添付一覧
○放射性物質が検出された上下水処理等副次産物及び災害廃棄物の当面の取扱いについて
(平成23年6月23日)
(基安発0623第1号)
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部長通知)
(公印省略)
標記について、別添1から3のとおり、原子力災害対策本部から「放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の当面の取扱いに関する考え方」及び「脱水汚泥等の保管、仮置き及び輸送に当たって留意すべき事項」が、環境省から「放射性物質に汚染されたおそれのある災害廃棄物の処理の方針」が示されたので通知する。電離放射線障害防止規則(以下「電離則」という。)において、労働者の健康障害を防止するため、労働者の被ばく管理等を行うことが求められているところ、その適用等に当たっては、下記事項に留意されたい。
なお、別添4のとおり、宮城県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県及び新潟県の各知事に対して通知したことを申し添える。
おって、「「福島県内の下水処理副次産物の当面の取扱に関する考え方」等について」(平成23年5月17日付け基安発0517第1号)は本通達をもって廃止する。
記
1 下水処理場、浄水場、焼却施設、廃棄物処分場等(以下、「下水処理場等」という。)の事業場内において、脱水汚泥及びそれを焼却・溶融したもの並びに災害廃棄物及びその焼却灰(以下、「脱水汚泥等」という。)が電離則第2条第2項の放射性物質に該当する場合又は脱水汚泥等による実効線量が電離則第3条第1項に定める基準(3月につき1.3ミリシーベルト(1時間につき2.5マイクロシーベルト))を超えるおそれがある場合、事業者は、電離則の関連規定を遵守する必要があること。
また、電離則第2条第2項の放射性物質に該当する脱水汚泥等をセメント原料、路盤材等として受け入れる事業場においても、電離則の適用の可能性があることに留意すること。
なお、電離則第2条第2項で定める放射性物質の濃度下限値近傍(下限値のおおむね8割以上)の脱水汚泥等を取り扱う場合、事業者は、電離則第8条及び第9条に準じて作業者の被ばくを測定等することが望ましいこと。
2 放射性物質に該当する脱水汚泥等を運送又は受入れする事業場が適切に被ばく管理等を行うためには、搬出される脱水汚泥等の有害性情報が運送又は受入れする事業者に適切に伝達されることが必要であること。このため、管内の別添5に掲げる放射性物質に該当する脱水汚泥等がある下水処理場等に対し、放射性物質に該当する脱水汚泥等を搬出する際には、搬出される脱水汚泥等の放射性核種の種類、数量、濃度等について、運送又は受入事業者に対し、文書により通知するよう指導すること。
3 下水処理場等又はこれら処理場等から発生した脱水汚泥等を運送又は受入れする事業場から、被ばく管理等について相談があった場合は、適切な対応を行うとともに、必要に応じて、労働衛生コンサルタントや作業環境測定機関(第2号登録)等専門家の紹介等を行うこと。
別添1
放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の当面の取扱いに関する考え方
平成23年6月16日
原子力災害対策本部
福島県内の下水処理場等の脱水汚泥等から放射性物質が検出されたことを受け、5月12日に「福島県内の下水処理副次産物の当面の取扱いに関する考え方」をとりまとめた。その後、福島県以外でも東日本を中心とする各都県において浄水発生土、下水汚泥等から放射性物質が検出されている。このことを受け、先般まとめた上記考え方及びそのとりまとめに際して得た原子力安全委員会からの助言並びに「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の影響を受けた廃棄物の処理処分等に関する安全確保の当面の考え方について」(平成23年6月3日原子力安全委員会決定。以下「安全確保について」という。別添1)を踏まえ、放射性物質が検出された浄水発生土(工業用水道施設から発生するものを含む。)又は下水処理場若しくは集落排水施設から発生する脱水汚泥及び脱水汚泥を焼却・溶融等を行った物(以下「脱水汚泥等」という。)の当面の取扱方針に関する関係府省での検討結果を、以下のとおり取りまとめる。
[1.脱水汚泥等の処理、輸送、保管及び処分について]
(1) 「安全確保について」に示された次の考え方に基づき、周辺住民や作業者が受ける放射線の量を減らすように努めることが重要である。
①処理・輸送・保管に伴い、周辺住民の受ける線量が1mSv/年を超えないようにするとともに、処理施設等の周辺環境の改善措置を併せて行うことにより、周辺住民が受ける放射線の量を抑制するように特段の配慮が必要である。
②処理等を行う作業者が受ける線量についても可能な限り1mSv/年を超えないことが望ましいが、比較的高い放射能濃度の物を取り扱う工程では、「電離放射線障害防止規則」(昭和47年労働省令第41号。以下「電離則」という。)を遵守する等により、適切に作業者の受ける放射線の量の管理を行う必要がある。
