○「医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令の施行について」の一部改正について
(平成24年3月29日)
(医政発0329第22号)
(各都道府県知事あて厚生労働省医政局長通知)
「医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令」(平成14年厚生労働省令第158号)の施行については、「医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令の施行について」(平成15年6月12日付け医政発第0612004号。以下「施行通知」という。)により通知しているところであるが、今般、別添のとおり施行通知の一部を改正し、平成24年4月1日より施行することとしたので、貴職におかれても、改正の内容について御了知の上、貴管内の保健所設置市、特別区、医療機関、関係団体等に対して周知方願いたい。
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○医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令の施行について
(平成15年6月12日)
(医政発第0612004号)
(各都道府県知事あて厚生労働省医政局長通知)
改正 平成17年 2月 8日
同 17年10月21日
同 18年 3月22日
同 19年 3月30日
同 20年 3月26日
同 21年 5月11日
同 22年 4月14日
同 23年 3月24日
同 24年 3月29日
医師の臨床研修については、医療法等の一部を改正する法律(平成12年法律第141号。以下「改正法」という。)による医師法(昭和23年法律第201号。以下「法」という。)の一部改正により、インターン制度が廃止されて以来36年ぶりに抜本的な改革が行われることとなった。すなわち、診療に従事しようとするすべての医師は、臨床研修を受けなければならないこととされ、また、これに併せて、臨床研修の内容の検討を進め、医師が、適切な指導体制の下で、医師としての人格をかん養し、プライマリ・ケアを中心に幅広く医師として必要な診療能力を効果的に身に付けることができるものとすることとされたところである。これを踏まえ、平成14年12月11日に、医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令(平成14年厚生労働省令第158号。以下「臨床研修省令」という。)が公布・施行され、また、その後の検討を受けて、平成15年6月12日に、医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令の一部を改正する省令(平成15年厚生労働省令第105号。以下「改正省令」という。)が公布・施行され、下記のとおり、新たな臨床研修制度が定められたところである。また、本制度の円滑な実施を図るため、地方厚生局において、臨床研修病院、大学病院、医療関係団体等の参加を得て連絡協議会を設置することとしている。
新たな臨床研修制度は、医師が、医師としての基盤形成の時期に、患者を全人的に診ることができる基本的な診療能力を修得することにより、医師としての資質の向上を図ることを目的としており、地域の医療提供体制の整備に当たっても、重要な役割を果たすことが期待されるものである。ついては、貴職におかれても、臨床研修省令の趣旨、内容等について御了知の上、貴管内の保健所設置市、特別区、医療機関、関係団体等に対して周知に努めるとともに、地方厚生局において設置する連絡協議会に参加するなど、新たな臨床研修制度の円滑な実施に御協力をお願いする。
記
第1 臨床研修省令の趣旨
法第16条の2第1項に規定する臨床研修については、改正法による法の一部改正により、平成16年4月1日から、診療に従事しようとするすべての医師に義務付けられるところであるが、臨床研修省令は、法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関して、臨床研修の基本理念、臨床研修病院の指定の基準等を定めるものであること。
なお、改正法附則第8条(臨床研修修了医師の登録に係る経過措置)の規定により、同日前に医師免許を受けている者及び同日前に医師免許の申請を行った者であって同日以後に医師免許を受けたものは、改正法による改正後の法第16条の4第1項の規定による臨床研修修了者の登録を受けた者とみなされること。
第2 臨床研修省令の内容及び具体的な運用基準
1 用語の定義
(1) 「臨床研修」
法第16条の2第1項に規定する臨床研修をいうものであること。
(2) 「臨床研修病院」
法第16条の2第1項の指定を受けた病院をいうものであること。
(3)「基幹型臨床研修病院」
臨床研修病院のうち、他の病院又は診療所と共同して臨床研修を行う病院であって、当該臨床研修の管理を行うものをいうものであること。
(4) 「協力型臨床研修病院」
臨床研修病院のうち、他の病院と共同して臨床研修を行う病院であって、基幹型臨床研修病院でないものをいうものであること。
(5) 「研修協力施設」
臨床研修病院と共同して臨床研修を行う施設であって、臨床研修病院及び医学を履修する課程を置く大学に附属する病院以外のものをいうものであること。以下「臨床研修協力施設」という。
なお、臨床研修協力施設としては、例えば、へき地・離島診療所、中小病院・診療所、保健所、介護老人保健施設、社会福祉施設、赤十字社血液センター、各種検診・健診の実施施設等が考えられること。
(6) 「臨床研修病院群」
共同して臨床研修を行う基幹型臨床研修病院及び協力型臨床研修病院をいうものであること。臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行う場合にあっては、臨床研修協力施設も臨床研修病院群に含まれること。
(7) 「大学病院」
医学を履修する課程を置く大学に附属する病院をいうものであること。
(8) 「研修管理委員会」
臨床研修を行う病院において臨床研修の実施を統括管理する機関をいうものであること。
なお、研修管理委員会は基幹型臨床研修病院等、臨床研修を管理する病院に設置されること。
(9) 「研修プログラム」
臨床研修の実施に関する計画をいうものであること。
(10) 「プログラム責任者」
研修プログラムの企画立案及び実施の管理並びに研修医に対する助言、指導その他の援助を行う者をいうものであること。
(11) 「研修実施責任者」
協力型臨床研修病院又は臨床研修協力施設において、当該施設における臨床研修の実施を管理する者をいうものであること。
なお、研修実施責任者は、プログラム責任者及び臨床研修指導医を兼務しても差し支えないこと。
(12) 「臨床研修指導医」
研修医に対する指導を行う医師をいうものであること。以下「指導医」という。
(13) 「研修医」
臨床研修を受けている医師をいうものであること。
(14) 「臨床病理検討会」
個別の症例(剖検例)について病理学的見地から検討を行うための会合(Clinicopathological Conference:CPC)をいうものであること。
(15) 「研修期間」
臨床研修を行っている期間をいうものであること。
2 臨床研修の基本理念
医師については、単に専門分野の負傷又は疾病を治療するのみでなく、患者の健康と負傷又は疾病を全人的に診ることが期待され、医師と患者及びその家族との間での十分なコミュニケーションの下に総合的な診療を行うことが求められていること。また、医療の社会的重要性及び公共性を考えると、臨床研修は、医師個人の技術の向上を超えて、社会にとって必要性の高いものであること。
このため、臨床研修については、医師が、医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、プライマリ・ケアの基本的な診療能力(態度・技能・知識)を身に付けることのできるものでなければならないこと。
3 臨床研修病院の指定
(1) 法第16条の2第1項の指定は、次に掲げる区分に応じて行うこと。
ア 基幹型臨床研修病院
イ 協力型臨床研修病院
(2) 基幹型臨床研修病院及び協力型臨床研修病院は、それぞれ他の区分の臨床研修病院となることができること。
4 臨床研修病院の指定の申請
(1) 基幹型臨床研修病院の指定の申請
ア 基幹型臨床研修病院の指定を受けようとする病院の開設者は、臨床研修を開始しようとする年度の前年度の6月30日までに、当該病院に関する指定申請書(様式1)を厚生労働大臣に提出しなければならないこと。
イ 指定申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならないこと。
(ア) 当該指定に係るすべての研修プログラム
(イ) プログラム責任者履歴書(様式2)
