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○地域生活支援事業における意思疎通支援を行う者の派遣等について

(平成25年3月27日)

(障企自発0327第1号)

(各都道府県・各指定都市・各中核市生民主管部(局)長あて厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室長通知)

(公印省略)

障害者自立支援法における地域生活支援事業で実施してきた手話通訳等を行う者の派遣又は養成を行う事業については、市町村と都道府県が行う事業の専門性の差異が明確ではなく、市町村と都道府県の役割分担が明確でないこと、広域的な派遣等について都道府県の関与が明確ではなかったこと等の課題があった。

このため、平成25年4月1日から施行される「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)」(以下「障害者総合支援法」という。)における地域生活支援事業では、これらの課題を解消する観点から、意思疎通支援の強化を図ることとしている。

特に市町村及び都道府県が行う意思疎通支援を行う者のうち手話通訳者及び要約筆記者の派遣に関する主な内容については、下記のとおりとなるので、意思疎通支援を行う者の派遣に係る事業を実施の際は、本通知で示す意思疎通支援事業実施要綱を参考に事業実施を検討されたい。

貴職におかれては御了知の上、管内市町村、関係団体、関係機関等に対する周知につきご配慮願いたい。

1 市町村が実施する意思疎通支援を行う者の派遣について

市町村においては、地域生活支援事業の必須事業として、少なくとも手話通訳者及び要約筆記者の派遣を行う事業を実施することになる。

事業の実施方法については、地域における事業実施の差異を解消する観点から、別紙1の区市町村意思疎通支援事業実施要綱を参考に実施するように努められたい。

また、別添では、区市町村意思疎通支援事業実施要綱の解釈等について記載しているので、実施要綱を作成する際の参考にされたい。

2 都道府県が実施する意思疎通支援を行う者の派遣等について

意思疎通支援を行う者のうち手話通訳者及び要約筆記者の派遣は、市町村地域生活支援事業の必須事業であるため、原則、市町村が実施することになる。都道府県では、市町村相互間の連絡調整等を経てもなお、市町村が手話通訳者及び要約筆記者の派遣を実施できない場合等に手話通訳者及び要約筆記者の派遣事業を実施する必要がある。

平成25年4月1日から施行される障害者総合支援法における地域生活支援事業では、「専門性の高い意思疎通支援を行う者の派遣」及び「意思疎通支援を行う者(手話通訳者及び要約筆記者)の派遣に係る市町村相互間の連絡調整」が新たに都道府県地域生活支援事業の必須事業となることから、都道府県意思疎通支援事業実施要綱を別紙2のとおり作成したので、本実施要綱を参考に事業を実施するように努められたい。

また、別添の区市町村意思疎通支援事業実施要綱の解釈等についても、実施要綱を作成する際に参考となると考えられることから活用されたい。

別紙1

○○市(区市町村)意思疎通支援事業実施要綱

平成〇〇年〇月〇日

○○区市町村長決裁

(目的)

第1条 この要綱は、障害者基本法(昭和45年法律第84号)第22条第1項及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第77条第1項第6号の規定に基づき、聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等その他の日常生活を営むのに支障がある障害者等(以下「聴覚障害者等」という。)とその他の者との意思疎通を支援するために手話通訳者又は要約筆記者(地域生活支援事業の実施について(平成18年8月1日障発第0801002号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)別記6の4(2)アに規定する「手話通訳者」又は同イに規定する「要約筆記者」。以下「意思疎通支援者」という。)を派遣し、円滑なコミュニケーションを図ることにより、自立と社会参加の促進に資することを目的とする。

(事業の内容等)

第2条 前条の目的を達成するため、○○市(区市町村)意思疎通支援事業(以下「事業」という。)として、次に掲げる業務を実施する。

(1) 意思疎通支援者の登録に関する業務

(2) 意思疎通支援者(第6条第3項の規定により○○市(区市町村)意思疎通支援者登録台帳に登録された者をいう。以下同じ。)のうち、手話通訳者の派遣に関する業務

(3) 意思疎通支援者のうち、要約筆記者の派遣に関する業務

(4) 前2号及び3号を行う連絡調整業務等担当者の設置

(5) 意思疎通支援事業が円滑に行われるよう運営委員会の開催

(6) 前各号に掲げるもののほか、事業の実施に必要と認められる業務

(実施主体)

第3条 この事業の実施主体は○○市(区市町村)とする。

(市町村の責務)

第4条 市(区市町村)長はこの事業に従事する意思疎通支援者の健康と安全の確保に努めなければならない。

(事業の委託及び監督等)

第5条 市町村長は、第2条に規定する業務を市町村長が適当と認めた法人(以下「受託者」という。)に全部又は一部を委託することができる。

2 市町村長は、前項の規定により業務を委託したときは、業務の適正な遂行を図るため、受託者に対して常に状況に応じた監督を行い、適正な履行を確保するものとする。

3 受託者は、前項の規定による市町村長の監督を受け、市町村長から役務改善命令等がなされた場合には、その補正等の措置をしなければならない。

(意思疎通支援者の登録)

第6条 ○○市(区市町村)意思疎通支援者としての登録を希望する者は、○○市(区市町村)意思疎通支援者登録申請書(様式例第1号)に、手話通訳者については次の第1号から第3号までに掲げるいずれかの資格を証する書類を、又は要約筆記者については次の第4号から第5号までに掲げるいずれかの資格を証する書類を添付して、市(区市町村)長に申請するものとする。

(1) 手話通訳を行う者の知識及び技能の審査・証明事業の認定に関する省令(平成21年3月31日厚生労働省令第96号)に基づく手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)の合格者

