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○「生活福祉資金の貸付けについて」の一部改正について

(平成23年11月2日)

(厚生労働省発社援1102第1号)

(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生労働事務次官通知)

生活福祉資金の貸付けについては、平成21年7月28日付厚生労働省発社援0728第9号厚生労働事務次官通知「生活福祉資金の貸付けについて」に基づき実施されているところであるが、今般、下記のとおり関連通知の一部を改正し、平成23年10月1日から適用することとしたので通知する。

「生活福祉資金の貸付けについて」(平成21年7月28日厚生労働省発社援0728第9号厚生労働事務次官通知)の一部改正

別紙のとおり改正する。

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(参考:改正後全文)

○生活福祉資金の貸付けについて

(平成21年7月28日)

(厚生労働省発社援0728第9号)

(各都道府県知事・各指定都市市長あて厚生労働事務次官通知)

改正 平成22年 8月 6日厚生労働省発社援0806第2号

同 23年11月 2日厚生労働省発社援1102第1号

生活福祉資金の貸付けについては、平成2年8月14日付厚生省社第398号厚生事務次官通知「生活福祉資金の貸付けについて」、平成13年12月17日付厚生労働省発社援第537号本職通知「生活福祉資金(離職者支援資金)の貸付けについて」、平成14年12月24日付厚生労働省発社援第1224001号本職通知「生活福祉資金(長期生活支援資金)の貸付けについて」、平成19年3月27日付厚生労働省発社援第0327002号本職通知「生活福祉資金(要保護世帯向け長期生活支援資金)の貸付けについて」により実施してきたところである。

今般、現下の厳しい雇用経済情勢に対応するため、様々な雇用対策や生活保護等福祉施策等が、セーフティネットとして重層的に機能することが求められている。こうしたセーフティネットの施策の一つとして、本制度が、低所得者、高齢者、身体障害者等に対して更なる活用促進が図られ、効果的な支援を実施できるよう、資金の種類の統合・再編を行う等の見直しを行ったので、別紙のとおり「生活福祉資金貸付制度要綱」(以下「要綱」という。)を定め、平成21年10月1日より施行することとしたので通知する。

また、本制度の運営に当たっては、下記に留意のうえ遺憾なきを期されたい。なお、前述の平成2年8月14日付厚生省社第398号厚生事務次官通知「生活福祉資金の貸付けについて」、平成13年12月17日付厚生労働省発社援第537号本職通知「生活福祉資金(離職者支援資金)の貸付けについて」、平成14年12月24日付厚生労働省発社援第1224001号本職通知「生活福祉資金(長期生活支援資金)の貸付けについて」、平成19年3月27日付厚生労働省発社援第0327002号本職通知「生活福祉資金(要保護世帯向け長期生活支援資金)の貸付けについて」については、平成21年9月30日限り廃止する。

1 制度の周知徹底

本制度は、戦後復興期の低所得者階層の防貧と自立更生を促進する地域活動を起源とし、その後、その時代時代における経済・社会情勢等を踏まえ、幾度の改正を行い現在に至っている。

制度の所期の目的は、現在においても揺るぎないものであるが、現下の厳しい経済情勢においても単に景気だけの問題に還元されるものではなく、雇用主の都合による解雇等の問題を含み、また、社会情勢をみても多重債務問題が深刻化されること等、時代はこれまでに増して多様かつ深刻な問題を抱えている。こうした諸情勢を鑑み、今般、抜本的な見直しを行ったところである。

制度の周知に当たっては、このような経済・社会情勢の変化や今般の抜本的な見直しの趣旨・目的を十分理解の上、自治体、都道府県社会福祉協議会、市町村社会福祉協議会、民生委員による活動はもとより、福祉事務所、公共職業安定所等関係機関とも十分連携して、取組むことがことさら重要である。

なお、関係機関等との連携を具体化させるものとして、生活・就労等生活全般に係る総合相談キャンペーンの企画・参加なども考えられ、あらゆる広告媒体・機会等を活用しながら創意工夫した周知活動を期待する。

2 相談支援の充実

本制度の運用は民生委員活動と両輪の関係にあることは勿論であるが、今般4つの資金種別に整理統合されたことにより、従来にも増して、より資金ニーズに応じた関係機関との連携が重要となる。特に、総合支援資金については、自治体が実施する住宅手当及びホームレス対策並びに公共職業安定所が実施する各種雇用施策等との連携がことさら重要となる。

