アクセシビリティ閲覧支援ツール

添付一覧

添付画像はありません

○労働安全衛生規則の一部を改正する省令の施行について

(昭和53年2月10日)

(基発第78号)

(各都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通知)

[30年保存]

労働安全衛生規則の一部を改正する省令(昭和52年労働省令第32号)は、昭和52年12月27日公布され、昭和53年1月1日から施行された(一部の規定は、昭和53年4月1日又は労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律(昭和52年法律第76号)第1条の規定(労働安全衛生法第45条に3項を加える改正規定のうち同条2項に係る部分に限る。)の施行の日から施行される。)。

今回の改正は、労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律の一部と労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(昭和52年政令第307号)の一部の施行に伴い労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)について所要の規定の整備を図るとともに、最近の労働災害の発生状況等にかんがみ、荷役運搬機械等を用いる作業等に関して規制の強化を図ったものである。

ついては、今回の改正の趣旨を十分理解し、関係者への周知徹底を図るとともに、特に下記の事項に留意して、その運用に遺憾のないようにされたい。

なお、改正前の労働安全衛生規則に係る通達のうち、改正後の同規則に相当する規定に係る部分は、当該規定に関し有効なものとして取り扱われたい。

第1 改正の要点

1 安全委員会及び衛生委員会の付議事項に、労働基準監督官、安全衛生専門官等から文書により勧告、指導された事項等に関することが含まれることとしたこと。(第21条及び第22条関係)

2 衛生委員会の付議事項に、定期健康診断の結果のほか、臨時の健康診断及び事故等の際の医師の診断の結果等が含まれることとしたこと。(第22条関係)

3 容器又は包装を用いずに表示対象有害物を譲渡し、又は提供する際に、一定事項を記載した文書を交付しなければならないこととしたこと。ただし、継続的に又は反復して譲渡し、又は提供する場合において、既に文書が交付されているときは、この限りでないこととしたこと。(第34条の2関係)

4 特別教育を必要とする業務として、最大荷重1トン未満のショベルローダー又はフォークローダーの運転の業務等を追加することとしたこと。(第36条関係)

5 指定試験機関が行った免許試験に合格した者の免許の申請手続等に関して所要の整備を行うこととしたこと。(第63条及び第71条関係)

6 技能講習の区分にショベルローダー等運転技能講習等を加えることとしたこと。(第78条関係)

7 プレス等については、スライドの作動中はもとより稼動中は如何なる場合も身体の一部が危険限界に入らないこととしたこと。(第131条第1項関係)

8 プレス等に切替えスィッチを設けたときは、すべての切替え位置において危険防止の措置が講じられていなければならないこととしたこと。(第131条第3項関係)

9 金型の取付け等非定常作業における危険を防止するための措置を定めたこと。(第131条の2及び第131条の3関係)

10 特定の自主検査は、動力により駆動されるプレス機械、フォークリフト及び車両系建設機械について1年以内ごとに1回、定期に行う自主検査とすることとし、事業者に使用されて特定自主検査を実施する労働者の資格を、学歴、経験年数、研修等を考慮して定めたこと。(第135条の3、第151条の24及び第169条の2関係)

11 フォークリフト、ショベルローダー、フォークローダー、ストラドルキャリヤー、構内運搬車又は貨物自動車を車両系荷役運搬機械等とし、車両系荷役運搬等を用いて作業を行うときは、作業計画を定めなければならないこと等としたこと。(第151条の2から第151条の15まで関係)

12 ショベルローダー又はフォークローダーについては、前照燈、後照燈及び堅固なヘッドガードの備付け等の措置を講じなければならないこととしたこと。(第151条の27及び第151条の28関係)

13 ショベルローダー、フオークローダー又はストラドルキヤリヤーについては定期に、一定の事項について自主検査を行わなければならないこととしたこと。(第151条の31、第151条の32、第151条の38及び第151条の39関係)

14 ストラドルキヤリヤーについては、前照燈及び後照燈を備えなければならないこととしたこと。(第151条の36関係)

15 構内運搬車(運行の用に供するものを除く。)については、有効なブレーキ、警音器等を備えなければならないこととしたこと。(第151条の43関係)

16 貨物自動車(運行の用に供するものを除く。)については、有効なブレーキ、警音器、速度計等を備えなければならないこととしたこと。(第151条の49関係)

