添付一覧
(2) 電離箱による定量法
当該方法による定量法は、本来ガンマ線を測定するために設計された電離箱を用いるため、ベータ線測定の場合には、測定対象が最大エネルギー1MeV以上の純ベータ核種で、放射能が数十MBq以上であるときに限り用いることができる。この測定法は試料から放出されるベータ線が線源自身や容器、保持具等の周辺部材及び電離箱壁等との相互作用の結果生じる制動放射線(電磁)を測定する。このため、これらの測定条件は全て校正時と同一又は適切に補正できるものとする。
(i) 放射能換算定数の求め方(校正)
測定対象核種と同一核種の放射能標準溶液の一定量を定められた測定容器に採取し、標準線源とする。標準線源を電離箱内の一定の位置に置いて測定し、放射能と電離電流値との比を次の式から算出して放射能換算定数とする。
K=As/Is
K:放射能換算定数(Bq/A)
As:標準線源の放射能(Bq)
Is:正味の電離電流値(A)
(ii) 放射能の定量
放射能の定量は、標準線源と同一形状の測定試料を同一条件で測定し、次の式から算出する。
A=K・I・C
A:試料中の放射能(Bq)
K:放射能換算定数(Bq/A)
I:正味の電離電流値(A)
C:試料の測定条件が校正時測定条件と違うことによる補正係数
Cの主な補正因子は、液量及び測定容器の材質・形状であるが、電離箱でベータ線を測定する場合、これらの補正因子の影響は非常に大きいため、補正係数は高い精度で求める。
(iii) ガンマ線放出異核種の確認及び補正
本法において定量を行う場合、ガンマ線スペクトロメータを用いて不純物として含まれるガンマ線放出核種の確認を行う。
試料中に異核種が含まれる場合、次の式に従って、得られた全電離電流値から異核種の寄与分を差し引く。
I:目的核種による正味の電離電流値(A)i
I0:得られる正味の電離電流値(異核種からの寄与を含む)(A)
Ai:異核種i(i=1、2、…n)の放射能(Bq)
Ki:異核種i(i=1、2、…n)に対する放射能換算定数
ベータ線エネルギーの制動放射線への変換率は一般的に低いため、純ベータ核種に対する電離箱レスポンスは、ガンマ線放出核種のレスポンスに対して非常に小さく、1/100程度となることも少なくない。このため、不純物として含まれるガンマ線放出核種の混入率が低い場合でも、寄与率は相対的に大きくなる。したがって、この補正はガンマ線スペクトロメータによる異核種の測定精度に大きく依存することに注意しなければならない。また、異核種としてガンマ線放出核種の混入率がある程度高くなると(核種にもよるが、1%程度が上限の目安である。)測定精度そのものに影響を与えることになるため、注意を要する。
クロマトグラフィー
1.11 液体クロマトグラフィー
日本薬局方の一般試験法の液体クロマトグラフィーを準用する。
1.12 ガスクロマトグラフィー
日本薬局方の一般試験法のガスクロマトグラフィーを準用する。
1.13 薄層クロマトグラフィー
薄層クロマトグラフィーは、適当な固定相で作られた薄層を用い、混合物を移動相で展開させてそれぞれの成分に分離する方法であり、物質の確認又は純度の試験等に用いる。
薄層板の調製
日本薬局方の一般試験法の薄層クロマトグラフィーの薄層板の調製の項を準用する。
操作法
別に規定するもののほか、次の方法による。
薄層板の下端から約20mmの高さの位置を原線とし、適当量の試料溶液を原線上に点状又は帯状に塗布し、風乾する。担体を必要とする場合には、第4 医薬品各条に規定する担体溶液を薄層板の原線上に塗布し、更に同じ位置に試料溶液を塗布し、風乾する。次に、別に規定するもののほか、あらかじめ展開溶媒を約10mmの深さに入れ、展開用容器を密閉し、常温で約1時間放置し、これに先の薄層板を器壁に触れないように入れ、容器を密閉し、常温で展開を行う。
展開後、薄層板を取り出し、直ちに溶媒の先端の位置に印を付け、風乾した後、第4 医薬品各条に規定のある場合はその方法によって、スポット又はバンドの位置を調べる。放射能を計数する場合には、更に適当なクロマトグラムスキャナを用いて測定した後、ピーク面積を求めるか、薄層を適当な一定の幅にかき取るか又は薄層板を切り離して、適当な計数装置により計数する。Rf値は次の式によって求める。
なお、第4 医薬品各条にスポット又はバンドの位置を確認するための対照物質の規定がある場合には、これらを緩衝液等の適当な溶媒に溶かした液について同様に行う。
Rf=原線からスポット又はバンドの中心までの距離/原線から溶媒先端までの距離
1.14 ろ紙クロマトグラフィー
ろ紙クロマトグラフィーは、ろ紙を用い、混合物を移動相で展開させてそれぞれの成分に分離する方法であり、物質の確認、純度の試験等に用いる。
操作法
別に規定するもののほか、次の方法による。
幅20~30mmの長方形のろ紙の下端から約50mmの高さの位置を原線とし、適当量の試料溶液を原線上に点状又は帯状に塗布し、風乾する。担体を必要とする場合には、第4 医薬品各条に規定する担体溶液をろ紙の原線上に塗布し、更に同じ位置に試料溶液を塗布し、風乾する。次にあらかじめ展開溶媒を入れ、その蒸気で飽和させておいた高さ約500mmの展開用容器に、このろ紙を入れ、器壁に触れないように注意してつるし、下端から約10mmまでを、器底の展開溶媒中に浸し、容器を密閉し、常温で展開を行う。
展開後、ろ紙を容器から取り出し、直ちに溶媒の先端の位置に印を付け、風乾した後、第4 医薬品各条に規定のある場合はその方法によって、スポット又はバンドの位置を調べる。放射能を計数する場合は、更に適当なクロマトグラムスキャナを用いて測定した後、ピーク面積を求めるか、ろ紙を適当な一定の幅に切り離して、適当な計数装置により計数する。Rf値は次の式によって求める。
なお、第4 医薬品各条にスポット又はバンドの位置を確認するための対照物質の規定がある場合には、これらを緩衝液等の適当な溶媒に溶かした液について同様に行う。
Rf=原線からスポット又はバンドの中心までの距離/原線から溶媒先端までの距離
分光学的測定法
1.21 原子吸光光度法
日本薬局方の一般試験法の原子吸光光度法を準用する。
1.22 紫外可視吸光度測定法
日本薬局方の一般試験法の紫外可視吸光度測定法を準用する。
その他の物理的試験法
1.31 電気泳動法
電気泳動法は、適当な緩衝液と支持体を用い、両端に直流電圧を与えることで混合物を移動させてそれぞれの成分に分離する方法であり、物質の確認、純度の試験等に用いる。
操作法
別に規定するもののほか、次の方法による。
電気泳動膜の適当な位置を原線とする。この泳動膜を第4 医薬品各条に規定する緩衝液に浸し、過剰の液を除いた後、適当量の試料溶液を原線上に点状又は帯状に塗布する。
なお、第4 医薬品各条にスポット又はバンドの位置を確認するための対照物質の規定がある場合は、これらを緩衝液等の適当な溶媒に溶かした液について同様に試験を行う。担体を必要とする場合には、第4 医薬品各条に規定する担体溶液を泳動膜の原線上に塗布し、更に同じ位置に試料溶液を塗布する。この泳動膜を適当な支持枠に固定し、泳動膜の両端を等しい長さだけ緩衝液に浸すように支持枠を泳動用容器に入れる。緩衝液容器に白金電極を固定し、直流定電圧発生装置に連結して電気泳動を行う。
泳動後、支持枠を泳動用容器から取り出し、泳動膜を外し、風乾した後、第4 医薬品各条に規定する方法により、スポット又はバンドの位置を調べ、更に放射能を計数する。放射能の計数は、適当なクロマトグラムスキャナを用いて測定した後、ピーク面積を求めるか、泳動膜を適当な一定の幅に切り離して、適当な計数装置により計数する。
1.32 pH測定法
日本薬局方の一般試験法のpH測定法を準用する。
2 化学的試験法
2.01 鉄試験法
日本薬局方の一般試験法の鉄試験法を準用する。
3 生物学的試験法/微生物学的試験法
3.01 エンドトキシン試験法
日本薬局方の一般試験法のエンドトキシン試験法を準用する。ただし、放射性廃棄物の削減のため、予備試験を除き当該項目の表4.01―2、表4.01―3及び表4.01―4のB液は用いない。
3.02 発熱性物質試験法
日本薬局方の一般試験法の発熱性物質試験法を準用する。
3.03 無菌試験法
日本薬局方の一般試験法の無菌試験法(供試個数に係る部分を除く。)を準用する。
4 製剤試験法
4.01 製剤均一性試験法
日本薬局方の一般試験法の製剤均一性試験法を準用する。
4.02 注射剤の採取容量試験法
日本薬局方の一般試験法の注射剤の採取容量試験法を準用する。
4.03 注射剤の不溶性異物検査法
日本薬局方の一般試験法の注射剤の不溶性異物検査法を準用する。
4.04 注射剤の不溶性微粒子試験法
