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○変異原性が認められた化学物質の取扱いについて

(平成23年11月29日)

(基発1129第4号)

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

(公印省略)

標記の件に関し、現在まで、

① 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第57条の3第1項の規定に基づき届出のあった化学物質(以下「届出物質」という。)のうち、有害性の調査の結果、強度の変異原性が認められたもの(合計672物質)

② 法第57条の3第1項の既存の化学物質として政令に定める化学物質(以下「既存化学物質」という。)のうち、有害性の調査の結果、強度の変異原性が認められたもの(合計144物質)

については、別添1の「変異原性が認められた化学物質による健康障害を防止するための指針」(平成5年5月17日付け基発第312号の3の別添1。以下「指針」という。)に基づく措置の実施を届出事業者に対して要請するとともに、指針の周知等を関係事業者団体に対して要請してきたところである。

今般、労働安全衛生法第57条の3第3項の規定に基づき新規化学物質の名称を公表する件(平成22年厚生労働省告示第425号、平成23年厚生労働省告示第76号、第201号及び第357号)により、1163物質の名称を公表したところであるが、それらの化学物質のうち、別紙1に掲げる32の届出物質について、学識経験者から、変異原性試験の結果、強度の変異原性が認められる旨の意見を得たので、これらの化学物質を指針に基づく措置を講ずることが望ましい化学物質とすることとした。

また、既存化学物質のうち、別紙2に掲げる1物質について、新たな知見により強度の変異原性が認められた。

ついては、別添2により別紙1に掲げる届出物質を届け出た事業場に対して、指針に基づく措置を講ずるよう要請し、また、別添3により関係事業者団体に対して、別紙1に掲げる届出物質又は別紙2に掲げる既存化学物質を製造し、又は取り扱う際には、指針に基づく措置を講ずるよう周知していただきたい旨要請したので、貴職におかれても、管内の事業者に対して、これらの化学物質を製造し、又は取り扱う際には、指針に基づく措置を講ずる等、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講ずる旨周知されたい。

別紙1

変異原性が認められた届出物質

番号

名称公表通し番号

名称公表年月日

名称公表告示番号

名称

1

19360

平成22年12月27日

厚生労働省告示第425号

4―クロロベンズアルデヒド オキシム

2

19477

平成22年12月27日

厚生労働省告示第425号

6―ブロモ―2―メトキシピリジン―3―アミン

3

19510

平成22年12月27日

厚生労働省告示第425号

3―ヨードアゼチジン―1―カルボン酸=tert―ブチル

4

19555

平成23年3月25日

厚生労働省告示第76号

3―アミノ―2―ジエチルアミノ―6―メチルピリジン

5

19586

平成23年3月25日

厚生労働省告示第76号

4,4’―(エタン―1,1―ジイル)ジフェノールと1―クロロ―2,3―エポキシプロパンの反応生成物

6

19603

平成23年3月25日

厚生労働省告示第76号

エトキシベンゼンと塩酸とホルムアルデヒドのクロロメチル(エトキシ)ベンゼンを主成分とする反応生成物

7

19617

平成23年3月25日

厚生労働省告示第76号

4,4’―カルボニルジフタル酸=1,1’―二水素=2,2’―ジメチルと4,4’―カルボニルジフタル酸=1,2’―二水素=1’,2―ジメチルと4,4’―カルボニルジフタル酸=2,2’―二水素=1,1’―ジメチルと1,2―ジメチルイミダゾールと3,3’―(1,1,3,3―テトラメチルジシロキサン―1,3―ジイル)ビス(プロピルアミン)と1,1’―ビフェニル―2,3,3’,4’―テトラカルボン酸=2,3’―二水素=3,4’―ジメチルと1,1’―ビフェニル―2,3,3’,4’―テトラカルボン酸=2,4’―二水素=3,3’―ジメチルと1,1’―ビフェニル―2,3,3’,4’―テトラカルボン酸=3,3’―二水素=2,4’―ジメチルと1,1’―ビフェニル―2,3,3’,4’―テトラカルボン酸=3,4’―二水素=2,3’―ジメチルと1,4―フェニレンジアミンの混合物

