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○医療機器製造販売承認(認証)申請に際しての有効期間の設定に係る安定性試験の取扱いに関する質疑応答集(Q&A)

(平成25年2月8日)

(薬食機発0208第5号)

(各都道府県衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知)

医療機器の有効期間の設定に係る安定性試験については、「医療機器製造販売承認(認証)申請に際しての有効期間の設定に係る安定性試験の取扱いについて」(平成24年12月27日付け薬食機発1227第5号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知)により通知したところである。

今般、医療機器製造販売承認(認証)申請に際しての有効期間の設定に係る安定性試験の取扱いに関する質疑応答集(Q&A)を別添のとおり作成したので、御了知の上、貴管内関係企業に対する周知方よろしくお願いする。

なお、本通知の写しを独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長、日本医療機器産業連合会会長、米国医療機器・IVD工業会会長、欧州ビジネス協会医療機器委員会委員長及び薬事法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付することとしている。

別添

医療機器製造販売承認(認証)申請に際しての有効期間の設定に係る安定性試験の取扱いに関する質疑応答集(Q&A)

Q1 「医療機器の有効期間の設定と安定性試験について」(平成20年9月5日付け薬食機発第0905001号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知。以下「薬食機発第0905001号通知」という。)と「医療機器製造販売承認(認証)申請に際しての有効期間の設定に係る安定性試験の取扱いについて」(平成24年12月27日付け薬食機発1227第5号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知。以下「薬食機発1227第5号通知」という。)との関係はどのようになるのか。

A1 有効期間の設定や安定性試験等の取扱いについては薬食機発第0905001号通知に基づき申請資料等を作成することになるが、このうち薬食機発1227第5号通知の適用を受ける品目については、製造販売承認(認証)申請書へ有効期間の設定に係る安定試験に関する資料の添付を不要とするものである。

また、薬食機発1227第5号通知1.①~⑧に該当する品目については、従来どおり当該資料の添付が必要であり、薬食機発第0905001号通知に基づき対応すること。

なお、薬食機発1227第5号通知に基づき安定性試験に関する資料の添付が不要となる品目であっても、申請者の責任の下、有効期間の設定の要否を含め安定性について評価することは従来から変わりがなく、その試験結果等の資料は適切に保管しておくこと。

Q2 金属製の医療機器や医用電気機器など、有効期間の設定が不要であり、これまで安定性に関する資料を添付していなかった品目についても、薬食機発1227第5号通知2.(3)に基づき自己宣言書の添付及び承認(認証)申請書の備考欄への記載が必要となるのか。

A2 これまで有効期間の設定に係る安定性に関する資料の添付が不要であった品目については、薬食機発1227第5号に基づく対応は必要ない。

Q3 有効期間の設定が必要な品目であって、承認前例がある原材料からなる医療機器については、従来どおり、安定性に関する資料の添付に代えて原材料の同一性を説明することでもよいか。

A3 そのとおり。

Q4 薬食機発1227第5号通知1.①の「従来の医療機器に使用され、安定性が確認されている原材料と異なる新規原材料」について、「従来の医療機器」とは、自社製品だけではなく他社製品も含まれるものであり、国内での承認(認証、届出)の有無を問わないという理解でよいか。また、ここで用いる「新規原材料」とは、生物学的安全性試験が必要な「新規原材料」の範囲とは異なるという理解でよいか。

A4 そのとおり。ここで用いる「新規原材料」とは、例えばポリエステル、ポリ塩化ビニルなどの原材料の一般名のレベルで、これまでに海外も含めて医療機器に用いられていないような原材料が該当する。したがって、原材料の添加剤が異なる、配合比が異なるというような程度の原材料は該当しない。

Q5 薬食機発1227第5号通知1.①の「安定性についての知見がない新規原材料」について、「安定性についての知見」があるとは、原材料の一般名レベルで長期保存試験又は加速試験で安定性に関する知見が得られているもの、文献により知見が得られているもの、市場での使用実績による知見が得られているものなどが該当すると考えてよいか。

A5 そのとおり。

Q6 薬食機発1227第5号通知1.⑤の「医薬品成分を含有する医療機器」には、どのようなものがあるか。

A6 含有する医薬品成分の効果について、その作用等を承認(認証)書に記載する医療機器として、例えば薬剤溶出型ステント、抗菌性の作用が説明される創傷被覆・保護材などが該当する。

