添付一覧
○狂犬病予防法施行規則の一部を改正する省令の施行等について
(平成19年3月2日)
(健感発第0302001号)
(各都道府県・各政令市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省健康局結核感染症課長通知)
狂犬病予防法施行規則の一部を改正する省令(平成19年厚生労働省令第17号)が平成19年3月2日に公布され、同年4月1日付で施行されることとなった。省令改正の趣旨、概要及び留意事項、並びに犬の登録、予防注射等の推進については下記のとおりであるので、貴職におかれては、関係機関等(都道府県にあっては管下の市町村を含む)へ周知を図るとともに、その趣旨を踏まえ必要な対応に遺漏なきようにされたい。
なお、本通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項に規定する技術的な助言である。
記
第1 改正の趣旨
現状の飼い犬を巡る社会的環境の変化等を踏まえ、より一層の犬の鑑札及び注射済票の装着のための便宜を図り、狂犬病予防対策の円滑な実施を目的として、今般、狂犬病予防法施行規則(昭和25年厚生省令第52号。以下「規則」という。)第5条に基づく鑑札及び同規則第12条第3項に基づく注射済票を小型犬も装着可能な大きさとするとともに、一定の条件を満たした場合には市区町村長が独自の型を定めることができるようにする特例規定を設けたものである。
第2 改正の概要
1 規則第5条に定める鑑札の内容等について、次の条件を満たすものとすること。
(1) 耐久性のある材料で造られ、首輪、胴輪等の犬が着用するものに付着できること。
(2) 次に掲げる事項を記載すること。
「犬鑑札」の文字、登録番号、都道府県名又は都道府県名が特定できる文字等(政令市又は特別区においては不要。以下2(2)について同じ。)、市町村名又は特別区名、若しくは市町村名又は特別区名が特定できる文字等
(3) 「犬鑑札」の表示は12ポイント以上の活字とすること。
(4) 形状は、次のいずれかとし、大きさは縦横の比率を維持した上でこれ以上のものとすること。
(5) (1)~(3)までの条件を満たす場合には、市町村長又は特別区長が独自にその形状を規定することができること。
(6) 市町村長(政令市を除く。2(2)及び2(6)を除き以下同じ。)は、鑑札を定めた場合、当該市町村を所管する都道府県知事に通知しなければならないこと。
2 規則第12条第3項に定める注射済票の内容等について、次の条件を満たすものとすること。
(1) 耐久性のある材料で造り、首輪、胴輪、鑑札等の犬が着用するものに付着できること。
(2) 次に掲げる事項を記載していること。
「注射済」の文字、注射実施年度、都道府県名又は都道府県名が特定できる文字等、市町村名又は特別区名、若しくは市町村名又は特別区名が特定できる文字等
(3) 「注射済」の表示は8ポイント以上の活字とすること。
(4) 色は、平成19年度は黄、平成20年度は赤、平成21年度は青とし、その後はこれを順次繰り返すものとすること。
(5) 形状は、次のいずれかとし、大きさは縦横の比率を維持した上でこれ以上のものとすること。
(6) (1)~(4)までの条件を満たす場合には、市町村長又は特別区長が独自にその形状を規定することができること。
(7) 市町村長は、注射済票を定めた場合、当該市町村を所管する都道府県知事に通知しなければならないこと。
第3 施行期日等
平成19年4月1日。ただし、平成22年3月31日まで経過措置として既存の様式を使用できること。
第4 留意事項
1 法令の遵守
今般の鑑札及び注射済票の様式の変更については、狂犬病予防法(昭和25年法律第247号。以下「法」という。)第4条に基づく鑑札の装着義務及び法第5条に基づく注射済票の装着義務の遵守により、結果として都道府県等が実施する法第6条に基づく抑留業務の全てが円滑に実施されることを目的としていることから、関係自治体間並びに獣医師会とも緊密に連携をとり、適正に法令が遵守されるため必要な対策を講じること。
2 鑑札及び注射済票の形状等について
鑑札及び注射済票の形状等については、以下の点に留意すること。
(1) 鑑札についてはその交付が一頭につき一度であることに鑑み、犬の寿命を考慮した耐久性を持たせること。
(2) 装着している犬や触れる人を傷つけないための措置がなされること。
(3) 注射済票については鑑札の裏面等に貼付することができる形状も含まれるものであること。
(4) 記載事項が確認されやすいよう、字体、字の大きさ及びその色について工夫すること。なお、鑑札については「犬鑑札」の文字を他の文字より大きく表示すること。
(5) 犬の大きさ等に応じ適正な大きさとなるよう、複数の大きさの鑑札及び注射済票を用意することが望ましいこと。