(2) ○○県(都道府県)手話通訳者登録試験の合格者

(3) 前2号で規定するものと同等と認められる者

(4) ○○県(都道府県)要約筆記者登録試験の合格者

(5) 前号で規定するものと同等と認められる者

2 市(区市町村)長は、前項の申請書を受理したときは、登録の可否を決定し、その旨を○○市(区市町村)意思疎通支援者登録決定(却下)通知書(様式例第2号)により、当該申請者に通知するものとする。

3 市(区市町村)長は、前項の規定により○○市(区市町村)意思疎通支援者として決定したときは、○○市(区市町村)意思疎通支援者登録台帳(様式例第3号)に登録するものとする。

(意思疎通支援者証)

第7条 市(区市町村)長は、意思疎通支援者に○○市(区市町村)意思疎通支援者証(様式例第4号。以下「意思疎通支援者証」という。)を交付するものとする。ただし、○○県(都道府県)意思疎通支援者証を所持している場合は交付を省略できるものとする。

2 意思疎通支援者証の有効期間は、○年とする。

3 意思疎通支援者は、手話通訳業務又は要約筆記業務(以下「意思疎通支援業務」という。)を行うときは、常に意思疎通支援者証を携帯し、提示を求められた場合は、これを提示しなければならない。

4 意思疎通支援者は、意思疎通支援者証を紛失等したときは、速やかに○○市(区市町村)意思疎通支援者証紛失等届兼再交付申請書(様式例第5号)を、市(区市町村)長に提出しなければならない。

5 意思疎通支援者は、登録事項に変更があるときは、速やかに○○市(区市町村)意思疎通支援者登録事項変更届(様式例第6号)を、市(区市町村)長に提出しなければならない。

6 意思疎通支援者は、登録の取消しの決定を受けたとき又は登録を辞退したときは、意思疎通支援者証を市(区市町村)長に返還しなければならない。

(意思疎通支援者の責務)

第8条 意思疎通支援者は、意思疎通支援業務を遂行するに当たって、次の各号に掲げる事項を守らなければならない。

(1) 事業を通じて知り得た情報を本人の同意を得ないで第三者に提供してはならないこと。

(2) 手話通訳又は要約筆記の技術、聴覚障害者等に関する知識の向上に努めること。

2 前項第1号の規定は、意思疎通支援者を辞した後にも適用する。

(派遣の対象者等)

第9条 意思疎通支援者の派遣の対象となる者は、○○市(区市町村)内に居住する聴覚障害者等とする。

2 前項の規定にかかわらず、市(区市町村)長は、他の市(区市町村)長等から意思疎通支援者の派遣の依頼があるときは、当該市(区市町村)の聴覚障害者等を対象者として意思疎通支援者を派遣することができるものとする。

3 前2項の規定にかかわらず、市(区市町村)長は、○○市(区市町村)内において、緊急に意思疎通支援者の派遣を必要とする○○市(区市町村)外に居住する聴覚障害者等がいるときは、当該聴覚障害者等を対象者として意思疎通支援者を派遣することができるものとする。

(派遣の内容等)

第10条 意思疎通支援者の派遣の対象となる内容は、聴覚障害者等の日常生活及び社会生活を営むために必要なものとする。ただし、次の各号に掲げる事項は除くものとする。

(1) 市(区市町村)長が、社会通念上派遣することが好ましくないと認める内容

(2) 市(区市町村)長が、公共の福祉に反すると認める内容

(派遣の区域及び時間)

第11条 意思疎通支援者の派遣の対象となる区域は、○○県(都道府県)内とする。

2 前項の規定にかかわらず、市(区市町村)長は、意思疎通支援者を派遣することが必要であると認めるときは、意思疎通支援者を○○県(都道府県)外に派遣することができるものとする。ただし、市(区市町村)長は、当該派遣先が遠隔地等の理由により意思疎通支援者を派遣することができないときは、他市の登録手話通訳者又は要約筆記者を派遣することができるものとする。

3 意思疎通支援者の派遣の対象となる時間は、原則、午前○○時から午後○○時までとする。ただし、緊急又はやむを得ない事由のある場合はこの限りではない。

(派遣の申請)

第12条 意思疎通支援者の派遣を申請することのできるもの(以下「申請者」という。)は、次の各号に掲げるものとする。

(1) 第9条に規定する聴覚障害者等(以下この項において同じ。)及びその者の家族等

(2) 聴覚障害者等で構成する団体

(3) 聴覚障害者等に対して意思疎通の手段として手話通訳又は要約筆記を必要とする個人若しくは団体

(4) 不特定多数の者が参加する催しを開催するときに、聴覚障害者等が参加することを見込む公共機関及び団体等

(5) 前各号に掲げるもののほか、市(区市町村)長が必要と認めるもの

2 申請者は、意思疎通支援者の派遣を希望する日の○日(土曜日、日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日及び年末年始を除く。)前までに、○○市(区市町村)意思疎通支援者派遣申請書(様式例第7号。以下「派遣申請書」という。)により、市(区市町村)長に申請するものとする。ただし、緊急又はやむを得ない事由のある場合は、この限りでない。

(派遣の決定)

第13条 市(区市町村)長は、前条第2項の派遣申請書を受理したときは、内容を審査の上、意思疎通支援者の派遣の可否を決定し、○○市(区市町村)意思疎通支援者派遣決定(却下)通知書(様式例第8号)により、当該申請者に通知するものとする。

2 市(区市町村)長は、派遣が可能な意思疎通支援者を選考の上、○○市(区市町村)手話通訳・要約筆記依頼書(様式例第9号)により、意思疎通支援者に依頼するものとする。ただし、緊急又はやむを得ない事由のある場合は、この限りでない。