したがって、ポリビニルピロリドン、グリセリンなど、日本薬局方に収載されている成分を含有する場合であっても、その薬効を期待して作用を記載することがなければ該当しない。

Q7 薬食機発1227第5号通知1.⑦の「冷蔵保存など特別な貯蔵方法を設定する必要がある医療機器」には、どのようなものがあるか。

A7 例えば、常時10℃以下の冷蔵保存が必要な品目などが該当する。輸送時の特別な環境(例えば、40℃以上の酷暑環境)を除外させるために保管管理上の取扱いが設定されているものは該当しない。

Q8 薬食機発1227第5号通知1.⑧において「薬事法(昭和35年法律第145号)第63条第1項第7号の規定に基づき厚生労働大臣が定める医療機器(昭和55年厚生省告示第166号で指定される医療機器のうち、医療機器の項第2号は除く。)」とされている直接の容器等に使用の期限の記載が必要な医療機器には、どのようなものがあるか。

A8 現時点ではX線フィルムのみが該当する。(上記告示は直接の容器等に使用の期限の記載が必要な医薬品等が指定されており、医療機器の項第1号でX線フィルムが規定されている。)

Q9 薬食機発1227第5号通知1.の「既に承認(認証)されているなど評価済みの原材料であれば、その旨を説明することで安定性試験に関する資料の添付を不要にできる。」について、1.①~⑧に該当する原材料であっても既に承認(認証)されている医療機器に使用されている場合は、それ以外の原材料が1.①~⑧に該当しなければ薬食機発1227第5号通知の対象になると考えてよいか。

A9 そのとおり。例えば、ヘパリンコーティングカテーテルのヘパリンが既承認品目に使用されており、コーティング方法(塗布する、基材へ練りこむ等)についても既承認品目と同様である場合には、カテーテル本体の樹脂が薬食機発1227第5号通知1.①に該当しない新しい原材料に変更されたとしても、承認(認証)申請時に安定性試験に関する資料の添付は不要となる。この場合、申請時の添付資料のSTED4.2.1項では、コーティングに用いるヘパリン及びそのコーティング方法が既承認品目と同様でありそれ以外は自己宣言書のとおりである旨を記載すること。

Q10 「「医療機器の製造販売承認申請書添付資料の作成に際し留意すべき事項について」の一部改正について」(平成30年2月28日付け薬生機審発0228第7号厚生労働省医薬・生活衛生局医療機器審査管理課長通知)による改正後の「医療機器の製造販売承認申請書添付資料の作成に際し留意すべき事項について」(平成27年1月20日付け薬食機参発0120第9号厚生労働省大臣官房参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当)通知)の別添1の4.(7)⑥及び別添2の4.(5)⑥において、放射線滅菌済みの医療機器にあっては、性状、強度試験等材質劣化に関する資料として、製造方法に関する資料に記載した線量分布の最大線量を踏まえた妥当な試験検体を使用して試験し、材質劣化に関し、製品性能が担保されることを確認した旨の宣誓書を添付することとされているが、有効期間の設定に係る安定性試験に関する資料に関しては、薬食機発1227第5号通知1.①~⑧に該当しない場合は、自己宣言書の添付でよいか。

A10 差支えない。上記に該当する医療機器については、材質劣化に関し、製品性能が担保されることを確認した旨の宣誓書及び有効期間の設定に関する自己宣言書を添付すること。

Q11 薬食機発1227第5号通知3.(4)において「別添4.2.1で規定する「安定性及び耐久性」の項に関して、1.に述べた有効期間の設定に係る安定性試験に関する資料以外のものについては、従来どおりである」旨記載されているが、従来どおりの取扱いとなるものには、どのような資料があるのか。

A11 例えば、植込み機器の場合における繰り返し曲げ試験などの耐久性に関する資料、Q10に述べた放射線滅菌の材質劣化に関する資料などが該当する。

Q12 薬食機発1227第5号通知の1.①~⑧に該当しない品目であれば、「医療機器の特定の変更に係る手続きの迅速化について」(平成20年11月10日付け薬食機発第1110001号厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長通知)に基づく一部変更承認申請(以下、「特定一変申請」という。)を行う場合も、薬食機発1227第5号通知に基づき安定性に関する資料の添付を不要と考えてよいか。