17 コンベヤーについては、一定の場合には、逸走等防止装置、非常停止装置を設ける等の措置を講じなければならないこととしたこと。(第151条の61から第151条の63まで関係)

18 鉄骨の組立て等の作業を行うときは、作業計画を定める等の措置を講じなければならないこととしたこと。(第517条の2から第517条の5まで関係)

19 改正部分の施行期日は、原則として昭和53年1月1日としたこと。

ただし、ショベルローダー等及びストラドルキヤリヤーの定期自主検査に関する規定(第151条の31から第151条の35まで及び第151条の38から第151条の42まで)は、昭和53年4月1日、特定自主検査に関する規定(第135条の3、第151条の24及び第169条の2)は、労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律のうち特定自主検査に関する規定(労働安全衛生法第45条第2項)の施行の日(昭和54年6月30日までの間で政令で定める日)から施行されることとしたこと。

第2 細部事項

Ⅰ 第1編通則関係

1 第21条及び第22条関係

第21条第4号及び第22条第6号「文書」とは、勧告書、指導票等をいうものであること。

2 第22条関係

第4号には、個人の病名等個人のプライバシーに関する事項は含まれないこと。

3 第34条の2関係

「継続的に又は反復して譲渡し、又は提供する場合において、既に当該文書の交付がなされているとき」であっても、譲渡し、又は提供する相手方に文書の内容が的確に伝わるよう重ねて文書を交付することが望ましいこと。

4 第36条関係

(1) 第5号の2は、最大荷重1トン以上のショベルローダー又はフォークローダーの運転の業務を就業制限業務にしたことに伴い、1トン未満のものについて特別教育を行わせることとしたものであること。

(2) 第9号の特別教育は、令別表第7第1号又は第2号に掲げる機械(車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用))と、令別表第7第3号に掲げる機械(車両系建設機械(基礎工事用))の2種類に分けて行うものであること。

(3) 第9号の2の「令別表第7第3号に掲げる機械で、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走できるもの以外のもの」は、真矢打ちくい打機、二本構式くい打機等をいうものであること。

(4) 第9号の3の「作業装置の操作」とは、パイルハンマー、パイルエキストラクター等の操作及び合図等をいい、車体上の運転者席で行うことのできる操作を除くものであること。

5 第53条関係

第1項の「その他労働大臣が定める要件に該当する者」とは、労働基準法施行の日前に第l項の表の上欄に掲げる業務に従事し、その従事した業務に応じて、離職の際に又は離職の後に下欄に掲げる要件に該当する者とすることを予定していること。この措置は、別途労働大臣の定めるところをまって実施すべきものであること。

6 第63条関係

(1) 昭和53年1月1日以降に都道府県労働基準局長又は指定試験機関が行った免許試験に合格し、免許を受けようとする者は、都道府県労働基準局長に免許申請書を提出しなければならないこととされたが、昭和52年12月31日までに受験申請を開始し、昭和53年1月1日以降に行われる免許試験(実技試験が昭和53年1月1日以降に行われているものを含む。)に合格した者については免許の申請を要しないものであること。

(2) 都道府県労働基準局長又は指定試験機関が行う免許試験の学科試験に合格した後に、労働安全衛生法第75条第3項に基づく教習を修了した者については、本条第3項の規定により免許の申請をさせること。

7 第78条関係

第21号の「車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習」とは、従来から行っている車両系建設機械運転技能講習をいうものであり、車両系建設機械のうち整地・運般・積込み用及び掘削用のものをその対象とすることを明らかにしたものであること。

Ⅱ 第2編安全基準関係

1 第131条関係

(1) 第1項本文は、プレス等による災害防止の原則としてプレス機械又はシャーを用いて作業を行う場合において労働者の身体の一部が危険限界に入らないような措置を講じることを明らかにしたものであること。

第1項ただし書には、昭和53年1月1日以降型式検定の対象となるスライドによる危険を防止するための機構を有する動力プレス機械(安全プレス)が含まれているものであること。

(2) 第1項の「身体の一部が危険限界に入らないような措置」とは、次のいずれかに該当する措置をいうこと。

イ 安全囲い(プレス作業者の指が安全囲いを通して、又はその外側から危険限界に届かないもの)を設けること。

ロ 安全型(上死点における上型と下型(ストリッパーを用いる場合にあっては上死点における上型及び下型とストリッパー)とのすき間及びガイドポストとブッシュとのすき間が8mm以下のもの等指が金型の間に入らないものを使用すること。