(ウ) 当該病院の研修医名簿(様式3)
(エ) 臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行おうとする場合にあっては、臨床研修協力施設となる施設に係る臨床研修協力施設概況表(様式4)及び臨床研修協力施設承諾書(様式5)
(オ) 当該指定に係る臨床研修病院群を構成することとなる関係施設相互間の連携体制を記載した書類(様式6)
ウ 基幹型臨床研修病院の指定を受けようとする病院の開設者は、当該病院に関する指定申請書及び添付書類と、協力型臨床研修病院として共同して臨床研修を行うこととなる病院に関する指定申請書及び添付書類とを、一括して当該基幹型臨床研修病院の所在地を管轄する地方厚生局健康福祉部医事課あてに送付すること。
(2) 協力型臨床研修病院の指定の申請
協力型臨床研修病院の指定を受けようとする病院の開設者は、臨床研修を開始しようとする年度の前年度の6月30日までに、当該病院に関する指定申請書(様式1)を、基幹型臨床研修病院として共同して臨床研修を行うこととなる病院の開設者を経由して厚生労働大臣に提出しなければならないこと。
5 臨床研修病院の指定の基準
(1) 基幹型臨床研修病院の指定の基準
厚生労働大臣は、基幹型臨床研修病院の指定を受けようとする病院の開設者から指定の申請があった場合において、当該病院が次に掲げる事項に適合していると認めるときでなければ、基幹型臨床研修病院の指定をしてはならないこと。
ア 臨床研修省令第2条に規定する臨床研修の基本理念にのっとった研修プログラムを有していること。
(ア) 研修プログラムには、次に掲げる事項が定められていること。
① 当該研修プログラムの特色
② 臨床研修の目標
「臨床研修の目標」は、「臨床研修の到達目標」(別添1)を参考にして、臨床研修病院が当該研修プログラムにおいて研修医の到達すべき目標として作成するものであり、「臨床研修の到達目標」を達成できる内容であること。
③ プログラム責任者の氏名
④ 臨床研修を行う分野並びに当該分野ごとの研修期間及び臨床研修病院又は臨床研修協力施設
「臨床研修を行う分野」とは、当該研修プログラムにおいて研修医が臨床研修を受ける診療科等をいうものであること。内科、救急部門、地域医療を「必修科目」とし、外科、麻酔科、小児科、産婦人科及び精神科を「選択必修科目」とすること。
⑤ 研修医の指導体制
⑥ 研修医の募集定員並びに募集及び採用の方法
⑦ 研修医の処遇に関する事項
次に掲げる事項をいうものであること。
(i) 常勤又は非常勤の別
(ii) 研修手当、勤務時間及び休暇に関する事項
(iii) 時間外勤務及び当直に関する事項
(iv) 研修医のための宿舎及び病院内の個室の有無
(v) 社会保険・労働保険(公的医療保険、公的年金保険、労働者災害補償保険、雇用保険)に関する事項
(vi) 健康管理に関する事項
(vii) 医師賠償責任保険に関する事項
(viii) 外部の研修活動に関する事項(学会、研究会等への参加の可否及び費用負担の有無)
(イ) 原則として、研修期間全体の8月以上は、基幹型臨床研修病院で研修を行うものであること。
(ウ) 協力型臨床研修病院と共同して臨床研修を行う場合にあっては、協力型臨床研修病院の名称、協力型臨床研修病院が行う研修の内容及び期間並びに研修実施責任者及び指導医の氏名が研修プログラムに明示されていること。
(エ) 臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行う場合にあっては、臨床研修協力施設の種別及び名称、臨床研修協力施設が行う研修の内容及び期間並びに研修実施責任者及び研修医の指導を行う者の氏名が研修プログラムに明示されていること。
(オ) 研修プログラムに定められた臨床研修を行う分野並びに当該分野ごとの研修期間及び臨床研修病院又は臨床研修協力施設が次に掲げる事項を満たすものであること。
① 研修期間は、原則として合計2年以上とすること。
② 臨床研修を行う分野及び当該分野ごとの研修期間は、研修医の将来のキャリア等に円滑につながるよう、臨床研修病院の実情及び研修プログラムの特色を考慮して定めること。必修科目の全て及び5つの選択必修科目のうちの2つの診療科については、必ず臨床研修を行うこと。
③ 原則として、当初の12月の間に内科及び救急部門を研修し、次の12月の間に地域医療を研修すること。なお、研修開始時に研修医の将来のキャリアを考慮した診療科の研修を一定期間行った後に、必修の診療科の研修を開始することもできること。
④ 原則として、内科においては6月以上、救急部門においては3月以上、地域医療においては1月以上の研修を行うこと。
⑤ 選択必修科目の各診療科については、研修医の希望に応じていずれの診療科の研修も確実に実施できるよう、各診療科において到達目標の達成に必要な研修を行う体制を確保すること。あわせて、臨床研修病院の判断で適切な研修期間を設定すること。なお、臨床研修病院の判断で、各研修プログラムにおいて、選択必修科目の全部または一部を必ず研修する診療科目として扱うこともできること。
⑥ 必修科目及び選択必修科目以外の研修期間は、研修医が積極的に研修プログラムを選択し、臨床研修に取り組むことができるよう、地域や病院の特色をいかし、更に臨床研修を充実させるために活用すること。
⑦ 臨床研修を行う分野ごとの研修期間は、①から⑥までを踏まえて多様に設定するものであるが、研修プログラムの特色や指導体制等各病院における体制によっては、例えば、当初の12月について、内科において6月の研修、救急部門において3月の研修を行うこととし、選択必修科目のうち2つの診療科において3月の研修の後、次の12月について、地域医療において1月の研修を行った後に、将来専門とする診療科に関連した診療科を中心に研修を行うことが考えられること。また、当初の12月について、まず、将来専門としたい診療科で3月の研修を行った後に、内科において6月の研修、救急部門において3月の研修を行うこととし、次の12月について、地域医療において1月の研修、選択必修の診療科のうち2つの診療科において一定の期間の研修を行った後に、残りの期間を将来専門としたい診療科において研修を行うこと、もしくは、当初の12月について、内科において6月の研修、救急部門及び外科においてそれぞれ3月の研修を行うこととし、次の12月について、地域医療を3月行った後、麻酔科、小児科、産婦人科、精神科のうち、3つの診療科においてそれぞれ3月の研修を行うことなども考えられること。
⑧ 救急部門については、救急部(救急部がない場合には救急外来)等を適切に経験させることにより対応すること。
⑨ 総合診療科等、臨床研修を行う診療科の名称が必修科目又は選択必修科目の診療科等の名称と異なる場合であっても、当該診療科における研修内容が必修科目又は選択必修科目のいずれかの診療科等の研修内容と同じものであるときには、研修内容に応じて、当該診療科における研修期間を、相当する必修科目又は選択必修科目の診療科等の研修期間として差し支えないこと。
⑩ 地域医療については、適切な指導体制の下で、患者が営む日常生活や居住する地域の特性に即した医療(在宅医療を含む)について理解し、実践するという考え方に基づいて、へき地・離島診療所、中小病院・診療所等を適宜選択して研修を行うこと。また、研修を行う病院又は診療所については、各都道府県に設置されている地域医療対策協議会や、関係する地方公共団体の意向を踏まえるなど、地域の実情に応じて選定するよう配慮すること。
⑪ 臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行う場合には、原則として、臨床研修協力施設における研修期間を合計3月以内とすること。ただし、地域医療に対する配慮から、へき地・離島診療所等における研修期間についてはこの限りでないこと。
(カ) 研修医の募集定員が20人以上の基幹型臨床研修病院は、将来小児科医になることを希望する研修医を対象とした研修プログラム及び将来産科医になることを希望する研修医を対象とした研修プログラム(募集定員各2人以上)を必ず設けること。
イ 医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第19条第1項第1号に規定する員数の医師を有していること。
医師数については、「医療法第21条の規定に基づく人員の算出に当たっての取扱い等について」(平成10年6月26日付け健政発第777号、医薬発第574号)に定める常勤換算により算出された医師(研修医を含む。)の数をいうものであること。
ウ 臨床研修を行うために必要な診療科を置いていること。
「臨床研修を行うために必要な診療科を置いていること」とは、当該病院と協力型臨床研修病院の診療科とを合わせて、原則として、内科、外科、小児科、産婦人科及び精神科の診療科を標ぼうしていることをいうものであること。
