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○予防接種法施行令の一部を改正する政令の施行等について

(平成25年1月30日)

(健発0130第4号)

(各都道府県知事あて厚生労働省健康局長通知)

予防接種法施行令の一部を改正する政令(平成25年政令第18号)及び予防接種法施行規則の一部を改正する省令(平成25年厚生労働省令第6号)が本日公布され、同日から施行されるところであるが、その改正の概要等は下記のとおりであり、貴職におかれては、貴管内市町村(保健所を設置する市及び特別区を含む。)及び関係機関等へ周知を図るとともに、その実施に遺漏なきを期されたい。なお、本通知は、地方自治法(平成22年法律第67号)第245条の4第1項に規定する技術的な助言である。

1 予防接種法施行令の一部を改正する政令の概要

長期にわたり療養を必要とする疾病にかかったこと等により定期の予防接種の機会を逸した者について、当該機会を確保すること。

具体的には、予防接種法施行令(昭和23年政令第197号。以下「令」という。)第1条の2第1項の表の上欄に掲げる疾病(インフルエンザを除く。以下「特定疾病」という。)についてそれぞれ同表の下欄に掲げる定期の予防接種の対象者であった者(当該特定疾病にかかっている者又はかかったことのある者その他厚生労働省令で定める者を除く。)であって、当該定期の予防接種の対象者であった間に、長期にわたり療養を必要とする疾病で厚生労働省令で定めるものにかかったことその他の厚生労働省令で定める特別の事情があることにより当該特定疾病に係る予防接種法(昭和23年法律第68号)第3条第1項に規定する予防接種を受けることができなかったと認められるものについては、当該特別の事情がなくなった日から起算して2年を経過する日までの間(厚生労働省令で定める特定疾病にあっては、厚生労働省令で定める年齢に達するまでの間にある場合に限る。)、当該特定疾病に係る同項の政令で定める者とすること。(令第1条の2第3項関係)

2 予防接種法施行規則の一部を改正する省令の概要

(1) 令第1条の2第3項の厚生労働省令で定める者は、予防接種法施行規則(昭和23年厚生省令第36号。以下「規則」という。)第2条各号に掲げる者とすること。

また、平成24年9月1日から急性灰白髄炎の定期の予防接種に不活化ポリオワクチンが使用されることとなったことに鑑み、規則第2条第5号から急性灰白髄炎を削除すること。(規則第2条関係)

(2) 令第1条の2第3項に規定する厚生労働省令で定める特別の事情は、次のとおりとすること。(規則第2条の3及び第2条の4関係)

① 令第1条の2第3項に規定する厚生労働省令で定めるもの(次のイからハまでに掲げる疾病)にかかったこと(やむを得ず定期の予防接種を受けることができなかった場合に限る。)

イ 重症複合免疫不全症、無ガンマグロブリン血症その他免疫の機能に支障を生じさせる重篤な疾病

ロ 白血病、再生不良性貧血、重症筋無力症、若年性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、潰瘍性大腸炎、ネフローゼ症候群その他免疫の機能を抑制する治療を必要とする治療を必要とする重篤な疾病

ハ イ又はロの疾病に準ずると認められるもの

(注) 上記に該当する疾病の例は、別表に掲げるとおりである。ただし、これは、別表に掲げる疾病にかかったことのある者又はかかっている者が一律に予防接種不適当者であるということを意味するものではなく、予防接種実施の可否の判断は、あくまで予診を行う医師の診断の下行われるべきものである。

② 臓器の移植を受けた後、免疫の機能を抑制する治療を受けたこと(やむを得ず定期の予防接種を受けることができなかった場合に限る。)

③ 医学的知見に基づき①又は②に準ずると認められるもの

(3) 令第1条の2第3項に規定する厚生労働省令で定める特定疾病及び同項に規定する厚生労働省令で定める年齢は、次のとおりとすること。(規則第2条の5関係)

① ジフテリア、百日せき、急性灰白髄炎及び破傷風については、15歳(4種混合ワクチンを使用する場合に限る。)

② 結核については、4歳

3 留意事項

本改正は、長期にわたり療養を必要とする疾病にかかったこと等によりやむを得ず定期の予防接種の機会を逸した者について、その機会を確保することを目的として、平成24年に開催された第22回及び第23回厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会における議論を経て実施したものである。(別添参照)

実施主体である市町村長等におかれては、その趣旨に十分留意し、令第1条の2第3項の「特別の事情」があることにより定期の予防接種を受けることができなかったかどうかについては、被接種者が2(2)①の疾病にかかっていたことや、やむを得ず定期の予防接種を受けることができなかったと判断した理由等を記載した医師の診断書や、当該者の接種歴等により総合的に判断されたい。

