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○「中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律による支援給付の実施要領について」の一部改正について(通知)

(平成23年8月30日)

(社援発0830第8号)

(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長あて厚生労働省社会・援護局長通知)

今般、「中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律による支援給付の実施要領について」(平成20年3月31日付け社援発第0331008号厚生労働省社会・援護局長通知)の一部を別紙の新旧対照表のとおり改正し、平成23年10月1日より適用することとしたので、了知の上、支援給付の実施に遺漏のないよう配意されたい。

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中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律による支援給付の実施要領

第1 世帯の認定

この通知における世帯とは、中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及び永住帰国後の自立の支援に関する法律(以下「支援法」という。)第13条に定める特定中国残留邦人等(以下「特定中国残留邦人等」という。)及び第14条に定めるその者の配偶者(以下「その者の配偶者」という。)で構成される家族の単位を指す。同一の住居に居住し、生計を一にしている者は、原則として、同一世帯員として認定すること。

なお、居住を一にしていない場合であっても、同一世帯として認定することが適当であるときは、同様とすること。

1 居住を一にしていないが、同一世帯に属していると判断すべき場合とは、次の場合をいうこと。

(1) 出かせぎしている場合及び就労のため他の土地に寄宿している場合

(2) 病気治療のため病院等に入院又は入所(介護老人保健施設への入所に限る。2の(4)(エを除く。)及び(5)並びに第2の2において同じ。)している場合

(3) 職業能力開発校、国立光明寮等に入所している場合

(4) その他(1)から(3)までのいずれかと同様の状態にある場合

2 同一世帯に属していると認定されるものでも、次のいずれかに該当する場合は、世帯分離して差し支えないこと。

ただし、これらのうち(2)、(4)、(5)、(6)及び(7)については、特に機械的に取り扱うことなく、世帯の状況及び地域の生活実態を十分考慮したうえ実施すること。また、(5)又は(6)に該当する者と生活保持義務関係にある者が同一世帯内にある場合には、(5)又は(6)に該当する者とともに分離の対象として差し支えない。

(1) 支援給付を必要とする者(以下「要支援者」という。)が自己に対し生活保持義務関係にある者がいない世帯に転入した場合であって、同一世帯として認定することが適当でないとき(直系血族の世帯に転入した場合にあっては、世帯分離を行わないとすれば、その世帯が支援給付を必要とする世帯(以下「要支援世帯」という。)となる場合に限る。)

(2) 支援給付を要しない者が支援給付を受けている世帯(以下「被支援世帯」という。)に当該世帯員の日常生活の世話を目的として転入した場合であって、同一世帯として認定することが適当でないとき(当該転入者がその世帯の世帯員のいずれに対しても生活保持義務関係にない場合に限る。)

(3) 要支援者が自己に対し生活保持義務関係にある者がいない世帯に属している場合であって、当該要支援者がいわゆる寝たきり老人、重度の心身障害者等で常時の介護又は監視を要する者であるとき(世帯分離を行なわないとすれば、その世帯が要支援世帯となる場合に限る。)

(4) 次に掲げる場合であって、その者を出身世帯員と同一世帯として認定することが出身世帯員の自立助長を著しく阻害すると認められるとき

ア 6か月以上の入院又は入所を要する患者等に対して出身世帯員のいずれもが生活保持義務関係にない場合(世帯分離を行わないとすれば、その世帯が要支援世帯となる場合に限る。)

イ 出身世帯に自己に対し生活保持義務関係にある者が属している長期入院患者等であって、入院又は入所期間がすでに1年をこえ、かつ、引き続き長期間にわたり入院又は入所を要する場合(世帯分離を行わないとすれば、その世帯が要支援世帯となる場合に限る。)

ウ ア又はイに該当することにより世帯分離された者が感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第37条の2若しくは精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第30条の公費負担を受けて引き続き入院している場合又は引き続きその更生を目的とする施設に入所している場合

エ イ又はウに該当することにより世帯分離された者が退院若しくは退所後6か月以内に再入院又は再入所し、長期間にわたり入院又は入所を要する場合(世帯分離を行わないとすれば、その世帯が要支援世帯となる場合に限る。)

(5) (4)のア、イ及びエ以外の場合で、6か月以上入院又は入所を要する患者等の出身世帯員のうち入院患者等に対し生活保持義務関係にない者が収入を得ており、当該入院患者等と同一世帯として認定することがその者の自立助長を著しく阻害すると認められるとき(世帯分離を行わないとすれば、その世帯が要支援世帯となる場合に限る。)

(6) 同一世帯員のいずれかに対し生活保持義務関係にない者が収入を得ている場合であって、結婚、転職等のため1年以内において自立し同一世帯に属さないようになると認められるとき

(7) 救護施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム若しくは介護老人福祉施設、障害者支援施設(障害者自立支援法附則第41条第1項の規定によりなお従前の例により運営することができることとされた同項に規定する身体障害者療護施設並びに同法附則第58条第1項の規定によりなお従前の例により運営することができることとされた同項に規定する知的障害者更生施設及び知的障害者授産施設を含む。)又は児童福祉施設(知的障害児施設、盲ろうあ児施設、肢体不自由児施設、重症心身障害児施設に限る。)の入所者(障害者支援施設については、重度の障害を有するため入所期間の長期化が見込まれるものに限る。)と出身世帯員とを同一世帯として認定することが適当でない場合(支援給付を受けることとなる者とその者に対し生活保持義務関係にある者とが分離されることとなる場合については、世帯分離を行わないとすれば、その世帯が要支援世帯となるときに限る。)

第2 実施責任

支援給付の実施責任は、要支援者の居住地又は現在地により定められるが、この場合、居住地とは、要支援者の居住事実がある場所をいうものであること。

なお、現にその場所に居住していなくても、他の場所に居住していることが一時的な便宜のためであって、一定期限の到来とともにその場所に復帰して起居を継続していることが期待される場合等には、世帯の認定をも勘案のうえ、その場所を居住地として認定すること。

1 生活保護を受給していた者が新たに支援給付へ移行したとき(保護の廃止と同時に転居する場合を除く。)は、当該保護の廃止時点における保護の実施機関が引き続き支援給付の実施責任を負う。なお、都道府県、市又は福祉事務所を設置する町村において保護の実施機関と支援給付の実施機関が異なる場合においては、当該保護の実施機関を所管する都道府県、市又は福祉事務所を設置する町村における支援給付の実施機関が支援給付の実施責任を負う。

2 居住地のない入院患者又は介護老人保健施設入所者については、原則としてその現在地である当該医療機関又は介護老人保健施設の所在地を所管する支援給付の実施機関が、支援給付の実施責任を負うものであるが、次の場合には、それぞれ当該各項によること。

(1) 支援給付を受けていなかった単身者で居住地のないものが入院又は入所した場合は、医療支援給付若しくは介護支援給付又は入院若しくは入所に伴う生活支援給付の適用について、支援給付の申請又は支援給付の申請権者からはじめて支援給付の実施機関に連絡のあった時点における、要支援者の現在地(ただし、当該単身者が急病により入院した場合であって、発病地を所管する支援給付の実施機関に対し申請又は連絡を行うことができない事情にあったことが立証され、かつ、入院後直ちに支援給付の実施機関に申請又は連絡があった場合は、発病地とする。)を所管する支援給付の実施機関が、支援給付の実施責任を負うこと。

(2) 入院又は入所前の居住地に本人の家財等が保管され又は同地と同一管内地域に確実な帰来引受先がある場合であって、本人が退院又は退所後必ずその地域に居住することが予定されているときは、入院又は入所前の居住地を所管する支援給付の実施機関が、支援給付の実施責任(居住地保護の例による。)を負うこと。

(3) (2)のほか、入院若しくは入所と同時に居住地を失い、又は入院若しくは入所後(入院又は入所後において住宅費が認定されていた場合には、当該住宅費が認定されなくなった日以後)3か月以内に入院又は入所を原因として居住地を失った者(入院又は入所後3か月を経過した後において支援給付の申請をした者であって、申請時において居住地がなかったものを除く。)については、入院又は入所前の居住地を所管する支援給付の実施機関が、支援給付の実施責任(現在地保護の例による。)を負うこと。

3 居住地のない支援給付を受けている者(以下「被支援者」という。)又は要支援者について、支援給付の実施機関が所管区域内に適当な指定医療機関がないか、あっても満床のため、所管区域外の指定医療機関に医療を委託した場合及び治療の必要上から所管区域外の指定医療機関に委託替えした場合(支援法による医療支援給付を適用されている患者が自発的に転院転所をした場合であって、客観的に支援給付の実施機関において委託替えすべきであったと認められるときを含む。)には、当該医療の継続中従前の支援給付の実施機関が、なお支援給付の実施責任(2の(2)に該当する場合のほかは現在地保護の例による。)を負うこと。

4 居住地のない介護老人保健施設又は介護療養型医療施設入所者であって、支援法による介護支援給付を適用されている被支援者が、当該支援給付の実施機関の所管区域外の指定介護機関に転院、転所をした場合には、当該介護支援給付の継続中従前の支援給付の実施機関が、なお支援給付の実施責任(2の(2)に該当する場合のほかは現在地保護の例による。)を負うこと。

5 単身の被支援者(入所と同時に支援給付を開始される者を含む。)が国立保養所又は結核回復者の後保護を目的とする施設に入所した場合には、当該施設入所中の支援給付の実施責任は、入所前の居住地又は現在地により定めること。ただし、病院又は療養所から直ちに結核回復者の後保護を目的とする施設に入所した場合には、当該施設入所中の支援給付の実施責任は、病院又は療養所に入院又は入所中における支援給付の実施機関にあるものとすること。

6 保護施設に入所している者が病院、介護老人保健施設若しくは療養所に入院若しくは入所した場合又は保護施設を退所し、引き続き保護施設通所事業を利用した場合には、入院若しくは入所又は通所している期間中(保護施設通所事業については1年以内に限る。)、当該施設に入所していたときの支援給付の実施機関が引き続き支援給付の実施責任を負うこと。

7 被支援者が老人福祉法の措置により養護老人ホーム又は特別養護老人ホームに入所した場合は、その者の入所期間中、従前の支援給付の実施機関が従前どおり支援給付の実施責任を負うこと。