エ 救急医療を提供していること。
「救急医療を提供していること」とは、救急告示病院又は医療計画上、初期救急医療機関、第二次救急医療機関若しくは第三次救急医療機関として位置付けられている病院であって、初期救急医療を実施しており、適切な指導体制の下に救急医療に係る十分な症例が確保できるものであることをいうこと。
オ 臨床研修を行うために必要な症例があること。
「臨床研修を行うために必要な症例があること」とは、「臨床研修の到達目標」を達成するために必要な症例が確保されていることをいうものであること。入院患者の数については、年間3,000人以上であること。
また、各診療科での研修に必要な症例については、当該病院と協力型臨床研修病院及び臨床研修協力施設の症例と合わせて必要な症例があること。例えば、救急部門を研修する病院にあっては救急患者の取扱件数が年間5,000件以上、内科、外科、小児科、産婦人科及び精神科については、年間入院患者数100人(外科にあっては研修医1人あたり50人以上)、産婦人科を研修する病院の分娩数については年間350件又は研修医1人あたり10件以上が望ましいこと。
カ 臨床病理検討会(CPC)を適切に開催していること。
キ 臨床研修の実施に関し必要な施設及び設備を有していること。ただし、共同して臨床研修を行う臨床研修協力施設が医療機関である場合にあっては、当該病院及び臨床研修協力施設が、それぞれの担当する臨床研修の実施に関し必要な施設及び設備を有していること。
「臨床研修の実施に関し必要な施設及び設備を有していること」とは、臨床研修の実施に関し必要な施設のほか、臨床研修に必要な図書又は雑誌を有しており、また、原則として、インターネットが利用できる環境(Medline等の文献データベース、教育用コンテンツ等が利用できる環境)が整備されていることをいうものであること。さらに、次に掲げる施設及び設備を備えていることが望ましいこと。
(ア) 研修医のための宿舎及び研修医室
(イ) 医学教育用シミュレーター(切開及び縫合、直腸診、乳房診、二次救命処置(Advanced Cardiovascular Life Support:ACLS)、心音又は呼吸音の聴診等の訓練用機材)、医学教育用ビデオ等の機材
ク 患者の病歴に関する情報を適切に管理していること。
「患者の病歴に関する情報を適切に管理していること」とは、病歴管理者が選任されており、診療に関する諸記録(診療録、病院日誌、各科診療日誌、処方せん、手術記録、看護記録、検査所見記録、エックス線写真、紹介状、退院した患者に係る入院期間中の診療経過の要約等)の管理が適正になされていることをいうものであること。
ケ 医療に関する安全管理のための体制を確保していること。
「医療に関する安全管理のための体制を確保していること」とは、医療法施行規則第1条の11第1項及び第2項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を満たすことをいうものであること。
(ア) 医療に係る安全管理を行う者(以下「安全管理者」という。)を配置すること。
安全管理者とは、当該病院における医療に係る安全管理を行う部門(以下「安全管理部門」という。)の業務に関する企画立案及び評価、当該病院内における医療安全に関する職員の安全管理に関する意識の向上や指導等の業務を行うものであり、次に掲げる基準を満たす必要があること。
① 医師、歯科医師、薬剤師又は看護師のうちのいずれかの資格を有していること。
② 医療安全に関する必要な知識を有していること。
③ 当該病院の安全管理部門に所属していること。
④ 当該病院の医療に係る安全管理のための委員会(以下「安全管理委員会」という。)の構成員に含まれていること。
(イ) 安全管理部門を設置すること。
安全管理部門とは、安全管理者及びその他必要な職員で構成され、安全管理委員会で決定された方針に基づき、組織横断的に当該病院内の安全管理を担う部門であって、次に掲げる業務を行うものであること。
① 安全管理委員会で用いられる資料及び議事録の作成及び保存、その他安全管理委員会の庶務に関すること。
② 事故等に関する診療録や看護記録等への記載が正確かつ十分になされていることの確認を行うとともに、必要な指導を行うこと。
③ 患者や家族への説明など事故発生時の対応状況について確認を行うとともに、必要な指導を行うこと。
④ 事故等の原因究明が適切に実施されていることを確認するとともに、必要な指導を行うこと。
⑤ 医療安全に係る連絡調整に関すること。
⑥ 医療安全対策の推進に関すること。
(ウ) 患者からの相談に適切に応じる体制を確保すること。
「患者からの相談に適切に応じる体制を確保すること」とは、当該病院内に患者相談窓口を常設し、患者等からの苦情や相談に応じられる体制を確保するものであり、次に掲げる基準を満たす必要があること。また、これらの苦情や相談は当該病院の安全対策等の見直しにも活用されるものであること。
① 患者相談窓口の活動の趣旨、設置場所、担当者及びその責任者、対応時間等について、患者等に明示されていること。
② 患者相談窓口の活動に関し、相談に対応する職員、相談後の取扱い、相談情報の秘密保護、管理者への報告等に関する規約が整備されていること。
③ 患者や家族等が相談を行うことにより不利益を受けないよう、適切な配慮がなされていること。
コ 研修管理委員会を設置していること。
研修管理委員会は、6(1)を満たすものであること。
サ プログラム責任者を適切に配置していること。
「プログラム責任者を適切に配置していること」とは、当該病院又は協力型臨床研修病院のいずれかにおいて、6(3)を満たしたプログラム責任者が、研修プログラムごとに配置されていることをいうものであること。ただし、20人以上の研修医が一つの研修プログラムに基づいて臨床研修を受ける場合には、原則として、プログラム責任者とともに、副プログラム責任者を配置し、プログラム責任者及び副プログラム責任者の受け持つ研修医の数が1人当たり20人を超えないようにすること。
シ 適切な指導体制を有していること。ただし、臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行う場合にあっては、臨床研修病院群における指導体制が適切なものであること。
(ア) 「適切な指導体制を有していること」とは、後述する6(4)を満たした指導医が、原則として、内科、外科、小児科、産婦人科及び精神科の診療科に配置されており、個々の指導医が、勤務体制上指導時間を十分に確保できることをいうものであること。指導にあたっては、研修医5人に対して指導医が1人以上配置されていること。また、指導医は研修医に対する指導に関する責任者又は管理者の立場にあるものであり、指導医が研修医を直接指導することだけでなく、指導医の指導監督の下、上級医(研修医よりも臨床経験の長い医師をいう。以下同じ)が研修医を直接指導すること(いわゆる「屋根瓦方式」)も想定していること。その他の研修分野についても、適切な指導力を有している者が、研修医の指導に当たること。
(イ) 休日・夜間の当直における指導体制については、電話等により指導医又は上級医に相談できる体制が確保されるとともに、研修医1人で対応できない症例が想定される場合には、指導医又は上級医が直ちに対応できるような体制(オンコール体制)が確保されていること。また、休日・夜間の当直を1年次の研修医が行う場合については、原則として指導医又は上級医とともに、2人以上で行うこと。
(ウ) 精神科の研修を行う臨床研修病院又は臨床研修協力施設においては、精神保健福祉士、作業療法士その他診療要員を適当数配置していることが望ましいこと。
(エ) 研修医手帳を作成し、研修医が当該手帳に研修内容を記入するよう指導すること。また、研修医が担当した患者の病歴や手術の要約を作成するよう指導すること。
ス 研修医の募集定員が、研修医の適正配置の観点から適切であること。
「研修医の募集定員が、研修医の適正配置の観点から適切であること」とは、研修医の募集定員が以下の(ア)若しくは(イ)の数値を超えないか、又は後述の22により都道府県が調整した募集定員であること。
(ア) 研修医の募集を行う年度を起点として当該病院の過去3年間の研修医の受入実績の最大値(後述の23により加算された募集定員に係る研修医の受入実績を除く。)。ただし、当該病院からの医師派遣等の実績を勘案し(ウ)、(エ)に規定する方法により定める数を加算する。((ア)から求められる数値を「A」とする。以下同じ。)
(イ) 当該病院が所在する都道府県内にある臨床研修病院及び大学病院が希望する募集定員の合計(当該合計数値を「C」とする。以下同じ。)が、(オ)に規定する当該都道府県の募集定員の上限(当該上限値を「B」とする。以下同じ。)を超える場合は、以下の計算式により算出した値(小数点以下の端数を生じた場合は切り上げた値)とする。ただし、病院が希望する募集定員が、Aを上回った場合、Cを算出する際の当該病院の希望する募集定員をAの値とする。