③処分の安全性は、処分施設の管理期間終了以後、周辺住民の受ける線量が、基本シナリオに基づく評価において10μSv/年以下であり、変動シナリオに基づく評価が300μSv/年以下であるとの「めやす」に基づき判断する。
この考え方に基づき、脱水汚泥等についてその放射能濃度に応じ、適切に取り扱う。
(焼却・溶融)
(2) 焼却・溶融等による減容化が可能なものは、必要に応じ、(1)の「安全確保について」を担保できるよう適切に管理しつつ減容化する。たとえば、放射性セシウムの濃度が高い脱水汚泥(目安として500,000Bq/kg1を超えるもの)を継続して焼却する場合には、焼却施設の集塵装置の適切な能力を確保する等の措置を講じる。なお、焼却灰については飛散防止のため、容器に封入する等の措置が必要である。
(保管等)
(3) 脱水汚泥等は、必要に応じ減容化等を行い、水道施設、下水処理場、集落排水施設その他適切な施設に保管する。脱水汚泥等の保管等に当たっての留意すべき事項を別添2に示す。
(4) 上記の他、下記の表に従って、居住地域等の敷地境界から適切な距離をとることを前提に、通常時に脱水汚泥等を埋立処分している管理型処分場の埋立敷地内等に仮置きすることができる。なお、固化、希釈等により、脱水汚泥等の134Cs及び137Csの合計濃度が低下した場合には、低下後の濃度で評価する(以下同様とする)。
表2
第一欄 |
第二欄 |
敷地境界からの距離の目安 |
134Cs及び137Csの合計 |
70m |
100,000Bq/kg以下 |
50m |
70,000Bq/kg以下 |
40m |
60,000Bq/kg以下 |
20m |
40,000Bq/kg以下 |
6m |
20,000Bq/kg以下 |
制限なし |
8,000Bq/kg以下 |
(5) 脱水汚泥等について、脱水汚泥等の134Cs及び137Csの合計が100,000Bq/kgを超える場合には、可能な限り当該脱水汚泥等が発生した県内で、適切に放射線を遮へいできる施設で保管することが望ましい。
(処分)
(6) 134Cs及び137Csの合計の濃度が100,000Bq/kg以下3の脱水汚泥等について、跡地を居住等の用途に供しないこととした上で長期的に適切な措置を講じる条件下で埋立処分した場合、跡地からの周辺住民の被ばく線量が年間10μSvを下回るとの試算が得られている。一方、個々に条件が異なる埋立処分された場所については長期的な管理が必要であり環境保全のあり方について検証が必要なことに鑑み、当面、134Cs及び137Csの合計の濃度が8,000Bq/kg以下4の脱水汚泥等については、跡地を居住等の用途に供しないこととした上で、土壌層の設置、防水対策等の適切な対策を講じた埋立処分を可能とする。
また、134Cs及び137Csの合計の濃度が8,000Bq/kg以下の脱水汚泥等であって処分場跡地を農耕、居住等の用途に利用する場合及び8,000Bq/kg超、100,000Bq/kg以下の脱水汚泥等である場合、「安全確保について」の「3.処分について」に示された「めやす」を満たすか否か、個別に安全性を評価し、長期的な管理の方法を検討した上で、埋立処分することも可能とする5。
いずれかの方法で埋立処分を行う場合、管理型処分場が立地する県等は、管理型処分場の跡地の安全性が確保できるまでの期間、モニタリング6や施設の管理等、必要な措置を講じる。
今後、134Cs及び137Csの合計の濃度が8,000Bq/kg超、100,000Bq/kg以下の脱水汚泥等について、跡地利用を居住等の用途に供しないこととした上で改めて個別の評価を要さずに管理型処分場で処分することについて、環境保全のあり方を引き続き検討する。
(7) (5)の保管を行った脱水汚泥等の処分については、「安全確保について」で示された処分の「めやす」を満たすことを基本とし、具体的な処分のあり方については、引き続き検討する。
(8) 脱水汚泥等を処分しようとする排出事業者は、埋立処分の方法(廃棄物処理業者に委託の際には、委託先で行われる方法)について公表するとともに、その処分が適切に行われているか状況を確認し、定期的に県に報告すること。県は報告を受けた際は、速やかに公表すること。
(9) 県及び脱水汚泥等排出事業者は、脱水汚泥等を埋立処分する場合、廃棄物事業者が事業を実施できなくなったときは、当該埋立処分された脱水汚泥等の管理を行うこと。
[2.脱水汚泥等を利用した副次産物の利用について]
(1) 脱水汚泥等を再利用して生産する物については、受け入れる脱水汚泥等の放射能濃度を一定の濃度以下にすることや、他の原材料と混合・希釈すること等を考慮し、事業者等により市場に流通する前にクリアランスレベル以下になることが合理的に確保される物は、利用して差し支えない。7
(2) 例えば、セメントを生コンクリートや地盤改良材として利用する場合には、生コンクリートや土壌と混練する段階まで管理されていることから、少なくともセメントが2倍以上に希釈されることを考慮し、セメントの段階ではクリアランスレベルの2倍の濃度まで許容されることとなる。ただし、セメントとして袋詰めで一般に販売される場合には、販売店に引き渡される前に、セメントの段階でクリアランスレベル以下とすることが必要である。