(申請者の費用負担)

第14条 意思疎通支援者の派遣に要する申請者の費用負担は、原則無料とする。ただし、意思疎通支援業務を行う際に必要となる意思疎通支援者に係る入場料、参加費その他これらに類する費用は申請者が負担しなければならない。

(派遣の停止等)

第15条 市(区市町村)長は、この要綱に反し、申請者が虚偽の申請により意思疎通支援者の派遣の決定を受けたときは、意思疎通支援者の派遣を停止し、又は意思疎通支援者の派遣に係る費用の全部若しくは一部の負担を命ずることができる。

(報告)

第16条 意思疎通支援者は、意思疎通支援業務の終了後、速やかに○○市(区市町村)意思疎通支援者派遣業務報告書(様式例第10号。以下「業務報告書」という。)を作成し、市(区市町村)長が指定する日までに市(区市町村)長に提出しなければならない。

(派遣の報酬等)

第17条 市(区市町村)長は、業務報告書により適正に意思疎通支援業務が行われたことを確認したときは、別表に定める基準により報酬等を意思疎通支援者に支払うものとする。

2 前項の規定にかかわらず、市(区市町村)長は、第11条第2項ただし書の規定により、意思疎通支援者を派遣したときは、その費用を負担するものとする。

(意思疎通支援者の技術及び知識の向上)

第18条 市(区市町村)長は、意思疎通支援者の技術及び知識の向上に資する研修の開催及び都道府県等の開催する研修への参加等に配慮しなければならない。

(頸肩腕障害に関する健康診断)

第19条 市(区市町村)長は、意思疎通支援業務の特殊性により発症が危惧される頸肩腕障害、メンタルストレスに起因する疾患等の健康障害を予防し、意思疎通支援者の健康保持を図り、もってこの事業全体の健全な運営を確保するため、必要に応じ、意思疎通支援者の頸肩腕障害に関する健康診断を実施する。

(運営委員会)

第20条 市(区市町村)長は、○○市(区市町村)意思疎通支援事業運営委員会(以下「運営委員会」という。)を設置し、事業の効率的な運営を図るものとする。

2 運営委員会は、次の各号に掲げる者によって構成するものとする。

(1) 聴覚障害者団体から選出された者又は聴覚障害者等

(2) 意思疎通支援者

(3) 前2号に掲げるもののほか、市(区市町村)長が必要と認める者

(その他)

第21条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、市(区市町村)長が別に定める。

附 則

この要綱は、平成○○年○○月○○日から適用する。

別表(第17条関係)

 

 

 

 

項目

基準

金額

 

報酬

申請者との待合わせ時間から終了時間までを基準時間とする。別途打合せを行った場合はその時間を加算する。また、報告書作成に要した時間を加算する

1時間まで

○○円

1時間を超えた場合、30分毎

○○円

手当

手話通訳業務又は要約筆記業務の時間が午後○時から翌日の午前○時までの間の場合、次のとおり割増手当を支給する。

手話通訳業務又は要約筆記業務の時間が午後10時から翌日の午前5時までの間に勤務した場合

報酬総額に100分の○○を乗じた額

上記以外の時間帯

【参考】労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)

報酬総額に100分の○○を乗じた額

遠距離手当(自宅から手話通訳業務又は要約筆記業務の実施場所までの移動時間が○時間を超える場合)

○時間につき○○円

交通費

自宅から手話通訳業務又は要約筆記業務の実施場所までの往復に要した経費

実費(公共交通機関を利用した場合に限る。)

自家用車を使用した場合は、1kmにつき○○円とする。

夜間及び緊急時でタクシーの利用を認められた場合

タクシー料金

 

様式例第1号(第6条関係)

様式例第2号(第6条関係)

様式例第3号(第6条関係)

様式例第4号(第7条関係)

様式例第5号(第7条関係)

様式例第6号(第7条関係)

様式例第7号(第12条関係)

様式例第8号(第13条関係)

様式例第9号(第13条関係)

様式例第10号(第16条関係)

画像11 (5KB)別ウィンドウが開きます

別紙2

○○県(都道府県)意思疎通支援事業実施要綱

平成〇〇年〇月〇日

○○県○○部長・局長決済

(目的)

第1条 この要綱は、障害者基本法(昭和45年法律第84号)第22条第1項及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第78条第1項の規定に基づき、聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等その他の日常生活を営むのに支障がある障害者等(以下「聴覚障害者等」という。)とその他の者との意思疎通を支援するために、特に専門性の高い意思疎通支援を行う者(以下「意思疎通支援者」という。)を派遣し、円滑なコミュニケーションを図ることにより、自立と社会参加の促進に資することを目的とする。

(事業の内容)

第2条 前条の目的を達成するため、○○県意思疎通支援事業(以下「事業」という。)として次に掲げる業務を実施する。

(1) 意思疎通支援者(地域生活支援事業の実施について(平成18年8月1日障発第0801002号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)別記6の4(2)アに規定する「手話通訳者」及び同イに規定する「要約筆記者」であって、「手話通訳者」は第5条第1項の規定により、「要約筆記者」は同条第2項の規定により知事が登録したものをいう。以下同じ。)を派遣する業務のうち、○○県内市町村の意思疎通支援者を派遣する事業(以下「市町村派遣事業」という。)の実施に際し、複数市町村の住民が参加する障害者団体等の会議、研修、講演、講義等や専門性の高い分野など当該市町村では派遣できない場合等につき意思疎通支援者を派遣する業務

