添付一覧
○フリッケ線量計によるばれいしょの放射線照射線量の測定法について
(平成23年9月16日)
(食安発0916第2号)
(各都道府県知事・保健所設置市長・特別区長あて厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知)
標記については、今般、国際基準への適合性を踏まえた試験法の検討を行い、別添に示す方法に改めることとしたので、御了知の上、適切な運用を図られるようお願いする。
なお、昭和48年12月17日付け環食第305号の1及び平成15年10月23日付け食安基発第1023001号、食安監発第1023001号は、本通知をもって廃止する。
(別添)
フリッケ線量計によるばれいしょの放射線照射線量の測定
1.装置
分光光度計を用いる。
300nm付近で,吸光度2までが±1%以下の精度で測定できるものとし,測定には,10mmの石英セルを用いる。吸光度測定時には線量計溶液温度を測定し,結果を補正する。定期的に標準フィルターを用いて,吸光度を校正する。
2.器具
線量計溶液調製用試薬の保存容器及び線量計溶液調製用のガラス器具は,パイレックスガラス製またはそれと同等のものを用い,クロム硫酸液,洗剤,蒸留水で洗浄後使用する。全ての器具は使用前に洗浄し,ほこりが付かないように保存する。
線量計容器は,パイレックスガラス製の内径12mm以下の試験管あるいはアンプルを用い,クロム硫酸液,洗剤,蒸留水で洗浄後使用する。全ての器具は使用前に洗浄し,ほこりが付かないように保存する。
線量計容器を線量計溶液で3回以上洗浄した後,線量計溶液を満たす。
3.試薬・試液
次に示すもの以外は,第2 添加物の部C 試薬・試液等の項に示すものを用いる。
硫酸第一鉄アンモニウム (NH4)2Fe(SO4)2.6H2O 特級
塩化ナトリウム 特級
硫酸 96.7% 特級
0.4mol/L硫酸溶液 硫酸41.0gと水を混合し,1Lとする。
水1)全ガラス蒸留器で2回蒸留した水を用いる。
4.フリッケ線量計の調製
硫酸第一鉄アンモニウム0.392g及び塩化ナトリウム0.058gを0.4mol/Lの硫酸溶液12.5mLに溶解する。これに,空気で飽和した0.4mol/Lの硫酸溶液を加えて1Lとし,線量計溶液とする。溶液の空気飽和は,有機不純物の混入を避けながら,高純度空気を溶液に通して行う。
調整した線量計溶液をパイレックスガラス製容器に入れて,冷暗所で保存する。線量計溶液は徐々に酸化し,未照射時の吸光度が上昇する。層長10mmの吸光度が0.1を超えた場合,その溶液は使用できない。
5.照射
(1) 線量計設置場所の決定
ばれいしょを詰め,フルローディング規模に配列したコンテナの操業時の照射に先立って決定された線量計設置位置に線量計をとりつける。
線量計は1コンテナ当たり9個を取り付け,3コンテナで測定する2)。溶液と容器壁間に空間ができないように,線量計は縦に設置する。実際の操業に用いる速度でコンベアを運転し線量を測定して,吸収線量の最大および最小の場所を特定する。
また,最大吸収線量が150Gy以下であることを確認する。
(2) 操業時の線量計による線量測定
1日1回以上,上記により定めた吸収線量のもっとも高い場所付近に線量計3個を設置して吸収線量を測定し,各線量計の吸収線量が150Gy以下であることを確認する。溶液と容器壁間に空間ができないように,線量計は縦に設置する。
6.測定法
分光光度計の波長幅を2nm未満とし,照射した線量計溶液の吸光度が最も高いピーク波長を選択する。正常なピーク波長は302―305nmである。セルの無い状態で分光光度計のバランスをゼロとする。層長10mmのセルに蒸留水を満たし,吸光度を測定する。セルの水を捨て,最低2回測定液で洗う。
洗浄した溶液を捨て,測定液を満たし,速やかに吸光度を測定する。照射された溶液測定の前後に,非照射液を測定する。
定期的に蒸留水を測定してセルの汚染を検出し,必要な処置を講ずる。
7.吸収線量の計算
非照射線量計の吸光度A0と,照射した線量計の吸光度Aから,正味吸光度ΔAを計算する。
ΔA=A-A0 式1
吸収線量は下式により算出する。
吸収線量(Gy)=278ΔA[1+0.0069(25-Tread)]×[1-0.00125(25-Tirrad)]
Tread:吸光度測定時の線量計溶液温度
Tirrad:照射時の温度
8.線量計の校正
1年に1回以上,線量計の校正を行う。フリッケ線量計と共にアラニン線量計を設置して照射を行う。照射したアラニン線量計の吸収線量を,国家標準にトレーサブルな検量線を有する施設で測定し,フリッケ線量計による吸収線量と比較する。
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〈注解〉
1) HPLC用の蒸留水は十分に有機物が除かれており使用可能であるが、脱イオン水の使用は推奨されない。
2) 文献(RADIOISOTOPE,58,815―823,2009)によれば,コンテナ中央部上から40cmの場所付近に線量が最大の場所があるとされている。従って,線量分布地図作製には,この付近に線量計を設置することが必要である。重合度が適切で安定しており,鋭敏に終点を視認可能な分析用試薬を用いる。