(3) 再利用に関する評価が定められていない園芸用土等の製品については、当面、製品の出荷を自粛することが適切である。今後、当該製品の利用形態に応じ、関係府省において安全性を評価した上で、出荷を再開する。
(4) 副次産物の利用を適切に行うため、一定程度の放射能濃度が検出された自治体等の水道施設又は下水処理場若しくは集落排水施設では、脱水汚泥等の放射能濃度を継続的に計測することが適当である。
[3.作業者の労働安全衛生管理について]
(1) 被ばく量が合理的に達成できる限り低くなるようにするため、また、埋立処分、副次産物の利用を適切に行うため、脱水汚泥等、焼却・溶融処理施設の排気、埋立処分場の排水等について適切かつ定期的な放射能濃度の測定を行うとともに、必要に応じて関係者が適切な対策を講じる。脱水汚泥等の排出事業者は、脱水汚泥等の仮置きする量や放射能濃度を記録する。
(2) 下水処理場、浄水場、廃棄物処分場等の事業場内において、外部放射線による実効線量が電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「電離則」という。)第3条第1項に定める基準(3月間につき1.3mSv(2.5μSv/h))を超える恐れがある場合、又は脱水汚泥等が電離則第2条第2項の定義に該当する放射性物質に該当する場合には、作業員の安全を確保するため、電離則の関連規定を遵守する。
また、脱水汚泥等が電離則第2条第2項に定める放射性物質に該当する場合には、それをセメント原料、路盤材等として受け入れる事業場においても、電離則が適用される可能性があることに留意する。
なお、電離則第2条第2項で定める放射性物質の濃度下限値近傍の脱水汚泥等を扱う場合には、「安全確保について」の「2.処理・輸送・保管について」に鑑み、作業者の被ばくを測定・管理することが望ましい。
(3) 作業者の受ける線量が1mSv/年を超える場合等において、放射線量を合理的に達成できる限り低くなるよう、事故発生後半年を目途として、その時点で脱水汚泥等から検出される放射能濃度等に基づき、脱水汚泥等の放射能濃度と作業者の受ける放射線量の関係等を再評価する。
[4.備考]
(1) 脱水汚泥等の放射能濃度には地域差や降雨の有無等による日々の変動があると考えられる。また、その性質上、生じた汚泥を希釈する以外に、下水道管理者等やセメント事業者等が放射能濃度を管理することは難しい。算出結果に対数的な処理を行って規定されている放射能濃度の上限値は、一種の「目安」であり、規定されている値を上回る場合でも桁が同じであれば、放射線防護上の安全性について必ずしも大きく異なることはないと考えられる。目安とした放射能濃度を超える値が測定された場合も、放射線を受ける量を詳細に計算で評価する結果によっては、必ずしも回収等を行わずとも適切に対処することができると考える。
(2) 今後、検出実績を大幅に上回る放射能濃度が脱水汚泥等から検出された場合等状況の変化があった場合には、本考え方の見直しを含め、適切に対応していく。
――――――――――
1原子力安全委員会の考え方を踏まえた既存の廃棄物に関する被ばく評価である「放射線障害防止法へのクリアランス制度の導入に向けた技術的検討について」(文部科学省 放射線安全規制検討会クリアランス技術検討ワーキンググループ、平成22年1月以下「RIクリアランス報告書」という。)を基に評価した。
2「低レベル放射性固体廃棄物の埋設処分に係る放射能濃度上限値について」(平成19年5月21日原子力安全委員会)に基づき、操業中のスカイシャインの影響を評価した。
3RIクリアランス報告書を基に、跡地を居住等の用途に供しないこととした場合に周辺住民の受ける線量が10μSv/年以下である放射能濃度を評価した。
4RIクリアランス報告書を基に評価した結果、埋立作業者が受ける線量が1mSv/年を超えないとの試算が得られている放射能濃度である。
5最終的に埋立処分する脱水汚泥等(他の放射性物質が付着又は混入しているものが混合して同管理型処分場に仮置きされている場合にあっては、そのものを含む。)の性状及び量並びに放射性物質の種類及び放射能濃度、管理型処分場立地地点固有の自然環境や社会環境の条件等により安全性が評価され、以下のような事項について確認する。
イ 脱水汚泥等の管理主体及びモニタリングの主体
ロ 放射線防護上管理が必要な期間
ハ 最終的な覆土の厚さ
ニ 浸出水処理施設における放射性物質の処理対策
ホ 最終処分場廃止後の跡地利用条件
ヘ その他放射線防護上必要な事項
ト イからヘに掲げる事項の遵守のため県又は脱水汚泥等の排出事業者が講ずる措置
6浸出水又は地下水の放射能濃度を計測し、「核燃料物質の加工の事業に関する規則等の規定に基づき、線量限度等を定める告示」(平成12年科学技術庁告示第13号)別表第一で示された濃度限度を下回ることを確認することを含む。
7核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第六十一条の二第四項に規定する製錬事業者等における工場等において用いた資材その他の物に含まれる放射性物質の放射能濃度についての確認等に関する規則(平成17年経済産業省令第112号)に規定する金属くず、コンクリートの破片等についてのクリアランスレベルの放射能濃度は、セシウム―134:0.1Bq/g、セシウム―137:0.1Bq/g等であり、放射能濃度の値をそれぞれの放射性核種に応じたクリアランスレベルの放射能濃度の値で除して得られるそれぞれの割合の和が1を超えないこととされている。