日本薬局方の一般試験法の注射剤の不溶性微粒子試験法を準用する。
4.05 崩壊試験法
日本薬局方の一般試験法の崩壊試験法を準用する。
4.06 溶出試験法
日本薬局方の一般試験法の溶出試験法を準用する。
5 容器試験法
5.01 注射剤用ガラス容器試験法
日本薬局方の一般試験法の注射剤用ガラス容器試験法を準用する。
6 その他
6.01 滅菌法及び無菌操作法
日本薬局方の一般試験法の滅菌法及び無菌操作法を準用する。
7 試薬・試液、標準液
試薬は、放薬基における試験に用いるものである。[ ]内の記載は、日本工業規格及び日本薬局方によるものである。[ ]内に特級、1級と記載したものは、それぞれ日本工業規格試薬の特級、1級の規格に適合するもので、試験法は日本工業規格試薬の試験法に従い、日本薬局方医薬品各条と記載したものは、日本薬局方の医薬品各条の規格に適合するものである。放薬基の試薬名が日本工業規格及び日本薬局方と相違する場合は、これを併記する。
試液は、放薬基における試験に用いるために調製した液である。
標準液は、放薬基における試験において、試験の比較の基礎として用いる液である。
放薬基における試験において、試薬、試液及び標準液は次のものを用いる。
亜鉛 Zn [K8012、特級]
亜鉛標準原液 亜鉛1.000gを正確に量り、水100mL及び塩酸5mLを加えて徐々に加熱して溶かし、冷後、水を加えて正確に1000mLとする。
亜鉛標準溶液 亜鉛標準原液5mLを正確に量り、2.8%クエン酸ナトリウム試液を加えて正確に1000mLとする。用時製する。この液1mLは亜鉛(Zn)0.005mgを含む。
亜硝酸カリウム KNO2[K8017:2002、特級]
亜硝酸カリウム試液 亜硝酸カリウム10gを水に溶かし、100mLとする。用時製する。
L―アスコルビン酸 C6H8O6 [K9502、L(+)―アスコルビン酸、特級]
アセトニトリル CH3CN [K8032、特級]
アセトン CH3COCH3 [K8034、特級]
アリザリンエローGG C13H8N3NaO5 [K8056、特級]
アリザリンエローGG試液 アリザリンエローGG0.1gをエタノール(95)100mLに溶かし、必要ならばろ過する。
アリザリンエローGG・チモールフタレイン試液 アリザリンエローGG試液10mLにチモールフタレイン試液20mLを混和する。
亜硫酸ナトリウム、無水 Na2SO3[K8061、亜硫酸ナトリウム、特級]
アルミニウムイオン試験紙 イオン検出部にアルミノンをしみこませた試験紙。アルミニウムイオン濃度により、桃色~赤色に変色する。
アルミニウム標準液 硫酸カリウムアルミニウム十二水和物0.3517gを正確に量り、水に溶かし、1000mLとする。この液1mLはアルミニウム(Al)0.02mgを含む。
アルミノン C22H23N3O9[K8011、特級]
アルミノン試液 アルミノン0.1gを水に溶かし、100mLとする。24時間放置した後に用いる。
アンモニア試液 アンモニア水(28)400mLに水を加えて1000mLとする(10%)。
アンモニア試液、0.1mol/L アンモニア水(28)6.5mLに水を加えて1000mLとする。
アンモニア水(28) NH3[K8085、アンモニア水、特級、密度約0.90g/mL、含量28~30%]
イオマゼニル C15H14IN3O3 白色~淡黄色の、結晶又は粉末である。メタノールに溶けにくく、水、エタノール(99.5)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点 241~246℃
含量 99%以上
定量法 本品を乾燥(減圧、シリカゲル、24時間)し、その20mgを精密に量り、メタノールを加えて正確に100mLとする。この液2.5mLを正確に量り、メタノールを加えて正確に100mLとし、試料溶液とする。この試料溶液につき、メタノールを対照とし、日本薬局方一般試験法の紫外可視吸光度測定法を準用して試験を行い、層長10mmのセルで波長238nmにおける吸光度を測定する。
イオマゼニルの量(mg)=[吸光度/吸光度(1%、1cm)]×40000
イオマゼニルの含量(%)=[イオマゼニルの量/イオマゼニルの秤量値]×100吸光度(1%、1cm):あらかじめ求めた分子吸光係数
イミノ二酢酸キレート樹脂 イミノ二酢酸を配位子として持つスチレンジビニルベンゼン共重合体を成分とするキレート樹脂。銅、鉄及び遷移金属原子に対して強い保持力を有する。粒径75~150μm。ナトリウム塩型。
イミノ二酢酸キレート樹脂カラム イミノ二酢酸キレート樹脂約50gをビーカーに採り、薄めたアンモニア水(28)を加えて緩やかにかき混ぜて放置し、2層に分離した後、過剰のアンモニア水を捨てる。この操作を5回繰り返す。その後、水を加えて緩やかにかき混ぜて洗浄を行い、洗液のpHが7付近になるまで繰り返す。次に、pH7の酢酸アンモニウム緩衝液を加えて緩やかにかき混ぜ、洗液のpHが6.8~7.2になるまで洗浄を繰り返す。この樹脂を内径7.3mmのカラムに5.5cm充填する。
エタノール(95) C2H5OH [K8102、特級]
エタノール(99.5) C2H5OH [K8101、特級]
塩化アンモニウム NH4Cl [K8116、特級]
塩化アンモニウム試液 塩化アンモニウム10.5gを水に溶かし、100mLとする(2mol/L)。
塩化インジウム InCl3黄色の結晶で潮解性がある。水に溶けやすい。融点586℃。
塩化インジウム・塩酸液 塩化インジウム1.93mgを採り、0.1mol/L塩酸試液100mLを加えて溶かす。
塩化カリウム KCl[K8121、特級]
塩化カリウム試液、2mol/L 塩化カリウム149.1gを水に溶かし、1000mLとする。用時製する。
塩化カリウム溶液、1w/v% 塩化カリウム9.5333gを水に溶かし、500mLとする。
塩化ストロンチウム試液 塩化ストロンチウム六水和物0.133gを水に溶かし、50mLとする。
塩化ストロンチウム六水和物 SrCl2・6H2O [K8132、特級]
塩化タリウム TlCl 95%以上。
塩化鉄(Ⅲ)試液 塩化鉄(Ⅲ)六水和物9gを水に溶かし、100mLとする(0.33mol/L)。
塩化鉄(Ⅲ)六水和物 FeCl3・6H2O [K8142、特級]
塩化ナトリウム NaCl [K8150、特級]
塩化ヒドロキシルアンモニウム NH2OH・HCl [K8201、特級]
塩化マグネシウム六水和物 MgCl2・6H2O [K8159、特級]
塩化ランタン溶液 塩化ランタン七水和物1.335gを水に溶かし、50mLとする。
塩化ランタン七水和物 LaCl3・7H2O 白色の結晶性の固体で、においはない。含量99%以上。融点91℃。
塩酸 HCl [K8180、特級]
塩酸、希 塩酸23.6mLに水を加えて100mLとする(10%)。
塩酸、10vol% 塩酸50mLに水を加えて500mLとする。
塩酸N―イソプロピル―4―ヨードアンフェタミン C12H18IN・HCl 無色の結晶又は白色の粉末である。水又はメタノールによく溶け、ジエチルエーテルに溶けにくい。融点160~165℃。
塩酸試液、0.04mol/L 0.1mol/L塩酸試液40mLに水を加えて100mLとする。
塩酸試液、0.1mol/L 1mol/L塩酸試液100mLに水を加えて1000mLとする。
塩酸試液、1mol/L 塩酸90mLに水を加えて1000mLとする。
塩酸試液、2mol/L 塩酸180mLに水を加えて1000mLとする。
塩酸試液、3mol/L 塩酸270mLに水を加えて1000mLとする。
塩酸試液、6mol/L 塩酸540mLに水を加えて1000mLとする。
塩素 Cl2 窒息性のにおいがある黄緑色の気体で、空気より重く、水に溶ける。サラシ粉に塩酸を作用させて製する。耐圧金属製密封容器に入れたものを用いてもよい。
塩素試液 塩素の飽和水溶液を用いる。遮光した共栓瓶に入れ、全満してなるべく冷所に保存する。
エンドトキシン試験用水 日本薬局方医薬品各条、「注射用水」若しくは「注射用水(容器入り)」又はその他の水で、エンドトキシン試験に用いるライセート試薬の検出限界以上の濃度のエンドトキシンを含まず、エンドトキシン試験を行うのに適したもの。
オクタデシルシリル化シリカゲル、薄層クロマトグラフィー用 薄層クロマトグラフィー用に製造したもの。
オクタデシルシリル化シリカゲル、薄層クロマトグラフィー用(蛍光剤入り) 薄層クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルに蛍光剤を加えたもの。