8 老人福祉法の措置により養護老人ホーム又は特別養護老人ホームに入所している者が病院、介護老人保健施設又は療養所に入院又は入所した場合で当該入所措置廃止と同時に支援給付を開始されるときのその者に対する支援給付の実施責任は、当該施設に入所中その者に対し支援給付の実施責任を負う支援給付の実施機関にあるものとすること。

9 支援給付を受けていない介護老人福祉施設入所者から支援給付の申請があった場合のその者に対する実施責任は、当該施設所在地を所管する支援給付の実施機関にあるものとすること。ただし、第1の規定により出身世帯と同一世帯と認定されるべき場合は、この限りでないこと。

10 被支援者が障害者自立支援法に規定する障害者支援施設(障害者自立支援法附則第41条第1項の規定によりなお従前の例により運営することができることとされた同項に規定する身体障害者更生施設、身体障害者療護施設及び身体障害者授産施設並びに同法附則第58条第1項の規定によりなお従前の例により運営することができることとされた同項に規定する知的障害者更生施設及び知的障害者授産施設を含む。)に入所し、又は共同生活援助若しくは共同生活介護を行う住居(同法附則第58条第1項の規定によりなお従前の例により運営することができることとされた同項に規定する知的障害者通勤寮を含む。)に入居した場合は、その者の入所又は入居期間中、従前の支援給付の実施機関が従前どおり支援給付の実施責任を負うこと。

なお、当該者が入所又は入居前に属していた世帯が移転した場合でも、13の(1)の取扱いに拠らず、その世帯が従前居住していた地に居住地があるものと認定すること。

11 (削除)

12 支援法第14条第4項においてその例によるとされた生活保護法(以下「生活保護法」という。)第18条第2項第1号の規定の例により、死亡した被支援者の葬祭を行う者に対する葬祭支援給付の実施責任は、死亡した被支援者に対する支援給付の実施機関が負うものとすること。

13 居住地又は現在地の認定は次によること。

(1) 第1の1によって同一世帯員と認定された者については、出身世帯の居住する地に居住地があるものと認定し、また、出身世帯が移転した場合には、その移転先を居住地と認定すること。

(2) (1)の場合において、出身世帯が分散している等のためその出身世帯の居住地が明らかでないときは、そのうち、生活の本拠として最も安定性のある地を居住地と認定すること。ただし、これによりがたいときは、出身世帯の生計中心者のいる地を居住地と認定すること。

なお、出身世帯員に安定した居住地がないときは、居住地がない者と認定すること。

(3) 刑務所より釈放され、又は仮釈放された者について帰住地がある場合であって、帰住先が出身世帯であるときは、その帰住地を居住地とし、そうでないときはその帰住地を現在地とみなすこと。

(4) 次に掲げる施設に収容されている者又は入所している者については、居住地がない者とみなし、原則として当該施設所在地を所管する支援給付の実施機関が支援給付の実施責任を負い、現在地支援を行うこと。

ただし、下記の施設入所者の多くが配偶者からの暴力の被害者である現状にかんがみ、当該被害者の立場に立って広域的な連携を円滑に進める観点から、都道府県内又は近隣都道府県間における自治体相互の取り決めを定めた場合には、それによることとして差し支えない。

ア 売春防止法による婦人保護施設又は婦人相談所の行う一時保護の施設

イ 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律による婦人相談所が自ら行う又は委託して行う一時保護の施設

第3 資産の活用

最低生活の内容としてその所有又は利用を容認するに適しない資産は、次の場合を除き、原則として処分のうえ、最低限度の生活の維持のために活用させること。

なお、資産の活用は売却を原則とするが、これにより難いときは当該資産の貸与によって収益をあげる等活用の方法を考慮すること。

① その資産が現実に最低限度の生活維持のために活用されており、かつ、処分するよりも保有している方が生活維持及び自立の助長に実効があがっているもの

② 現在活用されていないが、近い将来において活用されることがほぼ確実であって、かつ、処分するよりも保有している方が生活維持に実効があがると認められるもの

③ 処分することができないか、又は著しく困難なもの

④ 売却代金よりも売却に要する経費が高いもの

⑤ 社会通念上処分させることを適当としないもの

資産保有の限度及び資産活用の具体的取扱いは、次に掲げるところによること。

ただし、保有の限度をこえる資産であっても、上記③から⑤までのいずれかに該当するものは、保有を認めて差し支えない。

なお、不動産の保有状況については、定期的に申告を行わせるとともに、必要がある場合は更に訪問調査等を行うこと。

1 土地

(1) 宅地

次に掲げるものは、保有を認めること。ただし、処分価値が利用価値に比して著しく大きいと認められるものは、この限りでない。

また、要支援世帯向け不動産担保型生活資金(生活福祉資金貸付制度要綱に基づく「要保護世帯向け不動産担保型生活資金」をいう。以下同じ。)の利用が可能なものについては、当該貸付資金の利用によってこれを活用させること。

ア 当該世帯の居住の用に供される家屋に付属した土地で、建築基準法第52条及び第53条に規定する必要な面積のもの

イ 農業その他の事業の用に供される土地で、事業遂行上必要最小限度の面積のもの

(2) 田畑

次のいずれにも該当するものは、保有を認めること。ただし、処分価値が利用価値に比して著しく大きいと認められるものは、この限りでない。

ア 当該地域の農家の平均耕作面積、当該世帯の稼働人員等から判断して適当と認められるものであること。

イ 当該世帯の世帯員が現に耕作しているものであるか、又は当該世帯の世帯員若しくは当該世帯の世帯員となる者がおおむね3年以内に耕作することにより世帯の収入増加に著しく貢献するようなものであること。

(3) 山林及び原野

次のいずれにも該当するものは、保有を認めること。

ただし、処分価値が利用価値に比して著しく大きいと認められるものは、この限りでない。

ア 事業用(植林事業を除く。)又は薪炭の自給用若しくは採草地用として必要なものであって、当該地域の低所得世帯との均衡を失することにならないと認められる面積のもの。

イ 当該世帯の世帯員が現に最低生活維持のために利用しているものであるか、又は当該世帯員若しくは当該世帯の世帯員となる者がおおむね3年以内に利用することにより世帯の収入増加に著しく貢献するようなものであること。

2 家屋

(1) 当該世帯の居住の用に供される家屋

保有を認めること。ただし、処分価値が利用価値に比して著しく大きいと認められるものは、この限りでない。

なお、保有を認められるものであっても、当該世帯の人員、構成等から判断して部屋数に余裕があると認められる場合は、間貸しにより活用させること。

また、要支援世帯向け不動産担保型生活資金の利用が可能なものについては、当該貸付資金の利用によってこれを活用させること。

(2) その他の家屋

ア 事業の用に供される家屋で、営業種別、地理的条件等から判断して、その家屋の保有が当該地域の低所得世帯との均衡を失することにならないと認められる規模のものは、保有を認めること。ただし、処分価値が利用価値に比して著しく大きいと認められるものは、この限りでない。

イ 貸家は、保有を認めないこと。ただし、当該世帯の要支援給付推定期間(おおむね3年以内とする。)における家賃の合計が売却代金よりも多いと認められる場合は、保有を認め、貸家として活用させること。

3 事業用品

次のいずれにも該当するものは、保有を認めること。ただし、処分価値が利用価値に比して著しく大きいと認められるものは、この限りでない。

(1) 事業用設備、事業用機械器具、商品、家畜であって、営業種目、地理的条件等から判断して、これらの物の保有が当該地域の低所得世帯との均衡を失することにならないと認められる程度のものであること。

(2) 当該世帯の世帯員が現に最低生活維持のために利用しているものであるか、又は当該世帯の世帯員若しくは当該世帯の世帯員となるものが、おおむね1年以内(事業用設備については3年以内)に利用することにより世帯の収入増加に著しく貢献するようなもの。

4 生活用品

(1) 家具什器及び衣類寝具

当該世帯の人員、構成等から判断して利用の必要があると認められる品目及び数量は、保有を認めること。

(2) 趣味装飾品

処分価値の小さいものは、保有を認めること。

(3) 貴金属及び債券

保有を認めないこと。

(4) その他の物品

ア 処分価値の小さいものは、保有を認めること。

イ ア以外の物品については、当該世帯の人員、構成等から判断して利用の必要があり、かつ、その保有を認めても当該地域の一般世帯との均衡を失することにならないと認められるものは、保有を認めること。

5 判断規準

1の(1)の当該世帯の居住の用に供される家屋に付属した土地、及び2の(1)の当該世帯の居住の用に供される家屋であって、当該ただし書きにいう処分価値が利用価値に比して著しく大きいと認められるか否かの判断が困難な場合は、原則として各実施機関が設置するケース診断会議等において、総合的に検討を行うこと。

第4 扶養義務の取扱い

要支援者に支援給付における扶養義務者がある場合には、扶養義務者に扶養及びその他の支援を求めるよう、要支援者を指導すること。

また、民法上の扶養義務の履行を期待できる扶養義務者のあるときは、その扶養を支援給付に優先させること。この民法上の扶養義務は、法律上の義務ではあるが、これを直ちに法律に訴えて法律上の問題として取り運ぶことは扶養義務の性質上なるベく避けることが望ましいので、努めて当事者間における話合いによって解決し、円満裡に履行させることを本旨として取り扱うこと。

1 扶養義務者の存否の確認について

(1) 支援給付の申請があったときは、要支援者の扶養義務者のうち次に掲げるものの存否をすみやかに確認すること。この場合には、要支援者よりの申告によるものとし、さらに必要があるときは、戸籍謄本等により確認すること。

ア 絶対的扶養義務者

イ 相対的扶養義務者のうち次に掲げるもの

(ア) 現に当該要支援者又はその世帯に属する者を扶養している者

(イ) 過去に当該要支援者又はその世帯に属する者から扶養を受ける等特別の事情があり、かつ、扶養能力があると推測される者

(2) 扶養義務者の範囲は、「生活保護法による保護の実施要領について」(昭和38年4月1日社発第246号厚生省社会局長通知)(以下「生活保護法実施要領」という。)第5の1の(2)と同じであること。