(ウ) (ア)において加算する数値については、研修医の募集を行う年度の前年度末の時点において医師派遣等が行われている常勤の医師数が20人以上の場合を1とし、5人増える毎に1を加え、65人以上の場合を10とする。
(エ) (ウ)にいう「医師派遣等」とは、①~⑤のすべてを満たす場合とする。
① 以下のア)からウ)までに揚げる場合のいずれかに当てはまること。
ア) 病院が、当該病院に勤務する医師を、出向などにより、当該病院以外の受入病院に勤務させる場合
イ) 病院が、当該病院に勤務経験のある医師を、当該病院以外の受入病院との主たる調整役として、当該病院以外の受入病院に勤務させる場合
ウ) 病院が、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号)に基づき、地域医療の確保等のために医師を派遣する場合
② 対象となる医師は、医師免許取得後7年以上15年以下の臨床経験を有し、受入病院で常勤として勤務すること。
③ 受入病院で勤務する期間が継続して1年以上3年以下であること。
④ 各都道府県に設置されている地域医療対策協議会や関係する地方公共団体などの意向を踏まえた医師派遣等であること。
⑤ 開設者が同一の病院間において行われている医師派遣等や、受入病院との相互の交流として行われている医師派遣等ではないこと。
(オ) (イ)にいう「当該都道府県の募集定員の上限」とは、以下の計算式により算出した数値をいう。
D+E+F
D:次のD1とD2のうちの多い方の数値
D1:画像4 (10KB)
D2:画像5 (19KB)
E:100平方km当たりの医師数が全国の中央値よりも少ない県についてはDに0.1を乗じた数値とし、100平方km当たりの医師数が30未満の道県についてはDに0.2を乗じた数値
(カ) (オ)で用いる数値については以下のとおりとする。
① 研修医の数については、研修医の募集を行う年度1学年分の研修医の数
② 人口については、直近の推計人口(総務省)の値
③ 大学医学部の入学定員については、研修医の募集を行う年度の数値
④ 都道府県の面積については、直近の全国市町村要覧(総務省)における数値
⑤ 医師数については、直近の医師・歯科医師・薬剤師調査による数値
⑥ 離島人口は、離島振興法(昭和27年法律第72号)、小笠原諸島振興開発特別措置法(昭和44年法律第79号)、奄美群島振興開発特別措置法(昭和29年法律第189号)及び沖縄振興特別措置法(平成14年法律第14号)に基づき指定されている離島の直近の人口の値
(キ) 新たに基幹型臨床研修病院の指定を受ける場合にあっては、初めて研修医を募集する年度の研修医の募集定員を2人とすること。
セ 受け入れる研修医の数が、臨床研修を行うために適切であること。
(ア) 臨床研修を行うために適切な研修医の数は、プライマリ・ケアの基本的な診療能力を修得するのに必要な症例を勘案したものとするが、原則として、病床数を10で除した数又は年間の入院患者数を100で除した数を超えないものであること。この場合において、研修医の数とは、当該病院において受け入れているすべての研修医の数をいい、1年次及び2年次の研修医の数を合計したものであること。受け入れる研修医の数は、臨床研修病院群を構成する臨床研修病院ごとに適切な数である必要があること。
(イ) 指導医1人が指導を受け持つ研修医は、5人までとすること。
(ウ) 原則として、研修プログラムごとに2人以上の研修医を毎年継続して受け入れることができる体制であること。
ソ 研修医の募集及び採用の方法が臨床研修の実施のために適切なものであること。
「研修医の募集及び採用の方法が臨床研修の実施のために適切なものであること」とは、原則として、公募による採用が行われることをいうものであること。
タ 研修医に対する適切な処遇を確保していること。ただし、臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行う場合にあっては、当該病院及び臨床研修協力施設のそれぞれにおいて、研修医に対する適切な処遇が確保されていること。
チ 協力型臨床研修病院として研修医に対して臨床研修を行った実績があること。
「協力型臨床研修病院として研修医に対して臨床研修を行った実績があること」とは、協力型臨床研修病院として、研修医に対して2年間臨床研修を行ったことに相当する実績があることをいうものであること。
ツ 協力型臨床研修病院、臨床研修協力施設(病院又は診療所に限る)又は大学病院と連携して臨床研修を行うこと。
医療機関が連携することにより、大学病院などの地域の中核病院を中心とした臨床研修病院群の形成を促進する観点から、協力型臨床研修病院、臨床研修協力施設(病院又は診療所に限る)又は大学病院と連携して、臨床研修を行うものであること。
テ 臨床研修病院群を構成する関係施設相互間で緊密な連携体制を確保していること。
(ア) 「緊密な連携体制」とは、医師の往来、医療機器の共同利用等、診療及び臨床研修について機能的な連携が具体的に行われている状態をいうものであること。
(イ) 地域医療のシステム化を図り、臨床研修病院群における緊密な連携を保つため、臨床研修病院群を構成する臨床研修病院及び臨床研修協力施設(病院又は診療所に限る)は、同一の二次医療圏内又は同一の都道府県内にあることが望ましいこと。
ト 協力型臨床研修病院として共同して臨床研修を行う病院が、4(2)の協力型臨床研修病院の指定の基準に適合していること。
ナ 将来、第三者による評価を受け、その結果を公表することを目指すこと。
ニ 医療法第30条の12に基づき地域医療の確保のための協議や施策の実施に参加するよう都道府県から求めがあった場合には、これに協力するよう努めること。
(2) 協力型臨床研修病院の指定の基準
厚生労働大臣は、協力型臨床研修病院の指定を受けようとする病院の開設者から指定の申請があった場合において、当該病院が次に掲げる事項に適合していると認めるときでなければ、協力型臨床研修病院の指定をしてはならないこと。
なお、アからケまでの各項目については、以下に特に定めるもののほか、(1)の各項目において示した内容に準じること。
ア 臨床研修省令第2条に規定する臨床研修の基本理念にのっとった研修プログラムを有していること。
イ 医療法施行規則第19条第1項第1号に規定する員数の医師を有していること。
ウ 臨床研修の実施に関し必要な施設及び設備を有していること。
エ 患者の病歴に関する情報を適切に管理していること。
オ 医療に関する安全管理のための体制を確保していること。
カ 適切な指導体制を有していること。
当該施設における臨床研修の実施を管理する研修実施責任者を配置していること。
キ 受け入れる研修医の数が、臨床研修を行うために適切であること。
ク 研修医の募集及び採用の方法が臨床研修の実施のために適切なものであること。
ケ 研修医に対する適切な処遇を確保していること。
コ 基幹型臨床研修病院として共同して臨床研修を行う病院が、(1)の基幹型臨床研修病院の指定の基準に適合していること。
(3) 厚生労働大臣は、臨床研修病院の指定の申請があった場合において、当該病院が次に掲げる事項のいずれかに該当するときは、臨床研修病院の指定をしてはならないこと。
ア 後述する14により臨床研修病院の指定を取り消され、その取消しの日から起算して2年を経過していないこと。
イ その開設者又は管理者に医事に関する犯罪又は不正の行為があり、臨床研修を行うことが適当でないと認められること。
(4) (1)及び(2)の臨床研修病院の指定の基準については、臨床研修病院において年間を通じて常に遵守されていなければならないこと。
6 研修管理委員会等の要件
臨床研修を実施している間、指導医等の研修医の指導に当たる者は、適宜、研修医ごとの研修の進捗状況を把握・評価し、修了基準に不足している部分を補い、あらかじめ定められた研修期間内に臨床研修を修了することができるよう配慮しなければならないこと。
(1) 研修管理委員会
ア 基幹型臨床研修病院の研修管理委員会は、次に掲げる者を構成員に含まなければならないこと。
(ア) 当該病院の管理者又はこれに準ずる者
(イ) 当該病院の事務部門の責任者又はこれに準ずる者
(ウ) 当該研修管理委員会が管理するすべての研修プログラムのプログラム責任者
(エ) 臨床研修病院群を構成するすべての関係施設の研修実施責任者
イ 研修管理委員会の構成員には、当該臨床研修病院及び臨床研修協力施設以外に所属する医師、有識者等を含むこと。
ウ 研修管理委員会は、研修プログラムの作成、研修プログラム相互間の調整、研修医の管理及び研修医の採用・中断・修了の際の評価等臨床研修の実施の統括管理を行うこと。