1―オクタノール CH3(CH2)6CH2OH [K8213、特級]
オクトキシノール (CH3)3CCH2C(CH3)2C6H4O(C2H4O)nH 淡黄色の粘性の液体。
過酸化水素(30) H2O2 [K8230、過酸化水素、特級、濃度30.0~35.5%]
過酸化水素試液、0.03% 過酸化水素(30)1mLを正確に量り、水を加えて正確に50mLとする。その液1mLを正確に量り、水を加えて正確に20mLとする。用時製する。
カリウム・塩酸溶液 1w/v%塩化カリウム溶液10mLを量り、10vol%塩酸40mLを加えた後、水を加えて100mLとする。
希塩酸 塩酸、希 を参照。
希酢酸 酢酸、希 を参照。
ギ酸 HCOOH [K8264、ぎ酸、特級、密度1.21g/mL以上]
希硝酸 硝酸、希 を参照。
キシレン C6H4(CH3)2 [K8271、1級]
希硫酸 硫酸、希 を参照。
クエン酸三ナトリウム試液、0.1mol/L クエン酸ナトリウム水和物29.4gを水に溶かし、1000mLとする。
クエン酸水素二アンモニウム C6H14N2O7 [K8284、くえん酸水素二アンモニウム、特級]
クエン酸ナトリウム試液、2.8%、亜鉛試験用 クエン酸ナトリウム水和物28gを水に溶かし、1000mLとする。
クエン酸ナトリウム水和物 C6H5Na3O7・2H2O [K8288、くえん酸三ナトリウム二水和物、特級又は日本薬局方医薬品各条「クエン酸ナトリウム水和物」]
グリセリン C3H8O3 [K8295、特級又は日本薬局方医薬品各条「濃グリセリン」]
クリプトフィックス222 4,7,13,16,21,24―hexaoxa―1,10―diazabicyclo[8.8.8]hexacosane C18H36N2O6 白色の粉末。融点69~75℃。
クロム酸カリウム K2CrO4 [K8312、特級]
クロム酸カリウム液、0.5w/v% クロム酸カリウム0.5gを水に溶かし、100mLとする。
クロム酸カリウム標準液 クロム酸カリウム74.698mgを正確に量り、水を加えて溶かし、正確に1000mLとする。この液1mLは、クロム(Cr)0.02mgを含む。
クロム酸ナトリウム Na2CrO4 [K8313:1994、特級]
クロモトロープ酸試液 水30mLに硫酸68mLを注意して加え、冷後、水を加えて100mLとした液に、クロモトロープ酸二ナトリウム二水和物50mgを溶かす。遮光して保存する。
クロモトロープ酸二ナトリウム二水和物 C10H6Na2O8S2・2H2O [K8316、特級] 遮光して保存する。
クロロホルム CHCl3 [K8322、特級]
酢酸(100) CH3COOH [K8355、酢酸、特級]
酢酸、希 酢酸(100) 6gに水を加えて100mLとする(1mol/L)。
酢酸アンモニウム CH3COONH4 [K8359、特級]
酢酸アンモニウム試液、0.5mol/L 酢酸アンモニウム38.5gを水に溶かし、1000mLとする。
酢酸アンモニウム試液、1mol/L 酢酸アンモニウム77gを水に溶かし、1000mLとする。
酢酸エチル CH3COOC2H5 [K8361、特級]
酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液、pH3.8 酢酸ナトリウム三水和物13.61gを水に溶かし、これに酢酸(100)60mL及び水を加えて1000mLとする。
酢酸ナトリウム三水和物 CH3COONa・3H2O [K8371、特級]
酸化アルミニウム Al2O3 白色の、結晶、結晶性の粉末又は粉末である。沸点約3000℃。融点約2000℃。
次亜塩素酸ナトリウム試液 次亜塩素酸ナトリウム(NaClO:74.44)が5%含量となるように、水酸化ナトリウムの水溶液に氷冷しながら塩素を通じて製する。用時製する。
ジエチルエーテル C2H5OC2H5 [K8103、特級]
N,N―ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物 (C2H5)2NCS2Na・3H2O[K8454、特級]
ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム試液 N,N―ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三水和物1gを水に溶かし、100mLとした後、ろ過する。用時製する。
ジエチレントリアミン五酢酸 C14H23N3O10 白色の結晶性の粉末で、においはない。水又はエタノール(95)に極めて溶けにくい。融点230℃。
ジエチレントリアミン五酢酸溶液 ジエチレントリアミン五酢酸0.5gに水酸化ナトリウム試液2.5mLを加えて溶かし、水を加えて10mLとする。
ジクロロメタン CH2Cl2 [K8161、特級]
ジチゾン C6H5NHNHCSN:NC6H5 [K8490、特級]
ジチゾン・イソプロピルエーテル試液 ジチゾン1mgを採り、イソプロピルエーテル100mLに溶かす。用時製する(0.001%)。
2,5―ジフェニルオキサゾール C15H11NO 白色の、結晶又は粉末で、トルエンにやや溶けにくい。366nmに蛍光極大を示す。融点70~72℃。
1,5―ジフェニルカルボノヒドラジド C13H14N4O [K8488、特級]
臭化水素酸 HBr [K8509、特級]
臭化水素酸、0.1mol/L 臭化水素酸56.8mLを量り、約250mLの水に加え、冷後、水を加えて500mLとする。この液50mLを量り、水を加えて500mLとする。
硝酸 HNO3 [K8541、特級、濃度69~70%、密度約1.42g/mL]
硝酸、希 硝酸10.5mLに水を加えて100mLとする。
硝酸試液、0.1mol/L 硝酸6.45mLに水を加えて1000mLとする。
硝酸アルミニウム Al(NO3)3・9H2O [K8544、特級]
硝酸カリウム KNO3 [K8548、特級]
硝酸銀 AgNO3 [K8550、特級]
硝酸銀液、0.05mol/L 硝酸銀試液に水を加えて正確に2倍容量とする。用時製する。この液1mLは硝酸銀(AgNO3)8.4935mgを含む。
硝酸銀試液 硝酸銀17.5gを水に溶かし、1000mLとする(0.1mol/L)。
硝酸タリウム [硝酸第一タリウム]
硝酸鉄(Ⅲ) 九水和物 Fe(NO3)3・9H2O [K8559、特級]
硝酸鉛(Ⅱ) Pb(NO3)2 [K8563、特級]
シリカゲル 無定形の一部水加性のケイ酸で、不定形ガラス状顆粒である。乾燥剤用とかして水分吸着によって変色する変色料を含ませたものもある。110℃で乾燥して元の色に戻す。
強熱減量 6%以下(2g、950±50℃)
水分吸着能 31%以上。本品約10gを精密に量り、比重1.19の硫酸で湿度を80%とした容器内に24時間放置した後、質量を量り、試料に対する増量を求める。
シリカゲル、薄層クロマトグラフィー用 薄層クロマトグラフィー用に製造したもの。
シリカゲル、薄層クロマトグラフィー用(蛍光剤入り) 薄層クロマトグラフィー用シリカゲルに蛍光剤を加えたもの。
シンチレータ試液 2,5―ジフェニルオキサゾール5g及び1,4―ビス[2―(5―フェニルオキサゾリル)]ベンゼン0.3gを採り、トルエン又はキシレンを加えて溶かし、1000mLとする。この液1000mLにオクトキシノール500mLを加えて、混合する。
水酸化カリウム KOH [K8574、特級]
水酸化カリウム・エタノール溶液、0.1mol/L 水酸化カリウム7gを水20mLに溶かし、エタノール(95)を加えて1000mLとし、密栓し、24時間放置した後、上澄液を速やかに傾斜して採り、次の標定を行う。
標定 0.25mol/L硫酸25mLを正確に量り、水50mL及びフェノールフタレイン試液2滴を加えて、調製した水酸化カリウム・エタノール液で淡赤色を呈するまで滴定し、モル係数を計算する。遮光した瓶に密栓して保存する。当該標定は用時行う。
水酸化ナトリウム NaOH [K8576、特級]
水酸化ナトリウム試液 水酸化ナトリウム4.3gを水に溶かし、100mLとする(1mol/L)。ポリエチレン瓶に保存する。
水酸化ナトリウム試液、希 水酸化ナトリウム4.3gに新たに煮沸して冷却した水を加えて溶かし、1000mLとする。用時製する(0.1mol/L)。
ストロンチウム90標準液 JCSS校正品。
ストロンチウム標準溶液 炭酸ストロンチウム1.6849gを採り、水で湿らせた後、塩酸10mLを徐々に加えて溶かし、水を加えて100mLとする。この液10mLを採り、塩酸10mL及び水を加えて100mLとする。この液1mLは、ストロンチウム(Sr)1mgを含む。