(2) 市町村派遣事業に係る市町村(都道府県)相互間の連絡調整等広域的な対応を行う業務

(3) 前2号を行う連絡調整業務等担当者の設置

(4) 市町村派遣事業の実施に際し、市町村域を越える派遣を実施した場合において、派遣希望地の派遣費用が当該派遣元の費用を上回る場合で、市町村が負担できない場合に、その差額を負担する業務

(5) 前各号に掲げるもののほか、事業の実施に必要と認められる業務

(実施主体)

第3条 この事業の実施主体は○○県とする。

(都道府県の責務)

第4条 知事はこの事業に従事する意思疎通支援者の健康と安全の確保に努めなければならない。

(事業の委託及び監督等)

第5条 知事は、第2条に規定する業務を知事が適当と認めた法人(以下「受託者」という。)に全部又は一部を委託することができる。

2 知事は、前項の規定により業務を委託したときは、業務の適正な遂行を図るため、受託者に対して常に状況に応じた監督を行い、適正な履行を確保するものとする。

3 受託者は、前項の規定による知事の監督を受け、知事から役務改善命令等がなされた場合には、その補正等の措置をしなければならない。

(意思疎通支援者の登録)

第6条 ○○県(都道府県)意思疎通支援者としての登録を希望する者は、○○県(都道府県)意思疎通支援者登録申請書(様式例第1号)に、手話通訳者については次の第1号から第3号までに掲げるいずれかの資格を証する書類を、要約筆記者については次の第4号から第5号までに掲げるいずれかの資格を証する書類を添付して、知事に申請するものとする。

(1) 手話通訳を行う者の知識及び技能の審査・証明事業の認定に関する省令(平成21年3月31日厚生労働省令第96号)に基づく手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)の合格者

(2) ○○県(都道府県)手話通訳者登録試験の合格者

(3) 前2号で規定するものと同等と認められる者

(4) ○○県(都道府県)要約筆記者登録試験の合格者

(5) 前号で規定するものと同等と認められる者

2 知事は、前項の申請書を受理したときは、登録の可否を決定し、その旨を○○県(都道府県)意思疎通支援者登録決定(却下)通知書(様式例第2号)により、当該申請者に通知するものとする。

3 知事は、前項の規定により○○県(都道府県)意思疎通支援者として決定したときは、○○県(都道府県)意思疎通支援者登録台帳(様式例第3号)に登録するものとする。

(意思疎通支援者証)

第7条 知事は、意思疎通支援者に○○県(都道府県)意思疎通支援者証(様式例第4号。以下「意思疎通支援者証」という。)を交付するものとする。

2 意思疎通支援者証の有効期間は、○年とする。

3 意思疎通支援者は、手話通訳業務又は要約筆記業務(以下「意思疎通支援業務」という。)を行うときは、常に意思疎通支援者証を携帯し、提示を求められた場合は、これを提示しなければならない。

4 意思疎通支援者は、意思疎通支援者証を紛失等したときは、速やかに○○県(都道府県)意思疎通支援者証紛失等届兼再交付申請書(様式例第5号)を、知事に提出しなければならない。

5 意思疎通支援者は、登録事項に変更があるときは、速やかに○○県(都道府県)意思疎通支援者登録事項変更届(様式例第6号)を、知事に提出しなければならない。

6 意思疎通支援者は、登録の取消しの決定を受けたとき又は登録を辞退したときは、意思疎通支援者証を知事に返還しなければならない。

(意思疎通支援者の責務)

第8条 意思疎通支援者は、意思疎通支援業務を遂行するに当たって、次の各号に掲げる事項を守らなければならない。

(1) 事業を通じて知り得た情報を本人の同意を得ないで第三者に提供してはならないこと。

(2) 手話通訳又は要約筆記の技術、聴覚障害者等に関する知識の向上に努めること。

2 前項第1号の規定は、意思疎通支援者を辞した後にも適用する。

(派遣対象事項)

第9条 知事は、次に掲げる場合において、聴覚障害者等又は聴覚障害者等とコミュニケーションを図る必要のある者及び団体等が、円滑な意思の疎通を図る上で支障があることを認めるときに意思疎通支援者を派遣する。

(1) 県内の障害者団体等が主催又は共催する広域的な行事(県内全域から聴覚障害者等の参加が見込まれるものを原則とし、少なくとも複数の市町村から聴覚障害者等の参加が見込まれるものをいう。)

(2) 市町村派遣事業での対応が困難であると認められるもの、又はこの事業での実施が望ましいと判断されるもの

(3) その他知事が特に必要と認める場合

(派遣対象地域)

第10条 意思疎通支援者の派遣対象地域は、原則として県内とする。ただし、県内在住の聴覚障害者等が、県外での活動に際し意思疎通支援者を必要とし、市町村より広域的な派遣の調整を依頼された場合で市町村での対応が困難であると認められる場合、知事は、当該派遣先の属する都道府県又は聴覚障害者情報提供施設等の協力により、当該都道府県等に登録している意思疎通支援者の派遣を行うものとする。

(広域的な派遣の調整等)

第11条 知事は管内の市町村長より広域的な派遣についての調整の依頼を受けた時は、派遣先が県外の場合、派遣先の都道府県知事又は市町村長に対し派遣の依頼を行うものとする。この場合、派遣に係る費用が派遣依頼元の市町村の基準額を超えかつ市町村において負担が困難な場合においては、基準額を超過する額を都道府県において負担するものとする。

