添付一覧
○ダプトマイシン製剤の使用に当たっての留意事項について
(平成23年7月1日)
(薬食審査発0701第6号)
(各都道府県・各保健所設置市・各特別区衛生主管部(局)長あて厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)
ダプトマイシン製剤(販売名:キュビシン静注用350mg)(以下「本薬」という。)については、「ダプトマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」を適応菌種、「敗血症、感染性心内膜炎、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染」を適応症として、本日承認(以下「本承認」という。)したところです。
本承認に際しては、
「患者より検出されたMRSAのバンコマイシン及び本薬に対する感受性について調査を実施し、医療関係者に対して、必要な情報提供を継続すること。」
を承認条件としており、また、本薬の不必要な症例に対する無用の暴露に伴うリスクを回避することに加えて、耐性菌の発現を防ぐ等の保健衛生上の観点からも、特に下記の点について留意されるよう、貴管下の医療機関等に対する周知をお願いします。
記
本薬の効能・効果、用法・用量及び主な使用上の注意は次のとおりであるので、特段の留意を願いたいこと。なお、その他の使用上の注意については添付文書を参照願いたいこと。
【効能・効果】
<適応菌種>
ダプトマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
<適応症>
敗血症、感染性心内膜炎、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染
<効能・効果に関連する使用上の注意>
(1) 左心系感染性心内膜炎に対する本剤の有効性は認められていないため、右心系感染性心内膜炎にのみ使用すること。[左心系感染性心内膜炎に対して、国内での使用経験はなく、海外でも有効性は認められていない。]
(2) 本剤は肺炎に使用しないこと。[本剤は肺サーファクタントに結合し、不活性化される。]
【用法・用量】
[敗血症、感染性心内膜炎の場合]
通常、成人にはダプトマイシンとして1日1回6mg/kgを24時間ごとに30分かけて点滴静注する。
[深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染の場合]
通常、成人にはダプトマイシンとして1日1回4mg/kgを24時間ごとに30分かけて点滴静注する。
<用法・用量に関する使用上の注意>
(5) 本剤の使用にあたっては、耐性菌の出現等を防ぐため、次のことに注意すること。
1) 感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで行うこと。
2) 原則として他の抗菌薬及びダプトマイシンに対する感受性を確認すること。[「薬効薬理」の項参照]
3) 投与期間は、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か判定し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。[「臨床成績」の項参照]