また、法律的な解決が必要な問題を抱える者も多くあることから、こうした問題解決のためには、地元弁護士会等専門家の協力も必要となることも踏まえれば、総合支援体制の確立が求められる。

3 適正迅速な運営

本制度は民法に基づく金銭消費借契約を原則とするものであるが、今般の見直しの基本方針である「借り易く、かつ貸し易く」、また、真に必要とする者に対してサービスを提供するという「適正実施の精神」を十分理解した上で制度の運用に当たることが重要である。

(別紙)生活福祉資金貸付制度要綱

第1 目的

この要綱は、低所得者、障害者又は高齢者に対し、資金の貸付けと必要な相談支援を行うことにより、その経済的自立及び生活意欲の助長促進並びに在宅福祉及び社会参加の促進を図り、安定した生活を送れるようにすることを目的とする。

第2 実施主体

1 生活福祉資金(以下「資金」という。)の貸付けは、社会福祉法第110条第1項に規定する都道府県社会福祉協議会(以下「都道府県社協」という。)が行うものとする。

2 都道府県社協は、資金の貸付業務の一部を当該都道府県の区域内にある社会福祉法第109条第1項に規定する市町村社会福祉協議会(以下「市町村社協」という。)に委託することができる。

第3 貸付対象

資金の貸付けの対象となる世帯は、次の各号に掲げる世帯とする。

ただし、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)が属する世帯を除くものとする。

(1) 資金の貸付けにあわせて必要な支援を受けることにより独立自活できると認められる世帯であって、独立自活に必要な資金の融通を他から受けることが困難であると認められるもの(以下「低所得世帯」という。)

(2) 次に掲げる身体障害者、知的障害者又は精神障害者(以下「障害者」という。)の属する世帯(以下「障害者世帯」という。)

ア 身体障害者福祉法第15条の規定により、身体障害者手帳の交付を受けた者

イ 「療育手帳制度について」(昭和48年厚生事務次官通知)別紙療育手帳制度要綱により療育手帳の交付を受けている者(現に障害者自立支援法によるサービスを利用している等これと同程度と認められる者を含む。)

ウ 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第45条の規定により、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている者(現に障害者自立支援法によるサービスを利用している等これと同程度と認められる者を含む。)

(3) 65歳以上の高齢者の属する世帯(以下「高齢者世帯」という。)

第4 資金の種類

資金の種類は、次の4種類とする。

1 総合支援資金

失業者等、日常生活全般に困難を抱えており、生活の立て直しのために継続的な相談支援(就労支援、家計指導等)と生活費及び一時的な資金を必要とし、貸付けを行うことにより自立が見込まれる世帯であって、次のいずれの条件にも該当する世帯に対し、(1)から(3)に掲げる費用として貸し付ける資金をいう。

ア 低所得世帯であって、収入の減少や失業等により生活に困窮し、日常生活の維持が困難となっていること

イ 資金の貸付けを受けようとする者(以下「借入申込者」という。)の本人確認が可能であること

ウ 現に住居を有していること又は住宅手当緊急特別措置事業における住宅手当(以下「住宅手当」という。)の申請を行い、住居の確保が確実に見込まれること

エ 実施主体及び関係機関から、貸付け後の継続的な支援を受けることに同意していること

オ 実施主体が貸付け及び関係機関とともに支援を行うことにより、自立した生活を営めることが見込まれ、償還を見込めること

カ 失業等給付、職業訓練受講給付金、生活保護、年金等の他の公的給付又は公的な貸付けを受けることができず、生活費を賄うことができないこと

(1) 生活支援費

生活再建までの間に必要な生活費用

(2) 住宅入居費

敷金、礼金等住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用

(3) 一時生活再建費

生活を再建するために一時的に必要かつ日常生活費で賄うことが困難である費用

2 福祉資金

低所得世帯、障害者世帯又は高齢者世帯(日常生活上療養又は介護を要する高齢者が属する世帯に限る。)に対し、次の各号に掲げる費用として貸し付ける資金をいう。

(1) 福祉費

日常生活を送る上で、又は自立生活に資するために、一時的に必要であると見込まれる費用

(2) 緊急小口資金

次の理由により緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に貸し付ける少額の費用

ア 医療費又は介護費の支払等臨時の生活費が必要なとき

イ 給与等の盗難又は紛失によって生活費が必要なとき

ウ 火災等被災によって生活費が必要なとき

エ その他これらと同等のやむを得ない事由によるとき

3 教育支援資金

低所得世帯に対し、次の各号に掲げる費用として貸し付ける資金をいう。

(1) 教育支援費

低所得世帯に属する者が学校教育法に規定する高等学校(中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部及び専修学校の高等課程を含む。以下「高等学校」という。)、大学(短期大学及び専修学校の専門課程を含む。)又は高等専門学校に就学するのに必要な経費