なお、県内の市町村相互間の派遣については、派遣が円滑に行われるよう連携体制の整備を行うものとする。

2 他の都道府県知事又は他の都道府県管内の市町村長より、管内市町村内への派遣の依頼を受けた場合、派遣場所の所在する市町村長に対し派遣の依頼を行うものとする。

なお、当該市町村で派遣が困難な場合は、近隣の市町村長への派遣依頼又は都道府県による派遣を行うよう努めるものとする。

(派遣の申請)

第12条 意思疎通支援者の派遣を希望する者(以下「申請者」という。)は、「○○県(都道府県)意思疎通支援者派遣申請書」(様式例第7号。以下「申請書」という。)により、できる限り早期(原則として、派遣を希望する期日の1週間前まで)に、知事に対し、派遣の申請をするものとする。ただし、緊急又はやむを得ない事由があると認められる場合は、この限りではない。

なお、意思疎通支援者の派遣を希望する者が市町村に提出した「○○市意思疎通支援者派遣申請書」をもって「○○県意思疎通支援者派遣申請書」に代えることができる。この場合、○○市町村長は○○都道府県知事に派遣を申請する旨を付記するものとする。

(派遣の決定)

第13条 知事は、前条の派遣申請書を受理したときは、内容を審査の上、意思疎通支援者の派遣の可否を決定し、○○県(都道府県)意思疎通支援者派遣決定(却下)通知書(様式例第8号)により、当該申請者に通知するものとする。

2 知事は、派遣が可能な意思疎通支援者を選考の上、○○県(都道府県)手話通訳・要約筆記依頼書(様式例第9号)により、意思疎通支援者に依頼するものとする。ただし、緊急又はやむを得ない事由のある場合は、この限りでない。

(申請者の費用負担)

第14条 意思疎通支援者の派遣に要する申請者の費用負担は、原則、無料とする。ただし、意思疎通支援業務を行う際に必要となる意思疎通支援者に係る入場料、参加費その他これらに類する費用は申請者が負担しなければならない。

(連絡調整業務等担当者の設置)

第15条 知事は、意思疎通支援者の派遣に係る連絡調整業務等を行う者を置くことができる。

(意思疎通支援者の派遣及び報告)

第16条 意思疎通支援者は、知事の依頼に基づき、意思疎通支援業務を行う。この場合、申請者その他関係者と連絡調整を行う等、適切な意思疎通支援業務の実現に努めるものとする。

2 意思疎通支援者は、前項の規定に基づく意思疎通支援業務の終了後、速やかに「○○県(都道府県)意思疎通支援派遣業務報告書(兼報酬等請求書)」(様式例第10号。以下「業務報告書」という。)を作成し、知事が指定する日までに知事に提出しなければならない。

(報酬等)

第17条 知事は、業務報告書により適正に意思疎通支援業務が行われたことを確認したときは、別表に定める基準により報酬等を意思疎通支援者に対し支払うものとする。

(意思疎通支援者の研修)

第18条 知事は、意思疎通支援者に対して、意思疎通支援者としての資質の向上、研鑚を深めるため、研修を実施する。

(頸肩腕障害に関する健康診断)

第19条 知事は、意思疎通支援業務の特殊性により発症が危惧される頸肩腕障害、メンタルストレスに起因する疾患等の健康障害を予防し、意思疎通支援者の健康保持を図り、もってこの事業全体の健全な運営を確保するため、必要に応じ、意思疎通支援者に対し、頸肩腕障害に関する健康診断を実施する。

(関係機関との連携)

第20条 知事は、この事業の実施にあたり、円滑な事業実施を期し、関係団体等と密接に連携を保つため、聴覚障害当事者団体、意思疎通支援者関係団体等の関係者で構成する運営委員会を設置し、この事業の効果的な推進を図るものとする。

(委任)

第21条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項については、知事が別に定める。

附 則

この要綱は、平成○○年○月○日から適用する。

別表(第17条関係)

 

 

 

 

項目

基準

金額

 

報酬

申請者との待合わせ時間から終了時間までを基準時間とする。別途打合せを行った場合はその時間を加算する。また、報告書作成に要した時間を加算する

1時間まで

○○円

1時間を超えた場合、30分毎

○○円

手当

手話通訳業務又は要約筆記業務の時間が午後○時から翌日の午前○時までの間の場合、次のとおり割増手当を支給する。

手話通訳業務又は要約筆記業務の時間が午後10時から翌日の午前5時までの間に勤務した場合

報酬総額に100分の○○を乗じた額

上記以外の時間帯

【参考】労働基準法第37条(時間外、休日及び深夜の割増賃金)

報酬総額に100分の○○を乗じた額

遠距離手当(自宅から手話通訳業務又は要約筆記業務の実施場所までの移動時間が○時間を超える場合)

○時間につき○○円

交通費

自宅から手話通訳業務又は要約筆記業務の実施場所までの往復に要した経費

実費(公共交通機関を利用した場合に限る。)

自家用車を使用した場合は、1kmにつき○○円とする。

夜間及び緊急時でタクシーの利用を認められた場合

タクシー料金

 

様式例第1号(第6条関係)

様式例第2号(第6条関係)

様式例第3号(第6条関係)

様式例第4号(第7条関係)

様式例第5号(第7条関係)

様式例第6号(第7条関係)

様式例第7号(第12条関係)

様式例第8号(第13条関係)

様式例第9号(第13条関係)

様式例第10号(第16条関係)

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別添

○○市(区市町村)意思疎通支援事業実施要綱の解釈等について

(目的)

