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○平成23年度外国人労働者問題啓発月間について
(平成23年5月27日)
(/基発0527第15号/職発0527第1号/能発0527第1号/)
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長・厚生労働省職業安定局長・厚生労働省職業能力開発局長通知)
(公印省略)
外国人労働者対策については、職業安定行政においては、雇用対策法(昭和41年法律第132号)で明示した専門的・技術的分野の外国人の就業促進、外国人労働者の雇用管理の改善及び再就職の促進に取り組み、また、労働基準行政においては、外国人労働者の適正な労働条件及び安全衛生の確保対策を推進しており、これらを通して、外国人雇用の基本ルールの履行確保に努めているところである。
また、平成5年度から政府全体として6月を「外国人労働者問題啓発月間」と位置付けており、厚生労働省においても、同月間中に事業主等を始め広く国民一般に対して外国人労働者問題についての啓発活動を行っているところである。
ついては、本年度においても、厚生労働省において、別添のとおり「平成23年度外国人労働者問題啓発月間実施要領」を定め、全国的な啓発・指導等を展開することとしたので、貴職におかれても、各都道府県労働局の実情を踏まえ、その実施に遺憾なきを期されたい。
(別添)
平成23年度外国人労働者問題啓発月間実施要領
1 趣旨
(1) 外国人労働者対策における現状等
経済社会の国際化の進展に伴い、就労を目的として我が国に入国、在留する外国人は増加しているが、その就労状況をみると、雇用が不安定であること、社会保険の未加入が多いこと、依然として不法就労者数は高水準で推移していること等の問題があったことから、平成19年に雇用対策法を改正し、専門的・技術的分野の外国人労働者の就業を促進するとともに、就労する外国人労働者について、雇用管理の改善や再就職を促進するための施策を総合的に講ずることとされた。
また、平成20年秋に発生したリーマンショックに端を発した経済危機の下、派遣・請負等の不安定な雇用形態にある日系人労働者の解雇・雇止めが相次いだこと等から、日系人集住地域の公共職業安定所(以下「安定所」という。)を中心にその就職支援に向けて機動的対策を実施している。
さらに、平成22年6月に閣議決定された「新成長戦略」においても、優秀な海外の人材を我が国に引き寄せることや質の高い外国人留学生の受入れ促進が盛り込まれたところである。
(2) 現在の取組
このような経緯を踏まえ、厚生労働省においては現在、以下のような取組を実施しているところである。
① 雇用管理の改善及び再就職の促進
ア 外国人雇用状況届出により外国人の雇用状況を把握した上で、「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」(以下「外国人指針」という。)に基づく事業所に対する雇用管理指導の実施や求人開拓の実施
イ 外国人求職者に対して積極的に求人情報、職業訓練情報の提供等を行うなど再就職援助の促進
ウ 日系人集住地域の安定所等を中心とした日系人に対する職業相談の実施や日本語コミュニケーション能力の向上等を図る就労準備研修の実施
② 専門的・技術的分野の就業促進
ア 全国の安定所における専門的・技術的分野の外国人求職者に対する職業紹介の積極的な実施
イ 「外国人雇用サービスセンター」を中心としたインターンシップ事業の実施など留学生に対する国内就職の促進
ウ 「高度外国人材活用マニュアル」の作成及び周知など、高度外国人材の就職促進に向けた環境整備
③ 適正な雇用・労働条件の確保
ア 労働基準監督署等による事業場に対する的確な監督指導による法定労働条件の履行確保
イ 主要な都道府県労働局(以下「労働局」という。)及び労働基準監督署(以下「監督署」という。)に設置されている「外国人労働者相談コーナー」における外国人労働者や事業主からの労働条件等に関する相談への対応
