添付一覧
○「住民基本台帳の一部の写しの閲覧及び住民票の写し等の交付並びに戸籍の附票の写しの交付における児童虐待の被害者等の保護のための措置」について
(平成24年9月26日)
(雇児総発0926第1号)
(各都道府県・各指定都市・各児童相談所設置市児童福祉主管部(局)長あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課長通知)
標記の支援措置については、今般、総務省において、ドメスティック・バイオレンス及びストーカー行為等の被害者に加え、児童虐待の被害者等を当該支援措置の対象として明確化することなどを内容とする住民基本台帳事務処理要領(以下「事務処理要領」という。)の一部改正が別添1のとおり行われた。
ついては、平成24年10月1日より下記のとおり運用が開始されるので、御了知の上、児童相談所等の関係機関、管内市町村及び関係団体等に対する周知を図り、対応に遺漏なきを期されたい。
なお、本通知については、総務省自治行政局と協議済みであることを申し添える。
また、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的助言である。
記
1 支援措置の目的
児童虐待等の加害者が住民基本台帳の一部の写しの閲覧(住民基本台帳法(昭和42年法律第81号。以下「法」という。)第11条の2)及び住民票の写し等の交付(法第12条及び第12条の3)並びに戸籍の附票の写しの交付(法第20条)(以下「住民基本台帳の閲覧等」という。)の制度を不当に利用してこれらの被害者の住所を探索することを防止し、もって当該被害者の保護を図ることを目的とする。
2 支援措置の概要
各市町村長が事務を行う住民基本台帳の閲覧等について、児童虐待等の被害者の申出に基づき、加害者からの被害者に係る住民基本台帳の閲覧等の請求は、各条項における要件を満たさない又は「不当な目的」(法第12条第6項)があるものとして閲覧等が拒否される(別紙参照)。また、第三者からの請求については、加害者のなりすましや加害者からの依頼による閲覧等を防止するため、本人確認や請求事由の審査がより厳格に行われる。
なお、本人による住民票の写し等の交付請求については、本人へのなりすましを防止するため、原則として代理人又は郵便等による請求が認められず、対面で本人に交付される。
3 事務処理要領の改正事項
(1) 申出者
本改正において、新たに
① 児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号。以下「児童虐待防止法」という。)第2条に規定する児童虐待を受けた児童である被害者であり、かつ再び児童虐待を受けるおそれがあるもの又は監護等を受けることに支障が生じるおそれがあるもの(事務処理要領第6―10―ア―(ア)―C)
② その他ドメスティック・バイオレンス、ストーカー行為等及び児童虐待に係る申出者に準ずるもの(事務処理要領第6―10―ア―(ア)―D)
が申出者として規定された。
また、①に係る申出者については、児童相談所長又は被害者の監護に当たる児童福祉施設の長、里親若しくはファミリーホーム事業(小規模住居型児童養育事業)を行う者が代理人となることができる旨が規定された。
(2) 相談機関等からの意見の聴取
申出を受け付けた市町村長は、支援の必要性を相談機関等の意見を聞くなどして確認することとしており、新たに想定される相談機関として児童相談所が規定された。
(3) 申出書の様式
本改正に伴い、別添2のとおり「住民基本台帳事務における支援措置申出書」が変更された。
4 支援措置の必要性
児童虐待を受けた児童等については、加害者に居住地を秘匿するため、住居の変更に伴う転居又は転出及び転入の届出ができない場合があり、居住地の市町村に住民票がないことから施設入所中や自立後の単身生活等において必要な公的サービスの受給や契約等の手続に支障が生じることが懸念されていた。
当該支援措置は、これらの届出を行い易くするものであり、児童等の福祉の増進に資するものであることから、児童相談所においては、支援措置が必要と認められる児童等について、適切に申出や意見提出の手続に対応することとされたい。
5 転居又は転出及び転入の届出
支援措置を講じるに当たっては、申出に係る児童等の転居又は転出及び転入に係る届出が適切に行われ、居住地の市町村において住民票が記録されている必要があるが、支援措置の必要があり、届出に保護者の協力を得ることが困難な場合がある。