ハ 専用プレス(特定の用途に限り使用でき、かつ、身体の一部が危険限界に入らない構造の動力プレス)を使用すること。

ニ 自動プレス(自動的に材料の送給及び加工並びに製品等の排出を行う構造の動力プレス)を使用すること。

(3) 第2項の「安全装置を取り付ける等必要な措置」には、次のいずれかに該当する措置が含まれること。

イ 片手では専用の手工具が使用され、かつ、他方の手に対して囲い等が設けられていること。

ロ 専用の手工具が両手で保持され、材料の送給又は製品の取出しが行われること。

(4) 第2項第1号の「作業の方法に応じた性能を有するもの」とは、プレス作業においては、一行程、連続行程等の行程の区分、抜き、絞り等の加工の区分等により作業方法が異なることから作業方法に適応した性能を有する安全装置等をいうこと。

(5) 第2項第2号の「両手操作式の安全装置」とは、次のものをいうこと。

イ 安全一行程用のもの

ロ 両手起動式のもの(起動用の押しボタン等からプレス作業者が手を離し、危険限界に手が達するまでにスライドが下死点に達するもの)

(6) 第2項第2号の「感応式の安全装置」には、光線式の安全装置が含まれること。

(7) 第2項第2号の「プレス等の停止性能」とは、プレス等の固有の停止性能をいうものであり、次式のTsによって示されるものであること。

第2項第2号の「プレス等の停止性能に応じた性能」とは、両手操作式の安全装置及び感応式の安全装置の固有の遅動時間等によって表されるものであり、次式のTl又はTmによって示されるものであること。

(i) D>1.6(Tl+Ts)

この式においてD、Tl及びTsはそれぞれ次の値を表す。

D:安全一行程用の両手操作式の安全装置にあっては、押しボタン等と危険限界との距離(単位mm)

感応式の安全装置にあっては、感応域と危険限界との距離(単位mm)

Tl:安全一行程用の両手操作式の安全装置にあっては、押しボタン等から手が離れた時から急停止機構が作動を開始するまでの時間(単位msec)

感応式の安全装置にあっては、手が感応域に入った時から急停止機構が作動を開始する時までの時間(単位msec)

Ts:急停止機構が作動を開始した時からスライドが停止する時までの時間(単位msec)

(ii) D>1.6Tm

この式においてD及びTmはそれぞれ次の値を示す。

D:両手起動式の安全装置にあっては、押しボタン等から危険限界との距離(単位mm)

Tm:押しボタン等から手が離れた時からスライドが下死点に達する時までの所要最大時間(単位msec)で、次の式による。

Tm=(1/2+1/クラッチの掛合い箇所の数)×クランク軸が1回転するに要する時間

具体的には、安全装置に表示されている使用できるプレス等の範囲によって判断すれば、足りるものであること。

(8) 第3項は、切替えスイッチを切り替えることによって、プレス等が稼動状態において無防護とならないように規定したものであること。

(9) 第3項の「行程の切替え」とは、連続行程、一行程、安全一行程、寸動行程などの行程の切替えをいうこと。

(10) 第3項の「操作の切替え」とは、両手操作を片手操作に切り替える場合、両手操作をフートスイッチ又はフートペダル操作方式に切り替える場合等の操作の切替えをいうこと。

(11) 第3項の「操作ステーションの切替え」とは、複数の操作ステーションを単数の操作ステーションに切り替えるなど操作ステーションの数を切り替えることをいうこと。

(12) 第3項の「安全装置の切替え」とは、安全装置の作動をオン又はオフにするための切替えをいうこと。

2 第131条の2関係

(1) 本条は、金型の取付け等非定常作業において、身体の一部を危険限界に入れる場合の措置について規定したものであること。

(2) 第1項の「調整」には、試し打ちに伴う調整が含まれること。

(3) 「安全ブロックを使用させる等の措置」の「等」には、安全プラグ及びキーロックによる措置が含まれること。

3 第131条の3関係

(1) 「寸動機構」には、スライド調節装置が含まれること。

(2) 「手回し」とは、動力プレスの操作電源を切り、フライホール等の回転が停止した後フライホール等を手を用いて回してスライドを作動させることをいうこと。

4 第134条の2関係

本条は、プレス作業主任者の選任を必要としないような規模の事業場における切替えキースイッチのキーの管理について規定したものであること。

5 第134条の3関係

動力プレス機械構造規格(昭和52年労働省告示第116号)の改正に応じて、検査項目を明確に規定するとともに、検査項目の中にスライドによる危険を防止するための機構を新たに加えたものであること。

