地域活動支援センターは、従来のいわゆる小規模作業所からの移行によるものであり、その活動は各地域においてきめ細かい福祉活動の展開に大きく寄与しており、その事業活動の機動性・柔軟性を十分に活用することは、今後、地域福祉の推進を図る上で重要となります。

一方、社会福祉法人(以下「法人」という。)の重要な役割として、地域社会において低所得者に対する支援、制度外のニーズへの対応、労力・コストのかかる対象者を排除しないことなど他の法人との比較においても社会的使命を十分発揮する必要があります。

このため、法人の公益性を維持しながら、地域活動支援センターの機動性・柔軟性を活用しつつ事業を実施するため、今般、地域活動支援センターを経営する者が円滑に法人格を取得する際に、必要な資産要件等について下記のとおり定めましたので、貴職において適切なご配慮をお願いいたします。

なお、本通知については、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項に基づく技術的助言として発出するものです。

また、本通知の施行をもって、「障害者に係る小規模通所授産施設を経営する社会福祉法人に関する資産要件等について(平成12年12月1日障第891号厚生省大臣官房障害保健福祉部長、社援第2619号厚生省社会援護局長通知連名通知)」は廃止するものです。

記

1　地域活動支援センターの経営を目的とする社会福祉法人を設立する場合の資産要件等

地域活動支援センターの経営を目的として法人を設立する場合においては、次に掲げる要件を満たしているものとすること。

(1)　基本財産については、原則として、地域活動支援センターの用に供する不動産(以下、「施設用不動産」という。)のすべてについて所有権を有していること。

ただし、1,000万円以上に相当する資産(現金、預金、確実な有価証券又は不動産に限る。)を有している場合には、施設用不動産について国若しくは地方公共団体から貸与若しくは使用許可、又は国若しくは地方公共団体以外の者から貸与を受けていても差し支えないこと。

(2)　地方公共団体又は民間社会福祉団体等からの委託又は助成を受けているか、あるいは過去受けていた実績があるとともに、社会福祉法人認可後において、地方公共団体からの委託又は助成が将来にわたり継続され、地域活動支援センターが安定的・継続的に確保されるものとして、社会福祉法人の認可を行う所管庁が認めること。

(3)　一都道府県の区域内においてのみ事業を実施すること。

2　地域活動支援センターを経営する事業と併せて行うことができる事業の範囲

(1)　1に掲げる要件を満たすものとして設立された法人は、地域活動支援センターの経営のみを行うことを原則とするが、次に掲げる事業については、地域活動支援センターの経営と併せて行うことができるものとすること。

①　障害児相談支援事業、一般相談支援事業又は特定相談支援事業

②　障害福祉サービス事業(居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護又は重度障害者等包括支援に限る。)

③　移動支援事業

なお、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第5条に規定する共同生活援助を地域活動支援センターの経営と併せて行うことについては、障害者等の生活の場を提供するための性格を持つものであれば、上記②と③を併せて読むことによりこれを行っても差し支えないものであること。

(2)　公益事業又は収益事業については、1に掲げる要件を満たすものとして設立された法人の財政基盤が脆弱であることに配慮しつつ、地域福祉の推進を図る観点から、所管庁が当該法人の行う社会福祉事業に支障がないと認めるときは、これを行うことができるものとする。

3　定款変更の認可申請

二以上の都道府県の区域内において事業を実施しようとする場合、2の①～②に掲げる事業以外の事業を経営しようとする場合その他本通知に定める資産要件等を満たさなくなるような場合は、当該法人は、所管庁に対して遅滞なく定款の変更の認可申請を行うものとすること。

4　施行期日

この通知は平成24年4月1日から施行するものとすること。