生理食塩液 [日本薬局方医薬品各条]
セルロースアセテート膜 セルロースの水酸基をアセチル化した後、適当な有機溶媒を用いて均一な薄い膜としたもの。屈折率ND201.47~1.48。
セルロース、薄層クロマトグラフィー用 薄層クロマトグラフィー用に製造したもの。
炭酸水素ナトリウム NaHCO3 [K8622、特級]
炭酸ストロンチウム SrCO3 白色の粉末である。含量99.994%以上。融点1497℃。
炭酸ナトリウム(標準試薬) Na2CO3 [K8005、容量分析用標準物質]
チオシアン酸カリウム KSCN [K9001、特級]
チオシアン酸カリウム試液、5% チオシアン酸カリウム5gを水95mLに溶かす。
チオ硫酸ナトリウム五水和物 Na2S2O3・5H2O [K8637、特級]
チオ硫酸ナトリウム試液、0.01mol/L チオ硫酸ナトリウム五水和物2.48gを水に溶かし、1000mLとする。
チミン C5H6N2O2 白色の結晶性の粉末である。水に溶けにくい。含量99%以上。融点335~337℃(分解)。
チミン・1―ナフトール試液 チミン0.2gを10w/v%水酸化ナトリウム溶液10mLに溶解し、1―ナフトールのエタノール(95)溶液(1→2500)10mLを加えて、混和する。
チモールフタレイン C28H30O4 [K8642、特級]
チモールフタレイン試液 チモールフタレイン0.1gをエタノール(95)100mLに溶かし、必要ならばろ過する。
注射用水 [日本薬局方医薬品各条、「注射用水」又は「注射用水(容器入り)」。なお、用いる試験の目的に適合する水であることが確認できれば、規格項目の全てに適合していることを確認する必要はない。]
鉄標準液、20μg/mL 1000μg/mL鉄標準液1mLを正確に量り、水を加えて正確に50mLとする。
鉄標準液、1000μg/mL 硝酸鉄(Ⅲ)九水和物の723.4mgを正確に量り、0.1mol/L硝酸試液を加えて正確に100mLとする。
4,5,6,7―テトラクロロ―2',4',5',7'―テトラヨードフルオレセンナトリウム C20H2Cl4I4Na2O5 鮮紅色の結晶であり、水によく溶ける。本品の水溶液は深赤色を、また、濃硫酸溶液は褐色を呈する。含量80%以上。
テトラヒドロフラン画像8 (4KB)
[K9705、特級]
デンプン [K8658、でんぷん、特級]
デンプン試液 デンプン1gを冷水10mLとよく擦り混ぜ、これを熱湯200mL中に絶えずかき混ぜながら徐々に注ぎ込み、液が半透明となるまで煮沸し、放置した後、上澄液を用いる。用時製する。
トリクロロ酢酸 CCl3COOH [K8667、特級]
トルエン C6H5CH3 [K8680、特級]
1―ナフトール C10H7OH [K8698、特級] 遮光して保存する。
鉛標準原液 硝酸鉛(Ⅱ)159.8mgを正確に量り、希硝酸10mLに溶かし、水を加えて正確に1000mLとする。この液の調製及び保存には可溶性鉛塩を含まないガラス容器を用いる。
鉛標準液 鉛標準原液10mLを正確に量り、水を加えて正確に100mLとする。用時製する。この液1mLは、鉛(Pb)0.01mgを含む。
鉛標準液、0.5μg/mL 1000μg/mL鉛標準液1mLを正確に量り、水を加えて正確に100mLとする。この液1mLを正確に量り、水を加えて正確に20mLとする。
鉛標準液、1000μg/mL 硝酸鉛(Ⅱ)159.8mgを正確に量り、0.1mol/L硝酸試液を加えて正確に100mLとする。
尿素 H2NCONH2 [K8731、特級]
尿素試液、10mol/L 尿素60.1gを水に溶かし、100mLとする。
ニンヒドリン C9H6O4 [K8870、特級]
薄層クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲル オクタデシルシリル化シリカゲル、薄層クロマトグラフィー用を参照。
薄層クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲル(蛍光剤入り) オクタデシルシリル化シリカゲル、薄層クロマトグラフィー用(蛍光剤入り)を参照。
薄層クロマトグラフィー用シリカゲル シリカゲル、薄層クロマトグラフィー用を参照。
薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り) シリカゲル、薄層クロマトグラフィー用(蛍光剤入り)を参照。
薄層クロマトグラフィー用セルロース セルロース、薄層クロマトグラフィー用を参照。
バソクプロイン C26H20N2 白色~黄褐色の、結晶性の粉末又は粉末。
バソクプロイン・エタノール試液 バソクプロイン0.1gをエタノール(99.5)に溶かし、100mLとする。
バルビタール C8H12N2O3 [日本薬局方医薬品各条]
バルビタール緩衝液、pH8.6、イオン強度0.06 バルビタール1.62g及びバルビタールナトリウム12.38gを水900mLに溶かし、塩酸を加えてpH8.6に調整した後、水を加えて1000mLとする。
バルビタール緩衝液、pH8.6、イオン強度0.075 バルビタール2.76g及びバルビタールナトリウム15.46gを水900mLに溶かし、塩酸を加えてpH8.6に調整した後、水を加えて1000mLとする。
バルビタールナトリウム C8H11N2NaO3 白色の、結晶又は結晶性の粉末である。水に溶けやすく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
pH 本品1.0gを水200mLに溶かした液のpHは9.9~10.3である。
乾燥減量 1.0%以下(1g、105℃、4時間)
含量 98.5%以上
定量法 本品を乾燥し、その約0.5gを精密に量り、分液漏斗に入れ、水20mLに溶かし、エタノール(95)5mL及び希塩酸10mLを加え、クロロホルム50mLで抽出する。更にクロロホルム25mLで3回抽出し、全クロロホルム抽出液を合わせ、水5mLずつで2回洗い、洗液はクロロホルム10mLずつで2回抽出し、前後のクロロホルム抽出液を合わせ、三角フラスコ中にろ過する。ろ紙をクロロホルム5mLずつで3回洗い、ろ液及び洗液を合わせ、エタノール(95)10mLを加え、0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液で滴定する(指示薬:アリザリンエローGG・チモールフタレイン試液2mL)。ただし、滴定の終点は液の黄色が淡青色を経て紫色に変わるときとする。同様の方法で空試験を行い、補正する。
0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液1mL=20.62mgC8H11N2NaO3
1,4―ビス[2―(5―フェニルオキサゾリル)]ベンゼン C24H16N2O2淡黄色の結晶で、トルエンに溶けにくい。418nmに蛍光極大を示す。融点245~246℃。
人血清アルブミン [生物学的製剤基準]
フェノールフタレイン C20H14O4 [K8799、特級]
フェノールフタレイン試液 フェノールフタレイン1gをエタノール(95)100mLに溶かす。
1―ブタノール CH3(CH2)2CH2OH [K8810、特級]
2―ブタノン CH3COC2H5 [K8900、特級]
フルオレセインナトリウム C20H10Na2O5 [日本薬局方医薬品各条]
フルデオキシグルコース C6H11FO5 白色の粉末である。水に溶けやすく、アセトニトリル、エタノール(99.5)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点 150~185℃
確認試験
赤外吸収スペクトル 本品を乾燥し、日本薬局方の一般試験法の赤外吸収スペクトル測定法の臭化カリウム錠剤法を準用して試験を行い、本品のスペクトルと本品の参照スペクトルを比較するとき、両者のスペクトルは同一波数のところに同様の強度の吸収を認める。
旋光度 [α]D20+60~+65° 本品を乾燥し、その約100mgを精密に量り、アンモニア試液20μL及び水を加えて溶かし、正確に10mLとする。この液につき、層長100mmで測定する。
純度試験