8

19636

平成23年3月25日

厚生労働省告示第76号

2―(クロロメチル)ベンズアルデヒド

9

19670

平成23年3月25日

厚生労働省告示第76号

1,1’―{[3,5―ジヒドロキシ―1,2(又は1,4又は2,4又は2,6)―フェニレン]ビス(ジアゼンジイル―3,1―フェニレンジアゼンジイル{1―[3―(ジメチルアミノ)プロピル]―6―ヒドロキシ―4―メチル―2―オキソ―1,2―ジヒドロピリジン―5,3―ジイル})}ビス(ピリジン―1―イウム)=ジクロリドと1―{1―[3―(ジメチルアミノ)プロピル]―5―[3―(2,4(又は2,6又は3,5)―ジヒドロキシフェニルジアゼニル)フェニルジアゼニル]―6―ヒドロキシ―4―メチル―2―オキソ―1,2―ジヒドロピリジン―3―イル}ピリジン―1―イウム=クロリドの混合物

10

19721

平成23年3月25日

厚生労働省告示第76号

2,2’―ビス(ブチルスルホニルオキシイミノ)―2,2’―(ベンゼン―1,3―ジイル)ビス(アセトニトリル)

11

19729

平成23年3月25日

厚生労働省告示第76号

1―(4―ヒドロキシフェニル)プロパ―2―エン―1―オン

12

19737

平成23年3月25日

厚生労働省告示第76号

2―{[4―(ビニルオキシ)ブトキシ]メチル}オキシラン

13

19801

平成23年3月25日

厚生労働省告示第76号

6―メチルヘプタ―4,6―ジエン―2―オン

14

19802

平成23年3月25日

厚生労働省告示第76号

4―メチルベンゼンスルホン酸=3―(メチルスルファニル)プロピル

16

19809

平成23年3月25日

厚生労働省告示第76号

リチウム=ビス(トリメチルシリル)アミド

17

19909

平成23年6月27日

厚生労働省告示第201号

4,4’―カルボニルジフタル酸=1,1’―二水素=2,2’―ジメチルと4,4’―カルボニルジフタル酸=1,2’―二水素=1’,2―ジメチルと4,4’―カルボニルジフタル酸=2,2’―二水素=1,1’―ジメチルと1,2―ジメチルイミダゾールと3,3’―(1,1,3,3―テトラメチルジシロキサン―1,3―ジイル)ビス(プロピルアミン)と1,1’―ビフェニル―2,3,3’,4’―テトラカルボン酸=2,3’―二水素=3,4’―ジメチルと1,1’―ビフェニル―2,3,3’,4’―テトラカルボン酸=2,4’―二水素=3,3’―ジメチルと1,1’―ビフェニル―2,3,3’,4’―テトラカルボン酸=3,3’―二水素=2,4’―ジメチルと1,1’―ビフェニル―2,3,3’,4’―テトラカルボン酸=3,4’―二水素=2,3’―ジメチルと1,4―フェニレンジアミンの混合物

18

19918

平成23年6月27日

厚生労働省告示第201号

1―クロロ―2,3―エポキシプロパンとシクロヘキサン―1,4―ジメタノールの反応生成物

19

20004

平成23年6月27日

厚生労働省告示第201号

1,4―ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンの過酸化水素によるエポキシ化反応生成物(混合物)

20

20043

平成23年6月27日

厚生労働省告示第201号

1―フルオロ―2―オキソシクロペンタンカルボン酸エチル

21

20046

平成23年6月27日

厚生労働省告示第201号

4―フルオロ―2―メトキシ―1―ニトロベンゼン

22

20065

平成23年6月27日

厚生労働省告示第201号

2―[N―ベンジル―N―((2R)―2―クロロプロピル)アミノ]酢酸=tert―ブチル

23

20141

平成23年9月27日

厚生労働省告示第357号

(3’―アミノアセトアニリドと2―クロロ酢酸エチルと2―クロロ酢酸メチルの反応生成物)と2―クロロ―4―ニトロアニリンの反応生成物

24

20172

平成23年9月27日

厚生労働省告示第357号

1―(イソプロピルスルファニル)―2―ニトロベンゼン

25

20218

平成23年9月27日

厚生労働省告示第357号

4―[3―シアノ―1―(2―エチルヘキシル)―6―ヒドロキシ―4―メチル―2―オキソ―1,2―ジヒドロピリジン―5―イルジアゼニル]―2―メチルベンゼンスルホン酸ナトリウムと二塩化スルフィニルの反応生成物

