にあっては、採取した容器に検査機関又は施設の名称、採取年月日時、使用用途等を記載した採取済証を貼付すること。
③ 採取済証の控え等により、採取量、採取目的、採取年月日時、採取者等その他必要な事項を記録すること。
④ 試料を入れる容器は、必要に応じて滅菌、洗浄等行ったものを用いること。
(4) 試料を運搬する者は、次の事項を遵守すること。
① 試料採取から水質試験を開始するまでに要する時間が、水質基準に関する省令の規定に基づき厚生労働大臣が定める方法(平成15年厚生労働省告示第261号)(以下「検査方法告示」という。)に逸脱しないよう、水質検査を行う場所まで速やかに運搬すること。
② 試料の変質、汚染又は他物の混入がないように運搬すること。
③ 水質検査に支障を及ぼさないように保存すること。
④ 試料の運搬条件及び保存条件を確認し、記録すること。
⑤ 運搬業者等に試料の運搬を委託する場合は、上記①~④の条件に合う方法で運搬されることを確認するとともに、運搬中に開梱等が行われないように封印等を用いて梱包を行うこと。
(5) 試料を受領する者は、次の事項を確認し、記録すること。
① 水質検査の申請書の記載事項と試料に同一性があること。
② 試料の状態が水質検査の目的に適切であること。
③ 試料の量が水質検査に十分な量であること。
④ 試料の運搬(4)の要件を満たす形で適正に行われていること。
(6) 水質検査部門管理者等は、試料の取扱いについて次の事項が遵守されていることを確認し、記録すること。
① 試料の保管に当たっては、試料を保管する容器ごとに試料番号(試料の識別に用いる記号又は番号をいう。以下同じ。)等を表示するとともに、期限表示がされているものについてはその年月日、特定の保存条件が必要なものについてはその条件をそれぞれ表示すること。
② 試料が変質しないように適切な設備に保存すること。
9.水質検査の方法等の管理
(1) 規則第15条の4第6号に規定する検査実施標準作業書の作成及び改定については、検査方法告示及び別紙の5に留意すること。
(2) 具体的な操作の手順の設定に当たっては、「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドライン」(平成24年9月6日健水発0906第4号)に基づきその妥当性を検証又は評価し、当該検査方法の妥当性評価書を作成し、標準作業書とともに保存すること。また、検査実施標準作業書の改定の際には、その都度、妥当性評価書を作成すること。
(3) 試料採取から試験を開始するまでの時間については、検査方法告示を遵守することを前提としつつ、水質検査の信頼性の確保や検査の結果の迅速な把握などから、可能な限り速やかに行い、記録すること。
10.水質検査の結果の処理
(1) 検査員は、水質検査終了後、その内容が水質検査の目的を十分に満たしたものであることを点検の上、必要な事項を水質検査結果表(以下「結果表」という。)に記入すること。
(2) 検査員は、結果表に結果の根拠となる資料等を添えて、水質検査部門管理者等に提出すること。
(3) 水質検査部門管理者等は、結果表等の提出を受け、次の事項を確認し、記録すること。
① 試料を採取した検査員及び試験を行った検査員の氏名
② 試料を採取した年月日時及び試験を開始した年月日時並びに試験開始までに要した時間
③ 水質検査の実施の方法
④ 水質検査中に得られるデータ(以下「データ」という。)
⑤ 結果を算出した根拠(結果を算出するための計算方法を含む。)
⑥ 定量下限値
⑦ 標準作業書からの逸脱の有無
⑧ 過去に実施された類似の検査の結果との関係
⑨ 水質検査中の予期し得なかった事項とその水質検査の結果への影響
⑩ その他の必要な事項
(4) 水質検査部門管理者等は、確認終了後、水質検査の結果に疑義がないと認める場合には、結果表に水質検査が完了した旨とともに水質検査終了年月日及び水質検査の結果を確認した旨を記入し、水質検査結果書を作成する者に回付すること。
(5) 水質検査部門管理者等は、確認終了後、水質検査の結果に疑義があると認める場合には、他の検査員に再検査を行わせる等必要な措置を講じること。この場合において、水質検査部門管理者等は、その経過を詳細に記録すること。