(2) 就学支度費

低所得世帯に属する者が高等学校、大学(短期大学及び専修学校の専門課程を含む。)又は高等専門学校への入学に際し必要な経費

4 不動産担保型生活資金

次の各号に掲げる資金をいう。

(1) 不動産担保型生活資金

一定の居住用不動産を有し、将来にわたりその住居に住み続けることを希望する高齢者世帯であって、次のいずれにも該当する世帯に対し、当該不動産を担保として生活費を貸し付ける資金

ア 借入申込者が単独で所有している居住用不動産(同居の配偶者とともに連帯して資金の貸付けを受けようとする場合に限り、当該配偶者と共有している不動産を含む。)に居住している世帯であること

イ 借入申込者が所有している居住用不動産に賃借権等の利用権及び抵当権等の担保権が設定されていないこと

ウ 借入申込者に配偶者又は借入申込者若しくは配偶者の親以外の同居人がいないこと

エ 借入申込者の属する世帯の構成員が原則として65歳以上であること

オ 借入申込者の属する世帯が市町村民税非課税程度の低所得世帯であること

(2) 要保護世帯向け不動産担保型生活資金

一定の居住用不動産を有し、将来にわたりその住居を所有し、又は住み続けることを希望する要保護の高齢者世帯であって、次のいずれにも該当する世帯に対し、当該不動産を担保として生活費を貸し付ける資金

ア 借入申込者が単独で概ね500万円以上の資産価値の居住用不動産(借入申込者の配偶者とともに連帯して資金の貸付けを受けようとする場合に限り、当該配偶者と共有している不動産を含む。)を所有していること

イ 借入申込者が所有している居住用不動産に賃借権等の利用権及び抵当権等の担保権が設定されていないこと

ウ 借入申込者及び配偶者が原則として65歳以上であること

エ 借入申込者の属する世帯が、本制度を利用しなければ、生活保護の受給を要することとなる要保護世帯であると保護の実施機関(生活保護法第19条第4項に規定する保護の実施機関をいう。以下同じ。)が認めた世帯であること

第5 貸付金額の限度

貸し付ける資金(以下「貸付金」という。)の額は、次に掲げるとおりとする。なお、貸付限度額は、都道府県社協の会長(以下「都道府県社協会長」という。)が借入申込者の資金の使途や必要性、償還能力等を十分勘案し決定するものとする。

1 総合支援資金

(1) 生活支援費

二人以上の世帯は月額200,000円以内。単身世帯は月額150,000円以内。

また、貸付期間(貸付金を交付する期間をいう。以下同じ。)は、12月以内の期間とする。ただし、当該期間内であっても、資金の貸付けを受けた者(以下「借受人」という。)が自立した生活を営むことが可能となった場合には、貸付けを行わないものとする。

(2) 住宅入居費

400,000円以内

(3) 一時生活再建費

600,000円以内

2 福祉資金

(1) 福祉費

5,800,000円以内。なお、資金目的に応じた貸付上限額の目安は別に定めるものとする。

(2) 緊急小口資金

100,000円以内

3 教育支援資金

(1) 教育支援費

ア 高等学校

月額35,000円以内

イ 高等専門学校

月額60,000円以内

ウ 短期大学(専修学校専門課程を含む。)