(1) 第1項第3号の「1行程1停止機構」とは、押しボタン等を押し続けても、スライドが1行程で停止し再起動しない機構をいうこと。またこれは、ノンリピート機構とも、アンチリピート機構ともいうこと。

(2) 第1項第3号の「急停止機構」とは、危険その他の異常な状態を検出してプレス作業者等の意思にかかわらず自動的にスライドの動きを停止する機構をいうこと。急停止機構には、スライドを急上昇させる装置が含まれること。

(3) 第1項第3号の「非常停止装置」とは、危険限界に身体の一部が入っている場合、金型が破損した場合その他異常な状態を発見した場合等においてプレス作業者等が意識してスライドの作動を停止させることを目的とした装置をいうこと。

(4) 第1項第8号の「ダイクッション」とは、プレス機械のベッドに内蔵又は取り付けられた圧力保持装置をいうこと。

6 第135条関係

本条は、第134条の3において動力プレスについての定期自主検査について規定したことに伴い、所要の整備をしたものであること。

7 第135条の2関係

(1) 本条は、従来から定められていた定期自主検査の結果の記録についてその記載内容を明確にしたものであること。

(2) 第1項第2号の「検査方法」には、検査機器を使用したときの検査機器の名称等が含まれること。

(3) 第1項第6号の「その内容」には、補修箇所、補修日時、補修の方法及び部品取替えの状況等が含まれること。

8 第135条の3関係

(1) 本条は、動力プレスの特定自主検査について、検査項目、事業者の使用する労働者であって特定自主検査を行うことができるものの資格を定めるとともに特定自主検査を終了した機械について検査標章をはり付けさせることにより特定自主検査の実施状況を明らかにさせることとしたものであること。

(2) 第2項第1号イ、ロ、ハの「動力プレスの点検若しくは整備の業務」には、これらの業務に直接従事する者を管理監督する検査係長、整備係長等の業務を含むものであること。

(3) 第2項第1号のイ、ロ、ハの「動力プレスの設計若しくは工作の業務」には、これらの業務に直接従事する者を管理監督する設計係長等の業務を含むものであること。

(4) 第4項の趣旨は、事業者及び労働者が特定自主検査が実施済であること及び次の検査時期を容易に確認できるように検査標章をはり付けることとしたものであること。

9 第136条関係

本条の改正は、動力プレス機械構造規格の改正に伴い所要の整備を図ったこと及び危険限界内の異物の有無の確認をさせる趣旨であること。

10 第151条の2関係

(1) 本条は、車両系荷役運搬機械等の適用範囲を定めたものであること。

(2) 第5号の「構内運搬車」とは、荷物の運搬を目的として製造されたもので主に事業場構内のみを走行するバッテリー式運搬車(通称「プラットフォームトラック」)等のことをいうものであること。

なお、「構内運搬車」には、牽引車両により被牽引車を牽引する方式のもの、三輪のもの及び労働者が歩行しながら運転する方式のものが含まれること。

(3) 第6号の「貨物自動車」には、牽引車両により被牽引車を牽引する方式のもの、ダンプトラック、タンクローリー等が含まれること。

11 第151条の3関係

(1) 本条は、車両系荷役運搬機械等を用いて作業を行うときの作業の安全を図るため、事前に作業の方法等について検討させ、作業計画を定めさせることとしたものであること。

(2) 第1項の「車両系荷役運搬機械等を用いて作業を行うとき」の「作業」には、フォークリフト等を用いる貨物の積卸しのほか、構内の走行も含むこと。

(3) 第1項の「荷の種類及び形状等」の「等」には、荷の重量、荷の有害性等が含まれること。

(4) 第2項の「作業の方法」には、作業に要する時間が含まれること。

(5) 第3項の「関係労働者に周知」は、口頭による周知て差し支えないが内容が複雑な場合等で口頭による周知が困難なときは、文書の配布、掲示等によること。

12 第151条の4関係

本条の作業指揮者は、単独作業を行う場合には、特に選任を要しないものであること。また、はい作業主任者等が選任されている場合でこれらの者が作業指揮を併せて行えるときは、本条の作業指揮者を兼ねても差し支えないものであること。なお、事業者を異にする荷の受渡しが行われるとき又は事業者を異にする作業が輻輳するときの作業指揮は、各事業者ごとに作業指揮者が指名されることになるが、この場合は、各作業指揮者間にておいて作業の調整を行わせること。