(3) 扶養義務者としての「兄弟姉妹」とは、父母の一方のみを同じくするものを含むものであること。

2 扶養能力の調査について

(1) 1により把握された扶養義務者のうち同居している者については、第7によりその収入を把握すること。

(2) その他の扶養義務者については、その職業、収入等につき要支援者その他により聴取する等の方法により、扶養の可能性を調査すること。なお、調査にあたっては金銭的な扶養の可能性のほか、被支援者に対する定期的な訪問・架電、書簡のやり取り、一時的な子どもの預かり等(以下「精神的な支援」という。)の可能性についても確認するものとする。

(3) (2)のうち夫婦の関係にある者については、更にアからエにより扶養能力を調査すること。

ア 調査対象者が支援給付の実施機関の管内に居住する場合には実地につき調査すること。

調査対象者が支援給付の実施機関の管外に居住する場合には、まずその者に書面により回答期限を付して照会することとし、期限までに回答がないときは、再度期限を付して照会を行うこととし、なお回答がないときは、その者の居住地を所管する支援給付の実施機関に書面をもって調査依頼を行うか、又はその居住地の市町村長に照会すること。ただし、調査対象者に対して直接照会することが真に適当でないと認められる場合には、まず関係機関等に対して照会を行い、なお扶養能力が明らかにならないときは、その者の居住地を所管する支援給付の実施機関に書面をもって調査依頼を行うか、又はその居住地の市町村長に照会すること。

なお、相当の扶養能力があると認められる場合には、管外であっても、できれば実地につき調査すること。

イ 調査は、調査対象者の世帯構成、職業、収入、課税所得及び社会保険の加入状況、要支援者についての税法上の扶養控除及び家族手当の受給並びに他の扶養履行の状況等について行うこと。

ウ アの調査依頼を受けた支援給付の実施機関は、原則として3週間以内に調査の上回答すること。

エ 調査に際しては、調査対象者に要支援者の生活困窮の実情をよく伝え、形式的にわたらないよう留意すること。

(4) (2)のうち特定中国残留邦人等本人の直系卑属の関係にある者であって扶養の可能性が期待できる者については実施機関側から直接照会する方法はとらず、要支援者本人に対し当該扶養義務者からの扶養及びその他の支援を求めるよう指導すること。

(5) (2)のうち夫婦の関係にある者、及び特定中国残留邦人等本人の直系卑属の関係にある者以外の者であって扶養の可能性が期待される者については、次により扶養能力を調査すること。

ア 調査対象者以外の扶養義務者のうち扶養の可能性が期待される者への照会は、原則として書面により回答期限を付して行うこと。なお、実施機関の判断により電話連絡により行うこととしても差し支えないが、不在等により連絡が取れない場合については、再度の照会又は書面による照会を行うこと。また、電話連絡により照会した場合については、その結果及び聴取した内容をケース記録に記載するとともに、金銭的な援助が得られる場合については、その援助の内容について書面での提出を求めること。

イ 実施機関において調査対象者に対して直接照会することが真に適当でないと認められる場合には、扶養の可能性が期待できないものとして取り扱うこと。

ウ 照会の際には要支援者の生活困窮の実情をよく伝えるとともに、調査対象者の世帯構成、職業、収入、課税所得及び社会保険の加入状況、要支援者についての税法上の扶養控除及び家族手当の受給並びに他の扶養履行の状況等の把握に努めること。

(6) 扶養の程度及び方法の認定は、実情に即し、実効のあがるように行うものとし、扶養義務者の了解を得られるよう努めること。この場合、扶養においては要支援者と扶養義務者との関係が一義的であるので、(4)以外の場合においても、要支援者をして直接扶養義務者への依頼に努めさせるよう指導すること。

(7) 扶養の程度は、次の標準によること。

ア 夫婦関係(第1の2の(4)のイ、ウ若しくはオ又は同(7)に該当することによって世帯分離された者に対する生活保持義務関係を除く。)においては、扶養義務者の最低生活費を超過する部分

イ 第1の2の(4)のイ、ウ若しくはオ又は同(7)に該当することによって世帯分離された夫婦並びに直系血族、兄弟姉妹及び相対的扶養義務者の関係においては、社会通念上それらの者にふさわしいと認められる程度の生活を損わない限度

(8) 扶養の程度の認定にあたっては、次の事項に留意すること。

ア 扶養義務者が生計中心者であるかどうか等その世帯内における地位等を考慮すること。

イ 扶養義務者が要支援者を引き取ってすでになんらかの援助を行っていた場合は、その事情を考慮すること。

3 扶養の履行について

(1) 夫婦関係にある者が十分な扶養能力があるにもかかわらず、正当な理由なくして扶養を拒み、他に円満な解決の途がない場合には、家庭裁判所に対する調停又は審判の申立てをも考慮すること。この場合において、要支援者にその申立てを行わせることが適当でないと判断されるときは、社会福祉主事が要支援者の委任を受けて申立ての代行を行ってもよいこと。なお、重点的扶養能力調査対象者以外の者について家庭裁判所に対して調停等を申立てることを妨げるものではない。

(2) (1)の場合において、必要があるときは、(1)の手続の進行と並行してとりあえず必要な支援給付を行い家庭裁判所の決定があった後、生活保護法第77条の規定の例により、扶養義務者から、扶養可能額の範囲内において、支援給付に要した費用を徴収する等の方法も考慮すること。

なお、生活保護法第77条の規定の例による費用徴収を行うにあたっては、扶養権利者が支援給付を受けた当時において、当該扶養義務者が法律上の扶養義務者であり、かつ、扶養能力があったこと及び現在当該扶養義務者に費用償還能力があることを確認すること。

(3) 扶養義務者の扶養能力又は扶養の履行状況に変動があったと予想される場合は、すみやかに調査のうえ、再認定等適宜の処理を行うこと。

なお、夫婦関係にある者に係る扶養能力及び扶養の履行状況の調査は、年1回程度は行うこと。

第5 他法他施策の活用

他の法律又は制度による保障、援助等を受けることができる者又は受けることができると推定される者については、極力その利用に努めさせること。

次に掲げるものは、特にその活用を図ること。また、活用を図るべきものはこれらに限られるものではないので、これら以外のものの活用についても、留意すること。

1 身体障害者福祉法

2 児童福祉法

3 知的障害者福祉法

4 障害者自立支援法

5 老人福祉法

6 売春防止法

7 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律

8 災害救助法

9 農業災害補償法

10 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律

11 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律

12 (削除)

13 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律

14 公害健康被害の補償等に関する法律

15 特別支援学校への就学奨励に関する法律

16 健康保険法

17 厚生年金保険法

18 恩給法

19 各共済組合法

20 雇用保険法

21 労働者災害補償保険法

22 石綿による健康被害の救済に関する法律

23 国民健康保険法

24 国民年金法

25 高齢者の医療の確保に関する法律

26 介護保険法

27 児童扶養手当法

28 特別児童扶養手当等の支給に関する法律

29 児童手当法

30 戦傷病者戦没者遺族等援護法

31 未帰還者留守家族等援護法

32 引揚者給付金等支給法

33 自動車損害賠償保障法

34 墓地、埋葬等に関する法律

35 自作農維持資金融通法

36 母子及び寡婦福祉法

37 母子保健法

38 学校保健安全法

39 生活福祉資金

第6 最低生活費の認定

最低生活費は、要支援者の年齢別、性別、世帯構成別、所在地域別等による一般的な需要に基づくほか、健康状態等によるその個人又は世帯の特別な需要の相違並びにこれらの需要の継続性又は臨時性を考慮して認定すること。

① 経常的最低生活費

経常的最低生活費は、要支援者の衣食等月々の経常的な最低生活需要のすべてを満たすための費用として認定するものであり、したがって、被支援者は、経常的最低生活費の範囲内において、通常予測される生活需要はすべて賄うべきものであること。

実施機関は、支援給付の実施にあたり、被支援者がこの趣旨を理解し、自己の生活の維持向上に努めるよう指導すること。

② 臨時的最低生活費(一時支援給付)

臨時的最低生活費(一時支援給付)は、次に掲げる特別の需要のある者について、最低生活に必要不可欠な物資を欠いていると認められる場合であって、それらの物資を支給しなければならない緊急やむを得ない場合に限り、別に定めるところにより、臨時的に認定するものであること。

なお、被服費等の日常の諸経費は、本来経常的最低生活費の範囲内で、被支援者が計画的に、順次更新していくべきものであるから、一時支援給付の認定にあたっては、十分留意すること。

a 出生、入学、入退院等による臨時的な特別需要

b 日常生活の用を弁ずることができない長期療養者について臨時的に生じた特別需要

c 新たに支援給付開始する際等に最低生活の基盤となる物資を欠いている場合の特別需要

d (削除)

最低生活費の認定は、当該世帯が最低限度の生活を維持するために必要な需要を基とした費用を、必ず実地につき調査し、正確に行わなければならないこと。

1 級地基準の適用

級地基準の適用は、原則として世帯の居住地又は現在地によるものであるが、2(一般生活費)に特別の定めがある場合のほか、次に掲げる場合は、例外的に、それぞれ当該各項によるものとすること。

(1) 葬祭支援給付については、葬祭地の級地基準によること。

(2) 旅先等で急迫支援給付を必要とする場合は、当該要支援者の現在地の級地基準によること。

2 一般生活費

(1) 基準生活費

ア 同一の月において入院患者日用品費又は介護施設入所者基本生活費と居宅基準生活費をあわせて計上するとき(支援給付受給中の者で入院患者日用品費又は介護施設入所者基本生活費を算定されていたものが、月の中途で退院又は退所する場合をいう。)における居宅基準生活費は、入院患者日用品費又は介護施設入所者基本生活費が計上される期間を除いた日数に応じて計上すること。

なお、「生活保護法による保護の基準」(昭和38年厚生省告示第158号。以下「生活保護法の基準」という。)別表第1第1章の3に掲げる施設に入所している者にかかる基準生活費と居宅基準生活費をあわせて計上するときも同様とすること。