エ 研修管理委員会は、必要に応じてプログラム責任者や指導医から研修医ごとの研修進捗状況について情報提供を受ける等により、研修医ごとの研修進捗状況を把握・評価し、修了基準に不足している部分についての研修が行えるようプログラム責任者や指導医に指導・助言する等、有効な研修が行えるよう配慮しなければならないこと。
(2) 基幹型臨床研修病院の管理者
基幹型臨床研修病院の管理者(以下この項及び後述する17から19までにおいて「管理者」という。)は、責任をもって、受け入れた研修医についてあらかじめ定められた研修期間内に臨床研修が修了できるよう努めなければならないこと。
なお、研修医に対して後述する17(1)エの臨床研修中断証を交付するような場合においても、管理者は当該研修医に対し、適切な進路指導を行うものであること。
(3) プログラム責任者
ア プログラム責任者は、臨床研修を行う病院(臨床研修協力施設を除く。)の常勤の医師であって、指導医及び研修医に対する指導を行うために必要な経験及び能力を有しているものでなければならないこと。
(ア) プログラム責任者は、研修プログラムごとに1人配置されることが必要であるが、研修実施責任者及び指導医と兼務することは差し支えないこと。
(イ) 「指導医及び研修医に対する指導を行うために必要な経験及び能力を有しているもの」とは、原則として、7年以上の臨床経験を有する者であって、プライマリ・ケアを中心とした指導を行うことのできる経験及び能力を有しているものをいうものであること。この場合において、臨床経験には臨床研修を行った期間を含めて差し支えないこと。
(ウ) プログラム責任者は、プライマリ・ケアの指導方法等に関する講習会を受講していること。
イ プログラム責任者は、次に掲げる事項等、研修プログラムの企画立案及び実施の管理並びに研修医に対する助言、指導その他の援助を行うこと。
(ア) 研修プログラムの原案を作成すること。
(イ) 定期的に、さらに必要に応じて随時研修医ごとに臨床研修の目標の達成状況を把握・評価し、研修プログラムにあらかじめ定められた研修期間の終了の時までに、修了基準に不足している部分についての研修が行えるよう指導医に情報提供する等、すべての研修医が臨床研修の目標を達成できるよう、全研修期間を通じて研修医の指導を行うとともに、研修プログラムの調整を行うこと。
(ウ) 研修医の臨床研修の休止に当たり、研修休止の理由の正当性を判定すること。
(エ) 研修プログラムにあらかじめ定められた研修期間の終了の際に、研修管理委員会に対して、研修医ごとに臨床研修の目標の達成状況を報告すること。
(4) 指導医等
ア 指導医は、常勤の医師であって、研修医に対する指導を行うために必要な経験及び能力を有しているものでなければならないこと。
(ア) 「研修医に対する指導を行うために必要な経験及び能力を有しているもの」とは、原則として、7年以上の臨床経験を有する者であって、プライマリ・ケアを中心とした指導を行うことのできる経験及び能力を有しているものをいうものであること。この場合において、臨床経験には臨床研修を行った期間を含めて差し支えないこと。
(イ) 指導医は、プライマリ・ケアの指導方法等に関する講習会を受講していること。
イ 指導医は、担当する分野における研修期間中、研修医ごとに臨床研修の目標の達成状況を把握し、研修医に対する指導を行い、担当する分野における研修期間の終了後に、研修医の評価をプログラム責任者に報告すること。
(ア) 指導医は、研修医の評価に当たっては、当該研修医の指導を行い、又は研修医と共に業務を行った医師、看護師その他の職員と十分情報を共有し、各職員による評価を把握した上で、責任をもって評価を行わなければならないこと。
(イ) 指導医は研修医と十分意思疎通を図り、実際の状況と評価に乖離が生じないように努めなければならないこと。
(ウ) 研修医による指導医の評価についても、指導医の資質の向上に資すると考えられることから、実施することが望ましいこと。
ウ 臨床研修協力施設等における研修実施責任者や指導者についても、指導医と同様の役割を担うものであること。
7 臨床研修病院指定証の交付
厚生労働大臣は、臨床研修病院を指定した場合にあっては、当該指定を受けた病院に対して臨床研修病院指定証を交付するものとする。
なお、臨床研修病院指定証の交付を受けた臨床研修病院の開設者は、当該指定が取り消されたときは、臨床研修病院指定証を当該臨床研修病院の所在地を管轄する地方厚生局健康福祉部医事課あてに返還すること。
8 臨床研修病院の変更の届出
(1) 基幹型臨床研修病院の変更の届出
ア 基幹型臨床研修病院の開設者は、当該病院に関する次に掲げる事項に変更が生じたときは、その日から起算して1月以内に、臨床研修病院変更届出書(様式7)をもって、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならないこと。
(ア) 開設者の氏名及び住所(法人にあっては、名称及び主たる事務所の所在地)
(イ) 管理者の氏名
(ウ) 名称
(エ) 診療科名
(オ) プログラム責任者
(カ) 指導医及びその担当分野
(キ) 研修医の処遇に関する事項
(ク) 臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行う場合にあっては、当該臨床研修協力施設に係る次に掲げる事項
① 開設者の氏名及び住所(法人にあっては、名称及び主たる事務所の所在地)
② 管理者の氏名
③ 名称
④ 研修医の処遇に関する事項
⑤ 研修医の指導を行う者及びその担当分野
⑥ 臨床研修協力施設が医療機関である場合にあっては診療科名
イ 臨床研修病院変更届出書は、当該基幹型臨床研修病院の所在地を管轄する地方厚生局健康福祉部医事課あてに送付すること。
ウ 共同して臨床研修を行う協力型臨床研修病院から臨床研修病院変更届出書の送付を受けた基幹型臨床研修病院の開設者は、速やかに当該臨床研修変更届出書を当該基幹型臨床研修病院の所在地を管轄する地方厚生局健康福祉部医事課あてに送付すること。
(2) 協力型臨床研修病院の変更の届出
協力型臨床研修病院の開設者は、当該病院に関する次に掲げる事項に変更が生じたときは、その日から起算して1月以内に、臨床研修病院変更届出書(様式7)をもって、その旨を共同して臨床研修を行う基幹型臨床研修病院の開設者を経由して厚生労働大臣に届け出なければならないこと。
ア 開設者の氏名及び住所(法人にあっては、名称及び主たる事務所の所在地)
イ 管理者の氏名
ウ 名称
エ 診療科名
オ プログラム責任者
カ 指導医及びその担当分野
キ 研修医の処遇に関する事項
9 研修プログラムの変更又は新設の届出
(1) 研修プログラムの変更
研修プログラムの変更とは、研修プログラムのうち、次に掲げる事項を変更することをいうものであること。
ア 臨床研修の目標
イ 臨床研修を行う分野
ウ 臨床研修を行う分野ごとの研修期間
エ 臨床研修を行う分野ごとの臨床研修を行う病院
オ 研修医の募集定員
(2) 基幹型臨床研修病院の研修プログラムの変更又は新設の届出
ア 基幹型臨床研修病院の開設者は、研修プログラムを変更する場合又は新たに研修プログラムを設ける場合には、当該研修プログラムに基づく臨床研修を行おうとする年度の前年度の4月30日までに、当該研修プログラムに関し、次に掲げる書類を添えて研修プログラム変更・新設届出書(様式8)を厚生労働大臣に提出しなければならないこと。
(ア) 変更又は新設に係る研修プログラム(研修プログラムの変更の場合にあっては、変更前及び変更後の研修プログラム)
(イ) 研修プログラムの変更の場合にあっては、変更する箇所を記載した書類(変更部分に下線を付した変更前及び変更後の研修プログラムでも差し支えない。)
(ウ) 臨床研修病院群を構成する関係施設相互間の連携体制を記載した書類
イ 基幹型臨床研修病院の開設者は、当該病院に関する研修プログラム変更・新設届出書及び添付書類と、共同して臨床研修を行う協力型臨床研修病院に関する研修プログラム変更・新設届出書とを、一括して当該基幹型臨床研修病院の所在地を管轄する地方厚生局健康福祉部医事課あてに送付すること。
(3) 協力型臨床研修病院の研修プログラムの変更又は新設の届出
協力型臨床研修病院の開設者は、研修プログラムを変更する場合又は新たに研修プログラムを設ける場合には、当該研修プログラムに基づく臨床研修を行おうとする年度の前年度の4月30日までに、当該研修プログラムに関し、研修プログラム変更・新設届出書(様式8)を、共同して臨床研修を行う基幹型臨床研修病院の開設者を経由して厚生労働大臣に提出しなければならないこと。
(4) 現に研修医を受け入れている臨床研修病院は、当該研修医が研修を修了し、又は中断するまでの間、当該研修医が受ける臨床研修に係る研修プログラムの変更をしてはならないこと。
(5) (4)にかかわらず、やむを得ない場合にあっては、研修プログラムの変更を行うことも認められること。この場合において、臨床研修病院の開設者は、速やかに、(2)から(3)までの届出を行わなければならないこと。