(6) 水質検査部門管理者等は、水質検査の信頼性に悪影響を及ぼす疑いのある事態について、その内容及び講じられた是正処置を記録すること。
11.水質検査結果書
(1) 水質検査結果書は、次の事項を記載し、原則として試料ごとに作成すること。
① 受託年月日
② 委託者の識別情報(名称等)
③ 識別番号
④ 試料の名称及びその明細
⑤ 試料の採取に関する記述
⑥ 検査項目
⑦ 検査の方法(検査方法告示にある別表番号を含む)
⑧ 検査の結果
⑨ 定量下限値
⑩ 水質検査結果書作成年月日
⑪ 検査施設の名称、所在地、登録番号等
⑫ 検査員の職、氏名
(2) 水質検査部門管理者は、水質検査結果書が適正に作成されていることを確認し、発行について承認すること。
12.試料の保存
水質検査に用いた試料については、検査の結果について委託者による確認が終了するまで、適切な条件の下に再検査が可能な量を保存することを原則とすること。
13.データの作成
(1) データの作成は、次により行うこと。
① 読み易く、かつ、容易に消すことのできない方法で作成すること。
② 作成の年月日を記載し、検査員等の署名又は捺印を行うこと。
(2) データの内容を変更する場合にあっては、変更前の内容を不明瞭にしない方法で行うとともに、変更の理由及び年月日を記入し、変更者の署名又は捺印を行うこと。
(3) コンピュータ等により直接データの作成を行い、保存する場合にあっては、次の事項を確認すること。
① 作成されたデータの保存、管理の方法を規定していること。
② データの処理、記録、伝送、保存等の完全性並びに機密保持等に関して、データ保護のための手順を確立していること。
③ 使用するソフトウエアが十分な信頼性を有すること。
④ コンピュータその他の設備を適切な方法で保守管理していること。
⑤ 電磁的記録のバックアップ及び保護の手順並びに記録への無許可のアクセス又は修正を防止する手順を持つこと。
⑥ データの内容を変更する場合にあっては、変更前のデータを残すとともに、変更者の氏名、年月日、変更理由を明確にすること。
14.データ等の保存
(1) データ、記録、報告書、検査命令書、申請書、水質検査結果書の控え等(以下「データ等」という。)は、適切に保存すること。
なお、データ又は記録を水質検査結果書の控えと別の施設に保存する場合は、当該水質検査結果書の控えを保存する施設において、データ又は記録の保存場所を確認可能とすること。
(2) 水質検査部門管理者は、データ等の保存に際し担当者を定め、索引を付ける等、検索に便利な方法で整理するとともに、データ等の損傷又は品質の変化を最小限にとどめるよう適切に措置すること。
(3) データ等の保存期間は、次表のとおりとすること。
事項 |
保存期間 |
検査区分責任者及び検査員の職務分掌を明らかにする文書 |
改正後5年間 |
検査区分責任者及び検査員の研修及び職務経験に関する記録 |
解任後5年間 |
機械器具の保守管理に関する記録 試薬等の管理に関する記録 試料の管理に関する記録 水質検査に関する記録 水質検査結果表 水質検査の結果に疑義のある場合に講じられた措置の記録 水質検査の信頼性に悪影響を及ぼす疑いのある事態の内容とその是正処置に関する記録 内部監査の内容、結果及び指導とそれに対して講じられた是正処置に関する記録 内部監査に関する報告書 内部監査の是正処置に関する報告書 精度管理の内容及び結果並びにこれに基づく是正処置に関する記録精度管理に関する報告書 精度管理に関する是正処置に関する報告書 外部精度管理調査の内容及び結果並びにこれに基づく是正処置に関する記録 外部精度管理調査に関する報告書 外部精度管理調査の是正処置に関する報告書 日常業務確認調査の内容及び結果並びにこれに基づく是正処置に関する記録 日常業務確認調査に関する報告書 日常業務確認調査の是正処置に関する報告書 信頼性確保部門からの報告に対して講じられた是正処置に関する記録 教育訓練に関する記録 データ及び水質検査結果書の控え |
5年間 |
15.内部監査