第1条 この要綱は、障害者基本法(昭和45年法律第84号)第22条第1項及び障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第77条第1項第6号の規定に基づき、聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等その他の日常生活を営むのに支障がある障害者等(以下「聴覚障害者等」という。)とその他の者との意思疎通を支援するために手話通訳者又は要約筆記者(地域生活支援事業の実施について(平成18年8月1日障発第0801002号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)別記6の4(2)アに規定する「手話通訳者」又は同イに規定する「要約筆記者」。以下「意思疎通支援者」という。)を派遣し、円滑なコミュニケーションを図ることにより、自立と社会参加の促進に資することを目的とする。

【趣旨】

本条は、○○市(区市町村)意思疎通支援事業を実施する根拠及び目的を定めるものであって、この要綱全般を通じての解釈及び運用に当たっての指針となるものである。

【説明】

1 障害者基本法第22条第1項では、地方公共団体は、障害者が円滑に情報を取得し及び利用し、その意思を表示し、並びに他人との意思疎通を図ることができるようにするため、障害者の意思疎通を仲介する者の養成及び派遣等が図られるよう必要な施策を講じなければならないと規定している。

※障害者基本法(昭和45年法律第84号)

(情報の利用におけるバリアフリー化等)

第22条 国及び地方公共団体は、障害者が円滑に情報を取得し及び利用し、その意思を表示し、並びに他人との意思疎通を図ることができるようにするため、障害者が利用しやすい電子計算機及びその関連装置その他情報通信機器の普及、電気通信及び放送の役務の利用に関する障害者の利便の増進、障害者に対して情報を提供する施設の整備、障害者の意思疎通を仲介する者の養成及び派遣等が図られるよう必要な施策を講じなければならない。

2 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(以下「障害者総合支援法」という。)第77条第1項第6号では、市町村の地域生活支援事業として、聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等その他の日常生活を営むのに支障がある障害者等に、意思疎通支援を行う者の派遣を行うことを規定している。

※障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)

(市町村の地域生活支援事業)

第77条 市町村は、厚生労働省令で定めるところにより、地域生活支援事業として、次に掲げる事業を行うものとする。

(6) 聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等その他の日常生活を営むのに支障がある障害者等につき、意思疎通支援(手話その他厚生労働省令で定める方法により当該障害者等とその他の者の意思疎通を支援することをいう。以下同じ。)を行う者の派遣、日常生活上の便宜を図るための用具であって厚生労働大臣が定めるものの給付又は貸与その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業

3 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律施行規則(平成18年厚生労働省令第19号)第65条の9の3において、市町村は、「意思疎通支援を行う者の派遣を行うに当たっては、少なくとも手話及び要約筆記に係るものを行うこと」とされている。

4 地域生活支援事業の実施について(平成18年8月1日障発第0801002号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)で、「意思疎通支援事業」は、「聴覚、言語機能、音声機能、視覚その他の障害のため、意思疎通を図ることに支障がある障害者等に、手話通訳、要約筆記等の方法により、障害者等とその他の者の意思疎通を支援する手話通訳者、要約筆記等の派遣等を行い、意思疎通の円滑化を図ることを目的とする」もので、事業内容は「手話通訳者、要約筆記者を派遣する事業、手話通訳者を設置する事業、点訳、代筆、代読、音声訳等による支援事業など意思疎通を図ることに支障がある障害者等とその他の者の意思疎通を支援する」と規定されている。

5 この要綱において「聴覚障害者等」とは、「聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等その他の日常生活を営むのに支障がある障害者等」と規定している。

6 この要綱において「意思疎通支援者」とは、「聴覚障害者等とその他の者との意思疎通を支援するため」に派遣される手話通訳者と要約筆記者と規定している。

また、「手話通訳者」は、地域生活支援事業の実施について(平成18年8月1日障発第0801002号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)別記6の4(2)アに規定する「手話通訳者」とし、又「要約筆記者」は同イに規定する「要約筆記者」としている。

7 この要綱は、「意思疎通支援事業」として、特に手話通訳者と要約筆記者の派遣に係るガイドラインを示すものである。

8 ○○市(区市町村)意思疎通支援事業は、聴覚障害者等の円滑なコミュニケーションを図ることにより、自立と社会参加の促進に資することを目的とするものである。

【参考】

障害者基本法第3条第3号で、「手話」は「言語」と規定している。手話通訳、要約筆記は、聴覚障害者等とその他の者との意思疎通を図るための手段である。

※障害者基本法(昭和45年法律第84号)

(地域社会における共生等)

第3条 第1条に規定する社会の実現は、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを前提としつつ、次に掲げる事項を旨として図られなければならない。

一 全て障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されること。

二 全て障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと。

三 全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られること。

(事業の内容等)

第2条 前条の目的を達成するため、○○市(区市町村)意思疎通支援事業(以下「事業」という。)として、次に掲げる業務を実施する。

(1) 意思疎通支援者の登録に関する業務

(2) 意思疎通支援者(第6条第3項の規定により○○市(区市町村)意思疎通支援者登録台帳に登録された者をいう。以下同じ。)のうち、手話通訳者の派遣に関する業務

(3) 意思疎通支援者のうち、要約筆記者の派遣に関する業務

(4) 前2号及び3号を行う連絡調整業務等担当者の設置

(5) 意思疎通支援事業が円滑に行われるよう運営委員会の開催

(6) 前各号に掲げるもののほか、事業の実施に必要と認められる業務

【趣旨】

本条は、意思疎通支援事業の業務内容を規定するものである。

【説明】

1 第1号に規定する「意思疎通支援者の登録に関する業務」は、第6条(意思疎通支援者の登録)、第7条(意思疎通支援者証)などの業務である。

2 第2号及び第3号では、この要綱における「意思疎通支援者」について定義し、「意思疎通支援者」とは、第6条の規定により、市(区市町村)長に意思疎通支援者として申請し、○○市(区市町村)意思疎通支援者登録台帳に登録された者としている。