月額60,000円以内

エ 大学

月額65,000円以内

(2) 就学支度費

500,000円以内

4 不動産担保型生活資金

(1) 不動産担保型生活資金

ア 本資金の借入申込者が現に居住している建物及び土地のうち土地(以下「本件土地」という。)の評価額の7割を標準として都道府県社協会長が定めた額。

イ 1月当たりの貸付額は、300,000円以内で都道府県社協会長及び借入申込者が契約により定めた額

(2) 要保護世帯向け不動産担保型生活資金

ア 本資金の借入申込者が現に所有している居住用不動産(以下「本件不動産」という。)の評価額の7割(集合住宅の場合は5割)を標準として都道府県社協会長が定めた額

イ 1月当たりの貸付額は、当該世帯の貸付基本額の範囲内で都道府県社協会長及び借入申込者が契約により定めた額

ウ 前号の貸付基本額は、当該世帯の最低生活費等を勘案し、保護の実施機関が定めた額とする。

5 貸付限度額の特例

貸付限度額について、特に必要と認められるときは、厚生労働大臣が特別の措置を講ずることができるものとする。

第6 貸付けの方法

1 貸付金の据置期間及び償還期限

貸付金の据置期間及び償還期限は、次表のとおりとする。ただし、災害を受けたことにより、総合支援資金又は福祉資金を貸し付ける場合には、当該災害の状況に応じ、次表の規定にかかわらず、据置期間を貸付けの日から2年以内とすることができる。

資金の種類

据置期間

償還期限

総合支援資金

生活支援費

最終貸付日から6月以内

据置期間経過後20年以内

住宅入居費

貸付けの日(生活支援費とあわせて貸し付けている場合には、生活支援費の最終貸付日)から6月以内

一時生活再建費

福祉資金

福祉費

貸付けの日(分割による交付の場合には最終貸付日)から6月以内

据置期間経過後20年以内

緊急小口資金

貸付けの日から2月以内

据置期間経過後8月以内

教育支援資金

教育支援費

卒業後6月以内

据置期間経過後20年以内

就学支度費

不動産担保型生活資金

不動産担保型生活資金

契約の終了後3月以内

据置期間終了時

要保護世帯向け不動産担保型

生活資金

2 貸付金の利率

(1) 総合支援資金及び福祉費の貸付金の利率は、連帯保証人を立てる場合は無利子とし、連帯保証人を立てない場合は据置期間経過後年1.5パーセントとする。

(2) 緊急小口資金及び教育支援資金は、無利子とする。

(3) 不動産担保型生活資金(第4の4の(1)に規定する「不動産担保型生活資金」をいう。以下同じ。)及び要保護世帯向け不動産担保型生活資金の貸付金の利率は、都道府県社協会長が年度(毎年4月1日から翌年3月31日までをいう。)ごとに、年3パーセント又は当該年度における4月1日(当日が金融機関等休業日の場合はその翌営業日)時点の銀行の長期プライムレートのいずれか低い方を基準として定めるものとする。

(4) 不動産担保型生活資金及び要保護世帯向け不動産担保型生活資金の貸付金の利子は、初回の貸付金の交付日の属する月から起算して36月ごとの期間中の貸付金の総額ごとに、当該期間の最終日(当該期間の途中で貸付けを停止した場合は、当該貸付停止日)の翌日から当該貸付金の償還期限までの間、日数により計算して付するものとする。

3 貸付けの特例

貸付金の据置期間、償還期限及び利率について、特に必要と認められるときは、厚生労働大臣が特別の措置を講ずることができるものとする。

4 貸付金の交付

貸付金の交付は、一括、分割又は月決めの交付の方法によるものとする。ただし、総合支援資金のうち生活支援費、不動産担保型生活資金及び要保護世帯向け不動産担保型生活資金については次の方法によるものとする。

(1) 生活支援費

貸付金は、原則として1月ごとに交付するものとする。

(2) 不動産担保型生活資金及び要保護世帯向け不動産担保型生活資金

ア 貸付期間は、貸付元利金(貸付金とその利子を合計した金額をいう。以下同じ。)が貸付限度額に達するまでの期間とする。

イ 不動産担保型生活資金の貸付金は、原則として3月ごとに交付するものとする。

ウ 要保護世帯向け不動産担保型生活資金の貸付金は、原則として1月ごとに交付するものとする。

5 貸付金の償還

(1) 総合支援資金、福祉資金、教育支援資金の貸付金の償還は、年賦償還、半年賦償還又は月賦償還の方法によるものとする。ただし、借受人は、いつでも繰上償還することができる。

(2) 総合支援資金、福祉資金、教育支援資金の貸付金の償還は、元金均等償還の方法によることを原則とする。

第7 連帯借受人

1 借入を希望する世帯に属する者が就職、転職、就学又は技能を習得するために、福祉費又は教育支援資金の借入申込を行うに当たっては、当該者が借受人となった場合は、生計中心者が連帯債務を負担する借受人(以下「連帯借受人」という。)として加わらなければならない。ただし、生計中心者が借受人となった場合は、当該者が連帯借受人として加わらなければならない。