(1) 内部監査は、信頼性確保に関する全ての事項を対象として定期的に実施すること。
(2) 信頼性確保部門管理者は、規則第15条の4第7号ヘの規定により作成した文書に基づき内部監査を自ら行い、又はあらかじめ指定した者に行わせ、次の事項を含む記録をすること。
① 監査を実施した年月日
② 監査項目(内容)
③ 監査結果
④ 必要な是正処置又は指導の内容
⑤ 是正処置の信頼性確保部門管理者による確認結果の記録
(3) 水質検査部門管理者は、規則第15条の4第3号ロに掲げる是正処置を講じた場合には、その内容を信頼性確保部門管理者に文書により報告すること。
なお、是正処置を講じるに当たって、水質検査部門管理者が関係検査員に改善の内容を指示したときは、指示内容及び講じた措置の確認内容を記録すること。
(4) 信頼性確保部門管理者は、(3)の報告を受けたときは、講じた是正処置の確認を自ら行い、又はあらかじめ指定した者に行わせ、記録すること。
16.不適合業務及び是正処置等
(1) 信頼性確保部門管理者は、不適合業務について、次の事項を明らかにし、その結果を記録すること。
① 不適合業務の責任者、業務再開の責任者等
② 不適合業務が特定された場合の処置(不適合業務が発生した場合の緊急処置(水質検査部門管理者への報告、業務の中止、水質検査結果書の発行保留等)に加えて、是正処置への移行プロセスも含む。)
③ 不適合業務の重大さの評価の方法
④ 不適合業務に係る記録の方法
(2) 信頼性確保部門管理者は、是正処置等について、次の事項を明らかにし、その結果を記録すること。
① 不適合業務の原因を除去し再発を防止するための適当な是正処置を実施する方法
② 是正処置の効果を確認する方法
③ 是正処置に係る記録の方法
④ 起こりうる不適合が発生することを防止するため、その原因の除去等を行う予防処置の実施に関する事項
⑤ 委託者からの苦情や問い合わせの処理方針及び手順(記録を含む)
17.精度管理
(1) 信頼性確保部門管理者は、水質検査部門管理者と協議の上、規則第15条の4第4号ロの規定により全ての検査員の技能について、次の事項の評価を定期的に行うこと。
① 理化学的検査
ア 通常の試料を用いて、定められた方法により水質検査の結果の再現性を維持できる技能
イ 添加量が明らかな試料を用いて、定められた方法により水質検査する技能
ウ 値を伏せた試料を用いて、定められた方法により水質検査する技能
② 生物学的検査
ア 通常の試料を用いて、定められた方法により水質検査の結果の再現性を維持できる技能
(2) (1)の技能評価を行うに当たって、水質検査部門管理者等は、(1)の①又は②の評価及び必要に応じこれに基づく是正処置を記録し、信頼性確保部門管理者又はあらかじめ指定した者にその写しを提出すること。
(3) 信頼性確保部門管理者は、(2)の報告に基づき、精度管理の結果をとりまとめ、規則第15条の4第4号ハの規定により、是正処置が必要な場合には、その内容を含め、水質検査部門管理者に対し文書により報告を行うこと。
(4) 水質検査部門管理者は、規則第15条の4第3号ロに掲げる是正処置を講じた場合には、その内容を信頼性確保部門管理者に文書により報告すること。
(5) 信頼性確保部門管理者は、(4)の報告を受けたときは、講じた是正処置の確認を自ら行い、又はあらかじめ指定した者に行わせること。
(6) 信頼性確保部門管理者は、規則第15条の4第4号ハの規定に基づき、次の事項を含む記録を法第20条の14の帳簿に記載すること。
① 実施年月日
② 実施内容
③ 実施結果
④ 必要な是正処置
⑤ 是正処置の信頼性確保部門管理者による確認結果
18.外部精度管理調査
(1) 信頼性確保部門管理者は、規則第15条の4第4号ロ及びハの規定により、水質検査部門管理者と協議の上、外部精度管理調査の定期的な参加計画を作成すること。
(2) 信頼性確保部門管理者は、外部精度管理調査の結果をとりまとめ、是正処置が必要な場合には、その内容を含め、水質検査部門管理者に対し文書により報告を行うこと。