このような場合、施設入所等の措置に係る児童等(措置延長している18歳以上の未成年者を含む。以下同じ。)については、施設長、里親又はファミリーホーム事業者(以下「施設長等」という。)が児童等の監護に関し必要な措置として転居届(法第23条)又は転出届(法第24条)及び転入届(法第22条)を提出することが考えられ、総務省から、これらの者が代理人として適当である旨の事務連絡が出されていることから、このような届出を要する場合は事前に市町村と相談されたい。
また、意思能力が認められる児童(おおむね15歳以上)であれば本人が届出を行うことができるため、施設入所等の措置がとられていない児童に対しては児童相談所等において手続を教示されたい。
6 事務処理要領第6―10―ア―(ア)―Cに係る手続等
(1) 対象となる申出者
Cの対象となる申出者は、「児童虐待を受けた児童である被害者であり、かつ再び児童虐待を受けるおそれがあるもの又は監護等を受けることに支障が生じるおそれがあるもの」である。「児童虐待を受けた児童である被害者」とは、児童虐待防止法第2条にいう児童虐待を受け、かつ申出の時点において児童である者をいうが、措置延長により施設入所等を継続している場合には、18歳以上の未成年者も含まれる。
また、「再び児童虐待を受けるおそれがあるもの又は監護等を受けることに支障が生じるおそれがあるもの」とは、加害者に住居を知られることにより、加害者から児童虐待防止法第2条に規定する行為を再び受ける又は不当に金品等を要求されるなど生活が脅かされるおそれがあるものなどを想定している。なお、ここでいう「監護等」は、児童等に対する施設長等の監護のほか、児童相談所長による支援も含まれる。
(2) 児童相談所の役割
児童相談所は、施設入所等の措置に係る児童等や自立して生活する児童に支援措置が必要と認められる場合には、当該児童等の代理として支援措置の申出を行うことができる。また、当該児童等が支援措置の対象となる要件を満たしていることについて、当該児童等に対する相談援助の状況を踏まえて支援措置申出書に意見を記載する。
なお、施設入所等の措置に係る児童等については、施設長等が代理して申出ができるほか、自立して生活する児童については、おおむね15歳以上であれば本人も申出ができることから、地理的事情等により児童相談所長が申出を行うことが困難な場合には、施設長等や本人に手続を適切に教示することにより対応することも可能である。
(3) 支援措置の手続
ア 申出
支援措置の申出は、基本的に児童相談所長が代理人となり、児童等が転入し居住する市町村(以下「転入市町村」という。)に対し、「住民基本台帳事務における支援措置申出書」を提出して行う。申出は転入(転居の場合を含む。以下同じ。)の届出と一連に行う必要があることから、施設長等や本人が転入の届出を行う場合は、当該施設長等や本人との調整の上で行う。
転入先の住所は、転入市町村のほか、転出した市町村(以下「転出市町村」という。)、本籍地及び前本籍地の市町村においても住民基本台帳の除票又は戸籍の附票に記録されることから、これらの市町村に対しても支援措置を求める必要があるため、申出書の記載に当たっては、「支援措置を求めるもの」の欄を複数選択することに留意する。この場合、転入市町村から選択した事務に係る市町村に申出書の写しが転送され、転入市町村を経由して申出がなされたものとして扱われる。
イ 事前相談
申出に当たっては、転入の届出と間隙なく支援措置が講じられるよう、あらかじめ転入市町村に、転入の予定と支援措置が必要な旨を連絡し調整を図っておく必要がある。
他方、転出の届出から転出市町村における支援措置が講じられるまでの間を可能な限り短縮する観点から、転入市町村からの申出書の転送を待たず、転出届と同時に住民基本台帳の除票に係る支援措置が講じられることが望ましい。このため、必要に応じて当該支援措置についても転出市町村に相談されたい。
ウ 代理人の取扱い
支援措置の申出は、児童等の代理として児童相談所長又は施設長等が行うことができるが、申出書の提出はこれらの職員において行うことができる。この場合、市町村は申出書を提出した者に対し、申出に係る児童等の監護等をしている事実に係る書類の提示及び職員証等による本人確認を求めることとされている。なお、提示する書類として次のものを求められることが考えられる。
① 児童相談所の職員が申出書を提出する場合
児童相談所長の意見を付した申出書
② 施設職員や里親等が申出書を提出する場合
同申出書及び入所(委託)措置決定通知書の写し
エ 意見提出
児童相談所は、申出に係る児童等に対する相談援助の状況を踏まえ、当該児童等が申出者としての要件を満たし、加害者がその住所を探索する目的で住民基本台帳法上の請求を行うおそれがあることについて、児童相談所長の意見を申出書の相談機関等の意見欄に記載する。