別添2
脱水汚泥等の保管、仮置き及び輸送に当たって留意すべき事項
脱水汚泥等の保管若しくは仮置き(以下「仮置き等」という。)又は輸送を行うに際しては、「廃棄物管理施設の安全性の評価の考え方」(平成元年3月27日原子力安全委員会決定)、「第二種廃棄物埋設の事業に関する安全審査の基本的考え方」(平成22年8月9日原子力安全委員会決定)、「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の影響を受けた廃棄物の処理処分等に関する安全確保について」(平成23年6月3日原子力安全委員会決定)等を参考にするとともに、管理型処分場においては廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)の規定を遵守した上で、以下のように取り扱うよう留意されたい。
[1.電離放射線障害防止規則の適用]
脱水汚泥等が電離則第2条第2項に定義する放射性物質(別表左欄に掲げる放射性同位元素のそれぞれの濃度の同表右欄に掲げる濃度に対する割合の和が1を超えるもの)に該当する場合には、電離則の関連規定を遵守すること。
別表(抄)
放射性同位元素の種類 |
濃度(Bq/kg) |
134Cs |
1×104 |
137Cs |
1×104 |
※例えば、脱水汚泥等に含まれる放射性物質が134Cs:4,500Bq/kg、137Cs:5,000Bq/kgだった場合、
4500/10000+5000/10000=0.95<1
であるため、電離則第2条第2項に定義する放射性物質に該当しない。
[2.閉じ込めの機能の強化]
脱水汚泥等を仮置き等又は輸送を行う際には、容器に封入する等脱水汚泥等が飛散しないよう覆うこと。
[3.放射線遮断]
(1) 業務従事者の作業条件や仮置き等を行う施設(以下「施設」という。)の周辺環境を考慮して、十分な放射線の遮へいを行うこと。
なお、放射線の遮へい方法としては、例えば、厚さ15cmのコンクリート壁で覆うと放射線線量当量率が10分の1、30cmの覆土を行うと40分の1程度になるとされている1。
(2) 土壌の上に脱水汚泥等の仮置き等を行う場合には、予め遮水シート等を敷く。また、耐水性材料等で梱包等した対象物を置き、雨水浸入防止のための遮水シート等で覆う、あるいはテントや屋根等で被覆する等適切な対策を講じること。
[4.放射線監視]
(1) 施設が立地する都道府県(以下「施設立地県」という。)は、日に1回又は脱水汚泥等の施設への搬入の度を目途に、放射線遮へい物又は脱水汚泥等を封入した容器等の側面における放射線線量当量率を測定し、記録すること。
(2) 施設立地県は、週に1回を目途に、焼却・溶融等施設の排気における放射能濃度を測定し、記録すること。
(3) 施設立地県は、週に1回を目途に、仮置きしている管理型処分場の浸出水流入水及び処理水における放射能濃度を測定し、記録すること。
(4) 施設立地県は、(1)又は(2)の測定結果に基づき、必要に応じ放射線の遮へいの強化等必要な措置を講じること。
(5) (1)から(2)の測定は、施設立地県が施設管理者に委託しても差し支えない。また、施設立地県は施設管理者と共に、(4)の措置を行う。
(6) (1)から(3)の測定頻度等については、測定結果等に応じ柔軟に対応すること。
[5.管理体制の確立]
(1) 脱水汚泥等排出事業者は、脱水汚泥等の重量及び重量当たりの放射能濃度並びに仮置きする場所を記録し、保管すること。
(2) 施設管理者は、次の各号のいずれかに該当するときは、その旨を直ちに、その状況及びそれに対する処置を遅滞なく施設立地県(ただし、当該施設が廃棄物処理法で定める政令市の許可を得た施設である場合は、県及び当該政令市)に報告し、施設立地県は、必要により国に助言を求め、脱水汚泥等排出事業者及び施設管理者と共に、速やかに対策を講ずること。
イ 脱水汚泥等の所在不明が生じたとき。
ロ 施設が火災等により脱水汚泥等の管理に支障を及ぼしたとき。
ハ 4.(2)及び(3)において測定した放射能濃度が、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則の規定に基づく線量限度等を定める告示(平成13年経済産業省告示第187号)第9条に定める濃度限度を超えたとき。
ニ 脱水汚泥等が施設で漏えいしたとき。
[6.管理型処分場に仮置きする際の留意事項]
(1) 脱水汚泥等排出事業者及び施設管理者は、施設立地県と事前に協議したのも、仮置きすること。
(2) 他の廃棄物等と混合しないよう区別してまとめて仮置きすること。
(3) 脱水汚泥等が飛散しないよう覆う際には、覆土を行ってもよい。覆土を行う場合、4.(1)の測定は、覆土の上部1mで行う。
(4) 脱水汚泥等を仮置きする場所では、地盤の沈下抑制に留意したうえで、予め遮水シート等を敷き、土壌(ベントナイト等)30cm程度の隔離層を設けたうえで、耐水性材料等で梱包等した対象物を置き、即日覆土を行い、雨水浸入防止のための遮水シート等で覆う、あるいはテントや屋根等で被覆する等適切な対策が講じられていること。