類縁物質 本品50mgを水1mLに溶かし、試料溶液とする。この試料溶液0.5mLを正確に量り、水を加えて正確に25mLとし、標準溶液とする。これらの液につき、日本薬局方の一般試験法の薄層クロマトグラフィーを準用して試験を行う。試料溶液及び標準溶液2μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した薄層板にスポットする。次に、アセトニトリル/水混液(19:1)を展開溶媒として約10cm展開した後、薄層板を風乾する。これに紫外線(主波長254nm)を照射するとき、原点のスポット以外に検出されるスポットはない。また、これに10vol%硫酸・メタノール試液を均等に噴霧した後、150~250℃で加熱するとき、試料溶液から得た主スポット及び原点のスポット以外のスポットは、標準溶液から得たスポットより濃くない。
乾燥減量 2.0%以下(0.5g、105℃、3時間)。
プロピルエーテル、イソ (CH3)2CHOCH(CH3)2 [K9528、ジイソプロピルエーテル、特級]
ブロモクレゾールグリーン C21H14Br4O5S [K8840、特級]
ブロモクレゾールグリーン溶液 ブロモクレゾールグリーン10mgに希水酸化ナトリウム試液2mLを加えて溶かし、エタノール(95)10mL及び水を加えて20mLとする。
1―ヘキサノール CH3(CH2)5OH 無色澄明の液体である。屈折率1.4157~1.420。比重0.816~0.821。
ベータ線スペクトル測定用イットリウム90標準液 含量99.999%以上の酸化イットリウム(89Y)を原料として、原子炉で中性子照射することにより生成したイットリウム90を溶解・希釈することにより、1mol/L硝酸溶液として製する。ストロンチウム90を含む他のベータ線放出核種をほとんど含有しない。検定日時における放射能は1mL当たり5MBqである。
ヘリウム He 99.995vol%以上。
ポリジメチルシロキサン、ガスクロマトグラフィー用 ガスクロマトグラフィー用に製造したもの。
ポリリン酸 Hn+2PnO3n+1 無色~わずかに薄い黄色の液体である。含量P2O5として80.0%以上。
ポンソー3R C19H16N2Na2O7S2暗赤色の粉末で、水に溶けやすい。本品の水溶液は、暗赤色を呈する。含量85%以上。
ポンソー3R試液 ポンソー3R0.8g及びトリクロロ酢酸6.0gを水に溶かし、100mLとする。
マグネシア試液 塩化マグネシウム六水和物5.5g及び塩化アンモニウム7gを水65mLに溶かし、アンモニア試液35mLを加え、瓶に入れて密栓し、数日間放置してろ過する。液が澄明でないときは使用前にろ過する。
マグネシウム粉末 Mg [K8876、特級]
マラカイトグリーン試液 マラカイトグリーンシュウ酸塩0.2gを水に溶かし、100mLとする。
マラカイトグリーンシュウ酸塩 C52H54N4O12 [K8878、マラカイトグリーン(しゅう酸塩)、特級]
メタノール CH3OH [K8891、特級]
メチルレッド C15H15N3O2 [K8896、特級]
メチルレッド試液 メチルレッド0.1gをエタノール(95)100mLに溶かし、必要ならばろ過する。
ヨウ化ナトリウム NaI [K8918:1994、よう化ナトリウム、特級]
2―ヨウ化ヒプル酸 C9H8INO3 無色~白色の結晶である。融点171~174℃。
ヨウ化メチルノルコレステノール C27H45IO 白色のガラス状粉末で味及びにおいはなく、エタノール(95)、アセトン、ジエチルエーテル、n―ヘキサンに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
ヨウ素 I [K8920、よう素、特級]
ヨウ素酸ナトリウム NaIO3 [K8923:1992、よう素酸ナトリウム、特級]
15―(4―ヨードフェニル)―3(R,S)―メチルペンタデカン酸標準液 精製した15―(4―ヨードフェニル)―3(R,S)―メチルペンタデカン酸1gを正確に量り、エタノール(95)を加えて溶かし、正確に100mLとする。
ライセート試液 ライセート試薬をエンドトキシン試験用水又は適当な緩衝液を用いて、穏やかにかき混ぜて溶かす。
ライセート試薬本 品はカブトガニ(Limulus polyphemus又はTachypleus tridentatus)の血球抽出成分から調製された凍結乾燥品である。本試薬にはβ―グルカンに反応するG因子を除去、又はG因子系の反応を抑制したものもある。
硫化水素 H2S 無色の有毒ガスで空気より重く、水に溶ける。硫化鉄(Ⅱ)に希硫酸又は希塩酸を作用させて製する。希酸を作用させるとき、硫化水素を発生するものであれば、硫化鉄(Ⅱ)以外の硫化物を代用してもよい。
硫化鉄(Ⅱ) FeS [K8948、硫化水素発生用]
硫化ナトリウム九水和物 Na2S・9H2O [K8949、特級]
硫化ナトリウム試液 硫化ナトリウム九水和物5gを水10mL及びグリセリン30mLの混液に溶かす。または、水酸化ナトリウム5gを水30mL及びグリセリン90mLの混液に溶かし、その半容量に冷時硫化水素を飽和し、それに残りの半容量を混和する。遮光した瓶にほとんど全満して保存する。調製後3箇月以内に用いる。
硫化ナトリウム試液、亜鉛試験用 硫化ナトリウム九水和物50mgを水に溶かし、100mLとする(0.05%)。
硫酸 H2SO4 [K8951、特級]
硫酸、0.25mol/L 硫酸15mLを水1000mL中にかき混ぜながら徐々に加え、放冷し、次の標定を行う。
標定 炭酸ナトリウム(標準試薬)を500~650℃で40~50分間加熱した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その約0.4gを精密に量り、水50mLに溶かし、調製した硫酸で滴定し、ファクターを計算する(指示薬法:メチルレッド試液3滴又は電位差滴定法)。ただし、指示薬法の滴定の終点は液を注意して煮沸し、緩く栓をして冷却するとき、持続するだいだい色~だいだい赤色を呈するときとする。電位差滴定法は、被滴定液を激しくかき混ぜながら行い、煮沸しない。
0.25mol/L硫酸1mL=26.50mgNa2CO3
硫酸、希 硫酸5.7mLを水10mLに注意しながら加え、冷後、水を加えて100mLとする(10%)。
硫酸カリウムアルミニウム十二水和物 AlK(SO4)2・12H2O [K8255、硫酸カリウムアルミニウム・12水、特級]
硫酸銅(Ⅱ)五水和物 CuSO4・5H2O [K8983、特級]
硫酸ナトリウム、無水 Na2SO4 [K8987、硫酸ナトリウム、特級]
硫酸・メタノール試液、10vol% 硫酸2mLにメタノールを加え、正確に20mLとする。
硫酸3―ヨードベンジルグアニジン(C8H10IN3)2・H2SO4白色の、結晶又は結晶性の粉末である。水に溶けにくい。含量98.5%以上。融点164~168℃。
リンモリブデン酸n水和物 P2O5・24MoO3・xH2O 黄色の、結晶又は結晶性の粉末である。
確認試験
(1) 本品の水溶液(1→10)10mLに、アンモニア試液0.5mLを加えるとき、黄色の沈殿を生じ、アンモニア試液2mLを加えるとき、沈殿は溶ける。更に硝酸(1→2)5mLを加えるとき、黄色の沈殿を生じる。
(2) 本品の水溶液(1→10)5mLに、アンモニア試液1mL及びマグネシア試液1mLを加えるとき、白色の沈殿を生じる。
リンモリブデン酸試液 リンモリブデン酸n水和物1.0gをエタノール(95)に溶かし、10mLとする。用時製する。
第4 医薬品各条
1 フルデオキシグルコース(18F)注射液
本品は、水性の注射剤で、フッ素18をフルデオキシグルコースの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、フッ素18の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、フッ素18を、1,3,4,6―テトラ―O―アセチル―2―O―トリフルオロメタンスルホニル―β―D―マンノピラノースのトリフルオロメタンスルホニル基と置換させ、加水分解し精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色~微黄色澄明の液である。
確認試験
(1) 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.511MeVにピークを認める。また、定量法の項により適当な時間間隔をあけて2回試験を行い、測定時間間隔と2回の放射能の測定値から半減期を測定するとき、その値は105~115分である。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
5.0~7.5
純度試験