(4) 支援措置の実施
申出書の提出に基づき、転入市町村において支援措置の必要性を確認し、必要が認められた場合に支援措置が開始される。支援措置の開始については申出者(代理の場合は申出書を提出した担当者)に連絡される。
なお、転入市町村からの転送により申出を行った他の市町村においてもそれぞれ支援措置の必要性が確認されるが、この場合、原則として転入市町村において支援の必要性が確認されたことをもって当該市町村においても支援の必要があると取り扱われるため、支援措置が行われない場合に限りその旨が連絡される。
(5) 支援措置の延長
支援措置の期間は支援開始の連絡があった日から1年間であり、支援措置の延長には再度申出書の提出が必要となる。延長の申出は期限到来の1月前から可能であるため、延長を要する場合には適切に手続を行われたい。
7 事務処理要領第6―10―ア―(ア)―Dに係る手続等
(1) 対象となる申出者
Dで対象となる申出者は、「その他AからCに掲げるものに準ずるもの」であり、Cに基づき支援措置を受けていた者で引き続き支援を必要とする者等が想定されている。
(2) 児童相談所の役割
児童相談所は、Cに基づき支援措置を受けていた児童等について、18歳に達した後(措置延長により施設入所等を継続している18歳以上の未成年者の場合は措置の解除後。以下同じ。)も支援措置の継続が必要と認められる場合には、Dに基づき本人が引き続き支援措置を受けるために必要な申出を行うための手続を適切に教示されたい。
Dに係る支援措置についての必要性の確認は、市町村が個別事例に応じて相談機関からの意見聴取や医師の診断書等により行うこととされており、これらの相談機関には、婦人相談所等の行政機関のほか、児童等が入所していた児童福祉施設を運営する社会福祉法人、児童等の権利擁護の活動やシェルターを設置運営する法人、民間被害者支援団体等が想定されている。
このため、児童相談所にあっては、Cに基づき支援措置を受けていた児童等が18歳に達した後もDに基づき引き続き措置を受けることができるよう、適切な相談機関にあらかじめ連絡するなどして調整、連携を図り、円滑に支援措置が継続されるよう配慮されたい。
【別紙】
○住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)(抜粋)
(個人又は法人の申出による住民基本台帳の一部の写しの閲覧)
第11条の2 市町村長は、次に掲げる活動を行うために住民基本台帳の一部の写しを閲覧することが必要である旨の申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、当該申出を行う者(以下この条及び第51条において「申出者」という。)が個人の場合にあつては当該申出者又はその指定する者に、当該申出者が法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この条及び第12条の3第4項において同じ。)の場合にあつては当該法人の役職員又は構成員(他の法人と共同して申出をする場合にあつては、当該他の法人の役職員又は構成員を含む。)で当該法人が指定するものに、その活動に必要な限度において、住民基本台帳の一部の写しを閲覧させることができる。
一 統計調査、世論調査、学術研究その他の調査研究のうち、総務大臣が定める基準に照らして公益性が高いと認められるものの実施
二 公共的団体が行う地域住民の福祉の向上に寄与する活動のうち、公益性が高いと認められるものの実施
三 営利以外の目的で行う居住関係の確認のうち、訴訟の提起その他特別の事情による居住関係の確認として市町村長が定めるものの実施
2~12 略
(本人等の請求による住民票の写し等の交付)
第12条 住民基本台帳に記録されている者は、その者が記録されている住民基本台帳を備える市町村の市町村長に対し、自己又は自己と同一の世帯に属する者に係る住民票の写し(第6条第3項の規定により磁気ディスクをもつて住民票を調製している市町村にあつては、当該住民票に記録されている事項を記載した書類。以下同じ。)又は住民票に記載をした事項に関する証明書(以下「住民票記載事項証明書」という。)の交付を請求することができる。
2~5 略
6 市町村長は、第1項の規定による請求が不当な目的によることが明らかなときは、これを拒むことができる。
7 略
(本人等以外の者の申出による住民票の写し等の交付)