なお、脱水汚泥を仮置きする場合は、メタンや硫化水素等のガスを発生する場合もあるので、必要によりガス抜き管を設置するとともに、テント等で被覆する際には換気等を行い、覆土の沈下等に対して適切に管理を行うなど、作業時の安全確保や周辺環境への影響防止のため適切に対応すること。
なお、既存廃棄物層への雨水の浸入を妨げないように留意すること。
(5) 施設立地県及び脱水汚泥等排出事業者は、廃棄物事業者が事業を実施できなくなったときは、当該仮置きされた脱水汚泥等の管理を行うこと。
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1出典:埋設処分における濃度上限値評価のための外部被ばく線量換算係数(2008年、日本原子力研究開発機構)
別添3
放射性物質により汚染されたおそれのある災害廃棄物の処理の方針
平成23年6月19日
原子力発電所の事故に伴って放出された放射性物質により汚染されたおそれのある福島県(避難区域及び計画的避難区域を除く)の災害廃棄物について、次のとおり処理の方針をとりまとめた。
検討に当たっては、想定される処理方法及び放射性物質が影響を及ぼす可能性のある経路を設定し、環境省及び原子力安全・保安院が行った現地調査の結果等を踏まえ、支配的な核種と考えられるセシウム134及びセシウム137が周辺住民及び作業者に及ぼす影響を算定した。この算定の結果を、6月3日に原子力安全委員会によって決定された「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の影響を受けた廃棄物の処理処分等に関する安全確保の当面の考え方」(以下、「原子力安全委員会決定」という。)に示された考え方と比較検討することにより安全評価を行い、処理の方針のとりまとめを行った。
(注1)対象となる地域には、避難区域、計画的避難区域、会津地方及び5月27日に処理を再開することとした10町村を含まない。
(注2)この資料で使用する「処理」は廃棄物処理法の「処理」と同じ意味であり、「処分」や「再生利用」を含んでいる。
1.基本的な考え方
放射性物質により汚染されたおそれのある災害廃棄物の処理に当たっては、原子力安全委員会決定を踏まえ、焼却施設や最終処分場の周辺住民や作業者の安全を確保することを大前提とする。その上で、災害廃棄物の発生量が膨大であることから、可能な範囲で焼却や再生利用を行うことにより、埋立処分量をできるだけ減少させることが望ましい。
災害廃棄物の汚染の程度が高いものがあることやばらつきが大きいことなどによって既存の調査結果から直ちに原子力安全委員会決定に定める「めやす」を満足することを示すことができない場合や、長期的な安全性を確保できないおそれがある場合には、適切な方法で一時保管を行いつつ、国において速やかに安全な処分方法を検討する。
また、念のための措置として、処理施設周辺の空間線量率や地下水、処理施設から排出される排ガス、排水等などのモニタリングを継続して行う。さらに、クリアランスレベルと同程度以下のものを別として、当面の間、福島県内で処理を行いつつ、関係者間の調整を進めるものとする。
2.可燃物の焼却について
木くず等の可燃物について、十分な能力を有する排ガス処理装置が設置されている施設で焼却処理が行われる場合には、安全に処理を行うことが可能である。
具体的には、排ガス処理装置としてバグフィルター及び排ガス吸着能力を有している施設では焼却可能である。また、電気集塵機など他の排ガス処理装置を設置している施設については、試験的に災害廃棄物を焼却して排ガス中の放射性物質の濃度を測定するなどによって、安全性を検討することとする。
3.焼却に伴って発生する主灰及び飛灰の取扱いについて
木くず等の可燃物の焼却に伴って発生する主灰及び飛灰については、作業者の被ばく対策を講じるとともに、跡地の利用を制限することにより、安全な埋立処分が可能である。一方、個々に条件が異なる埋立処分された場所において長期的な管理が必要であり環境保全のあり方について検証が必要なことに鑑み、当面、下記によることとする。
(1) 主灰
放射性セシウム濃度(セシウム134とセシウム137の合計値。以下同じ。)が8,000Bq/kg以下である主灰は、一般廃棄物最終処分場(管理型最終処分場)における埋立処分を可能とする。ここで放射性セシウム濃度の目安8,000Bq/kgは、埋立作業者の安全も確保される濃度レベルであり、原子力災害対策本部において別途検討された上下水処理等副次産物の取扱いと同じである。また、100,000Bq/kgを超える場合には、上下水処理等副次産物の取扱いと同様に、適切に放射線を遮へいできる施設で保管することが望ましい。
なお、主灰の放射性セシウム濃度は、焼却前の可燃物の放射性セシウム濃度のほか、災害廃棄物以外の廃棄物との混焼割合の影響も受けると考えられる。
埋立処分に当たっては、念のために埋立場所を他の廃棄物と分離し、埋立場所を記録しておくこととする。また、埋め立てる主灰と保有水等集排水設備との間に土壌の層が存在するようにする。埋立処分終了後の跡地については、十分な安全性が確認されない限り、居住等の用途に供することは避けることとする。