2 1により連帯借受人を立てた場合には、原則として連帯保証人は必要としないものとする。この場合、第6の2の(1)においては、連帯保証人を立てたものとみなす。

第8 連帯保証人

1 借入申込者は、原則として連帯保証人を立てるものとする。ただし、連帯保証人を立てない場合でも、資金の貸付けを受けることができるものとする。

2 緊急小口資金又は要保護世帯向け不動産担保型生活資金の貸付けを受けようとするときは、連帯保証人を必要としないものとする。

3 不動産担保型生活資金の連帯保証人については、第17の1の規定による。

4 連帯保証人は、原則として1名とする。

5 連帯保証人は、借受人と別世帯に属する者であって、原則として借受人と同一都道府県に居住し、かつ、その世帯の生活の安定に熱意を有する者とする。ただし、貸付対象世帯の状況から同一都道府県に居住する連帯保証人が得られない場合には、この限りでない。

6 借受人又は借入申込者は、他の借受人又は借入申込者の連帯保証人となることはできない。

第9 重複貸付及び再貸付

1 重複貸付

同一世帯に対して資金(資金ごとに細分された経費の種類を含む。以下同じ。)を同時に貸し付ける場合には、資金の性格から判断して貸し付けられるものとする。

2 再貸付

同種の資金の再度にわたる貸付けは、次の各号の場合に限り行うことができる。この場合において、特に借受世帯の償還能力を勘案し貸し付けるものとする。

(1) 借受人又は借受人の属する世帯が災害その他やむを得ない事情にあると認められるとき

(2) 借受人の自立更生を促進するために特に必要があると認められるとき

第10 貸付決定及び契約締結

1 都道府県社協会長は、借入申込者(要保護世帯向け不動産担保型生活資金の借入申込者の場合は、本制度の利用に関してあらかじめ保護の実施機関から通知を受けている者に限る。)から資金の借入れの申込みがあったときは、申込みの内容を審査し、貸付けの決定をするものとする。

2 都道府県社協会長は、資金の貸付けを決定したときは、借入申込者に対し貸付決定通知書を交付し、貸付けに係る契約を締結(以下「貸付契約」という。)するとともに、借入申込者から借用書の提出を受けるものとする。

第11 借受人等の責務

1 借受人は、借入の目的に即した資金の使用や市町村社協及び都道府県社協、民生委員が行う必要な相談支援により、経済的及び社会的な自立を図り、安定した生活を送れるよう努めなければならない。

2 総合支援資金、福祉資金、教育支援資金の借受人は、あらかじめ償還計画を策定し、都道府県社協会長との契約に定める償還方法により、償還期限までに貸付金を償還しなければならない。

3 借受人、連帯借受人、連帯保証人は市町村社協及び都道府県社協から、契約で定めた内容等に関する問い合わせを受けたとき又は定期的な報告を求められたときは、回答又は報告を行わなければならない。

4 不動産担保型生活資金及び要保護世帯向け不動産担保型生活資金の借受人は、都道府県社協会長の承認を受けずに居住用不動産の譲渡、居住用不動産に対する賃借権等の利用権又は抵当権等の担保権の設定、居住用不動産の損壊その他居住用不動産に係る一切の法律上及び事実上の処分をしてはならない。

5 不動産担保型生活資金及び要保護世帯向け不動産担保型生活資金の借受人は、都道府県社協会長の求めがあれば、本件土地及び本件不動産の再評価その他貸付けの実施に必要な調査に協力しなければならない。

6 不動産担保型生活資金の借受人は、都道府県社協会長の承認を受けずに配偶者又は借受人若しくは配偶者の親以外の者を同居させてはならない。

7 借受人、連帯借受人、連帯保証人、又は借受人が要保護世帯向け不動産担保型生活資金を利用することに同意した推定相続人(不動産担保型生活資金及び要保護世帯向け不動産担保型生活資金の借入申込者の相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)は次のいずれかに該当する場合は、直ちに都道府県社協会長に届け出なければならない。