イ 同一の月において救護施設等基準生活費(生活保護法の基準別表第1第1章の2に掲げる施設に入所している者にかかる基準生活費をいう。以下同じ。)と居宅基準生活費をあわせて計上するときにおける居宅基準生活費は、救護施設等基準生活費が計上される期間の初日又は末日を含めた日数に応じて計上すること。

ウ 救護施設等基準生活費は、当該施設に入所した日から退所の日まで計上すること。

ただし、居宅基準生活費を算定されている者が、「生活保護法による保護施設事務費及び委託事務費の支弁基準について」(平成20年3月31日厚生労働省発社援第0331011号厚生労働事務次官通知)に基づき救護施設等に一時入所する場合、当該一時入所期間中については、居宅基準生活費の変更は要しないものとすること。

エ ア、イ及びウによるほか、出かせぎ等により1か月をこえる期間他の世帯員と所在を異にする世帯員については、所在を異にするに至った日の翌日から再び所在を一にするに至った日の前日まで他の世帯員とは別に一般生活費を計上すること。

オ 入院患者に付き添う出身世帯の世帯員が病院又は診療所において生活する場合であって、病院の管理運営方針等により病院給食又は寝具の貸与を受けなければならない事情があると認められるときは、その実費について基準生活費の算定上特別基準の設定があったものとして取り扱って差し支えない。

なお、病院給食の実費を認める期間中の居宅基準生活費に係る第1類の経費については、その25パーセントに相当する額を計上すること。

カ 入院患者日用品費又は介護施設入所者基本生活費が計上される期間における期末一時支援給付費又は各種加算については、その期間当該被支援者が所在する地の級地基準による額を適用すること。

キ エにより別に計上する一般生活費については、その者の所在する地の級地基準による額を適用すること。

ク 救護施設等基準生活費(期末一時支援給付費及び各種加算を含む。)は、当該施設所在地の級地基準により計上すること。ただし、2級地又は3級地に所在する保護施設に入所している者について、1級上の級地の基準を、特別基準の設定があったものとして適用して差し支えないこと。

ケ エにより他の世帯員と別に一般生活費を計上する場合、生活保護法の基準別表第1第1章の1の第2類の表に定める額については、出身世帯員の人員の世帯に適用される額と世帯人員1人の世帯に適用される額とを計上すること。

なお、サ及び第6の2の(4)のイにより居宅基準生活費を計上する場合も同様とすること。

コ 次に掲げる施設は、生活保護法の基準別表第1第1章の3の表中の「これらに準ずる施設」として取り扱うこと。

東京都心身障害者職能開発センター職業訓練部門

サ 生活保護法の基準別表第1第1章の3の表中、次に掲げる施設の入所者については、「食費として施設に支払うべき額」は、月額42,600円の範囲内において必要な額とし、当該入所者が給食を受けない場合は、これに替えて居宅基準生活費の第1類の経費に75パーセントを乗じて得た額及び居宅基準生活費の第2類の表に定める基準額に20パーセントを乗じて得た額の合計額を計上すること。

また、利用料(室料と同等の内容のものに限る。)を施設に支払う必要がある場合には、月額25,000円の範囲内において必要な額を計上して差し支えないこと。

障害者自立支援法(平成17年法律第123号)附則第48条の規定によりなお従前の例により運営をすることができることとされた同条に規定する精神障害者社会復帰施設(精神障害者福祉ホームを除く。)

(2) 加算

ア 妊産婦加算

(ア) 妊産婦加算の計上は、届出によって行うものとし、妊婦であることの認定及び妊娠月数の認定は、母子健康手帳又は支援給付の実施機関の指定する医師若しくは助産師の診断により行うこと。

(イ) 支援給付受給中の者につき、妊娠月数が月の中途で変わる場合にはその翌月から妊婦加算の額の変更を行うこと。

(ウ) 産婦加算を行う期間は、専ら母乳によって乳児をほ育する産婦については6か月間とし、その他の者については3か月間とすること。

(エ) (ウ)の規定にかかわらず、支援給付受給中の者が出産したときは、当該月は妊婦加算を行い、翌月から5か月間(専ら母乳によって乳児をほ育する産婦以外の者については2か月間)を限度として産婦加算を行うこと。

(オ) 妊娠4か月以後において人工妊娠中絶を行った場合及び死産(妊娠4か月以後の死児の出産)の場合には、3か月間(支援給付受給中の者については翌月から2か月間)産婦加算を行うこと。

(カ) 妊婦又は産婦から支援給付の開始の申請があった場合には、申請月においても加算を行うこと。

イ 障害者加算

(ア) 障害の程度の判定は、原則として身体障害者手帳、国民年金証書又は福祉手当認定通知書により行うこと。

(イ) 身体障害者手帳、国民年金証書又は福祉手当認定通知書を所持していない者については、障害の程度の判定は、支援給付の実施機関の指定する医師の診断書その他障害の程度が確認できる書類に基づき行うこと。

(ウ) 支援給付受給中の者について、月の中途で新たに障害者加算を認定し、又はその認定を変更し若しくはやめるべき事由が生じたときは、それらの事由の生じた翌月から加算に関する最低生活費の認定変更を行うこと。

ただし、生活保護法の基準別表第1第2章の2の(5)にいう障害者加算を行うべき者については、その事由の生じた日から日割計算により加算の認定変更を行って差し支えないこと。

(エ) 障害者加算の認定を受けている者について、月の中途の入院入所又は退院退所に伴い、基準生活費の認定変更を行う場合は、これとあわせて加算額の認定変更も行うこと。

なお、居宅基準生活費と救護施設等基準生活費をあわせて計上する場合においては、救護施設等基準生活費が計上される間を除いた期間について在宅者にかかる加算の額を計上すること。

(オ) 介護人をつけるための費用が、生活保護法の基準別表第1第2章の2の(5)によりがたい場合であって、特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令別表第1に定める程度の障害の状態にあり、日常起居動作に著しい障害のため真に他人による介護を要すると認められるときは、104,530円の範囲内において当該年度の特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えないこと。

ウ 介護施設入所者加算

月の中途で新たに介護施設入所者加算を認定し、又はその認定をやめるべき事由が生じたときの加算の認定又は認定変更は、(4)に定める介護施設入所者基本生活費の算定の例によること。

エ 在宅患者加算

(ア) 給食のない病院等に入院又は入所している患者については、在宅療養者に準じて在宅患者加算を行って差し支えないこと。

(イ) 結核患者であって現に治療を受けていない場合における加算認定更新は、最長6か月の期間ごとに行うこと。

(ウ) 支援給付受給中の者について、月の中途で新たに在宅患者加算を認定し、又はその認定をやめるべき事由が生じたときは、それらの事由の生じた月の翌月から加算の認定変更を行うこと。

オ 放射線障害者加算

(ア) 支援給付受給中の者について、月の中途で新たに放射線障害者加算を認定し、又はその認定を変更すべき事由が生じたときは、それらの事由が生じた月の翌月から加算の認定変更を行うこと。

(イ) 生活保護法の基準別表第1第2章の5の(1)のイ及び(2)のイに規定する厚生労働大臣の認定については、次に掲げる事項を記載した申請書に、支援給付の実施機関の指定する医師の意見書及び当該負傷又は疾病に係る検査成績を記載した書類並びに当該世帯の支援給付適用状況を示す書類を添えて、厚生労働大臣に提出すること。

a 認定を受けようとする患者の氏名、性別、生年月日、居住地及び職業

b (1)のイ又は(2)のイの別

c 負傷又は疾病の名称

d 放射線を浴びたことに起因すると思われる自覚症状の経過

e 放射線を浴びたことに起因すると思われる負傷又は疾病について受けた医療の概要

f 放射線を浴びた当時の状況並びに浴びた放射線の種類及び量

カ 児童養育加算

支援給付受給中の者について、月の中途で新たに児童養育加算を認定し、又はその認定を変更し若しくはやめるべき事由が生じたときは、それらの事由の生じた月の翌月から加算の認定変更を行うこと。

キ 介護保険料加算

(ア) 介護保険料加算は、普通徴収にかかる保険料の納期において、納付すべき実費を認定すること。

(イ) 介護保険料加算が年金から特別徴収される場合には、特別基準の設定があったものとして、当該徴収額を当該年金の支給月から次回の支給月の前月までの各月に分割して認定すること。

(ウ) 月の中途で新たに介護保険料加算を認定し又は認定をやめるべき事由が生じたときであっても日割り計算を行う必要はないこと。

ク 母子加算

(ア) 生活保護法の基準別表第1第2章の8の(2)にいう「これに準ずる状態にある」場合とは、次に掲げる場合のように、父母の一方又は両方が子の養育にあたることができない場合をいうものであること。

a 父母の一方又は両方が常時介護又は監護を要する身体障害者又は精神障害者である場合

b 父母の一方又は両方が引き続き1年以上にわたって入院中又は法令により拘禁されている場合

c 父母の一方又は両方がおおむね1年以上(船舶の沈没等死亡の原因となるべき危難に遭遇したときは、その危難が去った後おおむね3か月以上)にわたって行方不明の場合又は父母の一方又は両方が子を引き続き1年以上遺棄していると認められる場合

(イ) 支援給付受給中の者について、月の中途で新たに母子加算を認定し、又はその認定を変更し若しくはやめるべき事由が生じたときは、それらの事由の生じた月の翌月から加算の認定変更を行うこと。

(ウ) 母子加算の認定を受けている者について、月の中途の入院入所又は退院退所に伴い、基準生活費の認定変更を行う場合は、これとあわせて加算額の認定変更も行うこと。

なお、居宅基準生活費と救護施設等基準生活費をあわせて計上する場合においては、救護施設等基準生活費が計上される間を除いた期間について在宅者にかかる加算の額を計上すること。

(エ) 母子加算を受ける者が長期(おおむね1年以上)にわたって入院中の場合であっても、その者が精神疾患で入院している等のため全く児童の養育に当たることができないとき又は他に養育に当たるものがあるときのほかは、その者につき加算を適用して差し支えないこと。

(3) 入院患者の基準生活費の算定について

ア 病院又は診療所(介護療養型医療施設を除く。以下同じ。)において給食を受ける入院患者については、入院患者日用品費が計上される期間に限り基準生活費は算定しないこと。ただし、12月における期末一時支援給付費は算定するものとすること。