3 第2号及び第3号に規定する「意思疎通支援者の派遣に関する業務」は、第12条(派遣の申請)、第13条(派遣の決定)、第17条(派遣の報酬等)などの業務である。

4 第4号に規定する「連絡調整業務等担当者の設置」は、意思疎通支援者の派遣に係る連絡調整に関する業務以外に、聴覚障害当事者等の課題を把握し、日常生活支援や社会参加支援を行うことも重要な業務であることから、手話通訳者又は要約筆記者の設置が望ましい。

5 第6号に規定する「事業の実施に必要と認められる業務」には、第18条(意思疎通支援者の技術及び知識の向上)、第19条(頚肩腕健康診断)、第20条(運営委員会)などの業務が含まれる。

(事業の委託及び監督等)

第5条 市町村長は、第2条に規定する業務を市町村長が適当と認めた法人(以下「受託者」という。)に全部又は一部を委託することができる。

2 市町村長は、前項の規定により業務を委託したときは、業務の適正な遂行を図るため、受託者に対して常に状況に応じた監督を行い、適正な履行を確保するものとする。

3 受託者は、前項の規定による市町村長の監督を受け、市町村長から役務改善命令等がなされた場合には、その補正等の措置をしなければならない。

【趣旨】

本条は、事業を委託した場合及び受託者に対する監督等の規定を設けるものである。

【説明】

1 第2条に規定する意思疎通支援事業のうち、第1号(意思疎通支援者の登録に関する業務)は○○市町村が実施するものとする。

2 第2条に規定する意思疎通支援事業のうち、第2号(手話通訳者の派遣に関する業務)、第3号(要約筆記者の派遣に関する業務)、第6号(その他事業の実施に必要と認められる業務)を市町村長が適当と認める法人に全部又は一部を委託することができる。

3 業務を委託する場合は、市町村長は、事業の実施状況等について、報告を求めることができるものとする。詳細については、「業務委託契約書」で定めるものとする。

【参考】

1 委託先となる法人には○○市町村や○○都道府県の社会福祉協議会、聴覚障害者協会、手話通訳者派遣センター、聴覚障害者情報提供施設等がある。

委託先には、市町村域内の派遣を行う団体と都道府県域内の派遣を行うことができる団体それぞれに委託することが望ましい。

2 事業の委託及び監督等の規定の参考例としては以下の規定が考えられる。

① 2つの法人に委託する場合

市町村長は、第2条第2号及び第4号の一部の業務を社会福祉法人○○市町村社会福祉協議会に、並びに第2条第3号及び第4号の一部の業務を社会福祉法人○○市町村聴覚障害者協会に委託するものとする。この場合において、市町村長は、事業の実施状況等について報告を求めることができるものとする。

② 一部の業務を委託する場合

市町村長は、第2条第3号及び第4号の一部の業務を社会福祉法人○○市町村聴覚障害者協会に委託するものとする。この場合において、市町村長は、事業の実施状況等について、報告を求めることができるものとする。

(意思疎通支援者の登録)

第6条 ○○市(区市町村)意思疎通支援者としての登録を希望する者は、○○市(区市町村)意思疎通支援者登録申請書(様式例第1号)に、手話通訳者については次の第1号から第3号までに掲げるいずれかの資格を証する書類を、又は要約筆記者については次の第4号から第5号までに掲げるいずれかの資格を証する書類を添付して、市(区市町村)長に申請するものとする。

(1) 手話通訳を行う者の知識及び技能の審査・証明事業の認定に関する省令(平成21年3月31日厚生労働省令第96号)に基づく手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)の合格者

(2) ○○県(都道府県)手話通訳者登録試験の合格者

(3) 前2号で規定するものと同等と認められる者

(4) ○○県(都道府県)要約筆記者登録試験の合格者

(5) 前号で規定するものと同等と認められる者

2 市(区市町村)長は、前項の申請書を受理したときは、登録の可否を決定し、その旨を○○市(区市町村)意思疎通支援者登録決定(却下)通知書(様式例第2号)により、当該申請者に通知するものとする。

3 市(区市町村)長は、前項の規定により○○市(区市町村)意思疎通支援者として決定したときは、○○市(区市町村)意思疎通支援者登録台帳(様式例第3号)に登録するものとする。

【趣旨】

本条は、手話通訳者又は要約筆記者の登録について規定するものである。

【説明】

≪第1項関係≫

1 意思疎通支援者の登録は市(区市町村)長が行うので、○○市(区市町村)意思疎通支援者登録申請書は市(区市町村)長に申請する。

2 手話通訳者の資格要件は次のとおりとする。

・手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)の合格者

・○○県(都道府県)手話通訳者登録試験の合格者

・指定都市又は中核市手話通訳者登録試験の合格者

・上記の者と同等と認められる者

3 要約筆記者の資格要件は次のとおりとする。

・○○県(都道府県)要約筆記者登録試験の合格者

・指定都市又は中核市手話通訳者登録試験の合格者

・上記の者と同等と認められる者

4 意思疎通支援者は、市(区市町村)長が審査の上、○○市(区市町村)意思疎通支援者登録台帳に登録するものとする。

5 第1号に規定する「手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)」とは、手話通訳を行う者の知識及び技能の審査・証明事業の認定に関する省令(平成21年3月31日厚生労働省令第96号)に基づき手話通訳技能について審査・証明事業を行う法人として、厚生労働大臣が認定した「社会福祉法人聴力障害者情報文化センター」が実施する手話通訳技能認定試験である。