第12条の3 市町村長は、前2条の規定によるもののほか、当該市町村が備える住民基本台帳について、次に掲げる者から、住民票の写しで基礎証明事項(第7条第1号から第3号まで及び第6号から第8号までに掲げる事項をいう。以下この項及び第7項において同じ。)のみが表示されたもの又は住民票記載事項証明書で基礎証明事項に関するものが必要である旨の申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、当該申出をする者に当該住民票の写し又は住民票記載事項証明書を交付することができる。
一 自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために住民票の記載事項を確認する必要がある者
二 国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある者
三 前二号に掲げる者のほか、住民票の記載事項を利用する正当な理由がある者
2~9 略
(戸籍の附票の写しの交付)
第20条 戸籍の附票に記録されている者又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属は、これらの者が記録されている戸籍の附票(第16条第2項の規定により磁気ディスクをもつて戸籍の附票を調製している市町村にあつては、当該戸籍の附票に記録されている事項を記載した書類。以下この条及び第47条において同じ。)を備える市町村の市町村長に対し、これらの者に係る戸籍の附票の写しの交付を請求することができる。
2 略
3 市町村長は、前2項の規定によるもののほか、当該市町村が備える戸籍の附票について、次に掲げる者から、戸籍の附票の写しが必要である旨の申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、当該申出をする者に当該戸籍の附票の写しを交付することができる。
一 自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために戸籍の附票の記載事項を確認する必要がある者
二 国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある者
三 前2号に掲げる者のほか、戸籍の附票の記載事項を利用する正当な理由がある者
4 市町村長は、前三項の規定によるもののほか、当該市町村が備える戸籍の附票について、第12条の3第3項に規定する特定事務受任者から、受任している事件又は事務の依頼者が前項各号に掲げる者に該当することを理由として、戸籍の附票の写しが必要である旨の申出があり、かつ、当該申出を相当と認めるときは、当該特定事務受任者に当該戸籍の附票の写しを交付することができる。
5 第12条第2項から第4項まで、第6項及び第7項の規定は第1項の請求について、第12条の2第2項、第3項及び第5項の規定は第2項の請求について、第12条の3第4項から第6項まで及び第9項の規定は前2項の申出について、それぞれ準用する。この場合において、これらの規定中「総務省令」とあるのは「総務省令・法務省令」と、第12条第7項及び第12条の2第5項中「同項に規定する住民票の写し又は住民票記載事項証明書」とあり、並びに第12条の3第4項第4号及び第9項中「第1項に規定する住民票の写し又は住民票記載事項証明書」とあるのは「第20条第1項に規定する戸籍の附票の写し」と読み替えるものとする。
【別添1】
○住民基本台帳事務処理要領の一部改正について(通知)
(平成24年9月26日)
(/総行住第88号/法務省民一第2441号/)
(各都道府県知事あて総務省自治行政局長・法務省民事局長通知)
ドメスティック・バイオレンス及びストーカー行為等の被害者を保護するため、住民基本台帳事務処理要領(昭和42年自治振第150号等自治省行政局長等から各都道府県知事あて通知)の一部を下記のとおり改正することとしましたので、貴職におかれては、下記事項に御留意の上、貴都道府県内の市区町村に周知くださるようお願いいたします。
なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項に基づく技術的助言であることを申し添えます。
記
第1 住民基本台帳事務処理要領の一部改正
住民基本台帳事務処理要領の一部を別添の新旧対照表のように改正する。
第2 実施期日
本通知は、平成24年10月1日から実施する。
[別添]
【別添2】
○ドメスティック・バイオレンス、ストーカー行為等の被害者の保護のための措置に係る支援措置申出書の様式の変更と児童虐待等の被害者の支援措置の実施に関する留意点について