放射性セシウム濃度が8,000Bq/kgを超える場合は、埋立処分するのではなく、埋め立てられた主灰中の放射性セシウムの挙動を適切に把握し、国によって処分の安全性が確認されるまでの間、一時保管とすることが適当である。一時保管は、最終処分の前の処理の段階であり、次によることとする。
① 放射線を遮へいできる場所におけるドラム缶等での保管
② 一般廃棄物最終処分場(管理型最終処分場)での保管
ア.埋立場所を他の廃棄物と分け、埋立場所を記録する。
イ.土壌(ベントナイト等)で30cm程度の隔離層を設けたうえで、耐水性材料で梱包等した主灰を置く。
ウ.雨水浸入防止のための遮水シート等で覆う、あるいはテントや屋根等で被覆する。
エ.即日覆土を行う。
一時保管の場合、放射性物質による作業者への影響を抑制するため、一日の作業終了後の覆土である即日覆土ではなく、より頻繁な中間覆土や区画毎の覆土を行うことが望ましい。また、それぞれの作業者の主灰を扱う作業時間を制限することが必要となる場合もある。(安全評価においては、覆土の方法は即日覆土、作業時間は1日8時間、年間250日の労働時間のうち半分の時間を主灰のそばで作業すると仮定した。)
また、一時保管の場所は、周辺の居住地域から適切な距離をとることとする。(巻末の注を参照)
(2) 飛灰
集塵機から排出される飛灰は、主灰以上に放射性セシウムが濃縮されやすい。また、飛灰に含まれる放射性セシウムは水に溶出しやすいという報告がある。
このため、飛灰については、放射性セシウム濃度が8,000Bq/kgを超える主灰と同様に、国によって処分の安全性が確認されるまでの間、一時保管とすることが適当であり、100,000Bq/kgを超える場合には、適切に放射線を遮へいできる施設で保管することが望ましい。
また、焼却灰の溶融処理で発生する飛灰も、同様に一時保管とすることが適当である。溶融スラグについても一時保管とすることを原則とするが、8,000Bq/kg以下であることが確認された場合は埋立処分が可能である。
4.不燃物等の直接埋立てについて
不燃物等の災害廃棄物をそのまま又は破砕して安全に埋立処分することが可能である。この場合の埋立処分の方法や跡地の利用に関しては、8,000Bq/kg以下の主灰の場合と同様である。
埋立作業者への影響に関しては、通常の廃棄物を扱う場合と同様にマスク等の着用が必要であるが、放射性物質による影響に着目した特別な対策は不要と考えられる。
5.再生利用について
今回の原子力発電所事故の影響を受けて放射性物質により汚染されたおそれのある災害廃棄物であっても、市場に流通する前にクリアランスレベルの設定に用いた基準(10μSv/年)以下になるよう、放射性物質の濃度が適切に管理されていれば再生利用が可能である。
また、利用する時点でクリアランスレベルを超える場合であっても、被ばく線量を10μSv/年以下に低くするための対策を講じつつ、管理された状態で利用することは可能と考えられる。ここで管理された状態での利用とは、公共用地において路盤材など土木資材として活用する方法が考えられるが、被ばく線量を抑制するため、覆土を行って地表に露出しない方法での使用とすべきである。
放射性物質によって汚染されたおそれのある金属は、汚染がある場合でも金属の表面に留まることから、水などによって表面の汚染を十分に除去することにより、利用できる可能性がある。また、仮置き場に搬出されるまで屋内に置かれていたものについても、利用可能と考えられる。他方、放射性物質による汚染のおそれがあるコンクリートくずを破砕して直接居住用建物のコンクリート壁材等に使用することは、安全性が確認されない限り避けるべきである。
その他の方法の利用の可否や、除染を行ったうえでの利用の方法等について、さらに検討が必要である。
6.必要な調査について
今回、国が行った現地調査の結果等を踏まえ、想定される処理方法及び放射性物質が影響を及ぼす可能性のある経路を設定して安全評価を実施し、その結果を踏まえて、災害廃棄物の処理の方針を取りまとめたところであるが、念のために安全評価の妥当性を確認するための調査を行う必要がある。そこで、比較的空間線量率が高い仮置き場における災害廃棄物の汚染状況の念のための確認、焼却処理に伴う主灰、飛灰、排ガス、排水等の放射性物質の濃度測定、最終処分場における敷地境界での空間線量率や放流水の測定等を行うこととする。
また、津波堆積物(ヘドロ)については、周辺の土壌と同程度の汚染であることが予想されるが、念のために放射性物質の濃度測定を行い、現状を把握する。
7.電離放射線障害防止規則について
作業者の被ばく量が合理的に達成できる限り低くなるようにするため、また、災害廃棄物の焼却、埋立処分、再生利用等を適切に行うため、焼却・溶融処理施設の排気、管理型最終処分場の排水等について適切かつ定期的な放射能濃度の測定を行うとともに、必要に応じて関係者が適切な対策を講じることが必要である。また、焼却灰等管理者は、焼却灰を一時保管する量や放射能濃度を記録する。