(1) 借受人の氏名に変更があったとき

(2) 借受人が就職等による自立又は必要な資金の融通を他から受ける等して、貸付けの目的を達成したとき

(3) 借受人が生活保護受給を開始したとき

(4) 借受人が転居し、又は入院若しくは社会福祉施設等への入所等により居住用不動産を長期間にわたり不在にするとき

(5) 借受人が仮差押若しくは仮処分(以下「民事保全」という。)又は強制執行若しくは競売(以下「民事執行」という。)の申立てを受けたとき

(6) 借受人が破産又は民事再生手続開始(以下「破産等」という。)の申立てを受け、又は申立てをしたとき

(7) 借受人に関し成年後見、保佐又は補助開始の審判、任意後見監督人選任の審判その他借受人の心身の状況に著しい変更があったとき

(8) 借受人が死亡したとき

(9) 連帯借受人又は連帯保証人の氏名又は住所に変更があったとき

(10) 連帯借受人又は連帯保証人の状況に著しい変更があったとき

(11) 不動産担保型生活資金の貸付けにおいて次の変更等があったとき

ア 借受人の推定相続人の範囲に変更があったとき

イ 同居者の転出入その他借受人の属する世帯の状況に著しい変更があったとき

ウ 居住用不動産が法令により収用又は使用されたとき

エ 滅失、損壊その他の事由によって居住用不動産の価値が著しく減少したとき

(12) 要保護世帯向け不動産担保型生活資金の貸付けにおいて次の変更等があったとき

ア 借受人の推定相続人の範囲に変更があったことを知ったとき

イ 借受人の推定相続人の氏名又は住所に変更があったことを知ったとき

ウ 貸付けを受けた時点において世帯に属していた者以外の者を同居させようとするとき

エ 本件不動産が法令により収用又は使用されたとき

オ 滅失、損壊その他の事由によって本件不動産の価値が著しく減少したとき

(13) その他都道府県社協会長が定めた事由が生じたとき

8 その他、借受人、連帯借受人及び連帯保証人は、都道府県社協会長との契約に定める条件を遵守しなければならない。

第12 一時償還及び貸付けの停止及び解約

1 都道府県社協会長は、次の各号のいずれかに該当すると判断した場合には、いつでも貸付金の全部又は一部につき一時償還を請求し、又は将来に向かって貸付けを停止し若しくは貸付契約を解約することができる。

(1) 借受人が貸付金の使途をみだりに変更し、又は他に流用したとき

(2) 借受人が虚偽の申込みその他不正な手段により貸付けを受けたとき

(3) 借受人がその責務に違反したとき

(4) 借受人が借受期間中に就職等による自立又は必要な資金の融通を他から受ける等して、貸付けの目的を達成したと認められるとき

(5) 借受人が貸付けの目的を達成する見込みがないと認められるとき

(6) 借受人が生活保護受給を開始したとき

(7) 借受人が民事保全又は民事執行の申立てを受けたとき

(8) 借受人が破産等の申立てをし、又は申立てを受けたとき

(9) 不動産担保型生活資金又は要保護世帯向け不動産担保型生活資金の貸付けにおいて次のいずれかの変更等があったとき

ア 借受人が転居等により居住用不動産に居住しなくなったとき

イ 居住用不動産が法令に基づき収用又は使用されたとき

ウ 滅失、損壊その他の事由によって居住用不動産の価値が著しく減少したとき

(10) 借受人が都道府県社協会長から求められた貸付限度額の変更に応じないとき

(11) 借受人又は借受人の属する世帯の者が暴力団員であることが判明したとき

(12) その他貸付け又は貸付契約を継続しがたい事由が生じたとき

2 生活支援費の貸付けにおいて、都道府県社協会長は、借受人が貸付期間中に一時的に他の公的給付又は公的な貸付けを受け、生活費をまかなうことができる場合には、当該給付又は貸付けを受けている間は、貸付けを停止するものとする。

3 不動産担保型生活資金及び要保護世帯向け不動産担保型生活資金の貸付けの場合は、都道府県社協会長は、貸付元利金が貸付限度額に達したときは、貸付けを停止するものとする。

4 借受人は、都道府県社協会長に申し出て貸付けの停止を求め、又は貸付契約を解約することができる。

第13 延滞利子

1 都道府県社協会長は、借受人が貸付元利金を定められた償還期限までに償還しなかったときは、延滞元金につき年10.75パーセントの率をもって、当該償還期限の翌日から償還した日までの日数により計算した延滞利子を徴収する。