13 第151条の5関係

第1項の「制限速度」は、事業者の判断で適正と認められるものを定めるものであるが、定められた制限速度については、事業者及び労働者とも拘束されるものであること。

なお、「制限速度」は必要に応じて車種別、場所別に定めること。

14 第151条の6関係

(1) 第1項の「必要な幅員を保持すること、地盤の不同沈下を防止すること、路肩の崩壊を防止すること等」の「等」には、ガードレールの設置等が含まれること。

(2) 転倒、転落等のおそれのないようにガードレールの設置等が適切に行われている場合には、第2項の誘導者の配置を要しないものであること。

15 第151条の7関係

(1) 第1項の「危険が生ずるおそれがある箇所」には、機械の走行範囲だけでなく、ショベルローダーのバケット等の荷役装置の可動範囲、フォークローダーの材木のはみ出し部分等があること。

(2) 第1項の「誘導者」には、ストラドルキヤリヤーにあっては、同乗する誘導者も含まれること。

16 第151条の9関係

(1) 第1項の「アーム等」の「等」には、ダンプトラックの荷台等が含まれること。

(2) 第1項の「安全支柱、安全ブロック等」はフォーク、ショベル、アーム等を確実に支えることができる強度を有するものであること。

なお、「安全ブロック等」の「等」には架台等があること。

17 第151条の10関係

(1) 第1号は、荷を積載したときに荷重が一方に偏り転倒等の災害が発生することを防止する趣旨であること。

(2) 第1号の「偏荷重が生じないように積載する」とは、例えばフォークローダーについては偏った材木のくわえこみをしないようにすること等荷の積載に際し荷重が不均等にならないようにすることであるが、コンテナーをトラック等に積載するときに内部を点検する等の措置は、必要がないものであること。

(3) 第2号の「シートをかける等」の「等」には、荷のはみ出し又は不良の荷姿の手直し等が含まれること。

18 第151条の11関係

(1) 第1項第1号の「荷役装置を最低降下位置に置くこと」の「最低降下位置」は、構造上降下させることができる最低の位置であること。

(2) 第1項第2号の「ブレーキを確実にかける等」の「等」には、くさび又はストッパーで止めることが含まれること。

19 第151条の12関係

本条は、第161条の車両系建設機械の移送の場合と同様の趣旨であること。

20 第151条の13関係

(1) 本条は、フォークリフトに関する改正前の労働安全衛生規則(以下「旧安衛則」という。)第442条の規定と同様の趣旨から車両系荷役運搬機幾械等全般に関して設けられたものであること。

(2) ただし書の「危険を防止するための措置」とは、ストラドルキヤリヤー等の高所や走行中の車両系荷役運搬機械等から労働者が墜落することを防止するための覆い、囲い等を設けることをいうものであること。

21 第151条の14関係

(1) 本条は、墜落のみでなく、はさまれ、まき込まれ等の危険も併せて防止する趣旨であること。

(2) ただし書の「危険を及ぼすおそれのないとき」とは、フォークリフト等の転倒のおそれがない場合で、パレット等の周囲に十分な高さの手すり若しくはわく等を設け、かつ、パレット等をフォークに固定すること又は労働者に命綱を使用させること等の措置を講じたときをいうこと。

22 151条の15関係

本条は、複数以上の労働者が作業を行う場合において労働者相互の連絡が不十分なことによる機械の不意の起動、重量物の落下等の災害を防止するために定めたものであり、単独で行う簡単な部品の取替え等労働者に危険を及ぼすおそれのない作業については指揮者の選任を要しないものであること。

23 第2款フォークリフト(第151条の16~151条の26)関係

本款は、旧安衛則第436条から第448条に規定されていたものを本改正によりその他の荷役機械等と含めて整備したものであること。

24 第151条の20関係

「その他の能力」とは、安定度等をいうものであること。

25 第151条の21関係

本条は、フォークリフトが特定自主検査の対象機械に加えられたことに伴い、1年以内ごとに1回行われる自主検査の対象事項について整備を図ったものであること、なお、別途制定されるフォークリフトの自主検査指針は、本検査事項に基づいて作成されるものであること。

