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○食品用器具及び容器包装への古紙の使用に関するQ&Aについて
(平成25年3月12日)
(食安基発0312第5号)
(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課長通知)
食品用器具及び容器包装への古紙の使用に係る規格基準の改正については、平成25年3月12日付け食安発第0312第1号により通知されたところですが、その詳細について別添のとおり「食品用器具及び容器包装への古紙の使用に関するQ&A」を作成しましたので、貴管下関係者への周知、指導をお願いします。
(別添)
食品用器具及び容器包装への古紙の使用に関するQ&A
1.規格基準の設定について
[Q1 なぜ食品用器具及び容器包装への古紙の使用について規格基準を設定したのか。]
A1 紙(板紙を含む。以下同じ)は水分や油分で浸される用途又は長時間の加熱を伴う用途に使用すると、紙自体の構造が壊れやすく、紙に含まれる残存化学物質が食品に移行しやすくなることが知られています。このような用途において、古紙パルプを配合した紙は未使用パルプのみで製造された紙製品に比べ、古紙に由来する残存化学物質の溶出が高くなることから、このような用途への古紙の使用について規格基準を設定しました。
2.規制の対象となる用途について
[Q2 紙中の水分又は油分が著しく増加する状態とは、具体的にどのような状態を指すのか。数値等で条件を規定するのか。]
A2 水分又は油分で紙が浸される、あるいは品質機能を著しく損ねる状態を指します。これらの状態は製品やその使用条件によって異なるので、数値等によって規定するものではありません。
[Q3 どのような場合が、紙中の水分又は油分が著しく増加する用途又は長時間の加熱を伴う用途に該当するのか。]
A3
(i)紙中の水分又は油分が著しく増加すると考えられる主な用途例
・油こし
・ティーバッグ
・コーヒーフィルター
・コーヒーや紅茶をかき混ぜる紙製の棒やヨーグルト等の紙製スプーン
・かに缶に入れるパーチメント紙
・肉まんやあんまんの敷紙など、水蒸気により紙が水分で浸されるような紙製容器包装
(ii)長時間の加熱を伴うと考えられる主な用途例
・ケーキの焼き型
・焼き魚や蒸し野菜等を作る紙製調理器具
ただし、(i)及び(ii)の用途において、古紙に含まれる物質が溶出又は浸出して食品に混和するおそれのないように加工されている場合には、本規制の対象となりません。
また、以下のようなケースでは、紙中の水分又は油分が著しく増加する用途及び長時間の加熱を伴う用途には該当しません。
・野菜や果物を入れる段ボールなど、一般的に水分や油分によって紙が浸されるようなおそれがないと考えられる場合
・ファストフードのハンバーガーやフライドポテトを入れる容器包装など、油分の多い食品と接触するが、販売、喫食のために一時的に入れる目的で使用し、紙の品質機能が損なわれないと考えられる場合
・ケーキの箱など、基本的に直接食品が触れるものではなく、触れるとしても運搬時など一時的な接触にとどまると考えられる場合
3.表面の加工について
[Q4 古紙に含まれる化学物質が溶出又は浸出して食品に混和するおそれのないように加工されている場合とは、具体的にどのようなものを指すのか。]
A4 合成樹脂製フィルムやアルミ箔で紙の表面が加工されており、水分又は油分がその層を透過して古紙に到達しない構造になっているものなどを指します。
[Q5 2層構造になっている紙製容器包装において、古紙パルプを配合した紙が容器包装の外側を構成し、未使用パルプのみを配合した紙が内側の食品に直接接触する部分を構成している場合には、古紙に含まれる化学物質が溶出又は浸出して食品に混和するおそれのないように加工されている場合とみなしてもよいか。]
A5 水分又は油分が浸透して古紙中の化学物質が食品に到達する可能性があります。そのため、複数の紙が層状に構成されているだけでは、古紙に含まれる化学物質が溶出又は浸出して食品に混和するおそれのないように加工されているとはみなせません。
4.監視・指導について
[Q6 当該製品に古紙が使用されているか否かの確認は試験データにより判断するのか。]
A6 古紙を使用していないことについて試験データを求めたり市場品の収去試験等を行うことを促すものではありません。本規制の対象となる製品の製造について、古紙を使用しないよう注意喚起を行うことが必要です。
[Q7 輸入時の届出の際に事業者が留意する点はあるか。]
A7 輸入に際しては、製品に古紙を使用していない旨の証明書や試験データ等を積極的に求めるものではありませんが、事業者において原材料の確認を確実に行うことが必要です。なお、必要に応じて古紙を使用していないことが確認できる書類を求める場合があります。