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○ファミリー・サポート・センター事業における事故防止対策の徹底について

(平成23年10月21日)

(雇児職発1021第1号)

(各都道府県・各指定都市・各中核市ファミリー・サポート・センター事業担当課長あて厚生労働省雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課長通知)

ファミリー・サポート・センター事業における事故については、平成23年7月26日付け雇児職発0726第1号「ファミリー・サポート・センター事業における過去に発生した事故の報告について」により、死亡事故や治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故等について報告をお願いしたところです。

今般、報告いただいた内容及び報告を踏まえた事故防止のための留意事項を別添1及び別添2のとおりまとめましたので、管内市町村及びファミリー・サポート・センターに対し周知頂くとともに、留意事項を参考にして事故防止対策の徹底をお願いいたします。

なお、本通知は地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項に規定する技術的助言として発出するものであることを申し添えます。

別添1

ファミリー・サポート・センター事業における事故報告について

1 報告の概要

(1) 報告対象自治体

都道府県、指定都市、中核市

実施市区町村637(平成22年度)

(2) 報告対象期間

平成18年4月1日~平成23年6月21日

(3) 報告対象事故

死亡事故や治療に要する期間が30日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故等

(4) 報告件数

15件

※ (参考)[平成21年度末現在]

利用会員319,702人 提供会員108,318人 両方会員38,246人

2 報告の内容

(1) 病状別

内訳

骨折

歯を折る

やけど

ねんざ

打撲

自発呼吸無し

その他

合計

件数

5

2

2

1

1

1

3

15

(2) 子どもの年齢別

内訳

0歳

1歳

2歳

3歳

4歳

5歳

6歳

7歳

8歳

9歳

合計

件数

2

1

3

1

1

0

5

1

0

1

15

(3) 事故発生場所別

内訳

屋内

屋外

その他

合計

提供会員宅

依頼会員宅

その他

公園

路上

校庭

件数

4

1

4

2

2

1

1

15

(4) 事由別

内訳

転倒

落下

挟まれる

接触

不明

合計

件数

5

3

3

2

2

15

3 事故発生状況の事例

(1) 転倒の事例

① 提供会員がお迎えに行った時に校庭を走っている途中や、子どもが帰宅の準備中、グランド内で遊びながら歩いていたところ転倒(2件)

② ボールを投げる時、バランスを崩して転倒して骨折(1件)

③ 提供会員が子どもを車に乗せて保育園からの送迎中、車が急停車したため子どもが車内前方へ転倒(1件)

④ 鬼ごっこをして遊んでいた時、木の枝が衣服に引っかかり顔面から転倒(1件)

(2) 落下の事例

① 公園の遊具(吊り輪、うんてい)で遊んでいる際に手を滑らせて落下(2件)

② 子どもがソファの手すりに上がり、足を滑らせて床に転落(1件)

(3) 挟まれた事例

① 提供会員が児童館で子どもを遊ばせていたところ、子ども自身がドアを開閉し、指を挟まれた。(1件)

② 提供会員がチャイルドシートの足置きを破損したまま、自転車の後ろに子どもを乗せて移動の途中、自転車の後輪に足が挟まれた。(2件)

(4) 接触の事例

① 消して間もない石油ストーブの天板に手をついたり、蚊取線香に触って火傷(2件)

(5) 不明

① 提供会員が乳児を寝かせていたところ、ぐったりして唇に色がなくなった。(1件)

② 提供会員が子どもを抱いて階段を下りた時、足を滑らせてしりもちをついた。その際、何らかの原因で子どもが太ももを骨折(1件)

別添2

事故防止のための留意事項について

ファミリー・サポート・センター事業においては、提供会員は、相互援助活動中の子どもの事故を防止するため、子どもの心身の状態を踏まえ、提供会員宅等の安全点検に取り組むことや子どもに対する屋外遊具の正しい利用方法の指導など充分な注意を払うことが求められる。このためファミリー・サポート・センター事業実施市町村(以下「市町村」という。)は、提供会員等に対し、事業や相互援助活動の内容及び事業の実施方法について充分な説明を行うとともに、過去の児童の事故防止対策に関する通知等も参照しつつ、相互援助活動に必要な知識を付与する講習会の場や会報の配布等を通じ、提供会員等に必要な情報を提供すること。

また、市町村においては、以下の事項に留意するとともに、今回のファミリー・サポート・センター事業における事故の発生状況(平成18年4月1日~平成23年6月21日)を踏まえ、提供会員に対し別紙の事項を周知し、より一層の事故防止の徹底を図ること。

1 講習の充実

会員に対して相互援助活動に必要な知識を付与する講習会において、別紙に掲げる事項も内容とする等その充実を図ること。

2 チェックリストの活用

子どもの事故を防ぐ上での対応が十分でない点を明らかにし、その点を中心に短時間に効果的な指導を行うため、提供会員が日頃から注意すべきポイントをチェックリスト形式でとりまとめたリストを作成し、これを活用して事故防止に役立てること。

3 事故事例及びヒヤリ・ハット事例の検証

事故を未然に防ぐために、事故事例や実際に事故に至らなかったが活動の中で「ヒヤリ」や「ハット」した事例について提供会員から報告を求め、原因を検証し、「チェックリスト」のチェック項目に加えるなど事故防止対策に役立てること。

4 事故発生に備えた対応等

預かり中の子どもに予想される事故の防止に万全を尽くすことが一番であるが、万一事故が発生した場合の対処方法(応急措置を含む。)について、事前に十分な相談・計画・準備をしておくこと。また、事故が発生した場合には、円滑な解決に向け、会員間の連絡、調整を行うこと。

別紙

ファミリー・サポート・センター事業における事故の発生状況を踏まえた提供会員の留意事項

(1) 乳児の扱い

うつぶせに寝かせた時の方が、あおむけ寝の場合に比べてSIDS(乳幼児突然死症候群)の発症率が高いことがわかっており、うつぶせ寝がSIDSを引き起こすものではないが、特段の理由がない限りは、乳児の顔が見えるあおむけに寝かせるようにすること。

また、窒息や誤飲、けがなどの事故を未然に防ぐことになるため、なるべく乳児を一人にしないことや、寝かせ方に対する配慮をすること。

(2) 子どもの転倒事故

提供会員は、子どもの進路につまづきやすいものや段差がないか注意を払うこと。

また、帰宅途中は、提供会員と手をつないで帰る等、転倒させないための工夫をして事故防止に努めること。

さらに、自動車に子ども(6歳未満)を乗車させる場合には、チャイルドシート等の使用が義務づけられているので、必ずチャイルドシートに座らせ、シートベルトをしっかり締めること。

(3) 遊具等からの落下事故

鉄棒の上を歩く、うんていの上に登る、ブランコから途中で飛び降りる等、遊具の誤った使用方法で事故が発生しているので、提供会員は預かり中の子どもに屋外遊具の正しい利用方法について守らせること。

また、事故は子どもから目を離してしまったわずかな時間に発生することも考えられるため、子どもから目を離さないで、子どもの動きに対応できるように留意すること。

(4) 自転車による事故

子どもを自転車の後ろに乗せる場合には、チャイルドシートが整備されていることを十分確認すること。

(5) 火気の使用時における接触事故

ストーブ等の火気を使用する場合には、子どもが火気に触れることのないようにガードをつけたり、子どもの手の届かないところに配置すること。