10 臨床研修病院の行う臨床研修
臨床研修病院は、臨床研修病院の指定申請の際に提出し、又は研修プログラムの変更若しくは新設の届出を行った研修プログラム以外の研修プログラムに基づいて臨床研修を行ってはならないこと。
11 研修医の募集の際の研修プログラム等の公表
臨床研修病院の管理者は、研修医の募集を行おうとするときは、あらかじめ、研修プログラムとともに、次に掲げる事項を公表しなければならないこと。
(1) 研修プログラムの名称及び概要
(2) 研修医の募集定員並びに募集及び採用の方法
(3) 研修の開始時期
(4) 研修医の処遇に関する事項
(5) 臨床研修病院の指定について申請中である場合には、その旨
(6) 研修プログラムの変更又は新設の届出を行った場合(当該届出を行おうとしている場合を含む。)には、その旨
12 臨床研修病院の年次報告
(1) 基幹型臨床研修病院の年次報告
ア 基幹型臨床研修病院の開設者は、毎年4月30日までに、当該病院に関する年次報告書(様式8)を厚生労働大臣に提出しなければならないこと。また、臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行う場合にあっては、臨床研修協力施設概況表(様式9)を添付すること。
イ 基幹型臨床研修病院の開設者は、当該病院に関する年次報告書及び添付書類と、共同して臨床研修を行う協力型臨床研修病院に関する年次報告書とを、一括して当該基幹型臨床研修病院の所在地を管轄する地方厚生局健康福祉部医事課あてに送付すること。
(2) 協力型臨床研修病院の年次報告
協力型臨床研修病院の開設者は、毎年4月30日までに、当該病院に関する年次報告書(様式8)を、共同して臨床研修を行う基幹型臨床研修病院の開設者を経由して厚生労働大臣に提出しなければならないこと。
13 臨床研修病院に対する厚生労働大臣の報告の徴収及び指示
(1) 厚生労働大臣は、臨床研修の実施に関し必要があると認めるときは、臨床研修病院の開設者又は管理者に対して報告を求めることができること。
(2) 厚生労働大臣は、研修プログラム、研修医の募集定員、指導体制、施設、設備、研修医の処遇その他の臨床研修の実施に関する事項について適当でないと認めるときは、臨床研修病院の開設者又は管理者に対して必要な指示をすることができること。
(3) 厚生労働大臣は、臨床研修病院群については、基幹型臨床研修病院の開設者又は管理者に対し、協力型臨床研修病院に関する(1)の報告の聴取又は(2)の必要な指示をすることができること。
14 臨床研修病院の指定の取消し
厚生労働大臣は、臨床研修病院が次のいずれかに該当するときは、法第16条の2第2項の規定により臨床研修病院の指定を取り消すことができること。
ア 臨床研修病院の区分ごとに、前述5(1)及び(2)のそれぞれの臨床研修病院の指定の基準に適合しなくなったとき(5(1)オの基準にあたっては、2年以上にわたり基準に適合しなかったときに限る。)。
イ 前述の5(3)イに該当するに至ったとき。
ウ 前述の6及び8から12までに違反したとき。
エ その開設者又は管理者が、前述の13(2)の指示に従わないとき。
オ 2年以上研修医の受入がないとき。
カ 協力型臨床研修病院のみに指定されている病院が臨床研修病院群から外れたとき。
15 臨床研修病院の指定の取消しの申請
(1) 基幹型臨床研修病院の指定の取消しの申請
ア 基幹型臨床研修病院の開設者は、臨床研修病院の指定の取消しを受けようとするときは、あらかじめ指定取消申請書(様式10)を厚生労働大臣に提出しなければならないこと。
イ 基幹型臨床研修病院の開設者は、当該病院に関する指定取消申請書と、共同して臨床研修を行う協力型臨床研修病院に関する指定取消申請書とを、一括して当該基幹型臨床研修病院の所在地を管轄する地方厚生局健康福祉部医事課あてに送付すること。
(2) 協力型臨床研修病院の指定の取消しの申請
協力型臨床研修病院の開設者は、臨床研修病院の指定の取消しを受けようとするときは、あらかじめ指定取消申請書(様式10)を、共同して臨床研修を行う基幹型臨床研修病院の開設者を経由して厚生労働大臣に提出しなければならないこと。
(3) 厚生労働大臣は、(1)及び(2)の申請があった場合において、当該臨床研修病院の指定を取り消すことが相当と認めるときは、その指定を取り消すことができること。
16 臨床研修の評価
(1) 研修期間中の評価
研修期間中の評価は、形成的評価により行うことが重要であり、研修医ごとの研修内容を改善することを主な目的とすること。
研修医及び指導医は、「臨床研修の目標」に記載された個々の項目について、研修医が実際にどの程度履修したか随時記録を行うものであること。
研修の進捗状況の記録については、研修医手帳を利用するほか、インターネットを用いた評価システムなどの活用も考えられること。
指導医等は、定期的に、さらに必要に応じて随時研修医ごとに研修の進捗状況を把握・評価し、研修医が修了基準に不足している部分を研修できるよう配慮すると共に、評価結果を研修医にも知らせ、研修医及び指導スタッフ間で評価を共有し、より効果的な研修へとつなげるものであること。
(2) 研修期間終了時の評価
研修期間終了時の評価は、総括的評価により行い、研修医ごとの臨床研修修了の判断を行うことをその目的とすること。
研修医の研修期間の終了に際し、プログラム責任者は、研修管理委員会に対して研修医ごとの臨床研修の目標の達成状況を報告し、その報告に基づき、研修管理委員会は研修の修了認定の可否についての評価を行うこと。
評価は、研修実施期間の評価及び臨床研修の目標の達成度の評価(経験目標等の達成度の評価及び臨床医としての適性の評価)に分けて行い、両者の基準が満たされた時に修了と認めるものであること。
なお、最終的な認定に当たっては、相対評価ではなく、絶対評価を用いるものであること。
17 臨床研修の中断及び再開
(1) 臨床研修の中断
ア 基本的な考え方
臨床研修の中断とは、現に臨床研修を受けている研修医について研修プログラムにあらかじめ定められた研修期間の途中で臨床研修を中止することをいうものであり、原則として病院を変更して研修を再開することを前提としたものであること。
研修プログラムを提供している管理者及び研修管理委員会には、あらかじめ定められた研修期間内に研修医に臨床研修を修了させる責任があり、安易に中断の扱いを行ってはならないこと。
やむを得ず臨床研修の中断の検討を行う際には、管理者及び研修管理委員会は当該研修医及び研修指導関係者と十分話し合い、当該研修医の臨床研修に関する正確な情報を十分に把握するものであること。さらに、研修医が臨床研修を継続できる方法がないか検討し、研修医に対し必要な支援を行うものであること。
これらを通じても、なお中断という判断に至る場合であっても、当該研修医が納得するよう努めなければならないこと。なお、このような場合においては、経緯や状況等の記録を残しておく必要があること。また、必要に応じて事前に管轄する地方厚生局健康福祉部医事課に相談をすること。
イ 中断の基準
中断には、「研修医が臨床研修を継続することが困難であると研修管理委員会が評価、勧告した場合」と「研修医から管理者に申し出た場合」の2とおりがあること。
管理者が臨床研修の中断を認めるには、以下のようなやむを得ない場合に限るものであり、例えば、臨床研修病院の研修医に対する不満又は研修医の臨床研修病院に対する単なる不満のように、改善の余地があるものは認めるものではないこと。
(ア) 当該臨床研修病院の廃院、指定の取消しその他の理由により、当該臨床研修病院における研修プログラムの実施が不可能な場合
(イ) 研修医が臨床医としての適性を欠き、当該臨床研修病院の指導・教育によっても、なお改善が不可能な場合
(ウ) 妊娠、出産、育児、傷病等の理由により臨床研修を長期にわたり休止し、そのため修了に必要な研修実施期間を満たすことができない場合であって、臨床研修を再開するときに、当該研修医の履修する研修プログラムの変更、廃止等により同様の研修プログラムに復帰することが不可能であると見込まれる場合
(エ) その他正当な理由がある場合
ウ 中断の手順
(ア) 研修管理委員会は、臨床医としての適性を欠く場合等研修医が臨床研修を継続することが困難であると認める場合には、当該研修医がそれまでに受けた臨床研修に係る当該研修医の評価を行い、管理者に対し、当該研修医の臨床研修を中断することを勧告することができること。
(イ) 管理者は、(ア)の勧告又は研修医の申出を受けて、当該研修医の臨床研修を中断することができること。
エ 中断した場合