イ 入院患者日用品費が算定される入院患者が病院又は診療所において給食を受けない場合の基準生活費の額は、居宅基準生活費の第1類の経費に75パーセントを乗じて得た額及び居宅基準生活費の第2類の表に定める基準額に20パーセントを乗じて得た額の合計額(12月においては、当該合計額に期末一時支援給付費を加えた額)とすること。

ウ 支援給付受給中の者(生活保護から支援給付に移行する場合を含む)について、入院期間が1か月未満であるため入院患者日用品費を算定しない場合は、一般生活費の認定の変更(各種加算の額の変更を含む。)を要しないものとすること。

エ 支援給付受給中の者が月の中途で入院し、入院患者日用品費を算定する場合でオ又はカに該当しないときは、入院患者日用品費は入院日の属する月の翌月の初日から計上すること。この場合、入院月の一般生活費の認定の変更(各種加算の額の変更を含む。)は要しないものとすること。

オ 支援給付の開始された日(生活保護から支援給付に移行する場合を除く)又は支援給付を停止されていて再び開始された日に入院している場合は、その日から入院患者日用品費を計上すること。

カ 救護施設、更生施設、養護老人ホーム若しくは特別養護老人ホーム又は介護施設に入所している者が入院した場合は、入院の日から入院患者日用品費を計上すること。

キ 入院患者日用品費が算定されている入院患者が退院又は死亡した場合は、入院患者日用品費は退院等の日まで計上することとし、一般生活費の認定の変更(各種加算の額の変更を含む。)を日割計算により行うこと。ただし、退院と同時に介護施設に入所する場合はこの限りでない。

ク 入院患者日用品費は、原則として生活保護法の基準別表第1第3章の1の(1)の基準額の全額(精神活動の減退等により日用品の需要の実態からその全額を必要としないもので、その状態が相当期間持続すると認められるものについては、基準額の85パーセントを標準として必要な額)を計上すること。

(4) 介護施設入所者基本生活費の算定について

ア 介護施設入所者基本生活費が算定される者については、基準生活費は算定しないこと。ただし、12月における期末一時支援給付費は算定するものとすること。

イ 支援給付受給中の者が月の中途で介護施設に入所したときは、介護施設入所者基本生活費は入所日の属する月の翌月(入所の日が月の初日のときは当該月)から計上すること。この場合、入所月の一般生活費の認定の変更(各種加算の額の変更を含む。)は要しないものとすること。なお、入院患者日用品費が算定されている入院患者等が医療機関等から介護施設に入所した場合も同様であること。

ウ 支援給付の開始された日又は支援給付を停止されていて再び開始された日に介護施設に入所している場合は、その日から介護施設入所者基本生活費を計上すること。

エ 救護施設、更生施設、養護老人ホーム又は特別養護老人ホームに入所している者が介護施設に入所した場合には、入所の日から介護施設入所者基本生活費を計上すること。

オ 介護施設入所者が退所又は死亡した場合は、介護施設入所者基本生活費は退所等の日まで計上することとし、一般生活費の認定の変更(各種加算の額の変更を含む。)を日割り計算により行うこと。

ただし、介護施設を退所し、その日から病院又は診療所に入院する場合には、退所の日における介護施設入所者基本生活費については、計上を要しないこと。

カ 介護施設入所者基本生活費は、原則として生活保護法の基準別表第1第3章の2の(1)の基準額の全額を計上すること。

(5) 被服費

ア 被支援者が次のいずれかに該当する場合であって、第6の総論前段に定めるところによって判断したうえ、必要と認めるときは、それぞれに定める額の範囲内において特別基準の設定があったものとして被服費を計上して差し支えないこと。

なお、(ア)から(ウ)までの場合においては、現物給付を原則とすること。

(ア) 支援給付開始時及び長期入院・入所後退院・退所した場合において、現に使用する布団類が全くないか又は全く使用に堪えなくなり、代替のものがない場合

区分

金額

再生によることができる場合

1組につき11,700円以内

新規に購入を必要とする場合

1組につき16,900円以内

(イ) 支援給付開始時及び長期入院・入所後退院・退所した場合において、現に着用する被服(平常着)が全くないか又は全く使用に堪えない状況にある者一人当たり12,700円以内

(ウ) 災害にあい、災害救助法が発動されない場合において、当該地方公共団体等の救護をもってしては、災害により失った最低生活に直接必要な布団類、日常着用する被服を賄うことができない場合

世帯人員別

金額

 

夏季

(4月から9月まで)

冬季

(10月から3月まで)

2人まで

17,900円以内

32,100円以内

4人まで

33,800円以内

54,300円以内

5人

43,600円以内

68,800円以内

6人以上1人を増すごとに加算する額

6,500円以内

9,500円以内

(エ) 出産を控えて新生児のための寝具、産着、おむつ等を用意する必要がある場合 46,300円以内

(オ) 入院を必要とする者が入院に際し、寝巻又はこれに相当する被服が全くないか又は使用に堪えない場合 3,900円以内

(カ) 常時失禁状態にある患者(介護施設入所者を除く。)等が紙おむつ等を必要とする場合 月額 21,000円以内

イ 布団類の支給にあたっては、その世帯の世帯人員、世帯構成、世帯員の健康状態、住居の広さ、布団類の保有状況及び当該地域の低所得世帯との均衡を失しない限度において最低生活の維持に必要な支給量を決定すること。なお、その者が使用していたものを再生して使用させることを第一に考慮し、みだりに新製の布団類を支給することのないように留意すること。

(6) 家具什器費

被支援者が次のアからエのいずれかの場合に該当し、第6の総論に定めるところによって判断した結果、炊事用具、食器等の家具什器を必要とする状態にあると認められるときは、24,900円の範囲内において特別基準の設定があったものとして家具什器を支給して差し支えないこと。

なお、真にやむを得ない事情により、この額により難いと認められるときは、40,000円の範囲内において、特別基準の設定があったものとして家具什器を支給して差し支えないこと。

これらの場合においては、収入充当順位にかかわりなく、現物給付の方法によること。ただし、現物給付の方法によることが適当でないと認められるときは、金銭給付の方法によっても差し支えないこと。

ア 支援給付開始時において、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき。

イ 長期入院・入所後退院・退所した単身者であって、新たに自活しようとする場合において、最低生活に直接必要な家具什器の持合せがないとき。

ウ 災害にあい、災害救助法が発動されない場合において、当該地方公共団体等の救護をもってしては、災害により失った最低生活に直接必要な家具什器を賄うことができないとき。

エ 転居の場合であって、新旧住居の設備の相違により、最低生活に直接必要な家具什器を補填しなければならない事情が認められるとき。

(7) 移送費

ア 移送は、次のいずれかに該当する場合において他に経費を支出する方法がないときに乗車船券を交付する等なるベく現物給付の方法によって行うこととし、移送費の範囲は、(カ)又は(ク)において別に定めるもののほか、日本国内における必要最少限度の交通費、宿泊料及び飲食物費の額とすること。

この場合、(ア)に該当する場合であって実施機関の委託により使役する者があるとき、(イ)、(ウ)、(キ)若しくは(ケ)に該当する場合であって付添者を必要とするときは、その者に要する交通費、宿泊料及び飲食物費並びに日当(実施機関の委託により使役する者について必要がある場合に限る。)についても同様の取扱いとすること。

(ア) 要支援者を支援給付の必要上遠隔地の保護施設等へ移送する場合

(イ) 被支援者が実施機関の指示又は指導をうけて他法による給付の手続、施設入所手続、就職手続及び検診等のため当該施設等へ出向いた場合

(ウ) 被支援者が身体障害支援施設、国立保養所、知的障害者援護施設、公共職業能力開発施設等に入所し若しくはこれらの施設から退所する場合又はこれらの施設に通所する場合であって、身体的条件、地理的条件又は交通事情により、交通費を伴う方法以外には通所する方法が全くないか又はきわめて困難である場合

(エ) (ウ)に掲げる施設等に入所している被支援者が当該施設の長の指導により出身世帯に一時帰省する場合又はこれらの施設に入所している者の出身世帯員(被支援世帯に限る。)がやむを得ない事情のため当該施設の長の要請により当該施設へ行く場合

(オ) 被支援世帯員又は同居している被保護者のいずれかが入院したため当該患者の移送以外に実施機関が認める最少限度の連絡を要する場合

(カ) 被支援者(その委託による代理人を含む。)が、当該被支援者の配偶者、三親等以内の血族若しくは二親等以内の姻族であって他に引取人のない遺体、遺骨を引取りに行く場合又はそれらの者の遺骨を納めに行く場合で実施機関がやむを得ないと認めたとき。この場合、遺体の運搬費を要するときは、その実費を認定して差し支えない。

(キ) 被支援者が、配偶者、三親等以内の血族若しくは二親等以内の姻族が危篤に陥っているためそのもとへ行く場合又はそれらの者の葬儀に参加する場合で実施機関がやむを得ないと認めたとき。

(ク) 被支援者が転居する場合又は住居を失った被支援者が家財道具を他に保管する場合及びその家財道具を引き取る場合で、真にやむを得ないとき。この場合、荷造費及び運搬費を要するときは、実施機関が事前に承認した必要最少限度の額を認定して差し支えない。

(ケ) 被支援者が出産のため病院、助産所等へ入院、入所し、又は退院、退所する場合

(コ) 刑務所、少年院等に入所している者の出身世帯員(被支援給付世帯に限る。)がやむを得ない事情のため当該施設の長の要請により当該施設へ行く場合

(サ) 次のいずれかに該当する場合であってそれがその世帯の自立のため必要かつ有効であると認められるとき。

a アルコール症若しくはその既往のある者又はその同一世帯員が、断酒を目的とする団体(以下「断酒会」という。)の活動を継続的に活用する場合

b アルコール症又はその既往のある者(同伴する同一世帯員を含む。)が、断酒会の実施する2泊3日以内の宿泊研修会(原則として当該都道府県内に限る。)に参加する場合

c 精神保健福祉センター、保健所等において精神保健福祉業務として行われる社会復帰相談指導事業等の対象者又はその同一世帯員が、その事業を継続的に活用する場合

(シ) 被支援者が子の養育費の支払いを求める調停又は審判のため家庭裁判所に出頭する場合

(ス) 被支援者が参加する地域生活支援プログラムの交通費の年間上限額を超える交通費は、超過額について実施機関が必要と認めた最小限度の額を認めて差し支えない。

(8) (削除)