26 第151条の23関係

本条は、第135条の2と同じ趣旨であること。

27 第151条の24関係

(1) 第2項は、第135条の3第2項と同様の趣旨であること。

(2) 第3項の「道路運送車両法第48条第l項の適用を受けるもの」が同法に基づいて点検を行ったときは、定期点検整備記録簿に記録されている点検の結果により確認するものとすること。

28 第151条の27関係

本条ただし書の「作業を安全に行うために必要な照度が保持されている場所」とは、昼間の戸外、十分な照明がなされている場所等をいうものであること。

なお、道路運送車両法の適用のある機械については、同法の規定による前照燈の設置があれば、本条の前照燈の設置があるものとして取り扱うこと。

29 第151条の28関係

(1) 「堅固なヘッドガード」の構造上の基準は、具体的には第151条の17に関して示した基準に準じて考えること。

(2) ただし書の「荷の落下によりショベルローダー等の運転者に危険を及ぼすおそれのないとき」とは、例えばフォークローダーで材木を上下からつかんで荷役し木材が運転者の方向に飛来するおそれがない構造になっているものを使用しているとき等をいうものであること。

30 第151条の30関係

「その他の能力」には、安定度が含まれること。なお、ショベルローダー等の安定度は、別途定める構造規格によること。なお、構造規格が定められるまでの間は、メーカーの示す安定度を目安とすること。

31 第151条の31、第151条の32及び第151条の34関係

道路運送車両法の適用のある機械で、同法で定めるところにより、車検、自主検査等を実施した部分については、定期自主検査を省略して差し支えないこと。

32 第151条の33関係

本条は、第135条の2と同様の趣旨であること。

33 第151条の36関係

本条は、第151条の27と同様の趣旨であること。

34 第151条の37関係

本条は、第151条の30と同様の趣旨であること。

35 第151条の38、第151条の39及び第1551条の41関係

道路運送車両法の適用のある機械で、同法て走めるところにより車検、自主検査等を実施した部分については、定期自主検査を省略して差し支えないこと。

36 第151条の40関係

本条は、第135条の2と同様の趣旨であること。

37 第151条の43関係

(1) 本条は、構内運搬車の附属部品について最低の安全基準を定めたものであること。

(2) ただし書は第151条の27と同様の趣旨であること。

38 第151条の45関係

本条は第151条の30と同様の趣旨であること。

39 第151条の46関係

(1) 本条は,従来貨物自動車に定められていた荷の積卸しの規定を構内運搬車について定めたものであること。

(2) 第1項第1号は、荷の積卸しについて作業を指揮する者が直接具体的な指揮を行わなければならないことを定めたものであること。

(3) 本条の作業は、人力によるものが一般的であるが、フォークリフト等車両系荷役運搬機械等を用いて荷役を行うときは、第151条の4の作業指揮者が兼ねて差し支えないものであること。

40 第151条の49関係

本条の趣旨は、事業場内のみを走行する貨物自動車で、道路運送車両法の適用を受けないもののなかに構造又は整備不良のまま使用し重大災害を発生している例があるので、構内運行を安全に行うために必要な最低の事項について定めたものであること。道路運送車両法の基準によって製造されたものは、当然に本条の基準を満足するものであるが、使用中に本条各号に定めるものを破損したまま補修しないで使用し、又は本条各号のものを取り外したまま使用した場合は、本条の規制を受けることはいうまでもないものであること。

なお、第2号の規定は、安全に運行することができるものであれば、必ずしも前面にガラスを取り付けなくてもよい趣旨であること。

41 第151条の50関係

本条は、第151条の30と同様の趣旨であること。

42 第151条の54関係

本条は第151条の46と同様の趣旨であること。

43 第151条の56関係

本条は、旧安衛則第422条第1項及び第3項を文言を修正して整備したものであること。

44 第151条の57関係

本条は、旧安衛則第422条第2項と第423条を統合し文言を修正したもであること。

45 第151条の61関係

(1) 本条のコンベヤーは、荷を連続的に運搬する機械をいうものであり、具体的には、JISB0140(コンベヤ用語)を参考とすること。

(2) 本条カッコ書は、フローコンベヤー、スクリューコンベヤー、流体コンべヤー及び空気スライドについては、これらに巻き込まれること等の危険性が少いため、規則の適用を受けるコンベヤーから除外したものであること。