(1) 放射化学的異物 アセトニトリル/水混液(19:1)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、フルデオキシグルコース(18F)のスポット以外の放射能は薄層上の総放射能の5%以下である。
なお、放射能の主スポットの位置が、フルデオキシグルコース溶液(1→100)を同様に展開し、10vol%硫酸・メタノール試液を噴霧した後、加熱したときの呈色スポットの位置と一致することを確認する。また、薄層板は薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製する。
(2) 異核種 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法の放射能の定量により放射能を測定するとき、異核種を認めない。
(3) アルミニウムイオン 本品及び比較液をそれぞれアルミニウムイオン試験紙に滴下するとき本品の試験紙の呈する色は、比較液の呈する色より濃くない(2ppm以下)。
比較液:硝酸アルミニウム13.9gを正確に量り、0.5mol/L硝酸溶液に溶かし、正確に1000mLとする。この液0.2mLを正確に量り、水を加えて正確に100mLとする。この液1mLはアルミニウム(Al)0.002mgを含む。
(4) クリプトフィックス222 本品を試料溶液とし、クリプトフィックス222生理食塩液溶液(1→50000、20ppm)を標準溶液とする。これらの液につき、薄層クロマトグラフィーにより試験を行う。試料溶液及び標準溶液のそれぞれ5μLずつを薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製した薄層板にスポットする。次に、メタノール/アセトン/0.5mol/L硝酸カリウム溶液混液(7:2:1)を展開溶媒として、約5cm展開した後、風乾する。この薄層板をヨウ素蒸気中に放置するとき、試料溶液から得た標準溶液と等しいRf値のスポットは、標準溶液から得たスポットより濃くない(20ppm以下)。
(5) アセトニトリル 本品及び定量用標準溶液の0.5μLにつき、次の条件でガスクロマトグラフィーにより試験を行い、それぞれの液のアセトニトリルのピーク面積AT及びASを測定し、本品中のアセトニトリルの残留量を求めるとき、110ppm以下である。
アセトニトリルの残留量(ppm)=AT/AS×1000
定量用標準溶液の調製 あらかじめ水50mLを入れた容器にアセトニトリル1.00gを正確に量り、水を加えて正確に100mLとする。この液10mLを正確に量り、水を加えて正確に100mLとし、定量用標準溶液とする。
試験条件
検出器:水素炎イオン化検出器
カラム:内径0.53mm、長さ30mのフューズドシリカ管の内面にガスクロマトグラフィー用ポリジメチルシロキサンを厚さ3μmで被覆する。
カラム温度:40℃を3.3分間保った後、その後、毎分20℃ずつ90℃まで昇温し、90℃を0.5分間保持する。
注入口温度:250℃付近の一定温度
検出器温度:220℃付近の一定温度
キャリヤーガス:ヘリウム
流量:アセトニトリルの保持時間が約2.8分となるように調整する。
スプリット比:1:10
システム適合性
システムの性能 定量用標準溶液2mLを正確に量り、水を加えて正確に100mLとし、システム適合性試験用溶液とする。システム適合性試験用溶液0.5μLにつき、上記の条件で試験するとき、アセトニトリルのシンメトリー係数は0.8以上1.5以下である。
システムの再現性 定量用標準溶液0.5μLにつき上記の条件で試験を3回繰り返すとき、アセトニトリルのピーク面積の相対標準偏差が5.0%以内、保持時間の相対標準偏差が2.0%以内であることを確認する。
定量法
本品の適当量について、ガンマ線測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
2 クロム酸ナトリウム(51Cr)注射液
本品は、水性の注射剤で、クロム51をクロム酸ナトリウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、クロム51の表示された放射能の90~110%を含む。本品の比放射能は、クロム酸ナトリウム1mgに対し370MBq以上である。
製法
本品は、クロム酸ナトリウム(51Cr)を精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色~淡黄色澄明の液である。
確認試験
(1) 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.320MeVにピークを認める。
(2) 純度試験により確認する。
pH
5.5~8.0
純度試験
放射化学的異物 クロム酸ナトリウム溶液(1→10)1滴を担体として、水/エタノール(95)/アンモニア水(28)混液(5:2:1)を展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより、約10cm展開して試験を行うとき、クロム酸ナトリウム(51Cr)のスポット以外の放射能はろ紙上の総放射能の10%以下である。
なお、クロム酸ナトリウム(51Cr)のスポットは、その色調で確認する。
定量法
(1) 本品の適当量について、ガンマ線測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
(2) 本品の一定量を精密に量り、1,5―ジフェニルカルボノヒドラジドの8vol%硫酸溶液(2→5)1.0mL、希硫酸0.4mL及び水を加えて正確に10mLとし、よく振り混ぜ、約20分間放置した液を試料溶液とする。別にクロム酸カリウム標準液1.0~6.0mLを正確に量り、同様に標準溶液とする。これらの液について、紫外可視吸光度測定法により試験を行い、波長550nmにおける吸光度を測定する。ただし、対照液は水を用いる。試料溶液及び標準溶液の吸光度を比較することにより求めた本品中のクロム酸ナトリウムの量と(1)で求めた放射能から、比放射能を算出する。
3 クエン酸ガリウム(67Ga)注射液
本品は、水性の注射剤で、ガリウム67をクエン酸ガリウムの形で含む。
本品は、定量するとき、検定日時において、ガリウム67の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、塩化ガリウム(67Ga)とクエン酸ナトリウム溶液を反応させてクエン酸ガリウム(67Ga)を生成させた後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色~淡赤色澄明の液である。
確認試験
(1) 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.093、0.185、0.300及び0.394MeVにピークを認める。
(2) 純度試験(1)により確認する。
pH
6.0~8.0
純度試験
(1) 放射化学的異物 0.1mol/Lクエン酸三ナトリウム試液/エタノール(95)混液(5:3)を展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、クエン酸ガリウム(67Ga)のスポット以外の放射能はろ紙上の総放射能の2%以下である(Rf=0.7~0.9)。
(2) 亜鉛 本品50μLに水0.75mL及び0.1mol/Lアンモニア試液50μLを加え混和する。
次にジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム試液50μL及びジチゾン・イソプロピルエーテル試液1mLを順次加えてその都度激しく振り混ぜ、更に亜鉛試験用硫化ナトリウム試液1mLを加えて激しく振り混ぜる。数分間静置するとき、イソプロピルエーテル層の呈する色は、次の比較液より濃くない(5ppm以下)。
比較液:亜鉛標準溶液50μLを試験管に採り、本品と同様に操作する。
(3) 鉄 本品0.5mLを採り、6mol/L塩酸試液0.5mL及び0.03%過酸化水素試液0.1mLを加えて激しく振り混ぜた後、5%チオシアン酸カリウム試液0.5mLを加えて激しく振り混ぜるとき、液の色は次の比較液より濃くない(20ppm以下)。
比較液:20μg/mL鉄標準液0.5mLを採り、本品と同様に操作する。
(4) 重金属 本品2.0mLを採り、希酢酸0.2mL及び硫化ナトリウム試液1滴を加えて混和し、5分間放置するとき、液の色は、次の比較液より濃くない(0.5ppm以下)。
比較液:0.5μg/mL鉛標準液2.0mLを採り、本品と同様に操作する。
定量法
本品の適当量について、ガンマ線測定法の放射能の定量により放射能を測定する。