26

20226

平成23年9月27日

厚生労働省告示第357号

(RS)―1―(シクロプロパンスルホンイミドイル)―4―ニトロベンゼン

27

20228

平成23年9月27日

厚生労働省告示第357号

1―(シクロプロピルスルファニル)―4―ニトロベンゼン

28

20233

平成23年9月27日

厚生労働省告示第357号

N―[シクロプロピル(4―ニトロフェニル)―λ4―スルファニリデン]―2,2,2―トリフルオロアセトアミド

29

20280

平成23年9月27日

厚生労働省告示第357号

1,1’―スルホニルビス[3,5―ジブロモ―4―(2,3―ジブロモプロポキシ)ベンゼン]を主成分とする4,4’―スルホニルジフェノールと3―ハロゲノプロパ―1―エンを原料とする臭素化反応生成物

30

20296

平成23年9月27日

厚生労働省告示第357号

6―(2―ニトロフェノキシ)―1H,3H―ベンゾ[de]イソクロメン―1,3―ジオン

32

20303

平成23年9月27日

厚生労働省告示第357号

ビス(3―クロロプロパン酸)=3,3’―[(2,2―ビス{[3―(3―クロロプロパノイルオキシ)―1,1,2,2―テトラフルオロプロポキシ]ジフルオロメチル}―1,1,3,3―テトラフルオロプロパン―1,3―ジイル)ジオキシ]ビス(2,2,3,3―テトラフルオロプロピル)

31

20366

平成23年9月27日

厚生労働省告示第357号

4’―(ブロモメチル)―3’―フルオロビフェニル―2―カルボニトリル

32

20413

平成23年9月27日

厚生労働省告示第357号

2―[(2―メトキシフェノキシ)メチル]オキシラン

別紙2

変異原性が認められた既存化学物質

番号

名称公表通し番号

名称公表年月日

名称公表告示番号

名称

1

1738

昭和61年3月25日

労働省告示第17号

3―〔ο―〔2―(m―メトキシフェニル)エチル〕フェノキシ〕―1,2―エポキシプロパン

別添1

変異原性が認められた化学物質による健康障害を防止するための指針

(平成5年5月17日付け基発第312号の3の別添1)

平成5年5月

一部改正 平成18年3月

1 趣旨

この指針は、微生物を用いる変異原性試験、乳類培養細胞を用いる染色体異常試験等の結果から強度の変異原性が認められた化学物質(以下「変異原化学物質」という。)又は変異原化学物質を含有するもの(変異原化学物質の含有量が重量の1パーセント以下のものを除く。)(以下「変異原化学物質等」という。)を製造し、又は取り扱う作業に関し、当該変異原化学物質への暴露による労働者の健康障害を未然に防止するため、その製造又は取扱いに関する留意事項について定めたものである。事業者は、この指針に定める措置を講ずるほか、労働者の健康障害を防止するための適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 変異原化学物質による暴露を低減するための措置について

(1) 労働者への変異原化学物質による暴露の低減を図るため、当該事業場における変異原化学物質等の物性、製造量、取扱量、作業の頻度、作業時間、作業の態様等を勘案し、必要に応じ、次に掲げる作業環境管理に係る措置、作業管理に係る措置その他必要な措置を講ずること。

イ 作業環境管理

(イ) 使用条件等の変更

(ロ) 作業工程の改善

(ハ) 設備の密閉化

(ニ) 局所排気装置等の設置

ロ 作業管理

(イ) 労働者が変異原化学物質に暴露されないような作業位置、作業姿勢又は作業方法の選択

(ロ) 呼吸用保護具、不浸透性の保護衣、保護手袋等の保護具の使用

(ハ) 変異原化学物質に暴露される時間の短縮

(2) (1)により暴露を低減するための装置等の設置等を行った場合には、次によること。

イ 局所排気装置等については、作業が行われている間、適正に稼働させること。

ロ 局所排気装置等については定期的に保守点検を行うこと。

ハ 変異原化学物質等を作業場外へ排出する場合は、当該物質を含有する排気、排液等による事業場の汚染を防止すること。

ニ 保護具については同時に就業する労働者の人数分以上を備え付け、常時有効かつ清潔に保持すること。また、送気マスクを使用させたときは、当該労働者が有害な空気を吸入しないような措置を講ずること。

(3) 次の事項について当該作業に係る作業規定を定め、これに基づき作業させること。

イ 設備、装置等の操作、調整及び点検

ロ 異常な事態が発生した場合における応急の措置

ハ 保護具の使用

3 作業環境測定について

(1) 変異原化学物質に係る作業が屋内で行われる場合であって、当該物質に関する作業環境測定手法が開発されているときには、定期に当該物質の性状に応じ作業環境測定基準、作業環境ガイドブック等を参考として作業環境測定を実施することが望ましいこと。