管理者は、研修医の臨床研修を中断した場合には、当該研修医の求めに応じて、速やかに、当該研修医に対して、当該研修医に関する次に掲げる事項を記載した臨床研修中断証(様式11)を交付しなければならないこと。このとき、管理者は、研修医の求めに応じて、他の臨床研修病院を紹介する等臨床研修の再開のための支援を行うことを含め、適切な進路指導を行わなければならないこと。さらに、管理者は、速やかに、臨床研修中断報告書(様式12)及び当該中断証の写しを管轄する地方厚生局健康福祉部医事課あてに送付すること。
(ア) 氏名、医籍の登録番号及び生年月日
(イ) 中断した臨床研修に係る研修プログラムの名称
(ウ) 臨床研修を行った臨床研修病院(臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行った場合にあっては、臨床研修病院及び臨床研修協力施設)の名称
(エ) 臨床研修を開始し、及び中断した年月日
(オ) 臨床研修を中断した理由
(カ) 臨床研修を中断した時までの臨床研修の内容及び研修医の評価
(2) 臨床研修の再開
臨床研修を中断した者は、自己の希望する臨床研修病院に、臨床研修中断証を添えて、臨床研修の再開を申し込むことができること。この場合において、臨床研修中断証の提出を受けた臨床研修病院が臨床研修を行うときは、当該臨床研修中断証の内容を考慮した臨床研修を行わなければならないこと。
なお、当該管理者は、研修再開の日から起算して1月以内に、臨床研修の修了基準を満たすための履修計画表(様式13)を、管轄する地方厚生局健康福祉部医事課あてに送付すること。
18 臨床研修の修了
(1) 臨床研修の修了基準
ア 研修実施期間の評価
管理者は、研修医が研修期間の間に、以下に定める休止期間の上限を減じた日数以上の研修を実施しなければ修了と認めてはならないこと。
(ア) 休止の理由
研修休止の理由として認めるものは、傷病、妊娠、出産、育児その他正当な理由(研修プログラムで定められた年次休暇を含む)であること。
(イ) 必要履修期間等についての基準
研修期間を通じた休止期間の上限は90日(研修機関(施設)において定める休日は含めない。)とすること。
各研修分野に求められている必要履修期間を満たしていない場合は、休日・夜間の当直又は選択科目の期間の利用等により、あらかじめ定められた研修期間内に各研修分野の必要履修期間を満たすよう努めなければならないこと。
(ウ) 休止期間の上限を超える場合の取扱い
研修期間終了時に当該研修医の研修休止期間が90日を超える場合には、未修了とするものであること。この場合、原則として引き続き同一の研修プログラムで研修を行い、90日を超えた日数分以上の日数の研修を行うこと。
また、必修科目で必要履修期間を満たしていない場合や選択必修科目のうち2つ以上の診療科を研修していない場合であっても未修了として取扱い、原則として引き続き同一の研修プログラムで当該研修医の研修を行い、不足する期間以上の期間の研修や必要な診療科における研修を行うこと。
(エ) プログラム責任者の役割
プログラム責任者は、研修休止の理由の正当性を判定し、履修期間の把握を行わなければならないこと。研修医が修了基準を満たさなくなる恐れがある場合には、事前に研修管理委員会に報告・相談するなどして対策を講じ、当該研修医があらかじめ定められた研修期間内に研修を修了できるように努めなければならないこと。
イ 臨床研修の目標(臨床医としての適性を除く。)の達成度の評価
管理者は、研修医があらかじめ定められた研修期間を通じ、各目標について達成したか否かの評価を行い、少なくともすべての必修項目について目標を達成しなければ、修了と認めてはならないこと。
個々の目標については、研修医が医療の安全を確保し、かつ、患者に不安を与えずに行うことができる場合に当該項目を達成したと考えるものであること。
ウ 臨床医としての適性の評価
管理者は、研修医が以下に定める各項目に該当する場合は修了と認めてはならないこと。
臨床医としての適性の評価は非常に困難であり、十分慎重に検討を行う必要があること。なお、原則として、当該研修医が最初に臨床研修を行った臨床研修病院においては、その程度が著しい場合を除き臨床医としての適性の判断を行うべきではなく、少なくとも複数の臨床研修病院における臨床研修を経た後に評価を行うことが望ましいこと。
(ア) 安心、安全な医療の提供ができない場合
医療安全の確保が危ぶまれ、又は患者との意思疎通に欠け不安感を与える場合等には、まず、指導医が中心となって、当該研修医が患者に被害を及ぼさないよう十分注意しながら、指導・教育するものであること。十分な指導にもかかわらず、改善がみられず、患者に被害を及ぼす恐れがある場合には、未修了や中断の判断もやむを得ないこと。
一般常識を逸脱する、就業規則を遵守できない、チーム医療を乱す等の問題に関しては、まず当該臨床研修病院において、十分指導・教育を行うこと。原則として、あらかじめ定められた研修期間を通じて指導・教育し、それでもなお医療の適切な遂行に支障を来す場合には、未修了や中断の判断もやむを得ないこと。
また、重大な傷病によって適切な診療行為が行えず医療安全の確保が危ぶまれ、又は患者に不安感を与える等の場合にも、未修了や中断の判断もやむを得ないこと。なお、傷病又はそれに起因する障害等により当該臨床研修病院では研修不可能であるが、それを補完・支援する環境が整っている他の臨床研修病院では研修可能な場合には、管理者は、当該研修医が中断をして病院を移ることを可能とすること。
(イ) 法令・規則が遵守できない者
医道審議会の処分対象となる者の場合には、法第7条の2第1項の規定に基づく再教育研修を行うことになること。再教育にも関わらず改善せず、患者に被害を及ぼす恐れがある場合には、未修了、中断の判断もやむを得ないものとすること。
(2) 臨床研修の修了認定
ア 研修管理委員会は、研修医の研修期間の終了に際し、臨床研修に関する当該研修医の評価を行い、管理者に対し、当該研修医の評価を報告しなければならないこと。この場合において、研修管理委員会は、臨床研修中断証を提出し臨床研修を再開した研修医については、当該臨床研修中断証に記載された当該研修医の評価を考慮するものとすること。
イ 管理者は、アの評価に基づき、研修医が臨床研修を修了したと認めるときは、速やかに、当該研修医に対して、当該研修医に関する次に掲げる事項を記載した臨床研修修了証(様式14)を交付しなければならないこと。
(ア) 氏名、医籍の登録番号及び生年月日
(イ) 修了した臨床研修に係る研修プログラムの名称
(ウ) 臨床研修を開始し、及び修了した年月日
(エ) 臨床研修を行った臨床研修病院(臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行った場合にあっては、臨床研修病院及び臨床研修協力施設)の名称
(3) 臨床研修の未修了
ア 基本的な考え方
臨床研修の未修了とは、研修医の研修期間の終了に際する評価において、研修医が臨床研修の修了基準を満たしていない等の理由により、管理者が当該研修医の臨床研修を修了したと認めないことをいうものであり、原則として、引き続き同一の研修プログラムで研修を行うことを前提としたものであること。
研修プログラムを提供している管理者及び研修管理委員会には、あらかじめ定められた研修期間内に研修医に臨床研修を修了させる責任があり、安易に未修了の扱いを行ってはならないこと。
やむを得ず未修了の検討を行う際には、管理者及び研修管理委員会は当該研修医及び研修指導関係者と十分話し合い、当該研修医の研修に関する正確な情報を十分に把握するものであること。
これらを通じて、最終的に未修了という判断に至る場合であっても、当該研修医が納得するよう努めなければならないこと。なお、このような場合においては、経緯や状況等の記録を残しておく必要があること。また、必要に応じて事前に管轄する地方厚生局健康福祉部医事課に相談をすること。
イ 未修了の手順
管理者は、(2)アの評価に基づき、研修医が臨床研修を修了していないと認めるときは、速やかに、当該研修医に対して、理由を付して、その旨を文書(様式15)で通知しなければならないこと。
ウ 未修了とした場合
当該研修医は原則として引き続き同一の研修プログラムで研修を継続することとなるが、その場合には、研修プログラムの定員を超えてしまう事もあり得ることから、指導医1人当たりの研修医数や研修医1人当たりの症例数等について、研修プログラムに支障を来さないよう、十分に配慮しなければならないこと。
なお、未修了とした場合には、管理者は、研修を継続させる前に、当該研修医が臨床研修の修了基準を満たすための履修計画表(様式16)を管轄する地方厚生局健康福祉部医事課あてに送付すること。
19 臨床研修病院の記録の保存
(1) 管理者は、帳簿を備え、臨床研修を受けた研修医に関する次の事項を記載し、当該研修医が臨床研修を修了し、又は中断した日から5年間保存しなければならないこと。
ア 氏名、医籍の登録番号及び生年月日
イ 修了し、又は中断した臨床研修に係る研修プログラムの名称