ウ 事業主に対し外国人雇用状況届出を厳格に履行させることで不法就労の防止を図るとともに、法令遵守の一環として法務省及び警察庁と合同で中央において「不法就労外国人対策等関係局長連絡会議」などを、各ブロックにおいて「不法就労等外国人労働者問題地方協議会」をそれぞれ開催するなど、不法就労に対して関係機関との連携強化
(3) 課題
現在も依然として以下のような課題がある。
① 雇用管理の改善及び再就職の促進
ア 日系人を中心として派遣・請負の就労形態が多く雇用が不安定な状況は変わっておらず、厳しい雇用調整の対象となっている。
イ 社会保険の未加入等事業主の認識不足等により適正な労働条件が確保されていない等のケースがみられる。
ウ 日系人を中心として日本語能力や能力開発の機会が不十分である等の問題がある。
② 専門的・技術的分野の就業促進
ア 外国人を雇用したことがない企業が依然として多く、採用しても企業側の環境整備が進んでいないなど高度外国人材の活用が不十分である。
イ 日本で就職を希望する留学生の多くの者が実際に就職できておらず、なお就職支援の必要性が高い。
③ 適正な雇用・労働条件の確保
ア 外国人研修生・技能実習生の保護の強化を図るため、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)の改正が行われ、平成22年7月から施行されたことにより、技能実習生は入国1年目から雇用関係の下での技能実習となり、労働関係法令上の保護が受けられることとなった。このため、技能実習生の適正な雇用・労働条件の確保が求められている。
イ 不法就労者数は近年減少傾向がみられるが、依然として予断を許さない状况である。
(4) 今年度の取組方針
以上のことから、平成23年度においても、政府全体で取り組む「外国人労働者問題啓発月間」(以下「月間」という。)において、厚生労働省においても、事業主、事業主団体等を始め、広く国民一般を対象として、
① 我が国の外国人雇用対策の基本的な考え方の周知
② 外国人雇用状況届出の厳格な履行
③ 外国人指針に基づく雇用管理改善指導等を始めとする外国人労働者の適正な雇用管理と労働条件及び安全衛生の確保対策
④ 日系人の就労支援及び安定雇用の確保対策
⑤ 高度な技能を有する外国人材が能力を発揮しやすい職場環境の整備
⑥ 留学生を始めとする「専門的・技術的分野」の外国人の就業促進対策
⑦ 技能実習生の適正な雇用・労働条件の確保対策
⑧ 不法就労防止対策
を中心に、「多様な人材がイノベーションを生む!」を打ち出しつつ、外国人雇用の基本ルールの遵守を基調として、啓発・指導等を集中的に行うこととする。
(5) 他省庁の取組
法務省等11省庁は、別途当該期間において各種行事を行う予定である。
2 実施期間
平成23年6月1日(水)から6月30日(木)までの1月間とする。
3 主唱
厚生労働省
4 標語
「多様な人材がイノベーションを生む!(~外国人雇用はルールを守って適正に~)」
5 実施事項
本省及び地方においては、当月間に以下の事項について実施することとする。
ただし、下記(2)の事項については、東日本大震災に関し、災害救助法の適用を受けた地域を管轄する労働局にあっては、被災地の状況に配慮しつつ、可能な範囲内で実施することとする。
(1) 本省で実施する事項
ア 広報活動の実施
月間における活動の趣旨について、厚生労働省関係広報誌を活用すること等により、国民一般に対する広報活動を行う。
イ ポスター・パンフレットの作成
月間のポスターを作成するとともに、外国人雇用に係る留意点等についての事業主向けパンフレットを作成する。
ウ 事業主団体等への協力要請
主要な事業主団体等を通じ、傘下団体・会員企業等に対して、外国人労働者問題に関する積極的な周知・啓発への協力を求める。
特に、外国人雇用状況届出について、事業主が法令遵守の観点から厳格に履行するよう主要な事業主団体等に協力を要請する。
また、不法就労の防止に関しては、法務省及び警察庁と合同で、主要な事業主団体等に対し、説明及び要請を行う。
エ 関係機関への協力要請
関係機関及びそれら機関を通じて関係団体等に対し、月間中のポスターの掲示、パンフレットの配布等、月間実施に係る協力を要請する。