(3) 水質検査部門管理者は、規則第15条の4第3号ロに掲げる是正処置を講じた場合には、その内容を信頼性確保部門管理者に対し文書により報告すること。
信頼性確保部門管理者は、上記の報告を受けたときは、講じた是正処置の確認を自ら行い、又はあらかじめ指定した者に行わせること。
(4) 信頼性確保部門管理者は、規則第15条の4第4号ハの規定に基づき、次の事項を含む記録を法第20条の14の帳簿に記載すること。
① 実施年月日
② 実施内容
③ 実施結果
④ 必要な是正処置
⑤ 是正処置の信頼性確保部門管理者による確認結果
19.教育訓練
(1) 信頼性確保部門管理者は、水質検査部門管理者と協議の上、教育訓練の実施計画を定期的に策定すること。教育訓練に関する記録は、法第20条の14の帳簿に記載すること。
(2) 水質検査部門管理者は、すべての検査員に対し、次の事項を含む教育訓練の機会を与えること。
① 水質検査方法に関する訓練
② 精度管理や外部精度管理調査の実施結果に基づき行われる訓練
③ 内部研修、外部研修、学会等への参加
(3) 水質検査部門管理者等は、実施計画に基づいて水質検査に関する必要な教育訓練を受けること。
(4) 信頼性確保部門管理者及びあらかじめ指定した者は、実施計画に基づいて信頼性確保に関する必要な教育訓練を受けること。
20.日常業務確認調査
(1) 信頼性確保部門管理者は、規則第15条の4第4号ロの規定により、国、水道事業者、水道用水供給事業者及び専用水道の設置者が行う水質検査の業務の確認に関する調査(以下「日常業務確認調査」という。)の実施を受ける場合には、水質検査部門管理者と協議の上対応し、その結果を記録すること。
(2) 信頼性確保部門管理者は、日常業務確認調査の結果をとりまとめ、是正処置が必要な場合には、その内容を含め、水質検査部門管理者に文書により報告を行うこと。
(3) 水質検査部門管理者は、規則第15条の4第3号ロに掲げる是正処置を講じた場合には、その内容を信頼性確保部門管理者に対し文書により報告すること。
信頼性確保部門管理者は、(3)の報告を受けたときは、講じた是正処置の確認を自ら行い、又はあらかじめ指定した者に行わせること。
(4) 信頼性確保部門管理者は、規則第15条の4第4号ハの規定に基づき、次の事項を含む記録を法第20条の14の帳簿に記載すること。
① 実施年月日
② 実施内容
③ 実施結果
④ 必要な是正処置
⑤ 是正処置の信頼性確保部門管理者による確認結果
21.水質検査の受託
(1) 水質検査の受託は、水質検査を行う区域として登録した範囲内で、かつ検査を行う事業所ごとに規定する委託を受けることができる件数の上限内で行うこと。
(2) 受託した水質検査の再委託は行わないこと。
(3) 信頼性の確保のため、受託する際に委託者の要求を確認することとし、次の事項を明らかにすること。
① 検査を行う方法等、委託者の要求を確定し、文書化すること。
② 適切な検査の方法を選定し、委託者の要求事項を満たすこと。
③ 要求事項を満たす業務能力及び経営資源を有することを確認すること。
(4) 受託に関する記録の方法を明らかにすること。
22.物品の購入
(1) 関係法令の規定を踏まえ、試薬等の適合基準を定めること。
(2) 試薬等の購入に当たっては、次の事項を明らかにすること。
① 適合基準
② 適合基準に適合していることの確認手順
(3) 物品の購入に関する記録の方法を定め、記録すること。
23.その他
(1) 帳簿、記録等については、担当検査員、確認を行った検査区分責任者及び必要に応じ水質検査部門管理者の署名欄及び必要に応じ捺印欄を設け、記入、確認又は承認を行うごとにこれを行った者が署名及び必要に応じ捺印すること。
(2) コンピュータにより直接帳簿の作成を行い保存する場合には、13の(3)に掲げる事項を確認すること。
(3) 登録水質検査機関は行政機関、委託者又はその他の関係者等から受けた指摘、苦情等の処理に関する手順を記した文書を作成すること。なお、指摘、苦情等の内容、それらを受けた調査、是正処置等の内容に従い、担当する部署において記録の作成及び保存を行うとともに、信頼性確保部門においても、当該記録の写しを保存すること。