ウ 臨床研修を開始し、及び修了し、又は中断した年月日
エ 臨床研修を行った臨床研修病院(臨床研修協力施設と共同して臨床研修を行った場合にあっては、臨床研修病院及び臨床研修協力施設)の名称
オ 修了し、又は中断した臨床研修の内容及び研修医の評価
カ 臨床研修を中断した場合にあっては、臨床研修を中断した理由
(2) (1)に定める保存は、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によっては認識することができない方法をいう。)による記録に係る記録媒体により行うことができること。
20 大学病院と共同して臨床研修を行う臨床研修病院の特例
大学病院と共同して臨床研修を行うことにより、基幹型臨床研修病院又は協力型臨床研修病院の指定を受けようとする者に対する前述の5(1)又は(2)の臨床研修病院の指定の基準の適用については、当該大学病院を基幹型臨床研修病院又は協力型臨床研修病院の指定を受けようとする者とみなすこと。
21 国の開設する臨床研修病院の特例
国の開設する臨床研修病院の特例については、臨床研修省令の定めによること。
22 地域における研修医の募集定員の調整
(1) 地域における臨床研修病院群の形成を促進するため、都道府県は、管轄する地域における各病院の研修医の募集定員について、各病院の研修医の受入実績、地域の実情等を勘案して必要な調整を行うことができること。ただし、以下のア及びイを満たさなければならないこと。
ア 調整した後の管轄地域の病院の募集定員の合計が都道府県の募集定員の上限の値(B)を超えない範囲内の調整であること。ただし、前述5の(1)ス(イ)によって算出された臨床研修病院及び大学病院の募集定員の合計(C)が都道府県の募集定員の上限(B)の値を超えている場合は、当該募集定員の合計を超えない範囲内の調整であること。
イ 募集定員の調整を受ける臨床研修病院及び大学病院の同意が得られていること。
(2) 地域における研修医の募集定員の調整を円滑に行うことができるよう、都道府県は、前述5の(1)スにより算出された各病院の研修医の募集定員について、管轄する地方厚生局から情報提供を受けることができること。
(3) 都道府県が研修医の募集定員の調整を行った場合は、管轄する地方厚生局から情報提供を受けて1か月以内に、その調整の結果を当該地方厚生局に提出すること。
(4) 都道府県が募集定員の調整を行わない場合、各病院の研修医の募集定員は前述5の(1)ス(ア)又は(イ)の数値を超えないものとすること。
23 研修医の募集定員に関する特例
前述5の(1)ア(カ)により研修プログラムを設けた場合は、前述5の(1)スにより算出した募集定員に、当該研修プログラムの定員分として4人を加算すること。
24 臨床研修に関する地域協議会
(1) 地域における研修医の確保、臨床研修の質の向上を図るため、都道府県に、臨床研修に関して関係者が協議する場(以下「地域協議会」という。)を設けることが望ましいこと。
(2) 地域協議会は、都道府県による設置のほか、臨床研修病院、大学病院、特定非営利活動法人(NPO)等による設置が考えられること。
(3) 地域協議会は、臨床研修病院、大学病院、医療関係団体、行政担当者等から構成され、以下の項目について協議、検討することが考えられること。
ア 地域における臨床研修の質の向上に関すること。
イ 地域における研修医の確保に関すること。
ウ 地域における研修医の募集定員の調整に関すること。
エ 地域における指導医の確保、養成に関すること。
オ 地域における臨床研修病院群の形成に関すること。
25 研修医の給与について
研修医に決まって支払われる手当(時間外手当、当直手当等を除く。)が、年額720万円を超える場合は、病院に対して交付する臨床研修費等補助金を一定程度減額すること。詳細は、平成23年度の臨床研修費等補助金交付要綱において別に定めること。
26 施行期日等
(1) 臨床研修省令は、公布の日から施行すること。
(2) 臨床研修省令は、改正法附則第1条第1号に掲げる規定の施行の際現に改正法第4条の規定による改正前の法第16条の2第1項の規定による指定を受けている病院が、改正法附則第1条第1号に掲げる規定の施行の際現に医師免許を受けている者及び当該規定の施行前に医師免許の申請を行った者であって当該規定の施行後に医師免許を受けたものに対して臨床研修を行う場合には、適用されないこと。すなわち、次に掲げる臨床研修を行う場合には、臨床研修省令は適用されないこと。
ア 平成16年4月1日前に開始される臨床研修
イ 平成16年4月1日以後に開始される臨床研修であって、同日前に法第16条の2第1項の指定を受けている病院が、同日前に医師免許を受けている者及び同日前に医師免許の申請を行った者であって同日以後に医師免許を受けたものに対して行うもの
(3) (2)ア及びイの臨床研修を行う場合における臨床研修病院の指定の申請手続、指定の基準等については、「臨床研修を行う病院の指定に係る申請手続について」(平成6年7月15日付け健政発第551号)及び「臨床研修病院の指定基準等について」(平成5年3月25日付け健政発第197号)によるものであること。
(4) 平成16年4月1日以後に開始される臨床研修であって、(2)イ以外のものを行う場合には、臨床研修省令が適用されること。この場合においては、臨床研修病院の指定を受けようとする病院の開設者は、臨床研修省令の規定に従い、臨床研修病院の指定の申請を行わなければならず、また、同日前に法第16条の2第1項の指定を受けている病院についても、臨床研修省令の規定に従い、臨床研修を行わなければならないものであること。
(5) 平成16年4月1日前に法第16条の2第1項の規定による指定を受けている病院については、改正法附則第9条(指定病院に係る経過措置)の規定により、改正法による改正後の法第16条の2第1項の規定による指定を受けている病院とみなされるものであること。具体的には、同日前に、主病院の指定を受けている病院については臨床研修省令に基づく基幹型臨床研修病院と、従病院の指定を受けている病院については臨床研修省令に基づく協力型臨床研修病院とみなされるものであること。また、医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令の一部を改正する省令(平成21年4月28日公布厚生労働省令第105号)の施行前に単独型又は管理型臨床研修病院として指定を受けている病院については、臨床研修省令に基づく基幹型臨床研修病院とみなされるものであること。
第3 当面の取扱い
1 趣旨
医師臨床研修制度の実施に伴い、医療機関において医師の確保が困難となる可能性など、地域医療に与える影響を懸念する指摘があることから、当分の間は臨床研修病院の指定基準について以下の取扱いとするものであること。ただし、後述の3及び4については、平成26年3月31日までの取扱いとすること。
2 基幹型臨床研修病院の指定の基準について
医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令の一部を改正する省令(平成21年4月28日公布厚生労働省令第105号)附則の規定により、基幹型臨床研修病院とみなされた単独型臨床研修病院又は管理型臨床研修病院が、平成24年4月1日以降、前述第2の5(1)オの基幹型臨床研修病院の指定基準を満たさない場合にあっては、個別の訪問調査等により、適切な指導体制が確保され、かつ、研修医が基本的な診療能力を修得することができると認められる場合に限り、基幹型臨床研修病院として指定を継続するものであること。
3 臨床研修病院の募集定員について
臨床研修病院の募集定員については、前述第2の5(1)スにかかわらず、前述第2の5(1)スと直近の年度の研修内定者の実績(前述第2の23により加算された募集定員に係る研修内定者の実績を除く。)のいずれかを超えない数値(前述第2の5(1)ア(カ)により研修プログラムを設けた場合は、当該研修プログラムの定員分として4人を加算した数値)とすること。ただし、前述第2の22により都道府県が研修医の募集定員を調整した場合には、都道府県が調整した募集定員とすること。
4 都道府県の募集定員の上限について
前述第2の5(1)ス(オ)に基づいて算出した都道府県の募集定員の上限の値が当該都道府県内の研修医の受入実績よりも10%以上少ない場合には、前述第2の5(1)ス(オ)にかかわらず、都道府県の募集定員の上限の値を当該都道府県内の研修医の受入実績に0.9を乗じて得た数値(小数点以下の端数は切り上げ)とすること。
第4 検討規定
厚生労働大臣は、臨床研修省令の施行後5年以内に、臨床研修省令の規定について所要の検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしたこと。当該措置を講ずる際には、前述第3の3及び4については廃止すること。