(6) 鑑札及び注射済票申請に当たっては、全ての所有者に申請義務があることから、手数料が過度に高額なものとならないようにすること。
3 鑑札等を定めたときの通知等について
都道府県における抑留業務が円滑に運用されるため、規則に基づき市町村長は鑑札及び注射済票を定めた場合、遅滞なく当該市町村が所在する都道府県に通知するものであること。政令市長及び特別区長が鑑札及び注射済票を定めた場合にも、当該市長及び区長はその所在する都道府県にその情報を提供することが望ましいこと。
また、当該内容については、住民に広く周知を図ること。
都道府県及び政令市等においては、鑑札又は注射済票が定められた旨の通知等を受けた場合には、狂犬病予防員の当該鑑札及び注射済票の早期把握に努めるとともに、犬の行動範囲も考慮し、必要な都道府県等に対し当該内容について周知を図ること。
なお、各自治体における鑑札等の決定の状況等を把握するため、当職あて情報を提供されたい。
第5 犬の登録及び予防注射等の推進について
1 都道府県と市町村の連携について
都道府県と市町村の役割分担及び連携については、「狂犬病予防法に基づく犬の登録等の徹底について」(平成14年6月11日付け本職通知)により要請しているところであるが、先般の都道府県担当課へのアンケート調査の結果から、通知を踏まえた対応が不十分と思われる都道府県も散見されたことから、通知の趣旨も踏まえ、管内の市町村と連絡会議を行うなど、十分な連携を図られたい。
2 登録事務について
国内の飼い犬の登録率の向上のためには、犬の所有者の登録行為が円滑かつ効果的に行われることが重要である。このため、従来の政令市、市町村及び特別区の窓口における登録、及び集合注射会場における登録の他、動物病院における事務の代行等の方法も考えられることから、これら種々の登録推進のための方法について検討されたい。なお、法第4条は、90日齢以下の犬の登録を否定するものではないので、適切に対応されたい。
3 抑留犬の返還について
抑留犬については、法第6条第8項に基づく市町村における公示のみならず、都道府県や市町村のホームページ等を積極的に活用し、抑留犬の特徴などの周知に努めること。また、管内の市町村における犬の登録状況等の情報や隣接する都道府県等における抑留犬の情報については、円滑な抑留及び返還業務に有用であることから、個人情報保護条例との整合性に十分配慮した上で、都道府県においても把握することが望ましいこと。
また、抑留犬によってはマイクロチップ等の個体識別措置が講じられている場合にも留意し、個体識別番号等が確認できる場合には、動物愛護部局等と連携し所有者への当該犬の返還に努めること。
4 獣医師会との連携について
都道府県等においては、飼い犬の登録率及び予防注射の接種率の向上のため、法第4条に基づく登録業務及び第5条に基づく予防注射業務に当たり、都道府県等と管下の市町村並びに獣医師会が綿密な連携をとり、その円滑な実施及び推進に努められたい。また、鑑札及び注射済票の装着がなされていない犬の所有者への装着義務遵守の働きかけ等について、獣医師に対し、協力を依頼するなどにより、狂犬病対策の推進に努められたいこと。
5 普及・啓発について
厚生労働科学研究班の実施した狂犬病に関する意識調査の結果では、犬の所有者においても狂犬病予防法に基づく所有者の義務等に関する正しい知識が普及されているとは言い難い状況があることから、ホームページやパンフレットを活用し、住民への周知を図るとともに、都道府県においては登録及び予防注射の事務を行う市町村担当者に対しても、研修等により必要な知識の普及に努められたいこと。
なお、普及・啓発に当たっては、獣医師会や動物関係の団体など関係機関の幅広い協力も必要であるため、積極的に働きかけることが重要であること。
参考:厚生労働省健康局結核感染症課ホームページ
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/index.html
動物由来感染症を知っていますかホームページ
http://www.forth.go.jp/mhlw/animal/
国立感染症研究所ホームページ
http://www.nih.go.jp/niid/index.html
6 訓練等の実施について
狂犬病の発生時に適切な対応をとるため、都道府県等での対応マニュアル等の策定の他、これに基づく机上訓練又は実地訓練を行うことにより、関係者間の連絡・情報共有体制及び意思決定過程の確認、関係部局及び管轄市町村の担当者の対応能力の向上、対応手順や施策内容の確認及び関係者への周知を行うことが望ましいこと。
7 その他
登録及び予防注射は所有者の義務として規定されており、第一義的には法遵守を強く指導することが重要であるが、改善が見られない場合には、当該義務違反には罰則の適用もあることから、告発をするのが適当な場合も考えられること。なお、必要に応じて、当職にも適宜相談されたい。