ただし当該償還期限までに償還しなかったことについて、災害その他やむを得ない事由があると認められるとき又は不動産担保型生活資金及び要保護世帯向け不動産担保型生活資金において償還のために行う居住用不動産の換価に日時を要すると認められるときは、この限りでない。

2 都道府県社協会長は、前項により計算した延滞利子がこれを徴収するのに要する費用に満たないと認められるときは、当該延滞利子を債権として調定しないことができる。

第14 貸付金の償還猶予

1 都道府県社協会長は、借受人又は借受人の属する世帯が災害その他やむを得ない事由により償還期限までに貸付元利金を償還することが著しく困難になったと認められるときは借受人又は連帯保証人の申請に基づき貸付元利金の償還を猶予することができる。

2 都道府県社協会長は、教育支援資金に係る貸付金の償還期日において、当該資金の貸付けにより入学又は就学をした者が高等学校、大学若しくは高等専門学校に就学しているときは、貸付元利金の償還を猶予することができる。

3 都道府県社協会長は、不動産担保型生活資金及び要保護世帯向け不動産担保型生活資金の借受人が死亡した場合であって、配偶者から承継の申出があった場合には、貸付契約の承継の決定をするまでの間について、当該配偶者の申請に基づき貸付元利金の償還を猶予することができる。

4 都道府県社協会長は、要保護世帯向け不動産担保型生活資金の貸付元利金が貸付限度額に達した後借受人が死亡した場合であって、配偶者が死亡するまでの間、当該配偶者の申請に基づき貸付元利金の償還を猶予することができる。

5 都道府県社協会長は、貸付元利金の償還を猶予した場合であっても、借受人が民事保全、民事執行若しくは破産等の申立てを受け、又は破産等の申立てをしたときその他必要があると認めるときは、償還の猶予を取り消すことができる。

第15 償還免除

都道府県社協会長は、死亡その他やむを得ない事由により貸付元利金(延滞利子を含む。)を償還することができなくなったと認められるときは、貸付元利金(延滞利子を含む。)の償還未済額の全部又は一部の償還を免除することができる。

第16 民生委員の役割

民生委員は、民生委員法第14条の職務内容に関する規定に基づき、都道府県社協及び市町村社協と緊密に連携し、本貸付事業の運営についても積極的に協力するものとする。具体的には、

(1) 都道府県社協及び市町村社協、福祉事務所等関係機関と連携した本制度の広報・周知活動

(2) 本制度の利用に関する情報提供、助言

(3) 都道府県社協及び市町村社協の要請に基づく、借入申込者及び借受人の属する世帯の調査及び生活実態の把握

(4) 借受人の自立更生に関する生活全般にわたる相談支援

等であり、借受人及び借入申込者の生活自立が図られるよう、民生委員の相談支援を通じたきめ細やかな対応が期待される。

第17 不動産担保型生活資金の貸付け

1 償還担保措置

(1) 不動産担保型生活資金

ア 借入申込者は、都道府県社協会長のために所有している居住用不動産に関し根抵当権を設定し、登記をするものとする。

イ 借入申込者は、都道府県社協会長のために所有している居住用不動産に関し代物弁済の予約に応じ、所有権移転請求権保全のための仮登記をするものとする。

ウ 借入申込者は、その推定相続人の中から1名を連帯保証人として立てなければならない。

エ 連帯保証人は、借受人と連帯して債務を負担するものとする。

オ 連帯保証人の責任は、借入申込者が居住用不動産に設定した根抵当権の極度額を限度とする。

カ 借入申込者は、貸付契約を締結することに関し、その連帯保証人以外の推定相続人の同意を得るよう努めなければならない。

(2) 要保護世帯向け不動産担保型生活資金

ア 借入申込者は、都道府県社協会長のために本件不動産に関し根抵当権を設定し、登記をするものとする。

イ 保護の実施機関は、本制度の利用について、推定相続人に対し必要な説明を行うよう努めるものとする。その際、本制度の利用についての同意を得るよう努めるものとし、同意が得られない場合であっても、本制度の趣旨等について必要な説明を行うものとする。

2 推定相続人の異動

(1) 不動産担保型生活資金

ア 推定相続人がいなかった借受人に貸付契約の締結から終了までの間(以下「契約期間中」という。)に推定相続人が生じた場合は、当該推定相続人の中から1名を連帯保証人として立てなければならない。