(平成24年9月26日)
(総行住第89号)
(各都道府県住民基本台帳担当部長あて総務省自治行政局住民制度課長通知)
ドメスティック・バイオレンス及びストーカー行為等の被害者の保護を図るため、住民基本台帳の一部の写しの閲覧及び住民票の写し等の交付に関する省令(昭和60年自治省令第28号)、戸籍の附票の写しの交付に関する省令(昭和60年法務省・自治省令第1号)及び住民基本台帳事務処理要領(昭和42年10月4日付け自治振第150号等自治省行政局長等から各都道府県知事あて通知。以下「事務処理要領」という。)の一部改正が行われ、平成16年7月1日以降、各市町村において必要な支援措置が実施されているところです。
今般、ドメスティック・バイオレンス及びストーカー行為等に加え、児童虐待、その他これらに準ずる行為を明示的に追加するため、事務処理要領の一部改正(平成24年9月26日付け総行住第88号・法務省民一第2441号総務省自治行政局長及び法務省民事局長から各都道府県知事あて通知)に合わせ、「ドメスティック・バイオレンス及びストーカー行為等の被害者の保護のための措置に係る支援措置申出書の様式の変更と留意点について」(平成18年10月4日付け総行市第136号総務省自治行政局市町村課長から各都道府県総務部長あて通知)(以下、「平成18年通知」という。)中別紙支援措置申出書の様式の一部を変更するとともに、児童虐待等の被害者の支援措置の実施に関する留意点を下記のとおり通知します。
貴職におかれては、この内容を承知の上、貴都道府県内の市町村に周知されるようお願いします。
なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項に基づく技術的助言であることを申し添えます。
記
1 支援措置申出書の様式の変更
平成18年通知中別紙を別紙のとおり変更する。
2 留意点
(1) 事務処理要領第6―10―ア―(ア)―Cについて
児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号)は、児童(18歳未満)のみを対象としていますが、今回の保護のための措置は、児童虐待を受けた児童のほか、18歳以上であって児童福祉施設に入所等(里親、ファミリーホーム事業者への委託を含む。)している者も対象となります。また、これらについては、事務処理要領第6―10―ア―(オ)の児童相談所長等が申出者の代理人となり、児童相談所長が申出書の意見記入者になることが想定されますので、児童相談所に相談していない申出があった場合は、相談を促した上で、措置の必要性を確認することが適当と考えます。
(2) 事務処理要領第6―10―ア―(ア)―Dについて
既に「ドメスティック・バイオレンス及びストーカー行為等の被害者の保護のための措置に係る質疑応答について」(平成16年5月31日付け総行市第218号総務省自治行政局市町村課長から各都道府県総務部長あて通知)問6により、個別の市町村長の判断により、事務処理要領に掲げる者以外に支援措置を講ずることは差し支えないものとされていますが、今回、市町村長が適切に支援措置を講じ得るよう、このことを明示するものです。
例えば、交際相手から暴力を受けているケース、事務処理要領第6―10―ア―(ア)―Cに該当する児童が、18歳に達した後も引き続き支援を必要とするケース、18歳に達するまでに児童虐待が顕在化しなかったケース、その他児童ではない者が虐待を受けているケースなどが想定されますが、いずれの機関にも相談をしていない申出があった場合には、最寄りの相談機関への相談を促すことも考えられます。
しかし、上記(1)等とは異なり、必ずしも措置の必要性を確認するための相談機関が明確ではない場合もありますので、市町村においては、個別のケースに応じ、都道府県公安委員会が指定する「犯罪被害者等早期援助団体」を始めとした民間被害者支援団体等、未成年者が入所していた児童福祉施設を運営する社会福祉法人、未成年者の権利擁護の活動を行う法人、未成年者のシェルター(緊急一時避難所)を設置運営する法人等からの意見等の聴取、精神科等の医師による診断書等により措置の必要性を確認しても差し支えないものと考えます。
(3) 事務処理要領第6―10―イ―(ア)について
児童虐待関係で支援措置の求めがあり、事務処理要領第6―10―イ―(ア)に基づき、同ア―(ア)―Cに掲げる者に該当するか等について確認する場合、児童相談所長に対し、意見の聴取等を求めることが適当と考えられます。また、支援措置を求め市町村の事務所へ出頭する者が同ア―(オ)に基づく代理人である場合も同様と考えます。
(別紙)
(参考)