(4) 水質検査部門は、精度管理及び外部精度管理等の結果に基づいた測定の不確かさの評価の検討に努めること。
(5) 法第20条の15に基づき、厚生労働省の職員が、水質検査の信頼性を確保するため登録水質検査機関の検査施設に対し、その施設に立ち入り、水質検査に関する記録等について検査又は質問を行う場合には、これに応じること。
(別紙)
1.一般的事項
(1) 標準作業書の作成に当たっては、それが実行可能であることを確認し、その記録を保存すること。
(2) 標準作業書は、使用者に周知され、いつでも使用できるようそれぞれ適切な場所に備え付けられていること。
(3) 検査に対しての継続的な適切さと適合性を確実にするため、標準作業書の定期的な見直しを行い、必要に応じて改定すること。
(4) 標準作業書の作成及び改定ごとにその年月日及び理由を明記すること。また、これを管理するためのリスト(改廃履歴)を作成すること。
(5) 標準作業書の改定が行われた場合には、旧文書の誤使用を防止するため、旧文書を速やかに撤去する等の措置を講じること。
2.機械器具保守管理標準作業書の作成に当たっての留意事項
(1) 「常時行うべき保守点検の方法」としては、次の事項が含まれていること。
① 機械器具の使用開始時及び使用時の保守点検の方法
② 機械器具の校正の方法
③ 機械器具の使用終了後の保守点検(洗浄、乾燥、滅菌、保管、廃棄等)の方法
(2) 「定期的な保守点検に関する計画」として、各機器ごとに保守点検の日時、保守点検を行う者の氏名等を記載した計画表が作成されていること。
(3) 「故障が起こつた場合の対応」には、次の事項が含まれていること。
① 機械器具に故障が起こった場合の修理の方法及び修理業者の連絡先
② 故障時において検査していた試料の取扱いの方法
(4) 「機械器具の保守管理に関する記録の作成要領」には、帳簿への次の記載事項が含まれていること。
① 機械器具の名称
② 保守点検の日時
③ 保守点検を行った者(修理を行う業者等を含む)の氏名
④ 保守点検の結果(校正の結果を含む)
⑤ 整備、修理等の日時、実施者及びその内容
3.試薬等管理標準作業書の作成に当たっての留意事項
(1) 「試薬等の容器にすべき表示の方法」としては、次の事項を適切に表示できる方法が含まれていること。
① 入手年月日、調製年月日又は開封年月日
② 入手源
③ 調製を行った者の氏名
④ 名称
⑤ ロット番号(ロットを構成しない試薬等については、製造番号)
⑥ 純度又は濃度
⑦ 保存方法(常温、冷蔵及び冷凍の別等)
⑧ 使用期限
⑨ 毒物及び劇物にあたる試薬類についてはその表示
(2) 「試薬等の管理に関する注意事項」には、次の事項が含まれていること。
① 試料等の調製を行った場合の記録すべき事項
ア 調製日
イ 調製者
ウ 調製内容
エ 有効期限
② 濃度の確認方法
③ 毒物及び劇物にあたる試薬等の管理方法
④ 試薬等の廃棄に関する留意事項
(3) 「試薬等の管理に関する記録の作成要領」には、次の帳簿への記載事項のうち必要なものが含まれていること。
① 入手年月日及び調製年月日
② 入手源
③ 名称
④ ロット番号
⑤ 純度又は濃度
⑥ 保存方法
⑦ 試薬等の調製の記録
⑧ 試薬等を使用した量、年月日、水質検査項目及び検査員の氏名
4.試料取扱標準作業書の作成に当たっての留意事項
(1) 「試料の採取の方法」としては、次の事項が含まれていること。
① 試料の採取に際し水質検査の申請書に基づき確認すべき事項
ア 試料の採取、保存及び運搬の方法について必要な事項
イ 試料の採取量
ウ 試料の採取日又は予定日
エ 水質検査の目的
オ 水質検査項目及び必要に応じてその検査方法
カ 水質検査委託者等の名称、所在地等
キ その他水質検査の実施に必要な事項
② 試料の採取に際し留意すべき事項
③ 測定項目ごとに用いる試料の容器の条件
④ 測定項目ごとに必要な試料の前処理の方法
⑤ 現地試験(気温、水温の測定等)の内容とその方法
⑥ 委託者が採取する場合の注意事項
(2) 「試料の運搬の方法」としては、次の事項が含まれていること。