(9) その他

ア 配電設備費

(ア) 被支援者が現に居住する家屋に配電設備が全くない場合には、生活保護法の基準別表第3の1の補修費等住宅維持費の額の範囲内において、特別基準の設定があったものとして、配電設備の新設に必要な額を認定して差し支えないこと。

なお、真にやむを得ない事情により、この額により難いと認められるときは、生活保護法の基準別表第3の1の基準額に1.5を乗じて得た額の範囲内において、特別基準の設定があったものとして、必要な額を認定して差し支えない。

(イ) 設備に要する経費の減免又は扶養義務者ないしは地域社会の援助等を期待できるものについては、極力これを受けるように指導すること。

イ 水道、井戸又は下水道設備費

(ア) 被支援者が最低限度の生活の維持のために水道若しくは井戸を設備することが真に必要であると認められ、かつ、その地域の殆んどの世帯が水道若しくは井戸を設けているとき又は被支援者が市街地の中心部等に居住している場合であって、現在の下水(屎尿を除く。)処理の方法では当該世帯又は近隣の衛生を著しく損うことが認められ、かつ、下水道設備によるほか適当な処理方法がないときに限り、生活保護法の基準別表第3の1の補修費等住宅維持費の額の範囲内において特別基準の設定があったものとして水道、井戸又は下水道設備の新設に必要な額を認定して差し支えない。

なお、真にやむを得ない事情により、この額により難いと認められるときは、生活保護法の基準別表第3の1の基準額に1.5を乗じて得た額の範囲内において、特別基準の設定があったものとして、必要な額を認定して差し支えない。

また、水道又は井戸の設備に係る特別基準の設定にあたっては水道又は井戸の設備費のそれぞれを比較して廉価なものを設備すること。

(イ) 設備の規模は、近隣との均衡等を十分に検討したうえで、最低限度の生活にふさわしい程度で決定すること

(ウ) 設備に要する経費の減免又は扶養義務者ないしは地域社会の援助等を期待できるものについては極力これを受けるように指導すること。

ウ 液化石油ガス設備費

(ア) 被支援者が最低限度の生活の維持のためにプロパンガス等液化石油ガス設備を設けることが真に必要であると認められ、かつ、その設置が近隣との均衡を失することにならないと認められる場合に限り、生活保護法の基準別表第3の1の補修費等住宅維持費の額の範囲内において、特別基準の設定があったものとして液化石油ガス設備の新設に必要な額を認定して差し支えないこと。

なお、真にやむを得ない事情により、この額により難いと認められるときは、生活保護法の基準別表第3の1の基準額に1.5を乗じて得た額の範囲内において、特別基準の設定があったものとして、必要な額を認定して差し支えない。

(イ) 設備の規模は、近隣との均衡等を十分に検討したうえで、最低限度の生活にふさわしい程度で決定すること。

(ウ) 設備に要する経費の減免又は扶養義務者ないしは地域社会の援助等を期待できるものについては、極力これを受けるように指導すること。

エ 家財保管料

医療機関、介護老人保健施設、職業能力開発校、社会福祉施設等に入院又は入所している単身の被支援者でやむを得ない事情により、家財を自家以外の場所に保管してもらう必要があり、かつそのための経費を他からの援助等で賄うことのできないものについては、入院又は入所(入院又は入所後に被支援者になったときは、被支援者になった時。以下同じ。)後1年間を限度として月額13,000円の額を特別基準の設定があったものとして認定して差し支えないこと。ただし、明らかに入院又は入所後1年以上の入院加療、入所による指導訓練を必要とする者についてはこの限りではない。

なお、入院又は入所後において支援給付の実施要領第6の3の(1)のエの(ア)により住宅費が認定されている場合には、12か月から当該住宅費を認定した月数を差し引いた月数の範囲において認定すること。

オ 家財処分料

借家等に居住する単身の被支援者が医療機関、介護老人保健施設、職業能力開発校又は社会福祉施設等に入院又は入所し、入院又は入所見込期間(入院又は入所後に被支援者となったときは、被支援者になった時から)が6か月を超えることにより真に家財の処分が必要な場合で、敷金の返還金、他からの援助等によりそのための経費を賄うことができないものについては、家財の処分に必要な最小限度の額を特別基準の設定があったものとして認定して差し支えない。

カ 妊娠定期検診料

妊娠した被支援者が、妊娠期間中(妊娠後に被支援者となったときは、被支援者になった以降)市町村において行われる妊婦の健康診査事業を利用することができず、医療機関において定期検診を受ける場合は、公費負担により受診する場合を除き、特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えない。

キ 不動産鑑定費用等

支援給付の申請を行った者又は支援給付受給中の者が、要支援世帯向け不動産担保型生活資金を利用(社会福祉協議会による貸付審査により、貸付の利用に至らなかった場合も含む。)することに伴って必要となる不動産鑑定費用(社会福祉協議会が単位期間ごとに行う再評価に要する費用を除く。)、抵当権等の設定登記費用及びその他必要となる費用については、特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えない。

3 住宅費

(1) 家賃、間代、地代等

ア 生活保護法の基準別表第3の1の家賃、間代、地代等は、居住する住居が借家若しくは借間であって家賃、間代等を必要とする場合(当該住宅の借受人が同居している者名義の場合も含む)、又は居住する住居が自己の所有(同居している者名義のものも含む)に属し、かつ住居の所在する土地に地代等を要する場合に認定すること。

イ 月の中途で支援給付開始、変更、停止又は廃止となった場合であって、日割計算による家賃、間代、地代等の額を超えて家賃、間代、地代等を必要とするときは、1か月分の家賃、間代、地代等の基準額の範囲内で必要な額を認定して差し支えないこと。

ウ 被支援者が真に必要やむを得ない事情により月の中途で転居した場合であって日割計算による家賃、間代の額をこえて家賃、間代を必要とするときは、転居前及び転居後の住居にかかる家賃、間代につきそれぞれ1か月分の家賃、間代の基準額の範囲内で必要な額を認定して差し支えないこと。

エ 入院患者がある場合等の住宅費の取扱い

(ア) 単身の者が、医療機関、介護老人保健施設、職業能力開発校、社会福祉施設等に入院入所期間中も従来通り住宅費を支出しなければならない生活実態にある場合は、入院入所(入院入所後に被支援者になったときは、被支援者になった時。以下この項において同じ。)後6か月以内に退院退所できる見込みのある場合に限り、入院入所後6か月間を限度として、当該住宅費を認定して差し支えないこと。

なお、入院入所後における病状の変化等により6か月を超えて入院入所することが明らかとなった場合であっても、その時から3か月以内に確実に退院退所できる見込みがあると認められる場合には、更に3か月を限度として引き続き当該住宅費を認定して差し支えないこと。

(イ) (ア)以外の場合であって、支援給付受給中の単身者が月の中途で病院等に入院若しくは入所し、又は病院等から退院若しくは退所した場合において、日割計算による家賃、間代の額をこえて家賃、間代を必要とするときは、1か月分の家賃、間代の基準額の範囲内で必要な額を計上して差し支えないこと。

なお、地域の住宅事情等により、退院又は退所する月において住居を確保することが困難であるため、当該月の前月分の家賃、間代を必要とするときは、退院又は退所した日以前1か月を限度として1か月分の家賃、間代の基準額の範囲内で必要な額を日割計算により計上して差し支えないこと。

オ 生活保護法の基準別表第3の2の厚生労働大臣が別に定める額(以下「限度額」という。)によりがたい家賃、間代等であって、世帯員数、世帯員の状況、当該地域の住宅事情によりやむを得ないと認められるものについては、限度額に1.3を乗じて得た額(7人以上の世帯については、この額にさらに1.2を乗じて得た額)の範囲内において、特別基準の設定があったものとして、必要な額を認定して差し支えないこと。

カ 被支援者が転居に際し、敷金等を必要とする場合で、オに定める額以内の家賃又は間代を必要とする住居に転居するときは、オに定める額に3を乗じて得た額の範囲内において特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えないこと。ただし、近い将来支援給付の廃止が予想され、その後に転居することをもって足りる者については、この限りでない。

キ 支援給付開始時において、安定した住居のない要支援者(支援給付の実施機関において居宅生活ができると認められる者に限る。)が住宅の確保に際し、敷金等を必要とする場合で、オに定める額以内の家賃又は間代を必要とする住居を確保するときは、オに定める額に3を乗じて得た額の範囲内において特別基準の設定があったものとして必要な額を認めて差し支えないこと(住環境が著しく劣悪な状態であることが確認された場合その他実施機関において居住することが不適切と認めた場合を除く。)。

ク 被支援者が居住する借家、借間の契約更新等に際し、契約更新料等を必要とする場合には、オに定める額の範囲内において特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えないこと。

(2) 住宅維持費

ア 生活保護法の基準別表第3の1の補修費等住宅維持費は被支援者が現に居住する家屋の畳、建具、水道設備、配電設備等の従属物の修理又は現に居住する家屋の補修その他維持のために経費を要する場合に認定すること。

なお、この場合の補修の規模は、社会通念上最低限度の生活にふさわしい程度とすること。

イ 家屋の修理又は補修その他維持に要する費用(エにより認定された額を除く。)が生活保護法の基準別表第3の1によりがたい場合であってやむを得ない事情があると認められるときは、基準額に1.5を乗じて得た額の範囲内において、特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えないこと。

ウ 災害に伴い家屋の補修等を必要とする場合には、すでに認定した補修費等住宅維持費にかかわりなく被災の時点から新たに補修費等住宅維持費を認定することとして差し支えないこと。