(3) 「停電、電圧降下等」の「等」には、労働者が誤ってコンべヤーを停止させることが含まれること。

(4) 本条ただし書により傾斜コンベヤー又は垂直コンベヤー以外のコンベヤーは、原則として本条の適用を受けないこととなること。

(5) 「逸送及び逆送を防止するための装置」としては、電磁ブレーキ等があること。

46 第151条の62関係

(1) 本条は、労働者が作業中にコンベヤーに巻き込まれる等の災害が発生したときに、被災者自身又は他の労働者が元スイッチを切ることなしに直ちにコンベヤーを停止することができる装置の設置を義務づげたものであること。

(2) 「危険が生ずるおそれがあるとき」に該当しないと認められるのは、次の措置のいずれかを行っているとき等をいうものであること。

イ コンベヤーの周囲を全部プラスチック、鉄板等で覆ってあること。

ロ コンベヤーの外側に柵を作り、通常作業中は労働者が入ることができないようにすること。

ハ ベルトコンベヤー等でローラー部分に柵又は覆いがあり、巻き込まれるおそれのある部分と作業を行う者との間を遮断すること。

(3) 「身体の一部が巻き込まれる等」の「等」には、プッシャーコンベヤーにひかれること等が含まれること。

(4) 「非常停止装置」には、ロープ式非常停止装置のようにコンベヤーに沿ってロープが張られこのロープを引くことによってコンベヤーの運転を直ちに停止できるもの、巻き込まれるおそれのある箇所ごとに設置される非常停止スイッチ、コンベヤーの長さが短いときに送り出し側とコンベヤーの末端に設置する非常停止スイッチ等があること。

47 第151条の63関係

「覆い又は囲いを設ける等」の「等」には、板状の落下防止措置が含まれること。

48 第151条の64関係

本条は、トロリーとチェーン及びハンガーとが外れることにより搬器等が逸送し又は落下することを防止するためのものであること。なお、製造時に確実に接続されていても、使用による摩耗、損傷等によって故障が起ることが多いので、使用を開始するときは、トロリーとチェーン及びハンガーとが確実に接続されていることを必ず確認させること。

49 第151条の65関係

(1) 「労働者を運搬する構造のコンべヤー」とは,いわゆる動く歩道、ゴルフ場におけるべルトコンべヤー等をいうものであること。

(2) 「墜落、接触等」の「等」には、巻き込まれが含まれること。

50 第167条関係

本条は、車両系建設機械が特定自主検査の対象機械に加えられたことに伴い、1年以内ごとに1回定期に行われる自主検査の対象事項について整備を図ったものであること。

なお、別途制定される車両系建設機械の自主検査指針は、本検査項目に基づいて作成されるものであること。

51 第169条関係

本条は、第135条の2と同様の趣旨であること。

52 第169条の2関係

本条第5項は第151条の24第3項と、本条第7項は第151条の24第5項と同様の趣旨であること。

53 第231条、第276条第4項、第299条第3項、第317条第4項及び第351条第4項関係

これらの改正は、従来から定められていた定期自主検査結果についてその記載内容を明確にしたものであること。

54 第517条の3関係

(1) 第2号の「強風、大雨、大雪等の悪天候のため」には、当該作業地域が実際にこれらの悪天候となった場合のほか、当該地域に強風、大雨、大雪等の気象注意報又は気象警報が発せられ、かつ、悪天候となることが明白に予想される場合を含む趣旨であること。

(2) 第3号の「つり綱」及び「つり袋」は、特につり上げ及びつり下しのために作られた特定のものに限る趣旨ではないこと。

Ⅲ 別表関係

別表第7関係

別表第7のlの項の改正は、動力プレス機械構造規格において表示事項が改正されたことに伴い及び計画の届出についての審査が適正に実施できるように所要の整備を行ったものであること。

動力プレスについての計画の届出の審査要領については、別途通達する予走であること。

Ⅳ 附則関係

第2条関係

咋年の法改正に伴う今回の規則の改正により、離職の後に、じん肺法による健康管理の区分が管理3となった者についても健康管理手帳が交付されることとなったが、改正後のじん肺法との関連もあり、同法の施行までの間は、改正前のじん肺法による健康管理の区分が管理3の者のうちエックス線写真の像の区分が第1型の者(PR1F2及びPR1tb±)については、従前どおりの取扱いとし、離職の後の交付を行わないこととしたものであること。