① 試料の運搬に用いる手段(車両、鉄道、飛行機又は宅配便等)ごとに水質検査に支障を及ぼさないように運搬する方法(なお、保冷等特定の条件が必要な場合は、手段ごとにその条件を明確にすること。)
② 水質検査を行う区域として設定した都道府県別の最長所要時間とその経路
③ 宅配便(航空便を含む)を利用する場合は以下の事項(都道府県別に明確かつ具体的に記載すること。なお、採水者(委託者又は検査員)により違いがでる場合も、明らかにすること。)
ア 試料の受渡から検査施設までの試料の運搬の経路、方法及び所要時間(航空便を用いる場合、試料の受け渡し場所から飛行場までの試料の運搬の経路、方法及び所要時間、飛行場における手続き時間、航空機の路線及び所要時間、飛行場から検査施設までの運搬の経路、方法及び所要時間)
イ 利用する宅配便の会社及び利用するサービス名
ウ 宅配便に試料を引き渡す時間及び宅配便から検査施設において試料を受領する時間
④ 交通事情や悪天候等により運搬ができなかった場合の代替措置
(3) 「試料の受領の方法」としては、次の事項が含まれていること。
① 水質検査の申請書の記載事項と試料の同一性があることの確認方法
② 試料の状態が水質検査の目的に適切であることの確認方法
③ 試料の量が水質検査に十分な量であることの確認方法
④ 試料の運搬が前記の事項について適正に取り扱われていることの確認方法
⑤ 試料としての適性に疑義がある場合にとるべき手順とその処理内容の記録方法
(4) 「試料の管理の方法」としては、次の事項が含まれていること。
① 試料が唯一のものとして識別できるように管理する方法
② 試料の保存の方法及び期間
③ 試料の廃棄の方法
(5) 「試料の管理に関する記録の作成要領」には、次の帳簿への記載事項が含まれていること。
① 試料の採取の記録
ア 採取量
イ 採取年月日時
ウ 採取を行った者の氏名
エ 採取の方法
② 試料の運搬の記録
③ 試料の受領の記録
ア 水質検査の申請書の記載事項と試料が合致している旨の確認
イ 試料の状態が水質検査の目的に適当である旨の確認
ウ 試料の量が水質検査に十分なものである旨の確認
エ 上記アからウに定めるほか、試料の採取及び運搬に際し留意すべき事項が遵守されている旨の確認
オ 受領年月日時試料の採取から受領までに要した時間及び試料番号
④ その他の試料の管理の記録
ア 試料の保存の記録
イ 試料の分取の記録
(6) 上記のほか、次の事項が含まれていること。
① 測定項目ごとに用いる試料の容器の洗浄(滅菌)方法
② 試料を採取する者が検査員であることを証明するものの携行について
5.検査実施標準作業書の作成に当たっての留意事項
(1) 「水質検査の項目及び項目ごとの分析方法の名称」として、項目ごとの分析方法、検査機器及びその数量を記載した一覧表が作成されていること。
(2) 「水質検査の項目ごとに記載した試薬、試液、培地、標準品及び標準液(以下「試薬等」という。)の選択並びに調製の方法、試料の調製の方法並びに水質検査に用いる機械器具の操作の方法」としては、次の事項につき留意すること。
① 検査方法告示に基づく内容であること。
② 検査の項目ごとに、各機関の測定環境に対応した作業手順(試薬等の選択及び調製の方法、水質検査に用いる機械器具の操作の方法等)及び次の事項を記載すること。
ア 市販品を使用する場合の製品名、規格等
イ 希釈操作する場合の方法
ウ 検量線作成で標準液を段階希釈する場合の方法
エ 検量線の点数及び濃度範囲
オ 空試験の実施方法及び空試験の結果に基づく是正処置
カ 連続試験を実施する場合の措置
(3) 「水質検査に当たつての注意事項」として、次の事項が含まれていること。
① 水質検査に支障を生じない温度及び湿度などの環境条件に関する事項
② 高濃度試料の検査を実施する場合に、水質検査の精度が適性に保たれなくなることを防止するための対策事項
ア 水質検査試料と高濃度試料の区分
イ 検査場所を区分している場合は、その区分
ウ 同一水質検査機器により水質検査試料と高濃度試料を取り扱うときの検査室の対応方法
エ 高濃度試料使用後の機械器具の洗浄方法とその確認方法
③ 部外者の立入制限に関する事項