災害廃棄物を焼却する施設、埋め立てる管理型最終処分場等の事業場内において、外部放射線による実効線量が電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「電離則」という。)第3条第1項に定める基準(3月間につき1.3mSv(2.5μSv/h))を超える恐れがある場合、又は焼却灰等が電離則第2条第2項の定義に該当する放射性物質に該当する場合(放射性セシウムの場合はセシウム134とセシウム137の濃度の合計が1万Bq/kgを超える場合)には、作業者の安全を確保するため、電離則の関連規定を遵守する。
また、災害廃棄物の破砕されたコンクリート等が電離則第2条第2項に定める放射性物質に該当する場合には、路盤材等として受け入れる事業場においても、電離則が適用される可能性があることに留意する。
なお、電離則第2条第2項で定める放射性物質の濃度下限値近傍の焼却灰等を扱う場合には、「原子力安全委員会決定」の「2.処理・輸送・保管について」に鑑み、作業者の被ばくを測定・管理することが望ましい。
さらに、作業者の受ける線量が1mSv/年を超える場合等において、放射線量を合理的に達成できる限り低くなるよう、災害廃棄物の処理開始後半年を目途として、その時点で焼却灰等から検出される放射能濃度等に基づき、焼却灰等の放射能濃度と作業者の受ける放射線量の関係等を再評価する。
8.避難区域及び計画的避難区域の災害廃棄物の処理方法について
浜通り及び中通りで実施した災害廃棄物の仮置き場周辺の空間線量率と災害廃棄物の放射能濃度の調査の結果、空間線量率が低い地域においては災害廃棄物の放射能濃度のばらつきも小さくなっている。また、放射性物質による災害廃棄物の汚染経路は、大気中に排出された放射性物質の降下によるものと考えられることから、今回の調査で得られた廃棄物の放射能濃度と空間線量率との関係は、福島県下の他の地域にも当てはまると考えられる。
このため、避難区域及び計画的避難区域の中でも、その外側と同程度の空間線量率と推定される地域については上記1~7と同様の方法での処理が可能と考えられる。このような地域の災害廃棄物の処理を円滑に進めるための処理計画の策定に資することを目的として、空間線量率の詳細調査及び災害廃棄物の存在形態に関する予備調査を実施する必要がある。
一方、空間線量率が高い地域の災害廃棄物の処理方法については、今後検討が必要である。これらの地域にあっては、今後、災害廃棄物の種類毎に濃度測定調査を行い、現状を把握しつつ改めて処理方法を検討することとする。
9.その他
(1) モニタリングについて
処理の安全性を確認するため、処理施設周辺の空間線量率や施設周辺の地下水、処理施設から排出される排ガス、排水等などのモニタリングを継続して行うことが必要である。今後、国、県、市町村がそれぞれの立場でモニタリングを行うことが必要と考えられるが、できるだけ統一的な方法でモニタリングを行うことが望ましい。このため、早急にモニタリング技術に関する知見を収集し、モニタリングの方法を検討することが必要である。
(2) 施設の管理主体等について
今回の検討に当たっては、主として、市町村が災害廃棄物を自らの焼却施設や最終処分場で処理することを想定したが、市町村が民間業者に処理を委託して当該民間業者が管理する処理施設で処理する場合もある。放射性物質による汚染のおそれのある災害廃棄物の処理に当たっては、長期的な管理が必要となる可能性が高いことに鑑み、委託処理の場合に、委託者である市町村や施設の指導監督権限を有する県又は政令市の果たすべき役割について、さらに検討が必要である。
(注) 飛灰及び8,000Bq/kgを超える主灰の一時保管について
別途検討された上下水処理等副次産物の一時保管に関しては、下記の表に従って、居住地域等の敷地境界から適切な距離をとることとされている。この距離は、毎日大量の汚泥を一時保管することを想定した場合のものであり、災害廃棄物の焼却に伴って発生する主灰及び飛灰の一時保管の場合にそのまま適用されるものではないが、後者の場合に必要とされる距離が計算されるまでの間、下表の数字に従えば十分に安全なので、参考として示すこととする。
表
第一欄 |
第二欄 |
敷地境界からの距離の目安 |
セシウム134及びセシウム137の合計 |
70m |
100,000Bq/kg以下 |
50m |
70,000Bq/kg以下 |
40m |
60,000Bq/kg以下 |
20m |
40,000Bq/kg以下 |
6m |
20,000Bq/kg以下 |
制限なし |
8,000Bq/kg以下 |
[別添4]
○放射性物質が検出された上下水処理等副次産物及び災害廃棄物の当面の取扱いについて
(平成23年6月23日)
(基安発0623第2号)
(宮城県知事・福島県知事・茨城県知事・栃木県知事・群馬県知事・埼玉県知事・千葉県知事・東京都知事・神奈川県知事・新潟県知事あて厚生労働省労働基準局安全衛生部長通知)
東日本大震災により発生した福島第一原子力発電所の事故に関し、別添1から3のとおり、原子力災害対策本部から「放射性物質が検出された上下水処理等副次産物の当面の取扱いに関する考え方」及び「脱水汚泥等の保管、仮置き及び輸送に当たって留意すべき事項」が、環境省から「放射性物質により汚染されたおそれのある災害廃棄物の処理の方針」が示されたところです。
この考え方を踏まえて、上下水処理等副次産物及び災害廃棄物の取扱い業務を労働者に実施させる場合の電離放射線障害防止規則(以下「電離則」という。)の適用等について、下記のとおりとすることといたしましたので、了知いただくとともに、貴管内市町村にも周知いただきますようお願いします。