(2) 地方で実施する事項
ア 広報活動の実施
労働局、監督署及び安定所は、適宜広報資料を作成し地方公共団体等の広報誌の活用及び報道機関への協力依頼等による広報活動を行う。
イ ポスターの掲示・パンフレットの配布
労働局、監督署及び安定所は、施設内にポスターを掲示するとともに、事業主団体、関係機関等に対してその掲示の協力を求める。
また、パンフレットを施設内に配置し、事業主を中心に配布する。
ウ 事業主団体等を通じた周知、啓発及び協力要請
労働局、監督署及び安定所は、事業主団体等を通じた積極的な周知、啓発及び協力要請を幹部自らが率先して行う。
特に、外国人雇用状況届出について、事業主が法令遵守の観点から厳格に履行するよう、事業主団体等に協力を要請する。
また、不法就労の防止に関しては、地方入国管理局及び都道府県警察との連携を図りつつ、事業主団体等に対し説明及び協力要請を行う。
エ 各種会合における事業主等に対する周知・啓発等の実施
労働局及び安定所は、本月間中に開催する外国人雇用管理セミナーを、地域の実情に応じ、留学生を始めとする専門的・技術的分野の外国人の活用促進をテーマとして周知・啓発を行う、又は外国人指針に基づく適正な雇用管理が外国人を雇用する上での基本ルールであることについて周知・啓発を行う機会として積極的に活用する。
また、学卒求人説明会等の事業主が集まる会合においては、留学生を始めとする「専門的・技術的分野」の外国人の就業促進を図るべく、「高度外国人材活用マニュアル」等の外国人雇用対策に係る資料を配布するなど、周知・啓発に努める。
オ 個々の事業主に対する周知、啓発及び指導
労働局、監督署及び安定所は、事業主等に対し、あらゆる機会を利用して外国人の雇用・労働条件に係る取扱い等について適切な情報提供や積極的な周知、啓発及び指導を行う。
外国人労働者が多い都道府県の監督署及び安定所において、安易な解雇等の予防や適正な労働条件及び安全衛生の確保、雇用管理の改善等を目的として、事業所を訪問し、指導・監督を行う。
特に、安定所においては、事業所訪問による外国人指針に基づく雇用管理改善指導等を集中的に行う。
また、月間中の様々な機会をとらえて求人開拓等を実施する。
なお、事業所訪問指導の際に、労働関係・社会保険関係法令違反の疑いがある事案、出入国管理法令違反の疑いがある事案等を把握した場合は、関係機関へ速やかに情報提供を行う。
カ 派遣元事業主及び請負事業主への周知、啓発及び指導
外国人については、日系人を中心に、派遣・請負で就労するものも多いことから、オの訪問事業所の選定に当たっては、派遣元事業主及び請負事業主を中心に行う。
キ 技能実習生受入れ事業主への啓発及び指導
労働局、監督署及び安定所は、技能実習制度に基づいて技能実習生を受け入れている事業主にも、外国人雇用の基本ルールの遵守が求められることや、入国1年目から労働基準法や最低賃金法等の労働関係法令が適用されることについて、関係機関と連携を図りつつ、あらゆる機会を通じて啓発、指導を行う。
また、不適切な解雇等の予防に係る啓発指導を行うほか、安定所においては、関係機関の協力等により、外国人雇用状況届出を行っていない事業主を把握した場合には、厳格に指導を行う。
ク 「外国人雇用サービスセンター」等の活用について
東京・愛知・大阪に置かれた「外国人雇用サービスセンター」及び福岡学生職業センター(以下「外国人センター等」という。)に、留学生を始めとする専門的・技術的分野に係る求人を集約し、外国人センター等を核として、全国の学生職業センターとも連携しながら、全国ネットワークでの情報提供、ビジネス・インターンシップ等の就職支援を行っていることについて、広く周知を行う。
なお、ビジネス・インターンシップの実施に当たっては、我が国を代表する企業の積極的な参加が促進されるよう積極的に周知を行う。
「外国人雇用サービスコーナー」又は「外国人労働者相談コーナー」を設置している労働局、安定所及び監督署においては、その開設場所、業務内容等について積極的に広報活動を行い、これらコーナーについて広く周知するように努める。