4 厚生労働省への報告

本改正に係る予防接種を行った市町村長等は、被接種者の接種時の年齢、当該者がかかっていた疾病の名称等特別の事情の内容、接種した予防接種の種類、今後の予防接種の計画、接種回数等を、速やかに厚生労働省健康局結核感染症課まで報告されたい。なお、同一の者に対する2回目以降の接種に係る報告は不要である。(様式任意)

5 施行期日

公布日(平成25年1月30日)

別表

分類

名称

悪性新生物

白血病

悪性リンパ腫

ランゲルハンス (細胞) 組織球症(Histiocytosis X)

神経芽細胞腫

ウィルムス(Wilms)腫瘍

肝芽腫

網膜芽細胞腫

骨肉腫

横紋筋肉腫

ユーイング(Ewing)肉腫

末梢性神経外胚葉腫瘍

脳腫瘍

血液・免疫疾患

血球貪食リンパ組織球症

慢性活動性EBウイルス感染症

慢性GVHD(Graft Versus Host disease、移植片対宿主病)

骨髄異形成症候群

再生不良性貧血

自己免疫性溶血性貧血

特発性血小板減少性紫斑病

先天性細胞性免疫不全症

無ガンマグロブリン血症

重症複合免疫不全症

バリアブル・イムノデフィシエンシー(variable immunodeficiency)

ディジョージ(DiGeorge)症候群

ウィスコット・アルドリッチ(Wiskott-Aldrich)症候群

後天性免疫不全症候群(AIDS、HIV感染症)

自己炎症性症候群

神経・筋疾患

ウェスト(West)症候群(点頭てんかん)

レノックス・ガストウ(Lennox-Gastaut)症候群

重症乳児ミオクロニーてんかん

コントロール不良な「てんかん」

Werdnig Hoffmann病

先天性ミオパチー

先天性筋ジストロフィー

ミトコンドリア病

ミニコア病

無痛無汗症

リー(Leigh)脳症

レット(Rett)症候群

脊髄小脳変性症

多発性硬化症

重症筋無力症

ギラン・バレー症候群

慢性炎症性脱髄性多発神経炎

ペルオキシソーム病

ライソゾーム病

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)

結節性硬化症

神経線維腫症Ⅰ型(レックリングハウゼン病)

神経線維腫症Ⅱ型

慢性消化器疾患

肝硬変

肝内胆管異形成症候群

肝内胆管閉鎖症

原発性硬化性胆管炎

先天性肝線維症

先天性胆道拡張症(先天性総胆管拡張症)

胆道閉鎖症(先天性胆道閉鎖症)

門脈圧亢進症

潰瘍性大腸炎

クローン病

自己免疫性肝炎

原発性胆汁性肝硬変

劇症肝炎

膵嚢胞線維症

慢性膵炎

慢性腎疾患

ネフローゼ症候群

巣状糸球体硬化症

慢性糸球体腎炎

急速進行性糸球体腎炎

グッドパスチャー(Goodpasture)症候群

バーター(Bartter)症候群

慢性呼吸器疾患

気管支喘息

慢性肺疾患

特発性間質性肺炎

慢性心疾患

期外収縮

心房又は心室の細動

心房又は心室の粗動

洞不全症候群

ロマノ・ワルド(Romano-Ward)症候群

右室低形成症

心室中隔欠損症

心内膜床欠損症(一次口欠損症、共通房室弁口症)

心房中隔欠損症(二次口欠損症、静脈洞欠損症)

単心室症

単心房症

動脈管開存症

肺静脈還流異常症

完全大血管転位症

三尖弁閉鎖症

大血管転位症

大動脈狭窄症

大動脈縮窄症

肺動脈閉鎖症

両大血管右室起始症

特発性肥大型心筋症

特発性拡張型心筋症

小児原発性肺高血圧症

高安病(大動脈炎症候群)

内分泌疾患

異所性副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)症候群

下垂体機能低下症

アジソン(Addison)病

クッシング(Cushing)症候群

女性化副腎腫瘍

先天性副腎皮質過形成

男性化副腎腫瘍

副腎形成不全

副腎腺腫

膠原病

シェーグレン(Sjogren)症候群

若年性関節リウマチ

スチル(Still)病

ベーチェット病

全身性エリテマトーデス

多発性筋炎・皮膚筋炎

サルコイドーシス

川崎病

先天性代謝異常

高オルニチン血症―高アンモニア血症―ホモシトルリン尿症症候群

先天性高乳酸血症

乳糖吸収不全症

ぶどう糖・ガラクトース吸収不全症

ウイルソン(Wilson)病(セルロプラスミン欠乏症)

メチルマロン酸血症

アレルギー疾患

食物アレルギー

先天異常

先天奇形症候群

染色体異常