なお、別添4により、都道府県労働局長に対して通知していることを申し添えます。
記
1 下水処理場、浄水場、焼却施設、廃棄物処分場等(以下、「下水処理場等」という。)の事業場内において、脱水汚泥及びそれを焼却・溶融したもの並びに災害廃棄物及びその焼却灰(以下、「脱水汚泥等」という。)が電離則第2条第2項の放射性物質に該当する場合又は脱水汚泥等による実効線量が電離則第3条第1項に定める基準(3月につき1.3ミリシーベルト(1時間につき2.5マイクロシーベルト))を超えるおそれがある場合、事業者は、電離則の関連規定を遵守する必要があること。
また、電離則第2条第2項の放射性物質に該当する脱水汚泥等をセメント原料、路盤材等として受け入れる事業場においても、電離則の適用の可能性があることに留意すること。
なお、電離則第2条第2項で定める放射性物質の濃度下限値近傍(下限値のおおむね8割以上)の脱水汚泥等を取り扱う場合、事業者は、電離則第8条及び第9条に準じて作業者の被ばくを測定等することが望ましいこと。
2 放射性物質に該当する脱水汚泥等を運送又は受入れする事業場が適切に被ばく管理等を行うためには、搬出される脱水汚泥等の有害性情報が運送又は受入れする事業者に適切に伝達されることが必要であること。このため、管内の別添5に掲げる放射性物質に該当する脱水汚泥等がある下水処理場等は、放射性物質に該当する脱水汚泥等を搬出する際には、搬出される脱水汚泥等の放射性核種の種類、数量、濃度等について、運送又は受入事業者に対し、文書により通知する必要があること。
(別添1~5 略)
[別添5]
電離則第2条第2項の放射性廃棄物に該当する脱水汚泥等がある下水処理場及び浄水場
(注)以下の情報は、通達発出日において公表されている資料であり、今後、新たな情報が明らかになる可能性があるので、管内の下水処理場・浄水場からの発表に注意すること。また、廃棄物焼却施設については、焼却処理を始めた後に、放射性物質にあたる焼却灰が発生する可能性があることに留意すること。なお、脱水汚泥等を受け入れるセメント工場等については、以下に掲げる都県以外のものもあることに留意すること。
宮城県
事業体名 |
浄水場名 |
採取日 |
Cs―134(Bq/kg) |
Cs―137(Bq/kg) |
備考 |
宮城県 |
仙南・仙塩広域水道南部山浄水場 |
5月30日 |
9,584 |
11,373 |
浄水発生土 |
|
|
14,838 |
17,183 |
|
福島県
処理場名 |
所在市町村名 |
サンプル取得日時 |
核種分析結果(Bq/kg) |
備考 |
|||
|
Cs―134 |
Cs―137 |
Cs合計 |
I―131 |
|
||
県中浄化センター |
郡山市 |
4月30日 |
13,000 |
13,400 |
26,400 |
|
脱水汚泥 |
|
|
165,000 |
169,000 |
334,000 |
|
溶融スラグ |
|
堀河町終末処理場 |
福島市 |
5月2日 |
158,000 |
168,000 |
326,000 |
5,440 |
脱水汚泥 |
|
5月4日 |
216,000 |
230,000 |
446,000 |
6,160 |
|
|
横塚処理場 |
郡山市 |
5月2日 |
7,860 |
8,280 |
16,140 |
96 |
5月2日に採取した汚泥 |
|
|
5月3日 |
3,720 |
3,940 |
7,660 |
69 |
4月25日に採取した汚泥 |
会津若松市浄化工場 |
会津若松市 |
5月3日 |
1,280 |
1,330 |
2,610 |
61 |
脱水直後の汚泥 |
|
|
8,500 |
9,230 |
17,730 |
298 |
原発事故以前から屋外で熟成中の汚泥でもみがら入り |
|
中部浄化センター |
いわき市 |
5月3日 |
857 |
896 |
1,750 |
446 |
汚泥 |
|
|
35,700 |
36,800 |
72,500 |
339 |
ばいじん(※) |
|
|
|
|
17,400 |
18,300 |
35,700 |
215 |
原発事故後に発生した燃え殻(※) |
|
|
|
ND |
ND |
ND |
ND |
原発事故前に発生した燃え殻(※) |
(※)いわき市内の4終末処理場(東部、北部、南部、中部)から発生する汚泥を焼却処理して発生したもの
事業体名 |
浄水場名 |
採取日 |
Cs―134,Cs―137合計(Bq/kg) |
備考 |
福島地方水道用水供給企業団 |
すりかみ浄水場 |
5月12日 |
239,183 |
浄水発生土 |
茨城県
処理場名 |
所在市町村名 |
サンプル取得日時 |
核種分析結果(Bq/kg) |
備考 |
|
|
放射性Cs合計 |
放射性I合計 |
|
||
那珂久慈浄化センター |
ひたちなか市 |
5月3日 |
493 |
290 |
脱水汚泥 |
|
17,020 |
120 |
焼却灰 |
||
|
|
5月11日 |
13,365 |
ND |
焼却灰 |
|
|
5月30日 |
16,800 |
ND |
|