A12 そのとおり。特定一変申請に当たっては、生物学的安全性試験など、安定性に関する資料以外に必要な資料を添付して申請すること。

Q13 既に安定性試験に関する資料を添付して承認(認証)された品目であっても、有効期間を変更する場合には、薬食機発1227第5号通知に基づき軽微変更届で対応してよいか。

A13 上記の品目であっても、薬食機発1227第5号通知1.で安定性試験の添付が不要とされている医療機器に該当する場合は、自己宣言書を添付の上、軽微変更届により有効期間を変更することができる。ただし、薬食機発1227第5号通知1.で安定性試験の添付が必要となる医療機器にあっては、薬食機発第0905001号通知4.にしたがって、有効期間を変更すること。

Q14 薬食機発1227第5号通知3.(2)において「審査の過程で安定性試験に関する資料が必要であると判断された場合」とは、どのような場合に必要と判断されるのか。

A14 例えば、既に製造販売されている品目で安定性に関する疑義が生じるような事案があり、同様の申請品目について安定性試験に関する資料による確認が必要になった場合を想定している。なお、この場合の資料は、審査対象になる。

Q15 薬食機発1227第5号通知2.(3)の自己宣言書には、どのような記載が必要か。

A15 申請者において必要な安定性の評価を行った上で、上市する予定の製品の有効期間を設定した旨の自己宣言書を添付すること。例えば、次のとおりである。また、STED4.2.1項には、自己宣言書のとおりである旨を記載する。

(事例1)

(事例2)

宣誓書

宣誓書

本申請品目「販売名:○○○」の有効期間につきましては、弊社開発センター○○における安定性評価の実施結果に基づき、必要な有効期間2年を表示して上市することを宣誓します。

本申請品目「販売名:○○○」に設定する有効期間は、弊社開発センター○○において、安定性の評価を行った結果であることを宣誓します。

平成○年○月○日

平成○年○月○日

製造販売業者の

製造販売業者の

住所(法人にあっては、主たる事務所の所在地)

住所(法人にあっては、主たる事務所の所在地)

氏名(法人にあっては、名称及び代表者の氏名)

氏名(法人にあっては、名称及び代表者の氏名)

Q16 有効期間の設定に当たっては、申請者の責任の下、有効期間の要否を含め、性能・機能への影響、安定性試験の評価方法及びその妥当性について、申請者の判断で行うことでよいか。

A16 そのとおり。有効期間の設定に当たっては、例えばリスクマネジメントを通じ、過去の実績、不具合情報などから、試験実施の要否、試験プロトコール(加速試験、長期保存試験など)を判断し、これらの結果を踏まえ、申請者が評価して決定する。最終的には、申請者として決定した内容を自己宣言書に記載する。なお、製造販売後に、設定された有効期間が担保できないことが判明した場合は、回収など必要な措置を行うこと。

Q17 承認(認証)基準において安定性に関する要求事項が含まれているものについては、どのように対応すればよいか。

A17 承認(認証)基準において安定性試験の評価が求められている品目であっても、薬食機発1227第5号通知1.で安定性試験の添付が不要とされる医療機器に該当すれば、当該通知に基づき、承認(認証)申請書に自己宣言書を添付し、備考欄に必要事項を記載することで、承認(認証)基準に適合しているとみなすことができる。

なお、眼内レンズの承認基準にあっては、輸送安定性に関する資料も薬食機発1227第5号通知における安定性に関する資料に含まれるものであること。

Q18 自己宣言書を承認申請書に添付した場合、この自己宣言書は信頼性調査の対象にならないと理解してよいか。

A18 そのとおり。

Q19 申請中の品目について、安定性の評価が十分ではないと審査当局が判断した結果、安定性試験を提出する旨を審査当局に回答し、現在試験中であるが、薬食機発1227第5号通知に基づき、提出すべき試験の資料を自己宣言書に代えることで対応してよいか。

A19 審査当局において安定性の評価が不十分と判断した品目については、求められた試験を実施した上で資料を提出することが必要であり、自己宣言書で対応することはできない。

ただし、審査に長期を要しているもので、審査中に長期の安定性試験が終了し、資料の追加提出を行う場合などでは自己宣言書によることができることがある。