6 第2号に規定する「○○県(都道府県)手話通訳者登録試験の合格者」の場合に添付する書類は、別に定める○○市(区市町村)手話通訳者登録試験実施要領に規定する○○市(区市町村)手話通訳者登録試験合格者証とする。

7 第3号に規定する「同等と認められる者」とは、手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)の合格者として手話通訳士や当該都道府県の手話通訳者として登録を受けたものではないが、他の都道府県又は区市町村で手話通訳者として活動していた社会福祉法人全国手話研修センターが主催する手話通訳者全国統一試験の合格者などである。活動履歴などから、同等と認められない場合は、本号第2号に規定する登録試験の合格者となることが必要である。

なお、第5号の取扱いも同様の考え方に基づくものとし、社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会と特定非営利活動法人全国要約筆記問題研究会が主催する全国統一要約筆記者認定試験などがこれにあたる。

8 第3号及び第5号に規定する「同等と認められる者」の場合に添付する書類は、他の都道府県又は区市町村の意思疎通支援者認定証や活動履歴などである。

≪第2項関係≫

市(区市町村)長は、○○市(区市町村)意思疎通支援者登録申請書を受理したときは、登録の可否を決定し、その旨を○○市(区市町村)意思疎通支援者登録決定(却下)通知書(様式第2号)により、当該申請者に通知するものとする。

≪第3項関係≫

市(区市町村)長は、前項の規定により○○市(区市町村)意思疎通支援者と決定したときは、○○市(区市町村)意思疎通支援者登録台帳(様式第3号)に登録するものとする。

【参考】

1 地域生活支援事業の実施について(平成18年8月1日障発第0801002号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)では、「意思疎通支援事業」の留意事項に「手話通訳者」、「要約筆記者」には以下のものを含むとしている。

ア 「手話通訳者」

(ア) 「手話通訳士」・・・手話通訳を行う者の知識及び技能の審査・証明事業の認定に関する省令(平成21年3月31日厚生労働省令第96号)に基づき実施された手話通訳技能認定試験に合格し、登録を受けた者

(イ) 「手話通訳者」・・・都道府県、指定都市及び中核市が実施する手話通訳者養成研修事業において「手話通訳者」として登録された者

イ 「要約筆記者」

「要約筆記者」・・・都道府県、指定都市及び中核市が実施する要約筆記者養成研修事業において「要約筆記者」として登録された者

2 意思疎通支援者の身分や任用については多様な形態があるが、市(区市町村)の職員(正規又は非正規)として任用、雇用する事例もある。また、意思疎通支援者のうち、手話通訳業務のほか、主に手話通訳者、要約筆記者養成業務や手話通訳者又は要約筆記者の派遣業務、聴覚障害者等の生活支援業務に従事することを目的とした調整者(コーディネーター)として任命(雇用)されている事例もある。

(意思疎通支援者証)

第7条 市(区市町村)長は、意思疎通支援者に○○市(区市町村)意思疎通支援者証(様式例第4号。以下「意思疎通支援者証」という。)を交付するものとする。ただし、○○県(都道府県)意思疎通支援者証を所持している場合は交付を省略できるものとする。

2 意思疎通支援者証の有効期間は、○年とする。

3 意思疎通支援者は、手話通訳業務又は要約筆記業務(以下「意思疎通支援業務」という。)を行うときは、常に意思疎通支援者証を携帯し、提示を求められた場合は、これを提示しなければならない。

4 意思疎通支援者は、意思疎通支援者証を紛失等したときは、速やかに○○市(区市町村)意思疎通支援者証紛失等届兼再交付申請書(様式例第5号)を、市(区市町村)長に提出しなければならない。

5 意思疎通支援者は、登録事項に変更があるときは、速やかに○○市(区市町村)意思疎通支援者登録事項変更届(様式例第6号)を、市(区市町村)長に提出しなければならない。

6 意思疎通支援者は、登録の取消しの決定を受けたとき又は登録を辞退したときは、意思疎通支援者証を市(区市町村)長に返還しなければならない。

【趣旨】

本条は、意思疎通支援者の身分を証する意思疎通支援者証の交付、有効期間及び意思疎通支援者証の携帯等、意思疎通支援者証について規定するものである。

【説明】

≪第1項関係≫

○○市(区市町村)意思疎通支援者証は市(区市町村)長が、意思疎通支援者に交付する。

≪第2項関係≫

1 意思疎通支援者の実働がないまま名簿に記載されることが無いよう、実働があるかどうかを確認する。また、5号又は6号による登録事項の変更や辞退をしないまま放置される場合がある為、意思疎通支援者証の有効期間を規定する。

2 意思疎通支援者証の有効期間は、○○市(区市町村)の実情に応じて規定するものとする。

≪第3項関係≫

意思疎通支援者は、意思疎通支援業務を行うときは、常に意思疎通支援者証を携帯し、意思疎通支援業務を行う対象者等の求めがあるとき等の場合は意思疎通支援者証を提示しなければならない。

≪第4項及び第5項関係≫

1 意思疎通支援者は、意思疎通支援者証を紛失又は棄損したときや、登録事項に変更があるときには、様式により市(区市町村)長に届け出なければならないことについて規定する。

2 市(区市町村)長は、届け出があったときは、内容を確認し、第1項に基づき意思疎通支援者証を交付するものとする。

≪第6項関係≫

1 意思疎通支援者は、登録の取消しの決定を受けたとき又は登録を辞退したときは、意思疎通支援者証を市(区市町村)長に返還しなければならないことについて規定する。