エ 豪雪地帯において、雪囲い、雪下ろし等をしなければ家屋が損壊するおそれがある場合には、当該雪囲い、雪下ろし等に要する費用について、一冬期間につき生活保護法の基準別表第3の1に定める額の範囲内において特別基準の設定があったものとして、必要な額を認定して差し支えないこと。

4 医療費

指定医療機関等において診療を受ける場合の医療費は医療関係法令通知等に示すところにより診療に必要な最小限度の実費の額を計上すること。

5 介護費

指定介護機関において介護サービスを受ける場合の介護費は、介護関係法令通知等に示すところにより、介護サービスを受けるために必要な最小限度の実費の額を計上すること。

6 出産費

(1) 出産予定日の急変によりあらかじめ予定していた施設において分べんすることができなくなった場合等真にやむを得ない事情により、出産に要する費用が生活保護法の基準別表第6により難いこととなったときは、生活保護法の基準別表第6の1について、293,000円の範囲内において特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えないこと。

(2) 双生児出産の場合は、生活保護法の基準別表第6の1について、基準額((1)の要件を満たす場合は、293,000円)の2倍の額の範囲内において特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えないこと。

(3) 病院、診療所、助産所その他の者であって、健康保険法施行令第36条各号に掲げる要件のいずれにも該当するものによる医学的管理の下における出産であると支援給付の実施機関が認めるときは、生活保護法の基準別表第6の1又は本通知第6の6(1)に定める額に加え、30,000円の範囲内において特別基準の設定があったものとして、健康保険法施行令第36条第1号に規定する保険契約に関し被支援者が追加的に必要となる費用の額を認定して差し支えないこと。

7 生業費、技能修得費及び就職支度費

(1) 生業費

ア 専ら生計の維持を目的として営まれることを建前とする小規模の事業を営むために必要な資金又は生業を行うために必要な器具若しくは資料を必要とする被支援者に対し、その必要とする実態を調査確認のうえ、基準額の範囲内における必要最小限度の額を計上するものとすること。

なお、生業費として認められる経費が生活保護法の基準別表第7の1によりがたい場合であってやむを得ない事情があると認められるときは、75,000円の範囲内において、特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えない。

イ 同一世帯に属する2人以上の者から同時に別個の生業計画により2件以上の申請があった場合には、世帯の収入の増加及び自立助長に効果的に役立つと認められるものについては、それぞれ生業支援給付を適用して差し支えないこと。

ウ 世帯を異にする2人以上の者から共同の出資事業につき申請がそれぞれ別個になされた場合には、生業計画について企業責任の所在、経営利潤の配分、資材及び労力の提供、製品の販路等を詳細に検討したうえ、個々の世帯の収入の増加及び自立助長に効果的に役立つと認められるものについては、それぞれ生業支援給付を適用して差し支えないこと。

エ 支給品目の品質及び価格は、最低限度の生活にふさわしい程度で決定すること。

(2) 技能修得費

ア 技能修得費(高等学校等就学費を除く)

(ア) 生計の維持に役立つ生業に就くために必要な技能を修得する経費を必要とする被支援者に対し、その必要とする実態を調査確認のうえ、基準額の範囲内における必要最小限度の額を計上するものとすること。

(イ) 身体障害者手帳を所持する視覚障害者が、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第2条第1項の養成施設において、はり師、きゅう師になるために必要な技能を修得する場合で、当該技能修得が世帯の自立助長に特に効果があると認められるときは、技能修得の期間が2年をこえる場合であっても、その期間1年につき73,000円の範囲内で特別基準の設定があったものとして必要な額を認定すること。

(ウ) 技能修得費として認められるものは、技能修得のために直接必要な授業料(月謝)、教科書・教材費、当該技能修得を受ける者全員が義務的に課せられる費用等の経費、及び資格検定等に要する費用(ただし、同一の資格検定等につき一度限りとする)等の経費であること。

なお、技能修得費として認められる経費が生活保護法の基準別表第7の1によりがたい場合であってやむを得ない事情があると認められるときは、121,000円の範囲内において特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えないこと。

(エ) 上記(ア)に定めるところにかかわらず、(平成17年3月31日付け社援発第0331003号厚生労働省社会・援護局長通知に定めるところによる)自立支援プログラムに基づくなど、実施機関が特に必要と認めた場合については、コンピュータの基本的機能の操作等就職に有利な一般的技能や、コミュニケーション能力等就労に必要な基礎的能力を修得するための経費を必要とする被支援者についても、基準額の範囲内における必要最小限度の額を計上して差し支えないこと。

なお、自立支援プログラムに基づく場合であって、1年間のうちに複数回の技能修得費を必要とする場合については、年額194,000円の範囲内において特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えないこと。

(オ) 当分の間、つぎのいずれかに該当する技能習得手当を受けている被支援者については、その実額に相当する額を技能修得費として計上すること。この場合、その者の収入のうち当該計上額は収入充当順位にかかわりなく技能修得費に充当することとし、また、その額が技能修得費の一般基準額をこえるときは、特別基準の設定があったものとして取り扱うこと。

なお、bに該当するものとして取り扱う場合は、厚生労働大臣に情報提供すること。

a 雇用対策法等に基づき支給される技能習得手当

b 職業能力開発促進法にいう公共職業能力開発施設に準ずる施設において職業訓練をうける者が地方公共団体又はその長から支給されるaに準ずる技能習得手当

(カ) 被支援者に対して、障害者自立支援法第77条の規定に基づき、市町村が実施する地域生活支援事業の更生訓練費給付事業により、更生訓練費又は物品の支給が行われた場合は、当該訓練費の実額又は物品の支給に要する費用の実額を技能修得費として計上するとともに、その者の収入のうち当該計上額は、収入充当順位にかかわりなく技能修得費に充当することとし、また、その額が技能修得費の一般基準額をこえるときは、特別基準の設定があったものとして取り扱うこと。

ただし、技能修得費を当該訓練費の実額又は物品の支給に要する費用の実額をこえて認定する必要があるとき、又は技能修得費として計上した額を各月に分割して支給することが適当でないと認められるときは、上記の取扱いによらず、一般基準額又は(イ)若しくは(ウ)による特別基準額として認められる額の範囲内において必要と認められる額を技能修得費として計上し、更生訓練費等は収入として認定すること。

(キ) (ウ)による限度額を超えて費用を必要とする場合であって、次のいずれかに該当するときは、380,000円の範囲内において特別基準の設定があったものとして取り扱って差し支えないこと。

この場合、給付にあたっては、必要と認められる最小限度の額を確認の上、その都度分割して給付するものとすること。

a 生計の維持に役立つ生業に就くために専修学校又は各種学校において技能を修得する場合であって、当該世帯の自立助長に資することが確実に見込まれる場合

b 自動車運転免許を取得する場合(免許の取得が雇用の条件となっている等確実に就労するために必要な場合に限る。)

c 雇用保険法第60条の2に規定する教育訓練給付金の対象となる厚生労働大臣の指定する教育訓練講座(原則として当該講座修了によって当該世帯の自立助長に効果的と認められる公的資格が得られるものに限る。)を受講する場合であって、当該世帯の自立助長に効果的と認められる場合

イ 高等学校等就学費

(ア) 高等学校等就学費は、高等学校等に就学し卒業することが当該世帯の自立助長に効果的であると認められる場合について、原則として当該学校における正規の就学年限に限り認定すること。

なお、支援給付開始時に既に高等学校等に就学している場合には、原則として、正規の就学年限から既に就学した期間を減じた期間に限り認められるものであること。

(イ) 高等学校等就学費基本額の計上にあたっては、支援給付開始月、変更月、停止月又は廃止月においても、月額全額を計上すること。

(ウ) 学校教育活動のために全ての生徒について学級費、生徒会費及びPTA会費等(以下「学級費等」という。)として学校に納付する場合であって、生活保護法の基準別表第7に規定する基本額によりがたいときは、学級費等について月額1,560円の範囲内において特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えない。

(エ) 教材代の認定を行う場合には、必要に応じて教材の購入リスト等の提出を求めるなど、必要とする実費の額の確認を行うこと。

正規の授業で使用する教科書等の範囲は、当該授業を受講する全生徒が必ず購入することとなっている教科書、副読本的図書、ワークブック及び和洋辞典であること。

(オ) 高等学校等に入学する生徒が、入学の際、入学準備のための費用を必要とする場合は、61,400円の範囲内において特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えないこと。この場合、原則として金銭給付によることとするが、現物給付によることが適当であると認められるときは現物給付によることとして差し支えないこと。

(カ) 生徒が身体的条件、地理的条件又は交通事情により交通費を伴う方法による以外には通学する方法が全くないか、又はそれによらなければ通学がきわめて困難である場合においては、その通学のため必要な最小限度の交通費の額を計上すること。

(キ) 災害その他不可抗力により学用品を消失し、学用品を再度購入することが必要な場合には、26,500円の範囲内において特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えないこと。

また、同様に正規の授業で使用する教科書等を消失し、再度購入することが必要な場合には、上記の額に加えて、高等学校等就学費の教材代として支給対象となる範囲内において、必要な実費を認定して差し支えない。

(ク) 学習支援費は、学習参考書等((エ)に含まれるものを除く。)の購入費及び課外のクラブ活動に要する費用に充てる経費であり、その計上にあたっては、支援給付開始月、変更月、停止月又は廃止月においても月額全額を計上すること。

(ケ) 高等専門学校に就学している場合であって、第4学年及び第5学年に該当する場合は、年額237,600円の範囲内において特別基準の設定があったものとして必要な額を認定して差し支えないこと。

(3) 就職支度費

就職の確定した被支援者が、就職のため直接必要とする洋服類、履物等の購入費用を要する場合は、基準額の範囲内で必要な額を計上すること。

また、就職の確定した者が初任給が支給されるまでの通勤費については、必要やむを得ない場合に限り当該費用については、特別基準の設定があったものとして交通費実費分を計上すること。

8 葬祭費

(1) 小人の葬祭に要する費用が生活保護法の基準別表第8の1の小人の基準額をこえる場合であって、当該地域の葬祭の実態が大人と同様であると認められるときは、生活保護法の基準別表第8の1の基準額について大人の基準を特別基準の設定があったものとして適用して差し支えない。