(2) 作業環境測定の結果及び結果の評価の記録を30年間保存するよう努めること。

4 労働衛生教育について

(1) 変異原化学物質等を製造し、又は取り扱う作業に従事している労働者及び当該作業に従事させることとなった労働者に対して、次の事項について労働衛生教育を行うこと。

イ 変異原化学物質の性状及び有害性

ロ 変異原化学物質による健康障害、その予防方法及び応急措置

ハ 局所排気装置その他の変異原化学物質への暴露を低減するための設備並びにそれらの保守及び点検の方法

ニ 保護具の種類、性能、使用方法及び保守管理

(2) 上記事項に係る労働衛生教育の時間は4時間以上とすること。

(3) (1)のイからニの全部又は一部について十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該項目についての教育を省略して差し支えないこと。

5 危険有害性等の表示について

「化学物質等の危険有害性等の表示に関する指針」(平成4年労働省告示第60号)に基づき、変異原化学物質等を譲渡し、又は提供する場合には化学物質等安全データシートを交付し、容器、包装等にラベル表示を行う等の措置を講ずること。

6 変異原化学物質等の製造等に従事する労働者の把握について

変異原化学物質等を製造し、又は取り扱う作業に常時従事する労働者について、1年を超えない期間ごとに次の事項を記録すること。

イ 労働者の氏名

ロ 従事した作業の概要及び当該作業に従事した期間

ハ 変異原化学物質により著しく汚染される事態が生じたときは、その概要及び講じた応急措置の概要

なお、上記の事項の記録は、当該記録を行った日から30年間保存するよう努めること。

別添2

○変異原性が認められた化学物質の取扱いについて

(平成23年11月29日)

(基発1129第2号)

(届出事業者あて厚生労働省労働基準局長通知)

労働安全衛生法第57条の3第1項の規定に基づき、貴殿から届出のあった下記の化学物質(以下「届出物質」という。)に係る有害性調査の結果について、学識経験者から、強度の変異原性が認められる旨の意見を得たところです。

つきましては、届出物質の製造又は取扱いに関し、別添の「変異原性が認められた化学物質による健康障害を防止するための指針」(平成5年5月17日付け基発第312号の3の別添1)に基づく措置を講ずる等、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講ずるようお願いします。

1 届出年月日等

2 官報掲載年月日

3 官報公示名称

(別添 略)

別添3

○変異原性が認められた化学物質の取扱いについて

(平成23年11月29日)

(基発1129第3号)

(社団法人日本化学工業協会会長・社団法人日本化学品輸出入協会会長・化成品工業協会会長・農薬工業会会長・日本製薬団体連合会会長あて厚生労働省労働基準局長通知)

労働安全衛生行政の運営につきましては、日頃から格段の御協力を賜り厚くお礼申し上げます。

さて、これまで、労働安全衛生法第57条の3第1項の規定に基づき届出のあった化学物質(以下「届出物質」という。)については、同条第3項の規定に基づき当該化学物質の名称を公表するとともに、同条第4項の規定に基づき有害性の調査の結果について学識経験者の意見を聴取し、変異原性試験の結果強度の変異原性が認められる旨の意見を得たものについては、「変異原性が認められた化学物質による健康障害を防止するための指針」(平成5年5月17日付け基発第312号の2の別添。以下「指針」という。)に基づく措置を講ずるよう、要請してきているところです。

今般、「労働安全衛生法第57条の3第3項の規定に基づき新規化学物質の名称を公表する件」(平成22年厚生労働省告示第425号、平成23年厚生労働省告示第76号、第201号及び第357号)により、1163物質の名称を公表したところですが、それらの化学物質のうち、別紙1に掲げる32の届出物質について、学識経験者から、変異原性試験の結果、強度の変異原性が認められる旨の意見を得ました。

また、法第57条の3第1項の既存の化学物質として政令に定める化学物質(以下「既存化学物質」という。)のうち、別紙2に掲げる1物質について、新たな知見により強度の変異原性が認められました。

つきましては、貴団体におかれましても、傘下会員に対し、別紙1に掲げる届出物質又は別紙2に掲げる既存化学物質を製造し、又は取り扱う際には、指針に基づく措置を講ずる等、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講ずる旨周知いただきますようお願いします。

(別紙1、別紙2 略)