イ 契約期間中に連帯保証人が死亡又は破産したときは、借受人は推定相続人の中から代わりの連帯保証人を立てなければならない。

ウ 契約期間中に連帯保証人が借受人の推定相続人でなくなったときは、借受人は推定相続人の中から新たに連帯保証人を立てなければならない。この場合において、当該推定相続人でなくなった連帯保証人の責任は、1の(1)のオの規定にかかわらず、新たな連帯保証人が保証契約を締結した時点までに貸し付けた貸付金及びその利子の償還を限度とする。

エ 契約期間中に借受人に新たな推定相続人が生じた場合は、1の(1)のカの規定を準用する。

(2) 要保護世帯向け不動産担保型生活資金

契約期間中に借受人に新たな推定相続人が生じた場合については、1の(2)のイの規定を準用する。

3 不動産の再評価

(1) 都道府県社協会長は、各単位期間ごとに本件土地又は本件不動産の再評価を行うものとする。

(2) (1)の規定にかかわらず、都道府県社協会長は、滅失、損壊その他の事由によって本件不動産の価値が著しく減少したおそれがあると認めるときは、本件土地又は本件不動産の再評価を行うものとする。

(3) 都道府県社協会長は、本件土地又は本件不動産の再評価を行った場合において、必要があると認めるときは、借受人に対し貸付限度額の変更を求めるものとする。

4 契約の終了

貸付契約は、次のいずれかの事由が生じた場合に終了する。ただし、(1)については、5の規定に基づく貸付契約の承継が行われた場合は、この限りでない。

(1) 借受人(連帯借受人がいる場合は借受人及び連帯借受人)が死亡したとき

(2) 都道府県社協会長が貸付契約を解約したとき

(3) 借受人が貸付契約を解約したとき

5 貸付契約の承継

(1) 借受人が死亡した場合であって、次のいずれにも該当する場合は、借受人の配偶者は都道府県社協会長と貸付金の承継に係る契約(以下「承継契約」という。)を締結し、貸付契約の承継を行うことができる。

ア 原則として配偶者が従来借受人と同居していたこと

イ 配偶者が居住用不動産を単独で相続し、登記をしていること

ウ 原則として配偶者が居住用不動産に引き続いて居住する予定であること

エ 借受人に係る貸付元利金が、承継の申し出があったときに行う再評価により算定した貸付限度額に達していないこと

(2) 承継契約が締結された場合は、借受人の死亡時に遡って貸付契約は継続していたものとみなす。この場合において、借受人の死亡後、承継契約が締結されるまでの間に配偶者に対し貸し付けるべき資金は、承継契約の締結後速やかに交付するものとする。

6 費用負担

(1) 資金の借入申込みに必要な本件土地又は本件不動産の評価(再評価を除く。)、担保物件の登記(変更登記を除く。)にかかる費用は、不動産担保型生活資金の貸付けにおいては、借受人が負担するものとし、要保護世帯向け不動産担保型生活資金の貸付けにおいては、保護の実施機関が負担するものとする。

(2) 再評価に係る不動産の評価、担保物権の変更登記、居住用不動産の処分その他の貸付契約に係る費用は、不動産担保型生活資金の貸付けのときは、借受人が負担するものとし、要保護世帯向け不動産担保型生活資金の貸付けのときは、都道府県社協が負担するものとする。

(3) 上記(1)(2)以外に要するその他の費用は、借受人が負担するものとする。

第18 その他

この要綱中「市町村社協」とあるのは、都の特別区及び指定都市の区の存する区域の社会福祉協議会については「区社協」と、社会福祉協議会が結成されていない市町村においては「市町村民生委員協議会」とそれぞれ読み替えるものとする。

第19 経過措置

平成2年8月14日厚生省発社第398号厚生事務次官通知「生活福祉資金の貸付けについて」、平成13年12月17日厚生労働省発社援第537号本職通知「生活福祉資金(離職者支援資金)の貸付けについて」、平成14年12月24日厚生労働省発社援第1224001号本職通知「生活福祉資金(長期生活支援資金)の貸付けについて」、平成19年3月27日厚生労働省発社援第0327002号本職通知「生活福祉資金(要保護世帯向け長期生活支援資金)の貸付けについて」に基づき貸し付けられた資金は、なお従前の例による。