(2) 生活保護法第18条第2項第1号の規定の例に該当する死者に対し葬祭を行う場合は、葬祭扶助基準額表の額(火葬料等についての加算及び(1)により特別基準の設定があった場合を含む。)に1,000円を加算した額を特別基準の設定があったものとして、計上して差し支えないこと。

(3) 死亡診断又は死体検案に要する費用(文書作成の手数料を含む。)が5,100円をこえる場合は、葬祭扶助基準額表の額(火葬料等についての加算並びに(1)及び(2)により特別基準の設定があった場合を含む。)に当該こえる額を加算した額を、特別基準の設定があったものとして、計上して差し支えないこと。

(4) 火葬又は埋葬を行うまでの間、死体を保存するために特別な費用を必要とする事情がある場合は、必要最小限度の実費を特別基準の設定があったものとして計上して差し支えないこと。

(5) 妊娠4か月以上で死産した場合には、葬祭費を認定して差し支えないこと。

9 特別基準の設定による費用

(1) 特別基準の設定があったときは、その額のとおり計上すること。

(2) 特別基準の設定があったものとして取り扱う費用の認定については、各費目に関する告示及び本職通知の規定に従い、かつ、次のアからオまでによって、必要な額を認定すること。なお、実施手続等については、(3)によること。

ア 特別基準設定による費用の認定

実施機関は、支援給付の趣旨に基づいて判断した結果、当該被支援世帯について、必要不可欠な特別の需要があると認められる場合に限り、特別基準の設定による費用を認定できるものであること。

イ 特別需要額の認定

需要額の認定については、必要最小限度の額を認定すること。

ウ 他法他施策の活用

生活福祉資金その他の他法他施策による給付等であって当該特別需要をみたすべきものについては、事前にその有無を検討し、その活用をはかるべきものであること。

エ 扶養義務者その他からの援助

特別基準は、臨時又は特殊な需要に対応して設定されるものであるから、通常の扶養義務履行の有無とは別に、当該特殊需要に対する、扶養義務者その他からの臨時の援助の有無について、あらためて調査すること。

オ 迅速な事務処理

特別基準による費用の設定が事後処理にならないよう厳に留意すること。

(3) 特別基準が設定されたものとして取り扱う費用等の認定にあたっては、次に掲げる資料を審査して認定すること。

ア 支援給付台帳

イ 支援給付決定調書

ウ その他生活の現況、特別基準設定の必要性、計画及び費用等の妥当性、他法他施策の活用の可能性、扶養義務者等他からの援助の可能性等を判断するために必要な資料

エ 計画書、見積書等

(ア) 障害者加算:障害名、障害等級、障害の状況が確認できる書面、介護計画書(標準的な週における介護内容が確認できる書面)、領収書(更新時)

(イ) 配電、水道、井戸または下水道設備費:設備計画書、関係図面、経費見積書、水質検査書、代替措置の検討

(ウ) 敷金等:転居指導等のケース記録の写、敷金等の契約内容が確認できる書面

(エ) 住宅維持費:補修計画書、図面、写真、経費見積書

(オ) 生業費、技能修得費:生業(技能修得)計画書、経費見積書

(カ) 支援給付の重複支給:理由申立書、関係官署の証明書

(キ) 治療材料:医師の診断書、医師の意見書、経費見積書

(4) 各費目に関する告示及び本職通知の規定による基準によりがたい特別の事情がある場合には、厚生労働大臣に情報提供すること。

第7 収入の認定

1 収入に関する申告及び調査

(1) 被支援者の収入は毎年6月に前年1年分の収入を申告させるほか、次のような場合に、申告を行わせること。

ア 支援給付の開始申請をしたとき

イ 厚生年金保険法、船員保険法、各種共済年金保険法、国民年金法による年金収入額に変動があったとき

ウ 3に定めるところにより、収入認定額を直近月(当月。これによることが適当でない場合は前月。以下同じ。)の収入を基に算定する必要が生じたとき

(2) 収入に関する申告は、収入の有無、種類、内容、収入を得た時期等について書面で行わせること。なお、その際これらの事項を証明すべき資料があれば、これを提出させること。

(3) 収入の認定にあたっては、(1)(2)によるほか、当該世帯の預金、現金、動産・不動産等の資産の状況、稼働能力等の状況、社会保険その他社会保障的施策による受給資格の有無、扶養義務者又は縁故者等からの援助及び同居している者の収入等のすべてについて綿密な調査を行い、必要に応じて関係先につき調査を行う等収入源について直接に把握すること。

2 収入額の認定の原則

収入の認定は月額によること。

3 認定指針

(1) 就労に伴う収入

ア 勤労(被用)収入

(ア) 官公署、会社、工場、商店等に常用で勤務し、又は日雇その他により勤労収入を得ている者については、基本給、勤務地手当、家族手当及び超過勤務手当、賞与等の収入総額を基に月額を算定し、その額から8,000円を減じた額に0.7を乗じて得た額から必要経費を控除した額を収入として認定すること。

(イ) 勤労収入を得るための必要経費としては、社会保険料、所得税、労働組合費、通勤費等の実費の額を控除すること。

(ウ) 収入額の月額の算定は次のとおり行うこと。

a 支援給付の開始時においては、原則として直近月の収入額を基に月額を算定すること。また、直近月に賞与を受領している場合については賞与の全額を加えて認定すること。これによることが適当でない場合は次の5月までの期間の範囲内(最大6か月以内とする)で分割した額を、加えて認定すること。

b 被支援世帯については、毎年6月に前年1年分の収入総額(既に勤労による収入を得ていない場合については支援給付受給前に受領した額を除く)を12で除した額を基に月額を算定すること。

c bの規定にかかわらず、被支援世帯から、当該収入の減少により生活維持が困難であるとの申し出があった場合(6月以外の月に申し出があった場合を含む)であって、真にやむを得ないと認められるときには、直近月の収入を基に月額を算定すること。なお、申告のあった月に賞与を受領した場合にはその全額を加えて認定すること。これによることが適当でない場合は次の5月までの期間の範囲内(最大6か月以内とする)で分割した額を、加えて認定すること。また、この場合、当該収入以外の収入(同居している者の収入を除く)についてもそれぞれの認定指針に基づき収入認定額を変更すること。

d a又はcにより収入を認定した場合においては、以降次の6月までの間、当該収入が増加する都度申告を行わせ、申告に基づき収入認定額を変更すること。ただし、賞与を分割認定している場合にはその額を加えること。また、申告のあった月に賞与を受領した場合にはその全額を加えて認定すること。これによることが適当でない場合は次の5月までの期間の範囲内(最大6か月以内とする)で分割した額を、加えて認定すること。また、当該収入の減について申告があった場合においても、同様に取り扱うこと。

(エ) 収入については本人から申告させるほか、収入総額、及び各種源泉控除等の内訳を明記した給与証明書を徴すること。ただし、給与証明書等を徴することを適当としない場合には、給与明細書、源泉徴収票、課税証明書等をもって、これに代えても差し支えないこと。

(オ) 収入の申告内容については課税台帳により確認すること。また、給与証明書等の内容に不備がある場合や証明書等の記載内容に疑義がある場合には、直接雇用主に具体的な内容を調査確認すること。

(カ) 社会保険の被保険者については、社会保険官署、健康保険組合等につき標準報酬との照合を行うこと。

(キ) (イ)にいう「労働組合費」は、当該労働組合の組合員の全員が、各月において徴収される組合費の実費をいうものであり、臨時に徴収されるものを含まないものであること。

イ 農業収入

(ア) 農業により収入を得ている者については、すべての農作物について調査し、その収穫量に基づいて認定すること。

(イ) 農業収入を得るための必要経費としては、生産必要経費として、小作料、農業災害補償法による掛金、雇人費、農機具の修理費、少額農具の購入費、納屋の修理費、水利組合費、肥料代、種苗代、薬剤費等についてその実際必要額を認定すること。

(ウ) (イ)の生産必要経費のうち肥料代、種苗代及び薬剤費については、次に掲げる比率(農林水産省農作物生産費調査による)に準拠して各実施機関ごとに比率を認定したうえ、これを(エ)による収穫高に乗じて認定すること。

玄米(水稲) 9% 小麦 23%

玄米(陸稲) 26% その他の農作物 20%

(エ) 農業収入は次の算式により認定すること。

a 主食(米、小麦、裸麦、大麦、そば等当該地域の食生活の実態によること。)

収穫高=販売価格×収穫量

収穫高-生産必要経費=収入

(収入-8,000円)×0.7=収入認定月額

b 野菜

販売価格×売却量+自給量を金銭換算した額(生活保護法実施要領第8の1の(2)で定める別表「金銭換算表」の野菜の額に自給割合を乗じて得た額をいう。)-必要経費=収入

(収入-8,000円)×0.7=収入認定月額

(オ) 収入額の月額の算定は次のとおり行うこと。

a 支援給付の開始時においては、原則として直近の収入のあった月(12か月以内のものに限る。以下同じ)の収入額を12で除した額を基に月額を算定すること。

なお、開始申請時において既に農業による収入を得ていない場合については収入認定を行う必要はないものである。

b 被支援世帯については、毎年6月に前年1年分の収入(既に農業による収入を得ていない場合については支援給付受給前に受領した額を除く)総額を12で除した額を基に月額を算定すること。

c bの規定にかかわらず、被支援世帯から、収入の減少により生活維持が困難であるとの申し出があった場合(6月以外の月に申し出があった場合を含む)であって、真にやむを得ないと認められるときには、直近の収入があった月の収入額を12で除した額を月額として算定すること。この場合、当該収入以外の収入(同居している者の収入を除く)についてもそれぞれの認定指針に基づき収入認定額を変更すること。

d a又はcにより収入を認定した場合においては、以降次の6月までの間、当該収入があった都度申告を行わせ、従来の収入認定額に新たな申告額を12で除した額を加えた額により収入認定額を変更すること。なお、収入の認定は収入のあった月から起算して12か月の範囲に限って行うこと。

(カ) 各実施機関ごとに管内の町村別、品目別、等級地別平均反収及び町村別、品目別農作物販売価格を調査し、調整又は補正しておくこと。

ウ 農業以外の事業(自営)収入