4 クリプトン(81mKr)ジェネレータ
本品は、ジェネレータ剤で、ルビジウム81を水酸化ルビジウムの形で、適当なカラムに充填した強酸性の陽イオン交換樹脂に吸着させ、これにクリプトン(81mKr)注射液及びクリプトン(81mKr)吸入用ガスを溶出させるために必要な装置及び不必要な被ばくを避けるための十分な遮へい装置を合わせたものである。
本品のカラムに5w/v%ブドウ糖注射液等の非電解質注射液を通じることによりクリプトン(81mKr)注射液を、また、加湿した酸素又は空気を通じることによりクリプトン(81mKr)吸入用ガスを溶出することができる。
本品中に含まれるルビジウム81とクリプトン81mが放射平衡にあるとき、本品の使用方法により本品から溶出されるクリプトン(81mKr)注射液及びクリプトン(81mKr)吸入用ガスは、定量するとき、検定日時において、ルビジウム81の表示された放射能の80~120%を含む。
製法
本品は、適当なカラムに適当量の陽イオン交換樹脂を充填し、精製、滅菌した水酸化ルビジウム(81Rb)液を加えて吸着させ、注射用水でよく洗った後、その他の装置と合わせ、ジェネレータ剤の製法により製する。
溶出液試験
本品の使用方法により、本品から溶出されるクリプトン(81mKr)注射液は、次に掲げる性状、確認試験、pH及び純度試験に適合する。
(1) 性状 無色澄明の液である。
(2) 確認試験 ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.190MeVにピークを認める。
(3) pH 3.0~6.5
(4) 純度試験(異核種)
定量法で定量したクリプトン(81mKr)注射液を5分間放置したものについて、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法の放射能の定量により放射線を測定するとき、検定日時において、クリプトン81m以外の放射能は総放射能の0.1%以下である。
(5) 定量法 クリプトン(81mKr)注射液について、ガンマ線測定法の電離箱による測定法の放射能の定量により、放射能を測定する。溶出放射能は、一定に達した際の測定値に補正係数を乗じて算出する。
λ:クリプトン81mの崩壊定数(0.0533/秒)
v:「クリプトン(81mKr)ジェネレータ」のルビジウム81吸着部位からクリプトン81mの放射能測定部位までの通過空間容積(mL)
α:クリプトン81m溶出剤の注入速度(mL/秒)
溶出ガス試験
本品の使用方法により、本品から溶出されるクリプトン(81mKr)吸入用ガスは、次に掲げる性状、確認試験及び純度試験に適合する。
(1) 性状 無色の気体である。
(2) 確認試験 溶出液試験の確認試験を準用する。
(3) 純度試験 溶出液試験の純度試験を準用する。
(4) 定量法 溶出液試験の定量法を準用する。
5 塩化ストロンチウム(89Sr)注射液
本品は、水性の注射剤で、ストロンチウム89を塩化ストロンチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日において、ストロンチウム89の表示された放射能の90~110%を含む。本品の比放射能は、検定日において、ストロンチウム1mgに対し2.96~6.17MBqである。
製法
本品は、ストロンチウム88に中性子を照射して生成するストロンチウム89を塩化ストロンチウム(89Sr)とし、精製した後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.909MeV(イットリウム89mのガンマ線)にピークを認める。
(2) 本品0.1mLを正確に量り、0.5w/v%クロム酸カリウム液0.1mL及び水0.25mLを加え、0.05mol/L硝酸銀液で液が持続する褐色を呈するまで滴定し、次の式に従い本品中の塩素含量を求めるとき、塩素に対する定量法(2)により求めたストロンチウムの含量比は1.12~1.36である。
本品の塩素含量(mg/mL)={(W-B)×A/S}
W:硝酸銀液の消費量(g)
B:空試験を行うときの硝酸銀液の消費量(g)
A:塩素の原子量(35.45)×硝酸銀液のモル濃度(mol/L)
S:検体量(mL)×硝酸銀液の密度(1.007g/mL)
pH
4.0~7.5
純度試験
(1) ガンマ線放出異核種 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法の放射能の定量により放射能を測定するとき、ストロンチウム89以外の放射能は、総放射能の0.4%以下である。
(2) ベータ線放出異核種 本品0.1mLを蒸発乾固し、臭化水素酸2mLを加えて再び蒸発乾固した後、0.1mol/L臭化水素酸2mLに溶かし、試料溶液とする。陽イオン交換樹脂(粒子サイズ100~250μm)約2mLを直径5~6mmのカラムに充填し、0.1mol/L臭化水素酸で調製する。試料溶液をカラムに入れ、0.1mol/L臭化水素酸で溶出し、無水硫酸ナトリウムの1mol/L塩酸試液溶液(3→200)0.05mLを加えた容器に溶出液10mLを採る。シンチレータ試液適量に水1mL、無水硫酸ナトリウムの1mol/L塩酸試液溶液(3→200)0.1mL及び溶出液0.1mLを加え、ベータ線測定法の液体シンチレーション計数器による定量法により、0~167keV(チャネル1)及び167~2000keV(チャネル2)で放射能を測定し、次の式に従い本品の硫黄35及びリン32の放射能濃度を求める。硫黄35及びリン32の放射能は、総放射能の0.2%以下である。
本品中の硫黄35の放射能濃度(kBq/mL)=[{A-(E1/E2)×B}×採集した溶出液の全量(mL)×{(1/60)×10-3}]/(試料とした本品の量(mL)×放射能の計数に用いた溶出液の量(mL)×E3×R)
本品中のリン32の放射能濃度(kBq/mL)=[B×採集した溶出液の全量(mL)×{(1/60)×10-3}]/(試料とした本品の量(mL)×放射能の計数に用いた溶出液の量(mL)×E2×R)
A:チャネル1における計数率(カウント/分)
B:チャネル2における計数率(カウント/分)
E1:チャネル1におけるリン32の計数効率
E2:チャネル2におけるリン32の計数効率
E3:チャネル1における硫黄35の計数効率
R:分離の際の回収率
定量法
(1) 本品30μLを採り、2mol/L塩酸試液10mLを加えて薄め、試料溶液とする。シンチレータ試液10mLに水1mL、塩化ストロンチウム溶液(3→100)0.1mL及び試料溶液30μLを加え、ベータ線測定法の液体シンチレーション計数器による定量法により、ストロンチウム89の測定に適しているエネルギー領域(0~2000keV)で放射能を測定し、次の式に従い本品の放射能濃度を求める。
本品の放射能濃度(MBq/mL)=[C×D×{(1/60)×10-3}]/F
C:計数率(カウント/分)
D:希釈倍数
F:計数効率
(2) 本品0.05mLに、カリウム・塩酸溶液2.5mLを加え、試料溶液とする。別に、ストロンチウム標準溶液適量を正確に量り、10vol%塩酸を加えて40mLとし、次に1w/v%塩化カリウム溶液10mLを加えた後、水を加えて正確に100mLとし、1mL中にストロンチウム100~400μgを含む標準溶液とする。試料溶液、カリウム・塩酸溶液及び標準溶液につき、次の条件で原子吸光光度法により試験を行い、カリウム・塩酸溶液及び標準溶液の吸光度から得た検量線を用いて試料溶液のストロンチウム含量を求め、次の式に従い本品のストロンチウム含量を求める。
本品のストロンチウム含量(mg/mL)={2.55/(1000×0.05)}×試料溶液のストロンチウム含量(μg/mL)
使用ガス:
可燃性 ガスアセチレン
支燃性ガス 亜酸化窒素
ランプ:ストロンチウム中空陰極ランプ
波長:407.8nm
6 塩化イットリウム(90Y)溶液
本品は、イブリツモマブチウキセタンを放射性核種で標識するための水溶液で、イットリウム90を塩化イットリウムの形で含む。本品は定量するとき、検定日時において、イットリウム90の表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、硝酸ストロンチウム(90Sr)から壊変して得られたイットリウム(90Y)を抽出、精製して塩化イットリウム(90Y)原液とした後、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 本品を水で希釈し、約5MBq/mLとした液から5kBqに相当する量を採り、親水性のシンチレータ15mLを加えてよく振り混ぜる。この液につき、下記の条件で液体シンチレーション計数装置を用いてベータ線スペクトルを測定し、あらかじめベータ線スペクトル測定用イットリウム90標準液を用いて得られた参照スペクトルと比較するとき、両者のスペクトルの形状は同等である。ただし、測定機種、測定機器又は測定条件を変更する場合は、ベータ線スペクトル測定用イットリウム90標準液の5kBq相当量を用いて同様に操作し、参照スペクトルを得ておく。
測定条件
計測時間:1分
クエンチング補正:クエンチングの影響が無視できるように参照スペクトル測定時と同一条件で測定し、クエンチング補正は行わない。
(2) 純度試験(1)により確認する。
純度試験
(1) 放射化学的異物 ジクロロメタン/テトラヒドロフラン混液(4:1)を展開溶媒として薄層クロマトグラフィーにより約8cm展開して試験を行うとき、塩化イットリウム(90Y)のスポット以外の放射能は、薄層上の総放射能の3%以下である。
なお、薄層板は、薄層クロマトグラフィー用セルロースを用いて調製する。
(2) ガンマ線異核種 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法の放射能の定量により放射能を測定するとき、検定日時において、イットリウム90以外の放射能は、総放射能の0.001%以下である。
(3) ストロンチウム90 本品50μLに塩化ストロンチウム試液0.1mL、塩化ランタン溶液0.2mL及び水酸化ナトリウム試液0.1mLを加え、共沈させた後、ろ過する。ろ液125μLをイミノ二酢酸キレート樹脂カラムに通し、更に1mol/L酢酸アンモニウム試液36mLを通す。この溶離液の初めの15mLを除き、次の21mLを集めることにより、本品中に混在するストロンチウム90を溶離する。この液を3個のシンチレーションバイアルに3mLずつ分取し、親水性のシンチレータ15mLずつをそれぞれに加えてよく振り混ぜ、試料溶液とする。別にストロンチウム90標準液の適量を正確に量り、0.04mol/L塩酸試液を加え、ストロンチウム90の放射能濃度が37MBq/L(本品の放射能濃度の0.002%に相当)となるように希釈して調製する。この液50μLを採り、以下試料溶液と同様の操作をしてストロンチウム90を溶離し、同様に調製した液を標準溶液とする。試料溶液及び標準溶液につき、下記の条件でベータ線測定法の液体シンチレーション計数装置による測定法により、低エネルギー領域及び高エネルギー領域の計数率を測定する。次の式により試料溶液及び標準溶液のストロンチウム90の計数率を求め、それぞれの平均値を比較するとき、試料溶液の計数率は標準溶液の計数率以下である(本品の放射能濃度の0.002%以下)。なお、液体シンチレーション計数装置による測定は、試料溶液又は標準溶液中のストロンチウム90から子孫核種として生成するイットリウム90の影響を無視できるよう、速やかに行う。
AT=CLT-CHT×K
AS=CLS-CHS×K
AT:試料溶液のストロンチウム90の計数率
AS:標準溶液のストロンチウム90の計数率
CHT:高エネルギー領域における試料溶液の正味計数率
CLS:低エネルギー領域における標準溶液の正味計数率
CHS:高エネルギー領域における標準溶液の正味計数率
K:補正係数
測定条件
計測時間:2分
クエンチング補正:クエンチングの影響が無視できるように試料溶液と標準溶液を同一条件で測定し、クエンチング補正は行わない。
低エネルギー領域及び高エネルギー領域について
ストロンチウム90及びイットリウム90のベータ線スペクトルを境界線で二分し、低エネルギー領域(ストロンチウム90の計数領域に相当)と高エネルギー領域(イットリウム90の計数領域に相当)とに分割する。この境界線は、ストロンチウム90の計数効率ができるだけ大きく、かつ、イットリウム90の計数効率ができるだけ小さくなるように設定する。
補正係数の求め方
ベータ線スペクトル測定用イットリウム90標準液を用いて、低エネルギー領域及び高エネルギー領域におけるそれぞれの計数率CL及びCHを5回ずつ計数し、CL/CHを算出し、その平均値を補正係数とする。
定量法
本品の適当量について、ベータ線測定法の電離箱による定量法により放射能を測定する。
7 エキサメタジムテクネチウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mをエキサメタジムテクネチウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びエキサメタジムとを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
9.0~9.8
純度試験(放射化学的異物)
2―ブタノン及び生理食塩液をそれぞれ展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約15cm展開して試験を行う(それぞれ試験系1及び試験系2とする)。また、50vol%アセトニトリルを展開溶媒として、ろ紙クロマトグラフィーにより約15cm展開して試験を行う(試験系3とする)。試験系1における薄層上の総放射能に対する原点付近の放射能の比率と、試験系2における薄層上の総放射能に対する溶媒先端付近の放射能の比率の和は20%以下であり、試験系2における薄層上の総放射能に対する溶媒先端付近の放射能の比率と、試験系3におけるろ紙上の総放射能に対する原点付近の放射能の比率の和は10%以下であり、試験系3における原点付近の放射能はろ紙上の総放射能の5%以下である(試験系1;Rf=0.8~1.0、試験系2;Rf=0.0~0.2、試験系3;Rf=0.8~1.0)。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用シリカゲルを用いて調製する。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
8 [N,N’―エチレンジ―L―システイネート(3―)]オキソテクネチウム(99mTc),ジエチルエステル注射液本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mを[N,N’―エチレンジ―L―システイネート(3―)]オキソテクネチウム、ジエチルエステルの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」と、別に注射剤の製法により製した注射用の塩化スズ(Ⅱ)又は塩化スズ(Ⅱ)二水和物及びN,N’―(1,2―エチレン)ビス―L―システインジエチルエステル二塩酸塩とを混ぜ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の確認試験(1)を準用する。
(2) 純度試験により確認する。
pH
6.5~7.5
純度試験(放射化学的異物)
アセトン/0.5mol/L酢酸アンモニウム試液混液(3:2)を展開溶媒として、薄層クロマトグラフィーにより約10cm展開して試験を行うとき、[N,N’―エチレンジ―L―システイネート(3―)]オキソテクネチウム(99mTc)、ジエチルエステルのスポット以外の放射能は薄層上の総放射能の10%以下である(Rf=0.30~0.55)。
なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シルカゲルを用いて調製する。
定量法
「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」の定量法を準用する。
9 過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液
本品は、水性の注射剤で、テクネチウム99mを過テクネチウム酸ナトリウムの形で含む。本品は、定量するとき、検定日時において、テクネチウム99mの表示された放射能の90~110%を含む。
製法
本品は、「過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液ジェネレータ」又はこれに準じて製したジェネレータから生理食塩液で過テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)を溶出させ、注射剤の製法により製する。
性状
本品は、無色澄明の液である。
確認試験
(1) 本品について、ガンマ線測定法のGe半導体検出器による測定法により試験を行うとき、0.141MeVにピークを認める。
(2) 純度試験(1)により確認する。